.
「ちょっと子ども作ろうと思うの」
「ぶえっくしょい!」
乙女らしからぬ盛大さでくしゃみをした後
魔理沙は鼻をすすりながら首をかしげた。
「あー、すまん。ちょっと聞こえなかった」
「だから、ちょっと子ども作ろうと」
「ぶえっくっしょい!」
目を閉じ、鼻水を噴出し、しかし私にかからないよう手で口元を覆う。
一息つくと、少し腰をかがめてちり紙で鼻をかんだあと
「ごめん、またちょっと」
「だから、子ども」
「ぶえっくほごぉ?!」
そして繰り出される、私の神々しいダブルフィンガー。
天丼が許されるのは二回までなのである。
「魔理沙。人の話をくしゃみで流すのは行儀がいいとはいえないわ」
「んひ、ぷひぃ、くひぃ」
鼻フックされている魔理沙の声はかわいい。いやそんな話ではない。
穴が繋がるもかくや、といった勢いで突っ込まれた指にふごふごいいながら
ギブアップと言いたげに両手をパタパタさせる。
「話を聞く気になった?」
「はひぃ」
「よろしい」
優しく魔理沙の鼻から指を引き抜くと、そっとハンカチで指をぬぐう。
「で、先ほどの話だけれど」
「はぁ」
「ちょっと子ども作ろうかと思うの」
「いや、そんな卵買ってくるような気軽さで言われても」
鼻を押さえながら、やや涙目で返す魔理沙。
「そんな突然な・・・・・・あ、相手は誰なんだよ」
「あなた」
「布団敷こう。まずはそれからだ」
さすが和食派と感心する間ももらえず
気づいたときには既にYesの烙印が押された枕が目前。
私はそっと裏返し・・・Welcomeだと?!
「あなたはまず人の話を最後まで聞くべきね」
「おう」
冒頭のダメージと興奮と私のパンチで鼻血が出そうになるのをこらえながら、どうにか頷く魔理沙。
大体、修学旅行の猥談レベルで真っ赤になるのに冒険しすぎだろうと思う。
「というか、女同士で子どもなんかできるのか?」
「だから、そのことを相談しようかと思ってたんじゃないの」
きのこに詳しいと聞いてたから期待したのに、どうもそういう実用性はないらしい。
首をかしげている魔理沙に呆れながら、がさごそと外出の準備をする。
「どこ行くんだ?」
「あなたに聞いてもわからなかったから、仕方無しに調査しによ」
「来客中に外出とは恐れ入るぜ」
「あなたの自由さには適わないけどね」
ひらひらと申し訳程度に、ドアを開けて出て行く私。
かくして、いかに女性同士で子を生すかの調査に出向いたのである。
「ちょっと子ども作りたいんだけど」
「大丈夫。優しくするから」
とりあえず子宝関連は神社かしら、と
お茶を啜る霊夢をたずねてみたらこのやり取りである。
返答されてから床に組み敷かれるまで実に2秒。
その妙技に感心しつつ、思い切りヘッドバットをかましてなき事を得た。
私人形遣いなのに。
「・・・・・・で、子作りだって?」
「そう。一応神社でしょう? そういう話には明るいかなと思って」
「んー、そうねぇ」
霊夢は頭を軽くかくと、本棚から埃をかぶった本を取り出し
「ええと。有名どころでは伊邪那岐の子らかしら?
