Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

愛が重い

2009/08/11 22:12:33
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「いえ、私なんてダメダメですよ」
「はぁ……美鈴、あなたはもう少し自分を大切にしなさい」

 美鈴が謙虚な性格というのは分かっているが、謙虚すぎるのも考えものだと溜め息を吐くパチュリー。

「あなた、もう少し愛されてるのを知るべきね」
「ふぇ?」
「これを着けなさい」
「これは……青酸カリ!」
「違うわよ」
「ですよねー」

 パチュリーが渡したのは黒のチョーカーだった。
 中心部に、何か青い宝石のような物が埋め込まれている。

「魔法具なんだけどね。これを着けると、自分に少しでも好意を抱いている者が、それを行動に示してくるというもの」
「う~ん、着けろと?」
「えぇ、あなたは知るべきね。どれだけ愛されてるか」

 パチュリーに言われて、仕方無く装着する美鈴。
 すると、美鈴の身体を淡い水色の光が包み込んだ。

「あ、言い忘れたけど」
「はい?」
「それ、解除パスを言わないと一日外れないから。解除パスは『私をめちゃくちゃにして下さい……』よ」
「ちょ!?」
「あと、埋め込んでいる賢者の石で好意を数倍に増幅させるから」
「は?」

 美鈴は物凄く嫌な予感がした。具体的には今日一日が、恐ろしいことになりそうな感じ。背中を嫌な汗が伝う。

「私には保護魔法施してあるから効かないわ。安心して」
「逆を言えばパチュリー様以外からは……」
「好き好きアタックをされるわね」

 今すぐ解除したいが、あんな恥ずかしい言葉を言うのはためらわれる。
 そんなとき、突然図書館の扉が音を立てて開かれた。

「パチュリー様、美鈴いらっしゃいますか?」
「そこに」
「ひゃう!? さ、咲夜さん……」

 実はとっくに休憩時間は過ぎている。
 お仕置されると思った美鈴は、反射的に目をキュッと強く瞑る。

「お仕置が必要みたいね……美鈴」
「す、すみませ……ひゃうんっ!? さ、ささささくっ! 咲夜しゃん!?」

 美鈴は、生きてきて初めてこんな声出してしまった、と思った。
 だけど、それも仕方無い。何故なら、咲夜が美鈴の太股を指先でなぞったからだ。

「ほら、お仕置なんだから動いちゃダメ」
「ちょ!? パチュリー様、これって!?」
「好き好きアタックね」

 好意の表し方が危なすぎる。

「しゃくやしゃん!? し、正気に戻って!」
「私は正気よ。だから、ほら、脚を開いて?」
「正気な人は、スリットに手を侵入させようとしませんよ!」
「あらあら、お盛んね」

 ウフフと笑うパチュリー。
 美鈴は、この騒動が終わったらパチュリーを吹っ飛ばそうと決意した。
 後ろから抱き留めるようにして、美鈴の自由を奪う咲夜に対し、じたばたと暴れる。

「あんまり暴れちゃダメよ」
「なっ!? 身体が動かない!」
「美鈴の手足の時を止めたわ」
「そんな具体的箇所を!?」

 手足の自由を奪われて、立っていられなくなる美鈴。
 それを、咲夜は腹部に腕を回して支える。

「さぁ、脱ぎ脱ぎしましょうねー」
「嫌ー!?」
「大丈夫、生まれた時は皆裸、って某刑事が言ってたわ」

 恐らくそれはダメな特殊刑事だろう、と美鈴は心の中でツッコミを入れた。
 ふと目の前ではパチュリーが、大人用賢者の石の上に乗り、バランスを取って遊んでいる。
 助ける気は無いようだ。

