うだるような暑さが段々と遠のいていき、心地よい涼しさがそろそろと近付いてくる。
食卓では、ざるそばの代わりに蕎麦が出てくるようになった。
西瓜も葡萄にその場を明け渡す。デザート。
つまり、夏が去り、秋がやってきた――。
――天高く馬肥ゆる秋、皆さまどう過ごされるつもりでしょうか!?
『静葉と穣子の! 冬まで狂いのオヲトシハーベスター!』、始まるよぅ。
パーソナリティは豊穣の神こと私、秋穣子と!
紅葉の神こと。
「秋静葉……」
で、お送りいたします!
実質私一柱じゃないこれ!
ギャラは? ねぇ、ギャラは!?
ごめんなさい、取り乱してしまいましたわ。
この番組は皆様の信仰心で提供しております。
……うん、山の上の二柱に負けてらんないからね!
さて!
頭に秋をつければ何でも話題にできるこの季節!
トップバッターは「食欲」でいきましょう。
花より団子とか言うな!
「此処でお便りを一通……」
フェイスネーム『恋するこちや』ちゃん!
『なぜ巫女を好きになると、こんなにもお腹がすくんでしょう』
それは心が君のこと急かして蹴飛ばしているからで――いいから喰え、腋祝!
無理なダイエットは禁物! 今日のおゆはんは何、姉さん!?
「……穣子ちゃんの栗」
姉さん放送コードって知ってる!?
あ、いやいや、栗御飯、栗御飯です!
塩のきいたお米にほんわか甘い栗が絶品! 正直、私の栗よりも――じゃない!?
「……み・だ・ら」
喧しいわぁっ!
食べてばかりじゃいけないわ。
適度に体を動かさないと太っちゃう。
と言う訳で、次は「運動の秋」をセレクトよ!
「匿名で、二通……」
はいはい、どれどれ。
『諏訪子のスパッツ姿が見たい』
『神奈子のぱっつんぱっつんなブルマ姿が見たい』
ちっくしょう余裕ですか!? お便り、ありがとう!
「夜の大運動会……」
夜のってつけると何でもえっちに聞こえるよね!?
……違うでしょう。それはなんか違うでしょう。
あ、でも、「夜の穣子」っていい響きかも。
「……それはない」
うわぁん、笑顔で言い切るなぁ!
だ、大体姉さんは私を子供扱いするけど、こう見えても大人なんだからね!
ドロワのプリントモノは止めたし、ブラだってつけてるんだから!
まぁ、その、ぱっつんぱっつんには程遠いけど。
「……知らない訳がない」
だからって私のドロワ持ってこないで!
あぁ、プレゼント箱に入れちゃダメ!?
じゃあしょうがないって腋に挟むな! 返しなさぁい!
はい! 体を動かした後は頭を動かしましょう。
幻想郷の識字率だって捨てたもんじゃないんだからっ。
我々神々は言わずもがな、妖怪や妖精だって読み書き算数できるのよ!
「穣子ちゃんは分数が苦手……」
分母とか分子とか訳わかんない!
ん、ん、いいから姉さん、次のお便りを頂戴な。
むむ、ちょっと長いわね。それに、難しそうな漢字が多そう。
「……腰取りながら教えてあげる」
手と足は何処いったの!?
良いわよ読むわよっ。
んぅ、こほん。
『初秋の候、漸く過ごし易い季節となり、灯下親しむころとなりましたが、穣子ちゃんはどうお過ごしでしょう。
私はと言えば適度な気温の有難味を感じつつ、趣味の読書に浸りきりです。
知である文字は血となって、私の体を流れいく――。
なんて言うと大げさでしょうか。
姉さん大好』
って、何よこの唐突な一文!?
「――き。
私は、小さく呟く。
自身の呟きに頬を朱に染め、身を捩る。
熱いのは心だけじゃない――はしたない自身に気付いていた。
朝なのに……思いつつ、私は、右手で膨らみかけの胸をまさぐり、左手をスカートの」
続けない! や、なんでソラで言えるの!?
「私が書いたもの……?」
どうしてそんな当り前の事を聞くのって顔しないでよ!
「……拙いわ、穣子ちゃん」
今度は何よ!?
「私も、火照ってきちゃった……」
濡れろーっ!!
