「いえ、私なんてダメダメですよ」
「はぁ……美鈴、あなたはもう少し自分を大切にしなさい」
美鈴が謙虚な性格というのは分かっているが、謙虚すぎるのも考えものだと溜め息を吐くパチュリー。
「あなた、もう少し愛されてるのを知るべきね」
「ふぇ?」
「これを着けなさい」
「これは……青酸カリ!」
「違うわよ」
「ですよねー」
パチュリーが渡したのは黒のチョーカーだった。
中心部に、何か青い宝石のような物が埋め込まれている。
「魔法具なんだけどね。これを着けると、自分に少しでも好意を抱いている者が、それを行動に示してくるというもの」
「う~ん、着けろと?」
「えぇ、あなたは知るべきね。どれだけ愛されてるか」
パチュリーに言われて、仕方無く装着する美鈴。
すると、美鈴の身体を淡い水色の光が包み込んだ。
「あ、言い忘れたけど」
「はい?」
「それ、解除パスを言わないと一日外れないから。解除パスは『私をめちゃくちゃにして下さい……』よ」
「ちょ!?」
「あと、埋め込んでいる賢者の石で好意を数倍に増幅させるから」
「は?」
美鈴は物凄く嫌な予感がした。具体的には今日一日が、恐ろしいことになりそうな感じ。背中を嫌な汗が伝う。
「私には保護魔法施してあるから効かないわ。安心して」
「逆を言えばパチュリー様以外からは……」
「好き好きアタックをされるわね」
今すぐ解除したいが、あんな恥ずかしい言葉を言うのはためらわれる。
そんなとき、突然図書館の扉が音を立てて開かれた。
「パチュリー様、美鈴いらっしゃいますか?」
「そこに」
「ひゃう!? さ、咲夜さん……」
実はとっくに休憩時間は過ぎている。
お仕置されると思った美鈴は、反射的に目をキュッと強く瞑る。
「お仕置が必要みたいね……美鈴」
「す、すみませ……ひゃうんっ!? さ、ささささくっ! 咲夜しゃん!?」
美鈴は、生きてきて初めてこんな声出してしまった、と思った。
だけど、それも仕方無い。何故なら、咲夜が美鈴の太股を指先でなぞったからだ。
「ほら、お仕置なんだから動いちゃダメ」
「ちょ!? パチュリー様、これって!?」
「好き好きアタックね」
好意の表し方が危なすぎる。
「しゃくやしゃん!? し、正気に戻って!」
「私は正気よ。だから、ほら、脚を開いて?」
「正気な人は、スリットに手を侵入させようとしませんよ!」
「あらあら、お盛んね」
ウフフと笑うパチュリー。
美鈴は、この騒動が終わったらパチュリーを吹っ飛ばそうと決意した。
後ろから抱き留めるようにして、美鈴の自由を奪う咲夜に対し、じたばたと暴れる。
「あんまり暴れちゃダメよ」
「なっ!? 身体が動かない!」
「美鈴の手足の時を止めたわ」
「そんな具体的箇所を!?」
手足の自由を奪われて、立っていられなくなる美鈴。
それを、咲夜は腹部に腕を回して支える。
「さぁ、脱ぎ脱ぎしましょうねー」
「嫌ー!?」
「大丈夫、生まれた時は皆裸、って某刑事が言ってたわ」
恐らくそれはダメな特殊刑事だろう、と美鈴は心の中でツッコミを入れた。
ふと目の前ではパチュリーが、大人用賢者の石の上に乗り、バランスを取って遊んでいる。
助ける気は無いようだ。
「ちょっと待ったー!」
今まさに美鈴がいろんな意味で食べられそうになる瞬間、勢いよく扉を開けて入って来たのはレミリア。
「お、お嬢様! 助け――」
「美鈴は私のだ」
「レミィも好き好きアタックね」
「ノー!?」
動けない美鈴を床に寝かせる咲夜。
「お嬢様、いくらお嬢様でも譲れないものがあります」
「ほう? 逆らうの? ならば、美鈴をかけて」
「勝負!」
「ちょっと待ったー!」
レミリアがグングニル、咲夜がナイフを取り出した瞬間、待ったの声がかかる。
「その勝負、私も参戦です!」
「あら、小悪魔も好き好きアタックね」
「にゃー!?」
小悪魔、咲夜、レミリアが対立する。
美鈴がちらりとパチュリーを見ると、一人オセロで将棋をして遊んでいた。
やはり、助ける気は無いようだ。
「あなたに美鈴の素晴らしさが分かる!?」
「美鈴さんの素晴らしいのは、あの美脚です!」
「甘い、あの胸だろう」
「お嬢様も甘いです。あの腰でしょう!」
本人目の前にして、どの部分が魅力的かをギャーギャー口論しながら挙げていた。
「パチュリー様ぁ、助けて下さいよぉ」
「……仕方無いわね」
ダメ元で頼んでみたら、意外にもパチュリーは応じてくれた。
溜め息を吐いて立ち上がるパチュリー。
「そこの馬鹿三人」
パチュリーにそう言われて、激しく恐ろしい目付きで睨む三人。
「みんなそれぞれ美鈴の違う部分が好きなら、みんなで好きな部分を頂いちゃえば良いじゃない」
小さな声で、性的な意味でと付け加える。
その瞬間、三人の目が妖しく光った。
美鈴の背筋に、ぞくりとした何かが走る。
「そうね……争ってちゃダメよね。では私は腰を」
「私は胸を」
「私は脚を頂きます」
「ちょ!?」
じわりじわりと近寄る三人。涎を垂らしながら、目を光らせ、口元は歪んでいる。手を怪しくわきわきと動かしているのが、どこかえっちぃ。
「さぁ! 美鈴! 今よ!」
「な、何がですかぁ!」
「今こそ解除パスを!」
「解除パス……はっ!」
解除パスが頭をよぎる。
恥ずかしくて耐えられないほどの言葉だが、実際に恥ずかしいことをされるよりはマシだ。
そう考えた美鈴は、深呼吸をして決意。
緊張からか、頬が赤い。
「み、みなさん!」
そして、言う。
「わ、私をめちゃくちゃにして下さい……」
恥ずかしさのあまりに、ぷるぷると小動物のように震える。
少し涙目だ。
「分かったわ……美鈴」
「大胆ね。よし、激しくする」
「めちゃくちゃにしてあげましょう」
三人が物凄く嬉しそうにそう言った。
「ちょ!? パチュリー様! 解除されて無いじゃないですか!」
慌ててパチュリーに問い掛けるが、パチュリーは眠たそうな目で言う。
「いや、まさか本当に言うなんて……」
「ウザっ!? 最悪です!」
「まぁ、一日たっぷり愛されなさい」
「ひっ!?」
三人の涎で床が1cmほど埋まっていた。
そして、美鈴に飛び掛かる三人。
叫ぶ美鈴。
笑うパチュリー。
過剰な愛は相手を困らせるので、やめましょう。
はさみ将棋ですね、わかります。
一番安全な気がしますwww
続きはあっちに…あれ?なんて叫べばいいのかな…
AA化されてないか探してくる
にゃんとw
>>アイス様
残念ながら、あなたが妹様だと思って添い寝してる相手は私です。
>>3様
無邪気に戯れる姿が想像出来ますw
>>4様
地味にそうでしたw
>>5様
頭が良いとフリーダムなのでしょうw
>>6様
まさにやられましたね。
>>7様
その発想はありませんでしたw
>>8様
さすがにありませんw
>>謳魚様
なるほどそういう展開ですか!
>>10様
意外に想像しやすいですw
良い作品をありがとう!