【ナズる】 動詞
意味:探し物をすること、してもらうこと
用例
「えーりん!えーーりーーん!!」
「はいはい、なんですか姫様。」
「ネットで見たんだけどさ、こーりんどーってところに凄い秘宝が隠されてるみたいなの。
ちょっと行ってナズってきてくれない?」
「私も忙しいんですけどねえ……姫様、ご自分で足を運ばれてみては?
自分の目で見た方がよりよい掘り出し物に出会えると思いますが。」
「私もほら、レアアイテムをナズらなきゃいけないのよ。ネトゲの中でね!(キリッ!)」
「上手いこと言ったつもりですか死んでください姫。」
「蓬莱人なのに死ねって言われた!」
【トラマル】 名詞
意味:トラブルの一種。主に物を無くすなどの場合のトラブルをこう表現する
用例
「さくや!さーくーやー!」
「ここに。」
「私のお気に入りのティーカップがトラマルしちゃったのよ。どこに行ったのかしら。」
「それはトラマルではありませんよ。この前お嬢様がご自分で壁に投げつけて壊してたじゃありませんか。」
「あ、あれはパチェが悪いんだもん!私の漫画をトラマルしたっていうから!」
「お嬢様はカリスマを無くすというトラマルに見まわれたようですね。」
「上手い事言ったつもりかおんどりゃー!!」
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――パシャ!パシャ!パシャ!
けたたましくカメラのフラッシュがたかれる。ここは妖怪の山に特別に設置されたとあるスタジオ。ここで今日、ある賞の授賞式が行われていた。
『幻想郷流行語大賞』
名前の通り、一年で一番流行した言葉を選定し、それに関連する人、物に対して賞を与えるという企画だ。
この企画を考え出したのは射名丸文を始めとした天狗チームで、今年で4回目となる。
過去3回で受賞した言葉は以下の通りである。
第1回流行語大賞 『そーなのかー』 受賞者 ルーミア
第2回流行語大賞 『あやややや』 受賞者 射命丸文
第3回流行語大賞 『常識にとらわれてはいけないのですね!』 受賞者 東風谷早苗
第2回の時に企画原案者が賞を取ってしまい、「これはエコヒイキだ!」と世論の強い反発を受けるというハプニングもあったものの、数を重ね幻想郷においてもそれなりの知名度を獲得し、「今年の流行語は何になるかねー」といった会話が日常会話で現れるほどには普及した。
そして今年、審議に審議を重ねた結果、史上初となる二人同時受賞となった。
これはどちらも同じくらい幻想郷で流行ったということ、そして、この二つの単語の意味は非常に強い関係性を持っていて、ある意味セットの単語であるとも言えるものだったからである。
受賞した単語……それは『ナズる』と『トラマル』。意味は冒頭で示した通りである。
代表者としてナズーリンと寅丸星が並んで立っていて、彼女たちに天狗たちのカメラのフラッシュがたかれる。
そして今、射命丸文による受賞者インタビューが行われようとしていた……
――どうも清く正しい射命丸文です。まずは受賞、おめでとうございます。
『ありがとう。』
『……ありがとうございます……』
――まずはナズーリンさん、この賞を受賞して、どのようなお気持ちですか?
『そうだね、素直に嬉しく、そして誇らしい。私は物を探すことを生業としているからね、
物を探すということがそのまま私の名前で表されるというのは、とても嬉しいな。』
――どうして『ナズる』という単語が流行ったと思いますか?
『物を探すってことはとても面倒なことなんだ。それは生業としている私自身もそう思う。
特によく物を無くす人が傍にいる場合はね(チラッ)』
『………』
『だからこそ、「探す」という単語そのものが面倒なものだという響きを含んでしまっているんだ。でもそれを「ナズる」と言いかえることで、頼む方も気楽に、頼まれる方も気楽になれたんじゃないかなと思う。これで、探し物を面倒だと思わなくなる人が増えてくれたら、冥利につきるというものだね。』
――なるほど、ありがとうございます!では次に、『トラマル』で受賞された寅丸星さん!
『……はい。』
――えー、もう一度、『トラマル』について説明して頂けますか?
『……物を無くすという、トラブルのことをさします。』
――その語源は!
『………私が物を……よく無くすからです……』
――もう一度大きな声でお願いします!
『……私が物をよく無くすからです!!』
――ありがとうございます。おや?顔色が優れないようですが
『ううっ、大丈夫です……』
――大丈夫ではなさそうですが、まあいいでしょう。この単語はまさに、「トラブル」とあなたの名前「寅丸」をかけあわせたものですが、どうしてこの単語が生まれたんでしょう?
『……私がいつものように物を無くしたのでナズーリンに頼んだ時のことです……
ただいつもと違ったのは、周りに村紗や一輪やぬえが居て……』
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「あの、ナズーリン。実はまた……」
「……またかい。まったくしょうがないなあ。」
「星ってよく物を無くすよねー。トラブルメイカーならぬトラマルメイカーだね!」
「あははは!物を無くすトラブルがトラマルなのね、わかります!」
「これ面白いから広めようよー」
「「「「わはははは!」」」」
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『……ぐすっ』
――えー、なんだか泣き出してしまいましたがこういうの大好きなんで続けますね。
では、率直に今の喜びの言葉を……
射命丸とナズーリンがニヤニヤしながら星をいぢめていたその時であった
――ガターン!!
突然扉が吹っ飛び、入り口近くにいた天狗もまた吹っ飛ばされた。
どよめく天狗達をかきわけながら入ってきたのは、命蓮寺の主、聖白蓮であった。
「……」
しかしそこにいつもの「あらあらうふふ」な雰囲気は無く、まるで世紀末のように怒のオーラが身を包んでいた。
「あやややや!これは白蓮さん!どうもこんにちは!今あなたの仲間達の栄誉を称えて……」
「そうそう!決して星をいぢめていたわけじゃなくてだね……」
言い訳を始める射命丸とナズーリン。しかし白蓮は二人をギロリと睨み
「黙りなさい。」
と一言。そのあまりの迫力に、二人はへなへなと座り込んでしまう。
「人には誰にでも欠点はあるもの。それを面白おかしく笑い物にするだけでなく、
流行語といった形で世間に振りまき彼女を社会的に貶めようとするその悪行……
誠に愚かで、言語道断であるッ!いざ……」
聖はそのまま拳を振り上げ、地面を叩きつけた。
「南無三っ!!」
その瞬間、星以外の会場に居た全ての者が吹き飛ばされた。
射命丸文は吹き飛ばされつつも、流行語大賞を新たに決めなおす必要があると感じていた。
新たな流行語大賞が発表されたのは、3日後の文々。新聞の一面である。
――第4回幻想郷流行語大賞 『南無三』 受賞者 聖白蓮
了
レミリアの『トラマル』の使い方が違和感。
まぁでも細かいことはいいですね。面白いし。
ナズーリンと射命丸のウザコンビ結成の可能性を見た
頑張れ星ちゃん
何 故 ボ ツ に し た し
ナズるもトラマルもよくぞまあ思いつかれた……脱帽です。
聖さん、自分まで吹っ飛ばしちゃって、お茶目なんだから
ご馳走さまでした
トラマルはトラまるって言ったほうが語呂がいいかもです。
漫画をトラめた、とか。ティーカップがトラまったとか。
星蓮船の方々はネタにしやすくて素晴らしいなぁw
人気投票でも昔「一番好きな台詞」ってのがありましたけど、もうやらないのかな。
『「』と『」』の数が違っている件について