なんでこぉ毎回毎回バケツをぶん回す展開になるのかしら。
姉さんが乾かしている間に次行こ次。
えっと、残るは「芸術の秋」!
げ、芸術かぁ。
正直、苦手な分野なんだよね。
そう言うのは姉さんに任せてるし……。
で、でも、挑戦することに意義がある!
姉さんも素直に褒めてくれるかも知んないし。
「芸術」ボックスのお便りをっと。
わ、真っ赤な絵葉書!
紅葉かな、後で姉さんにも見せてあげよ。
んーと、なになに。『脱いで下さい。撮らせて下さい。あぁでもドロワは穿いたままで』。
……。
フェイスネーム『真実に最も近い天狗』からでした。
あー、椛かな。椛だろうな。射命丸、よく出せたなぁ。次からは書きなおしてね。
「ただいま……」
あ、おかえり姉さん。
「豊かさにする? 稔りにする? それとも、み・の・り・こ……?」
あのね、今、「芸術の秋」をお話してるの。
だけど、やっぱり私には難しくて。
姉さんなら、何かない?
「……私が、芸術」
綺麗だけどさ。
去年やった葉っぱだけの服はどうかと思うわ。
今みたいにちゃんと正装すればもっと信仰も……あれ、服、ぼろぼろじゃない?
「ええ。今の私の格好が、芸術……」
んと。
えーっと。
まさか、ボディペインティング?
「……だから、火照ると拙いって」
落ちちゃうもんね。
や、違、汗だよ、汗で!
別に変な事言ってるわけじゃ!?
「……うん。やっぱり、穣子ちゃんにしましょう」
うわぉう、拙い部分が落ちてきた!
姉さんストップ、ちょっとタンマ!
入ってる、まだ入ってるから!?
「まだ入れてないわ……?」
入れるものがおありでしたか。じゃねぇ!?
放送、放送が入ってるんだってば!
だから――!
「……静葉の秋は、穣子の秋。いただきまぁす」
オチのつもりかぁぁぁぁ! ――ひゃん!?
――――<ぷつっ>
食卓では、ざるそばの代わりに蕎麦が出てくるようになった。
西瓜も葡萄にその場を明け渡す。デザート。
つまり、夏が去り、秋がやってきた――。
――天高く馬肥ゆる秋、皆さまどう過ごされるつもりでしょうか!?
『静葉と穣子の! 冬まで狂いのオヲトシハーベスター!』、始まるよぅ。
パーソナリティは豊穣の神こと私、秋穣子と!
紅葉の神こと。
「秋静葉……」
で、お送りいたします!
実質私一柱じゃないこれ!
ギャラは? ねぇ、ギャラは!?
ごめんなさい、取り乱してしまいましたわ。
この番組は皆様の信仰心で提供しております。
……うん、山の上の二柱に負けてらんないからね!
さて!
頭に秋をつければ何でも話題にできるこの季節!
トップバッターは「食欲」でいきましょう。
花より団子とか言うな!
「此処でお便りを一通……」
フェイスネーム『恋するこちや』ちゃん!
『なぜ巫女を好きになると、こんなにもお腹がすくんでしょう』
それは心が君のこと急かして蹴飛ばしているからで――いいから喰え、腋祝!
無理なダイエットは禁物! 今日のおゆはんは何、姉さん!?
「……穣子ちゃんの栗」
姉さん放送コードって知ってる!?
あ、いやいや、栗御飯、栗御飯です!
塩のきいたお米にほんわか甘い栗が絶品! 正直、私の栗よりも――じゃない!?
「……み・だ・ら」
喧しいわぁっ!
食べてばかりじゃいけないわ。
適度に体を動かさないと太っちゃう。
と言う訳で、次は「運動の秋」をセレクトよ!
「匿名で、二通……」
はいはい、どれどれ。
『諏訪子のスパッツ姿が見たい』
『神奈子のぱっつんぱっつんなブルマ姿が見たい』
ちっくしょう余裕ですか!? お便り、ありがとう!
「夜の大運動会……」
夜のってつけると何でもえっちに聞こえるよね!?
……違うでしょう。それはなんか違うでしょう。
あ、でも、「夜の穣子」っていい響きかも。
「……それはない」
うわぁん、笑顔で言い切るなぁ!
だ、大体姉さんは私を子供扱いするけど、こう見えても大人なんだからね!
ドロワのプリントモノは止めたし、ブラだってつけてるんだから!