天照、月讀、須佐乃袁は顔を洗った時に生まれたらしいわよ」
「へぇ。顔をね」
「ま、いくら魔法使いでも、顔洗ったぐらいで子どもができるとも思えないけど」
朝起きて洗顔したら娘誕生とか、うかつに化粧もできやしない。
その後適当に頁をめくって、目ぼしい例を教えてくれたあと
適当に本を放り投げてそのまま寝転ぶ霊夢。
「あー、もうこんなもんでしょう」
「そうね。参考になったわ」
ぱたんとメモ帳を閉じ、礼代わりに羊羹を一棹置いて立ち上がる。
「それじゃ、今日はお暇するわ」
「はいはい。次来た時には素敵な美酒でもよろしく」
「気が向いたらね」
だらしなく手を振る霊夢に手を振り返し、次の目的地へと向かう。
さて、次は・・・・・・
「ちょっと子ども作りたいんだけど」
「心配しないで。避妊するから」
静かな湿気が心地よい図書館に踏み入り
2歩目でやりとりした会話がこれだ。
大体、子どもが欲しいと言ってるのに避妊するからって意味がわからない。
おまけに息を荒げて迫ってきたので、加減しつつハイキック。
よく息を切らさないわねと尋ねると
「今日は喘息の調子がいいの」
さすがである。
「・・・で、なんだっけ。子どもの作り方?」
「ええ。神話にもそういう話は多いでしょう?」
「そうねぇ」
パチュリーは適当に本棚から何冊かあさると、眼鏡をかけてしばし読みふける。
「あなた眼鏡なんかかけてたっけ?」
「伊達よ」
「なんでまた」
「これをかけると椅子の調子がいいの」
もちろん椅子はうっとりしている小悪魔。
さすがである。
「ああそうそう、印度のガネーシャは垢をこねられて作られたらしいわ」
「垢ね・・・典型的といえば典型的だけど」
「確かに、日本の昔話にも似たような話があるようだけど」
苦笑するパチュリーに微笑み、さらさらとメモに書きとめる。
得てして古典というものは、何処か共通する部分があるものなのである。
「それより、私が興味深いのはこっちかしら」
「こっち?」
自信満々に見せられたのは、外の世界の参考書。
ただ、表紙を見る限り、受験に向けての指南書にしか見えない。
私が期待しそうな内容は見つからないような気がするのだけれど・・・
「これがなによ」
「いいから読んで見なさいって」
丁寧に渡された本を受け取り、付箋が張ってある部分を開く。
そこに太字ゴシック体で強調されていた一文は
『ヤればデキる』
「ね?」
「ねじゃないわよ」
声を荒げるのはスマートではない。
淡々と右腕に力をこめ、一息と共に図書館の一角に吹き飛ばす。
パチュリーはその速度のまま後ろの本棚に激突し、挟まった小悪魔は色々な意味で果てた。
「さ・・・すがねアリス。腕をあげたわ」
「それはどうも」
軽く会釈して机の上を片付けると、礼代わりに手作りのクッキーをいくつか。
何があろうと、受け取った知識に対する礼は淑女の嗜みである。
「それじゃ、今日はこの辺で失礼するわね」
「そう。それじゃ、また今度ね」
荷物をまとめてから振り向くと
半ばめり込んだ状態で本を読み出すパチュリー。
小悪魔が少し心配だったが、なんだか幸せそうなので放っておいた。
「ただいま・・・っと」
軽く服をはたき、少し伸びをしてからドアを開けると
魔理沙がクッションを抱きしめながら、ソファにもたれてうとうとしていた。
「んぁ・・・ああ、おかえり」
「別にそのまま寝てても構わないわよ?」
「いや・・・・・・起きる・・・」
目をこすりながら体を起こすも、はたから見ればあたかもサンタを一目見ようとする幼子。
この様子だと、明日まで寝てしまったほうが体にいいだろう。
「ほら、毛布もってきてあげるから寝なさいって」
「・・・折角、アリスが帰ってくるまでまってたのに」