「ちょっと待ったー!」

 今まさに美鈴がいろんな意味で食べられそうになる瞬間、勢いよく扉を開けて入って来たのはレミリア。

「お、お嬢様! 助け――」
「美鈴は私のだ」
「レミィも好き好きアタックね」
「ノー!?」

 動けない美鈴を床に寝かせる咲夜。

「お嬢様、いくらお嬢様でも譲れないものがあります」
「ほう? 逆らうの? ならば、美鈴をかけて」
「勝負!」
「ちょっと待ったー!」

 レミリアがグングニル、咲夜がナイフを取り出した瞬間、待ったの声がかかる。

「その勝負、私も参戦です!」
「あら、小悪魔も好き好きアタックね」
「にゃー!?」

 小悪魔、咲夜、レミリアが対立する。
 美鈴がちらりとパチュリーを見ると、一人オセロで将棋をして遊んでいた。
 やはり、助ける気は無いようだ。

「あなたに美鈴の素晴らしさが分かる!?」
「美鈴さんの素晴らしいのは、あの美脚です!」
「甘い、あの胸だろう」
「お嬢様も甘いです。あの腰でしょう!」

 本人目の前にして、どの部分が魅力的かをギャーギャー口論しながら挙げていた。

「パチュリー様ぁ、助けて下さいよぉ」
「……仕方無いわね」

 ダメ元で頼んでみたら、意外にもパチュリーは応じてくれた。
 溜め息を吐いて立ち上がるパチュリー。

「そこの馬鹿三人」

 パチュリーにそう言われて、激しく恐ろしい目付きで睨む三人。

「みんなそれぞれ美鈴の違う部分が好きなら、みんなで好きな部分を頂いちゃえば良いじゃない」

 小さな声で、性的な意味でと付け加える。
 その瞬間、三人の目が妖しく光った。
 美鈴の背筋に、ぞくりとした何かが走る。

「そうね……争ってちゃダメよね。では私は腰を」
「私は胸を」
「私は脚を頂きます」
「ちょ!?」

 じわりじわりと近寄る三人。涎を垂らしながら、目を光らせ、口元は歪んでいる。手を怪しくわきわきと動かしているのが、どこかえっちぃ。

「さぁ! 美鈴! 今よ!」
「な、何がですかぁ!」
「今こそ解除パスを!」
「解除パス……はっ!」

 解除パスが頭をよぎる。
 恥ずかしくて耐えられないほどの言葉だが、実際に恥ずかしいことをされるよりはマシだ。
 そう考えた美鈴は、深呼吸をして決意。
 緊張からか、頬が赤い。

「み、みなさん!」

 そして、言う。

「わ、私をめちゃくちゃにして下さい……」

 恥ずかしさのあまりに、ぷるぷると小動物のように震える。
 少し涙目だ。

「分かったわ……美鈴」
「大胆ね。よし、激しくする」
「めちゃくちゃにしてあげましょう」

 三人が物凄く嬉しそうにそう言った。

「ちょ!? パチュリー様! 解除されて無いじゃないですか!」

 慌ててパチュリーに問い掛けるが、パチュリーは眠たそうな目で言う。

「いや、まさか本当に言うなんて……」
「ウザっ!? 最悪です!」
「まぁ、一日たっぷり愛されなさい」
「ひっ!?」

 三人の涎で床が1cmほど埋まっていた。
 そして、美鈴に飛び掛かる三人。
 叫ぶ美鈴。
 笑うパチュリー。

 過剰な愛は相手を困らせるので、やめましょう。
フランドール様は部屋で眠ってたそうな。
唯一平和でしたね、妹様。
どうも、喉飴です。
少しでも楽しんで下さったなら、幸い。

わふっ!
喉飴
http://amedamadaisuki.blog20.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
>オセロで将棋をして遊んでいた
はさみ将棋ですね、わかります。
2.アイス削除
でわ私は妹様の添い寝をさせていただきます
3.名前が無い程度の能力削除
もし、妹様がいても、無邪気に戯れてくるので
一番安全な気がしますwww
4.名前が無い程度の能力削除
あの台詞伏線だったのかいw
5.名前が無い程度の能力削除
パチュリーさんやってることがフリーダムすぎるwww
6.名前が無い程度の能力削除
はめられたな美鈴!(二重の意味で
7.名前が無い程度の能力削除
大人用賢者の石…卑猥だと思ってしまった…

続きはあっちに…あれ?なんて叫べばいいのかな…
8.名前が無い程度の能力削除
イカロで続きをまってます
9.謳魚削除
ぱちゅめーフラグを期待した私は負け犬でしたか…………!
10.名前が無い程度の能力削除
玉乗りぱっちぇさん
AA化されてないか探してくる
11.喉飴削除
>>1様
にゃんとw

>>アイス様
残念ながら、あなたが妹様だと思って添い寝してる相手は私です。

>>3様
無邪気に戯れる姿が想像出来ますw

>>4様
地味にそうでしたw

>>5様
頭が良いとフリーダムなのでしょうw

>>6様
まさにやられましたね。

>>7様
その発想はありませんでしたw

>>8様
さすがにありませんw

>>謳魚様
なるほどそういう展開ですか!

>>10様
意外に想像しやすいですw
12.名前が無い程度の能力削除
ごめん、妹様より作者に添い寝したくなっちゃった。
良い作品をありがとう!