あなたは今、目の前にいる人に「好き」と告白したところです。
若かりし初々しく、瑞々しい感性を持って、ご覧下さい。
1.パチュリー・ノーレッジの場合。
「何? 私のことが好き?
何を言っているの? あなたは今日本を読みに来ただけでしょう? ふざけたこと言ってないで、早く本を読むのに集中しなさい。
…………そんなに見られると、気になるわ。
分かったわよ。話くらい、聞いてあげる。私のことが好きになったのよね。
……だったら、あなた。今すぐ小悪魔に替わって、図書館の仕事をしなさい。
私が好きなのでしょう? だったら、私の好きな本くらいは把握しなさい。ほら、今すぐ働いて。
…………ほら見なさい。そんなもんなのよ。私に対する気持ちなんて。分かったら、さっさと本でも……え?
し、仕事するの? 本気? ここはとても大きな図書館なのよ? 小悪魔でも苦労するのに、ましてや空も飛べないあなたじゃ無理よ。は、早く本でも読んでなさいよ!
…………わ、分かったわよ! 仕事しなくていいから! 今すぐそんな危ないところから降りて! お願い!
……そんなに私のことが好きなの? 一部では紫モヤシって呼ばれているのよ? 毎日、こんな陰気臭いところに閉じこもっているダメな魔女なのよ? それなのに、私のことが好きなの?
…………分かったわ。じゃあ、一つお願いがあるの。私のために、本を……読んで。
……あのね、実は、あなたが毎日ここに来るのを、毎日楽しみにしてたの。あなたが傍にいると、いつもトクン、トクンって、鼓動を感じるの。
……私は、何時の間にか、あなたの恋の魔法に掛かっていたかも知れないわね。
さぁ、早く本を読んで。私とあなたの、恋の魔法のために」
2.アリス・マーガトロイドの場合。
「え……? 私のこと……好きなの?
そんな、冗談よしてよ……! だって……私の……私のどこがいいの!? ただの人形作りが得意の引き篭もり女じゃないのっ!
そんな私に……好きなんて言葉……。
…………でも……こんな私でいいなら……私も、あなたと付き合いたい。
あなたは毎日、私が寂しくしているのを知っていて、ここに来てくれる。私が作った人形を嬉しそうに眺めて、私が人形を作ると、喜んでくれる。そんな、あなたなら……付き合っても、いいかな。
なんか、あなたとなら素敵で最高な人形が作れるような気がするのよ。あなたと毎日過ごせたらな、って思う時もあったわ。
――って、これ、ほとんど返事を言っているようなもんじゃないのっ!?
うぅ……分かってるわよ……。ちゃんと、返事するわよ……。
う……わ、私も好きですっ……だから……あなたの、人形を作らせて下さいっ!」
3.鈴仙・優曇華院・イナバの場合。
「ふえぇぇ!? わ、私のことが好きなんですか!?
ど、どうしましょう……私、異性の方から好きって言われたの、初めてなんですよぉ。はわわわ……。
し、師匠なら、なんて言うのでしょうか? やっぱり、大人っぽく、色気を出しながら『いいわよ、あなたの好きにして』なんて言うのでしょうか? む、無理です! 私、子どもですから! 師匠みたく大人っぽくありませんから~!
こ、こんな私でも、よろしいのでしょうか……?
…………えと、わ、分かりました……! 私でよければ、す、好きにして下さい!
みゅう……何だか、返事をしたら心が軽くなりました。それに、今、心の中がぽわぽわと、温かいです。こんな気持ち、初めてです。
これが恋っていうものなんですね。ありがとうございます。それから、こんな兎ですが、よろしくお願いします。
…………えっと……一言、言わせてください。
兎は、寂しいと、死んでしまうんですよ? だから……寂しくしないで下さいね?」
4.上白沢 慧音(満月時)の場合。
「私のことが好きだって……?
ほ、本気か? だって、今の私は……角、生えてるぞ。
……気持ち悪いだろ? 嘘を付かなくていい。人間から見たら、畏怖の対象であることに変わりはないからな……。
…………え? お、お前はまだ私のことを好きというのか!? からかっているのなら、頭突きしてやるぞ!
…………どうやら、嘘では無いらしいな。今のお前の瞳からは、恐怖も何も感じない。ただ……私への好意があるだけだ。
はぁ。お前は変わり者だなぁ……。ハクタクに恋をするなんて、少なくとも、普通の人間じゃあ、まず無理だよ。
ふふふ……あ、あれ? おかしいなぁ……目から涙が出てくる……。
ははは……恥ずかしい限りだな。どうやら、満月の光で目が沁みたらしい……。ほ、本当だからな!? 何だよその顔は! ほ、本当だって!
……と、とにかく! 乙女の涙を見たんだ。責任、取ってもらうからな!」
5.風見 幽香の場合。
「ふーん。私のことが好き、ねぇ……。
気に入ったわ。いいわよ、私の――おもちゃになっても。
ふふふ……それにしても、変わった、というよりは、ずいぶん命知らずな人間なのね。あなたは。
ますます気に入っちゃった。もう止めるなんて言ってもダメよ? あなたは、もう私のモノになったんだから。
ほら、手。おもちゃを落とさないように、私が大事に抱えてあげるわ。そう、私の手を握って。
よし、いいおもちゃね。じゃあ、これからよろしくね。私の大事な、大事な、人間君。
あぁ、簡単に壊れちゃダメよ? それじゃ、あなたも私も楽しくないからね。これからは一緒に生活するのだから、覚悟しといてね?