欠伸のせいもあり、にじんだ目でぶすっとしながらソファに横になる魔理沙。
「それなら横にいてあげるから、安心して寝なさい」
「・・・・・・おう」
そっと頭を持ち上げ膝の上に乗せると、顔を緩ませ深く目を閉じる。
「おやすみ、魔理沙」
「おやすみ・・・」
綺麗な髪をなでれば、僅かと経たないうちに静かな寝息が聞こえる。
動くのも悪いし、このまま自分も寝てしまおうかと思ったが
そういえば机の上の食器をまだ片付けていない。
「・・・まあ、いいか」
私はソファの背にもたれかかると、静かにそのまま目を閉じた。
この分では、まだまだ子どもを求めるには早すぎる、なんて思いながら。
「ちょっと子ども作ろうと思うの」
「ぶえっくしょい!」
乙女らしからぬ盛大さでくしゃみをした後
魔理沙は鼻をすすりながら首をかしげた。
「あー、すまん。ちょっと聞こえなかった」
「だから、ちょっと子ども作ろうと」
「ぶえっくっしょい!」
目を閉じ、鼻水を噴出し、しかし私にかからないよう手で口元を覆う。
一息つくと、少し腰をかがめてちり紙で鼻をかんだあと
「ごめん、またちょっと」
「だから、子ども」
「ぶえっくほごぉ?!」
そして繰り出される、私の神々しいダブルフィンガー。
天丼が許されるのは二回までなのである。
「魔理沙。人の話をくしゃみで流すのは行儀がいいとはいえないわ」
「んひ、ぷひぃ、くひぃ」
鼻フックされている魔理沙の声はかわいい。いやそんな話ではない。
穴が繋がるもかくや、といった勢いで突っ込まれた指にふごふごいいながら
ギブアップと言いたげに両手をパタパタさせる。
「話を聞く気になった?」
「はひぃ」
「よろしい」
優しく魔理沙の鼻から指を引き抜くと、そっとハンカチで指をぬぐう。
「で、先ほどの話だけれど」
「はぁ」
「ちょっと子ども作ろうかと思うの」
「いや、そんな卵買ってくるような気軽さで言われても」
鼻を押さえながら、やや涙目で返す魔理沙。
「そんな突然な・・・・・・あ、相手は誰なんだよ」
「あなた」
「布団敷こう。まずはそれからだ」
さすが和食派と感心する間ももらえず
気づいたときには既にYesの烙印が押された枕が目前。
私はそっと裏返し・・・Welcomeだと?!
「あなたはまず人の話を最後まで聞くべきね」
「おう」
冒頭のダメージと興奮と私のパンチで鼻血が出そうになるのをこらえながら、どうにか頷く魔理沙。
大体、修学旅行の猥談レベルで真っ赤になるのに冒険しすぎだろうと思う。
「というか、女同士で子どもなんかできるのか?」
「だから、そのことを相談しようかと思ってたんじゃないの」
きのこに詳しいと聞いてたから期待したのに、どうもそういう実用性はないらしい。
首をかしげている魔理沙に呆れながら、がさごそと外出の準備をする。
「どこ行くんだ?」
「あなたに聞いてもわからなかったから、仕方無しに調査しによ」
「来客中に外出とは恐れ入るぜ」
「あなたの自由さには適わないけどね」
ひらひらと申し訳程度に、ドアを開けて出て行く私。
かくして、いかに女性同士で子を生すかの調査に出向いたのである。
「ちょっと子ども作りたいんだけど」
「大丈夫。優しくするから」
とりあえず子宝関連は神社かしら、と
お茶を啜る霊夢をたずねてみたらこのやり取りである。
返答されてから床に組み敷かれるまで実に2秒。
その妙技に感心しつつ、思い切りヘッドバットをかましてなき事を得た。
私人形遣いなのに。
「・・・・・・で、子作りだって?」
「そう。一応神社でしょう? そういう話には明るいかなと思って」
「んー、そうねぇ」
霊夢は頭を軽くかくと、本棚から埃をかぶった本を取り出し
「ええと。有名どころでは伊邪那岐の子らかしら?