まぁ、その、ぱっつんぱっつんには程遠いけど。
「……知らない訳がない」
だからって私のドロワ持ってこないで!
あぁ、プレゼント箱に入れちゃダメ!?
じゃあしょうがないって腋に挟むな! 返しなさぁい!
はい! 体を動かした後は頭を動かしましょう。
幻想郷の識字率だって捨てたもんじゃないんだからっ。
我々神々は言わずもがな、妖怪や妖精だって読み書き算数できるのよ!
「穣子ちゃんは分数が苦手……」
分母とか分子とか訳わかんない!
ん、ん、いいから姉さん、次のお便りを頂戴な。
むむ、ちょっと長いわね。それに、難しそうな漢字が多そう。
「……腰取りながら教えてあげる」
手と足は何処いったの!?
良いわよ読むわよっ。
んぅ、こほん。
『初秋の候、漸く過ごし易い季節となり、灯下親しむころとなりましたが、穣子ちゃんはどうお過ごしでしょう。
私はと言えば適度な気温の有難味を感じつつ、趣味の読書に浸りきりです。
知である文字は血となって、私の体を流れいく――。
なんて言うと大げさでしょうか。
姉さん大好』
って、何よこの唐突な一文!?
「――き。
私は、小さく呟く。
自身の呟きに頬を朱に染め、身を捩る。
熱いのは心だけじゃない――はしたない自身に気付いていた。
朝なのに……思いつつ、私は、右手で膨らみかけの胸をまさぐり、左手をスカートの」
続けない! や、なんでソラで言えるの!?
「私が書いたもの……?」
どうしてそんな当り前の事を聞くのって顔しないでよ!
「……拙いわ、穣子ちゃん」
今度は何よ!?
「私も、火照ってきちゃった……」
濡れろーっ!!
なんでこぉ毎回毎回バケツをぶん回す展開になるのかしら。
姉さんが乾かしている間に次行こ次。
えっと、残るは「芸術の秋」!
げ、芸術かぁ。
正直、苦手な分野なんだよね。
そう言うのは姉さんに任せてるし……。
で、でも、挑戦することに意義がある!
姉さんも素直に褒めてくれるかも知んないし。
「芸術」ボックスのお便りをっと。
わ、真っ赤な絵葉書!
紅葉かな、後で姉さんにも見せてあげよ。
んーと、なになに。『脱いで下さい。撮らせて下さい。あぁでもドロワは穿いたままで』。
……。
フェイスネーム『真実に最も近い天狗』からでした。
あー、椛かな。椛だろうな。射命丸、よく出せたなぁ。次からは書きなおしてね。
「ただいま……」
あ、おかえり姉さん。
「豊かさにする? 稔りにする? それとも、み・の・り・こ……?」
あのね、今、「芸術の秋」をお話してるの。
だけど、やっぱり私には難しくて。
姉さんなら、何かない?
「……私が、芸術」
綺麗だけどさ。
去年やった葉っぱだけの服はどうかと思うわ。
今みたいにちゃんと正装すればもっと信仰も……あれ、服、ぼろぼろじゃない?
「ええ。今の私の格好が、芸術……」
んと。
えーっと。
まさか、ボディペインティング?
「……だから、火照ると拙いって」
落ちちゃうもんね。
や、違、汗だよ、汗で!
別に変な事言ってるわけじゃ!?
「……うん。やっぱり、穣子ちゃんにしましょう」
うわぉう、拙い部分が落ちてきた!
姉さんストップ、ちょっとタンマ!
入ってる、まだ入ってるから!?
「まだ入れてないわ……?」
入れるものがおありでしたか。じゃねぇ!?
放送、放送が入ってるんだってば!
だから――!
「……静葉の秋は、穣子の秋。いただきまぁす」
オチのつもりかぁぁぁぁ! ――ひゃん!?
――――<ぷつっ>
静葉姉さんが良い意味でやらしい。いいぞもっt(ry
「夜の大運動会」は流石に駄目だと思いますよ二柱様。見に逝きますが。スパッツとブルマ最高。
霊夢さん超逃げて。十中八百九十無理だろうけれど。
静葉様を信仰せざるをえない
とりあえず静葉姉さんのボディペインティングが凄く見てみたい。
>『神奈子のぱっつんぱっつんなブルマ姿が見たい』
俺だ