うふふふふふ……。
さ、それじゃあ、行きましょうか?」
6.四季映姫・ヤマザナドゥの場合。
「はぁ!? わ、私のことが好きぃ!?
な、なななんてことを言ってるのですか! あなたは! 不潔ですよ!
そんなことを言ったって、あなたが罪を犯した時には、容赦しませんよ!
それに、そんな好きなんて言葉を軽々しく言うんじゃありません!
…………え? ほ、本気ですって……?
………………い、いいでしょう! その好きか嫌いかは、この私が白黒はっきり付けてあげます!
何ですか、その顔は? 私は閻魔なのですよ? 例えあなたの恋の問題だとしても、私のことに関することなのですから、私にはそれを裁く義務があるのです!
それより、あなたはそれを聞いたら、すぐに元の場所に戻って下さいよ! いいですか!?
それじゃあ、判決! …………………………………………白、です」
7.八雲 紫の場合。
「私のことが好き? ふーん、そうなの。私のことが好きなの?
うーん……そうねぇ……。
あなた、外の世界に出る覚悟はあるかしら? そう、この幻想郷の外よ。
私はね、外の世界に出て、色々なことをやっているの。
あらかた、やりたいことはやり尽くしてしまったのだけれど、まだやりたいもので、やってないのがあるのよ。
それはね、で~と!
異性の二人――かっぷるが、様々な場所に行って、様々な話や行動をするのよ?
ゆうえんちに行ってじぇっとこーすたーに乗ったりー、すいぞくかんに行って、色んな珍しいお魚を見たりー、えいがかんに行って、えいがを見たりするの。
あぁ、夜景を見ながら、高級れすとらんで『乾杯』なんて言って、しゃんぱんが入ったグラスをカチンっ! てやるのもいいわ~。あぁ、なんかどんどん希望が膨らんできた。ねぇ、今行きましょうよ? 外の世界に。
返事? あぁ、もうおーけーでいいから。ね? 早く行きましょうよ?
さぁさぁ、早く早く! この隙間に入って。大丈夫。怖いのは最初だけよ。すぐに慣れるから。
あぁ、いいわ~。私達、恋人なのよね。カップルなのよね~。それじゃあ、外の世界へ、れっつ、ごー!」
8.水橋 パルスィの場合。
「ふぇ!? わ、私のことが好きなの……?
ダメ! 絶対ダメ! 付き合うことなんて出来ないよ!
だって、それじゃ………………幸せすぎて、私の能力が消えちゃうもん……。
それじゃあ、私は橋姫じゃなくなっちゃう! 私がなくなっちゃう! それじゃあ……ダメだよぉ……
…………ふぇ? 橋姫じゃなくてもいいの? 私が消えてもいいって言うの!?
うぅ……私は所詮、嫉妬しか操れない、醜い女なのっ! こんな私が消えたって……誰も困らないし、悲しまないもんね……。
……ふわ! な、なんで怒るの? なんで、そこまでして、私のことで怒ってくれるの?
…………す、好きだから!? き、消えちゃ困るって………………うぅ……
…………分かった。もう、恐れない。私、橋姫辞めるね? その代わり……『あなたの恋人』の水橋 パルシィになる。 私のために、怒ってくれたあなただから、私の存在をあなたに託すの。だから……一生、私を忘れないでね?」
9.レミリア・スカーレットの場合
「……好きですって? この私、レミリア・スカーレットのことを?
……あなたは私のことを舐めてるの?
いい? 私があなたの恋人になるってことは、あなたはこの紅魔館の主になるってことなのよ?
あんたみたいなひ弱な人間が、私に替わってここを支配することなんて出来ないわ。あきらめなさい。
…………何? まだ何か言いたいことでもあるの? 何言っても無理よ。あきらめなさい。
…………っ! あきらめなさいって言ってるでしょうが!
いい! 世の中いくら好きでも、成し遂げられないものはあるの!
いくらあなたがどんなに私のことを好きになっても、紅魔館の従者達は納得するわけないじゃない!
私だって我慢してんだから、あんたも我慢しなさいよ! ……………………あ。
ち、違うのよ! 今のは、別に私があなたのことが好きでも、紅魔館のために我慢しているわけじゃなくて! えっと、その、あの……そ、そうよ! あなたのために言ったのよ!
いくら両想いでも、無理なものは無理だって……………………
………………………………
うーーーーーーっ!
分かったわよ! 好きよ! あなたのことが好きなの! でも無理なの! みんな納得しないの! 私たちの想いは成就しないの! 分かった!? 分かったら、とっとと屋敷から出て行って!
ふぅふぅ…………………………………………嫌。
やっぱり嫌! あなたを諦めたくない!
そうよ! どうして私が妥協する必要があるの!? みんなが納得できないなら、納得させればいいじゃない!
あなた! 今すぐ戻りなさい! 今から、みんなに紹介するわよ! 何をって? 決まってるでしょ! 『新しい紅魔館の主』をよ!
あ、一つ条件があったわ。これは紅魔館の主になるよりもはるかに重要なことだから、絶対に守りなさい!
私の傍を片時も離れないこと! これが守れなかったら、あんたなんて体中の血液を吸ってやるんだから! いい!? 絶対守るのよ!」
みなさんにも萌えました!
アンタ最高だ!!
頭の悪いコメントをもらっても頑張ってください。
私はこの雰囲気好きですよw
>「~本を読み来ただけでしょう?」
「読みに来た」ではないかと。
続きをありがとうございます。
お腹一杯の胸一杯で御座います。
乙女の皆さん、とっても可愛らしいので「し〇うにーさん」ばりに幸せにして下さる殿方が見つかると良いですね。