Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅魔館のとある一日 魔女と門番

2009/11/28 00:31:29
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ここは紅魔館。ここには吸血鬼とその妹が存在し、人の身でありながらその身を吸血鬼に捧げた従者、
七曜の魔法を操りながらも更なる知識を追い求める魔女、気を操り、弱点のない門番が住む難攻不落の館。

「Zzz……」

この門の前で堂々と寝てる門番を見るととてもそうとは思えないが、とにかく恐ろしい館なのである。
そんな門番に近づく影が一つ。

「……美鈴」

「ふわぁっ!? ね、寝てませんよ!? これは気を練って近づいてくる敵をうんぬんかんぬん……
って、パチュリー様じゃないですか。珍しいですね、外にお出になられるなんて」

紅魔館の門番、紅美鈴に近づいてきたのは、館の主の親友にして偉大なる七曜の魔女、パチュリー・ノーレッジ。
だが、知識を追い求める彼女は一日の全てを館の図書館で過ごす。こうして外に出るのは珍しいのだが。

「まぁ、偶には、ね。あまり引き籠ってばかりと言うのも身体に悪いし」

「そうですよ。これからは一日一回は外に出ませんか? 何でしたら私が付き合いますし」

「貴女は門番の仕事があるでしょう…… でも、それも悪くないかもね」

「でしょう? とりあえず私の次の非番の日にでも一緒に読書しましょう!」

「貴女のは絵ばかりじゃない。それを読書とは言わないわ。とりあえず手頃なところから相対性理論なんかどうかしら。
同じ外の世界の文献なのだけれどなかなか興味深かったわ。あれくらいなら貴女も理解できると思うのだけども?」

「活字のみですと3秒で寝れますので遠慮しておきます」

「どういうことなの……」






「それにしてもヒマなのね、門番って」

どれくらい時間が経ったのだろうか、ふとパチュリーが呟く。

「そうですね。低級妖怪程度なら半径5kmに張った気の膜に阻まれて入ってこれませんし、それを抜けて来たとしても大体の妖怪は知能が低いですからほぼ肉弾戦になります。
いくらなんでも肉弾戦では負けはしないのでそいつらも屋敷の中までは入れません。負けるのは巫女と白黒ぐらいですねー」

あははー、と門番。それを魔女はじろりと睨み

「……そうね、巫女はともかくあの白黒は一番通してはいけない相手なのだけれどね。一体あの白黒にどれだけの本を持っていかれたと思っているのかしら。
その中にはまだ読んでいない本だってあったっていうのに……」

「うう…… 接近戦なら負けないんですが…… すみません……」

しょぼくれる美鈴。
しかしばつの悪そうな顔でパチュリーが続ける

「……まぁ、それを言ったら私も負けてるわけだしね。私たちの寿命は人より遥かに長い。
『死んだら返す』と言ってる事だし、それまで気長に待つとしましょう」

「でも、もし職業魔法使いから種族魔法使いになったらどうします?
あいつの性格からしてありえない話ではないと思いますが……」

「そうね…… 正面きって取り返しにいきましょうか。
相手ももう人ではないのだし、スペルカードなんてまどろっこしいもの使わなくてもいいものね。
その時はもちろんついて来てくれるのでしょう? 美鈴?」

その問いに当然、と言った表情で頷く美鈴。

「はい。当然お供させていただきます。お嬢様の親友ですもの。傷一つつけさせませんよ!」

「頼もしい事ね。その時が来たら期待させてもらうわよ?」

「はい!」





「それじゃそろそろ館に戻るとするわ…… 丁度本も読み終わったしね」

「分かりました。気を付けて歩いてくださいね? 戻る途中に倒れでもされたら困りますから」

「そこまで貧弱でもないわよ…… って、あら……?」

帰ろうと立ち上がった瞬間よろよろとふらめくパチュリー。
それを美鈴は優しく受け止める。

「だから言ったじゃないですか。ずっと座ってたりしてから立つと大抵のヒトはそうなるんですよ?
……眩暈、治まりました?」

「ええ…… もう大丈夫。歩けるわ。」

「本当ですか? なんなら図書館まで着いていきますか?」

「貴女は仕事があるでしょう…… 本当に大丈夫よ、いいクッションのお陰でね」

パチュリーの言葉の意味が理解できないのかキョトンとした様子でパチュリーを見つめる美鈴。
苦笑しつつパチュリーは続ける。

「それとも肉まん2つ、と言った方が通じるかしら?」

ようやく理解したのか顔に朱が差す美鈴。
パチュリーはそんな美鈴の反応が面白かったのか更に続けて

「図書館にはもちろん『そういう』本も大量にあるわよ?
なんなら今度、隣で音読してあげましょうか?」

「も、もうパチュリー様!」

「ふふ…… やっぱり今日は外にでて正解だったわね。貴女の新しい一面が発見出来たわ」

「もう、それぐらい冗談が言えるなら大丈夫ですね。
そろそろ夕方です。気温も下がってきますから早く御戻りください」

微かに、それこそ美鈴にも聞こえない程度の声でパチュリーが呟く。

「別に冗談ではないのだけれど……」

「え? 何か仰いました? パチュリー様?」

「何でもないわ。それじゃあね、美鈴」

「それでは。パチュリー様」







「で、噂をすれば影、ですか」

「私の噂なんかしてたのか? 人気者はつらいぜ」

「今日は何の用です? 咲夜さんからは何も聞いてませんけど?」

「決まってるだろ。本を借りに来たのさ!」

「死ぬまで、ですか。貴女はいつ死ぬんでしょうねぇ? 殺しても死にそうにないですし」

「褒め言葉として受け取っとくぜ。ま、門番如きに時間をかけてらんないからな。サクっと通らしてもらうぜ?」

「やれるもんならやってみてください。今日の私は何故か力が漲ってるんです。……少し、本気出しますよ?」

「へっ、そいつぁ楽しみだ!」
「文化帖5-1弾幕」

「ずr」
ノイン
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
確かにアレはずるいw
2.名前が無い程度の能力削除
弾幕ごっこだと弱キャラってのがそもそも二次設定だからなぁ。本気を出せばこんなもんかも知れない。いや、マスパに吹っ飛ばされるめーりんの話も大好物ですけれどねw
とりあえず、種族・魔法使いに進化した途端に死亡フラグが立ちそうな魔理沙に合掌。
3.名前が無い程度の能力削除
初見殺しww
4.名前が無い程度の能力削除
飛花落葉に初遭遇したときの衝撃は忘れられない