注意!
このSSは以下の様になっております。
・プチ作品集49内の「おもいよ、うたげにひびけ」の続きとなっていますが、こちら単品でも読めます。
・「おっぱい」という単語が飛び交います。
これらに嫌な予感がした人はブラウザの戻るをクリック。
大丈夫という人はスクロールをして、SSをお楽しみください。
それではっ。
今、博麗神社は大いに盛り上がっていた。
いつもの宴会風景ではあるのだが、ある一つの議題によって白熱した議論が繰り広げられているのだ。
その議題とは、
「まったくお前たちは分かっていない。いいか、おっぱいというものは、大きくあるべきなのだ」
「これだからお子様は。いい、おっぱいは優しさでできているのよ。となれば、重要なのは包容力よ」
「違います。おっぱいのアイデンティティとは香りなのです。やんごとなき香りがするおっぱいこそが至高」
「ちがうよっ! 大きくなくてもいいんだよ。小さくてふにふになら、それこそが正義なんだ」
そう、おっぱいである。
先ほど、山の神とスキマ妖怪が「最も優れたお母さんおっぱい」について激しく衝突し、その余波が宴会中に広がっていた。
「つまり、美鈴のおっぱいが一番なのだ!」
「ふんっ。だれがどう考えたって、私の永琳のおっぱいが一番に決まっているじゃない!」
「何をおっしゃいます。幽々子様のおっぱいを知らずに、よくそのような事を!」
「大きさだけを意識してるから駄目なんだよっ。さとりお姉ちゃんのおっぱいが一番なのに」
そう言ってにらみ合い始める四人。ちなみに上からレミリア、輝夜、妖夢、こいしだ。
それぞれがそれぞれの身近な人を推し、議論は平行線上から進まない。周りにはすごい量の酒の空き瓶が転がっている。
おっぱい議論に取り上げられた四人はというと、大きくて困ったこと、という内容の話で盛り上がっており、さとりだけその近くでへこんでいた。
「ええいっ、なぜ分からん! 大きく健康的なおっぱいこそが、全世界で最も求められていることを!」
激高し、叫ぶように言葉を叩きつけるレミリア。両手を突き出し、わきわきとなにかを揉むようなジェスチャーをしている。
「ふんっ。子どもはそうほざいてなさい。安心して包まれる事のできるおっぱいこそが、みんなの夢色なのよ」
静かに、しかし否を唱えることを抑えるような声でそう告げる輝夜。ぼいんぼいんと胸の前で手をせわしなく動かす。
「目に見えるものにばかり、とらわれているから駄目なんです。あの甘い匂いにより、人は無我の境地に至るのです」
凛と、はっきりそう答える妖夢。目を細め、妄想状のふくよかな胸の香りによだれをたらす。
「感覚がすべてなんだよ。無意識のうちに、人はあの小ぶりでふにふにとした感触を、味わいたいと思っているの」
あどけない顔で、そう呟くこいし。手は無意識のうちに、隣にいた燐の胸元に伸びている。
「・・・どうやらこれ以上の話し合いは無駄なようだな」
「そうね、残念だわ」
「しかし、物事ははっきりとさせなければなりません!」
「つまり、誰が正しいかってことね・・・」
そういって静かににらみ合う。周りの人妖は、いいぞやれー!弾幕れ!などと囃し立てている。
そして、四人がスペルカードを取り出そうとした、そのとき。
「ちょっとまったー!!」
その中に飛び込んできた影があった。
「その内容に、異議ありだぜ!」
人指し指を突き付けながら、一升瓶片手に異議を唱えたのは霧雨魔理沙だった。
「何? もしかして邪魔をする気か?」
「いったいどんな要件なの。今からこいつらに、おっぱいが如何なる物なのか、分からせるつもりだったのに」
怒気の向きを魔理沙に変えるレミリアと輝夜。
「もしかして、私の言うことを分かってくれたんですか?」
「そういえば、魔理沙もふにふに~」
味方をしてくれるのではと、期待をする妖夢とこいし。
しかし、魔理沙の口から聞かされたのは、驚きの言葉だった。
「さっきから聞いてると、四人はそれぞれ違う特徴をもったおっぱいが一番だと考えているんだろ?」
「ああ、その通りだ」
「つまりだ、その四人がいう特徴を、持ち合わせたおっぱいを持ったやつがいればいいわけだ」
「確かにそうだけど、そんな人がいるとはおもえないわね」
「へへっ。確かに、普通ならいないな」
「いったいどういうことですか。も、もしかして・・・」
「ああ、そうだ。いるんだ」
「いるって、つまり・・・」
「そうだ! お前らが言う、大きくて健康的で、包容力があって、いい香りがして、ふにふにとしたおっぱいを持っているやつがいるんだ!!!」
「「「「な、なんだってーーーーーーーーーーー!!!!!!??」」」」
その時、四人に電流が走る。
「誰だ! その完全で瀟洒なおっぱいの持ち主は!」
「ありえないわ。そんな難題をクリアするなんて・・・」
「な、なんてことだ。悟りを開いてしまいそうです」
「そんな人がいたら、イドが解放されちゃうよ~」
慌てふためく四人。
それはそうだ。皆の願いをかなえる、パーフェクトなおっぱいが存在するというのだから。