天照、月讀、須佐乃袁は顔を洗った時に生まれたらしいわよ」
「へぇ。顔をね」
「ま、いくら魔法使いでも、顔洗ったぐらいで子どもができるとも思えないけど」
朝起きて洗顔したら娘誕生とか、うかつに化粧もできやしない。
その後適当に頁をめくって、目ぼしい例を教えてくれたあと
適当に本を放り投げてそのまま寝転ぶ霊夢。
「あー、もうこんなもんでしょう」
「そうね。参考になったわ」
ぱたんとメモ帳を閉じ、礼代わりに羊羹を一棹置いて立ち上がる。
「それじゃ、今日はお暇するわ」
「はいはい。次来た時には素敵な美酒でもよろしく」
「気が向いたらね」
だらしなく手を振る霊夢に手を振り返し、次の目的地へと向かう。
さて、次は・・・・・・
「ちょっと子ども作りたいんだけど」
「心配しないで。避妊するから」
静かな湿気が心地よい図書館に踏み入り
2歩目でやりとりした会話がこれだ。
大体、子どもが欲しいと言ってるのに避妊するからって意味がわからない。
おまけに息を荒げて迫ってきたので、加減しつつハイキック。
よく息を切らさないわねと尋ねると
「今日は喘息の調子がいいの」
さすがである。
「・・・で、なんだっけ。子どもの作り方?」
「ええ。神話にもそういう話は多いでしょう?」
「そうねぇ」
パチュリーは適当に本棚から何冊かあさると、眼鏡をかけてしばし読みふける。
「あなた眼鏡なんかかけてたっけ?」
「伊達よ」
「なんでまた」
「これをかけると椅子の調子がいいの」
もちろん椅子はうっとりしている小悪魔。
さすがである。
「ああそうそう、印度のガネーシャは垢をこねられて作られたらしいわ」
「垢ね・・・典型的といえば典型的だけど」
「確かに、日本の昔話にも似たような話があるようだけど」
苦笑するパチュリーに微笑み、さらさらとメモに書きとめる。
得てして古典というものは、何処か共通する部分があるものなのである。
「それより、私が興味深いのはこっちかしら」
「こっち?」
自信満々に見せられたのは、外の世界の参考書。
ただ、表紙を見る限り、受験に向けての指南書にしか見えない。
私が期待しそうな内容は見つからないような気がするのだけれど・・・
「これがなによ」
「いいから読んで見なさいって」
丁寧に渡された本を受け取り、付箋が張ってある部分を開く。
そこに太字ゴシック体で強調されていた一文は
『ヤればデキる』
「ね?」
「ねじゃないわよ」
声を荒げるのはスマートではない。
淡々と右腕に力をこめ、一息と共に図書館の一角に吹き飛ばす。
パチュリーはその速度のまま後ろの本棚に激突し、挟まった小悪魔は色々な意味で果てた。
「さ・・・すがねアリス。腕をあげたわ」
「それはどうも」
軽く会釈して机の上を片付けると、礼代わりに手作りのクッキーをいくつか。
何があろうと、受け取った知識に対する礼は淑女の嗜みである。
「それじゃ、今日はこの辺で失礼するわね」
「そう。それじゃ、また今度ね」
荷物をまとめてから振り向くと
半ばめり込んだ状態で本を読み出すパチュリー。
小悪魔が少し心配だったが、なんだか幸せそうなので放っておいた。
「ただいま・・・っと」
軽く服をはたき、少し伸びをしてからドアを開けると
魔理沙がクッションを抱きしめながら、ソファにもたれてうとうとしていた。
「んぁ・・・ああ、おかえり」
「別にそのまま寝てても構わないわよ?」
「いや・・・・・・起きる・・・」
目をこすりながら体を起こすも、はたから見ればあたかもサンタを一目見ようとする幼子。
この様子だと、明日まで寝てしまったほうが体にいいだろう。
「ほら、毛布もってきてあげるから寝なさいって」
「・・・折角、アリスが帰ってくるまでまってたのに」
欠伸のせいもあり、にじんだ目でぶすっとしながらソファに横になる魔理沙。
「それなら横にいてあげるから、安心して寝なさい」
「・・・・・・おう」
そっと頭を持ち上げ膝の上に乗せると、顔を緩ませ深く目を閉じる。
「おやすみ、魔理沙」
「おやすみ・・・」
綺麗な髪をなでれば、僅かと経たないうちに静かな寝息が聞こえる。
動くのも悪いし、このまま自分も寝てしまおうかと思ったが
そういえば机の上の食器をまだ片付けていない。
「・・・まあ、いいか」
私はソファの背にもたれかかると、静かにそのまま目を閉じた。
この分では、まだまだ子どもを求めるには早すぎる、なんて思いながら。
アリスと魔理沙が可愛すぎる!!あと、パチュリーさんは自重してwwww
紅茶を零さないようにじっとしてるのは疲れるが、視線がちょうど座ったパチュリーの股間に行くので私のテーブルとチェンジしてみないか小悪魔? たまには直に柔らか感触を味わってみt
そして小悪魔自重www