そんな様子をみて、満足そうに頷く魔理沙。
「誰だか、知りたいか」
静かにそう呟いた魔理沙の言葉。それは、最大級の誘惑となって四人に投げかけられた。
周りからも、ごく、と唾を飲む音が聞こえる。そわそわと、落ち着かないやつもいる。
そう、誰もが知りたいのだ。そのパーフェクトおっぱいの持ち主を。
しかし、手をあげることを躊躇ってしまっている。本当にそんなやつがいるのかという疑心暗鬼に陥っているのだ。
「ぐぬぬ。ほ、本当にそんなおっぱいの持ち主がいるんだろうな?」
「ああ、本当だぜ。みんなの願いをかなえるパーフェクトおっぱいだ」
自信満々に答える魔理沙。そこには嘘、偽りは一切感じられなかった。
「どうした、知りたくないのか? パーフェクトおっぱいを!?」
「「「「し、知りたーーーーいっ!!!!」」」」
あっさりと陥落する四人。知りたいと叫ぶポーズまで一緒である。(好きなポーズを思い浮かべてね)
自らが最も優れていると思うおっぱいよりも、その上をいくおっぱいがあるという誘惑に勝てなかったのだ。
レミリアが我先にと、鼻息荒く詰め寄る。
「やれ、はやく言えっ! 誰なんだ!」
「まあまあ、落ち着け。そう焦らなくてもおっぱいは逃げないぜ」
「しかしだな!」
「まったく、仕方ないな。じゃあ教えてやろうじゃないか」
おおーーーーーっ!!と、先ほどの四人だけでなく、まわりで話を聞いていた者たち全員が歓声を上げた。
ほんの少しざわついた後、しんと静まりかえる。
そして、魔理沙の言葉に全員が耳を傾ける。
「おほん。じゃあ言うぜ。そのおっぱいの持ち主とは・・・」
「「「「持ち主とは!?」」」」
「ゆうかりんだーーーーーーー!!」
「「「「なんだってーーーーー!!!!」」」」
魔理沙がそう叫んだ瞬間、宴に参加していたほとんどの人妖が一斉に幽香の方に振り向く。
いきなり自分の名前を叫ばれた幽香はというと、ぽかんとした表情で固まっていた。
隅のほうでリグルと二人で飲んでいたため、まったくこの会話を聞いていなかったのだ。
「な、なに急に私の名前を叫んでるのよ。しかも何よ、ゆうかりんって」
ほぼ全員が自分の方を見ているのに(正確には胸元だが)、そう聞き返しても反応がない。
最初にこの論議を巻き起こしたレミリア達はというと、幽香の胸元を凝視ししながら鑑定を始めた。
「あの服の下に隠していたというのか、風見幽香め・・・」
「改めて見てみると、確かな存在感ねあの胸」
「確かにいい香りがしそうですね。お花の匂いとかそんな感じの」
「あの大きさでふにふにだっていうの・・・。あんびりーばぶる・・・」
眼力をフル活用し、鑑定という名のセクハラを全力で行う。
そして、幽香のおっぱいの凄まじさに見れば見るほど言葉が出なくなってしまう。
そんな様子を見かねて、魔理沙が声をかけた。
「そんなに気になるんなら、直に触ってみればいいじゃないか」
バッ!!! と、振り返る四人。そして、その手があったかと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「確かに、百聞は一見に如かずというしな」
「ええ。確認の作業はとても重要だって、けーねも言ってたしね」
「あくまで確認ですからね。かくにん」
「そうだね。確認だね」
こんな風に周りに言っているが、自分に言い聞かせているのがばればれな四人である。
そしてその後、全員が大きく深呼吸したかと思うと、突如こう叫び幽香に突撃を開始した。
「うおおおおおおお!猪突猛進、不夜城レッド!!」
「その胸は神宝なのかーー!?」
「君の胸元に二百由旬の一閃っ!!」
「無意識なめんなこらぁぁぁぁぁぁ!!!」
四者四様の叫び声とともに、幽香の胸に飛び込んでいく。
「きゃあ! 何するのよ突然! ってちょっと、どこ触ってるのよ! こら、って脱がすな! ダメっ! やめて! いやっ、リグル助け・・・」
さすがの幽香も、この四人の同時攻撃には負けてしまったようである。
さっきまで幽香とリグルしかいなかった境内の隅は、人だかりができてしまっていた。
そこからは、うおおおおおおおおお! だとか、すんげええええええ! だとか、エクステンドーーーーーー!!!!
といった叫び声が聞こえてくる。
そんな様子を見ながら魔理沙は、
「やっぱり皆、おっぱいが大好きなんだな・・・」
と、独り呟いた。
次の日。レミリア、輝夜、妖夢、こいしの四人は、ひどい二日酔いと原因不明の顔の腫れに悩まされたという。
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「ねえ、紫」
「なに、霊夢」
「あっちでおっぱいについて盛り上がってるけど、私が一番好きなおっぱいは紫のだなあ」
「ぶふほあっ!!」
でもやってる事的には合ってる…かなぁ…?
顔の腫れを作ったのは幽花かリグルか
ご馳走様でした
なんという不意打ち
もし見ていないのなら見るがよい。
面白いのかって?
モチロンさぁ!
なぜなら……、
私の友が制作したのだからな!
ふぅ…