「ちょっと」
紅魔館で本を読んでいたら、アリスが声をかけてきた。
今日は紅魔館の魔女主催の読書会。招待された私達は、揃って本を広げていたところだ。
私は、主公認で本が読めるせっかくの機会を逃すまいと、難解な魔法理論に集中していた。
集中しすぎて、アリスに声をかけられるまで、自分の紅茶が冷めているのにも気づかなかったくらいだ。
「なんだよ」
返事をしつつ、冷めた紅茶のカップを手に取る。
せっかく没頭していたのに、と多少不機嫌に思いながら振り返ると、アリスは浅く眉を立てていた。
「どういうつもり?」
アリスは平坦な口調でそう言った。怒っているようだ。
なにか私はやらかしたんだろうか?
時間稼ぎに紅茶を口に運ぼうとして、違和感に気が付いた。
何か邪魔なものが口に入っている。
それを取り出そうとしたところで、アリスがさらに言ってきた。
「どういうつもりで私の手を食べてるのかって聞いてるのよ」
「えっ、わっ、わりぃ」
魔理沙が慌てて私の手を離してそう言った。
まったく、大目に見ていると思ったら調子に乗って。
読書に集中している魔理沙の手が、何かを探しているようにうろうろしているのには気づいていた。
魔理沙は集中すると、まわりのものを手にとっていじりまわす。
今日はずいぶん没頭しているようだから、ああ、またかと思ってはいたのだが、
まさか私の手にまでその魔手が伸びてくるとは思わなかった。
魔理沙の手が、紅茶に伸ばした私の手をゆるく掴んだ。
人差し指の腹で、私の指の背をゆっくり擦る。
思わず顔を上げて抗議しようとするが、魔理沙は完全に本の世界に没頭しているようだ。
まあ実害はないし、魔理沙の集中を乱すのも悪いな、と気を使ってなにも言わないでいたら、
その手はどんどんエスカレートしてきた。
最初は私の手を擦るぐらいだったものが、関節を曲げ伸ばししたり、頬にあててすりすりしたり。
唇で私の手をふにふにしたあたりでわたしの気遣いは限界に達した。
まったく、人を巻き込まないで欲しいものである。
こいつらアホじゃないだろうか。
それが二人をみるパチュリーの見解である。
魔理沙がアリスの手を離して、二人は再び読書の体勢に入った。それはいい。
魔理沙も気を使ったのか、アリスに背を向けて本を読み始めた。それもいい。
だが、アリスが魔理沙の背中をいじりだしたのは、どういうことだろうか。
アリスは本を読むときは、頭を固定していないとダメなのか、よく何かに寄りかかっている。
本棚だったり、背もたれだったり様々だか、今日は魔理沙の背中にターゲットを定めたようだ。
額を背中にべったりつけてぶつぶつ何かを言っている。
視線は本に向かっているようで、魔理沙が居心地悪そうに身じろぎしたことにはまったく気づいていないようだ。
それどころか、あてるのは額だったり、頬だったり、鼻だったり。
最終的に魔理沙の肩にあごを乗っけたあたりで魔理沙の我慢も限界に達したらしく、
またわやわやと騒ぎ出した。いいかげんにして欲しいものである。
新しい紅茶を出すよう、小悪魔に言いつけながらパチュリーは思った。
まったく、無くて七癖とはよく言ったものだ。
紅魔館で本を読んでいたら、アリスが声をかけてきた。
今日は紅魔館の魔女主催の読書会。招待された私達は、揃って本を広げていたところだ。
私は、主公認で本が読めるせっかくの機会を逃すまいと、難解な魔法理論に集中していた。
集中しすぎて、アリスに声をかけられるまで、自分の紅茶が冷めているのにも気づかなかったくらいだ。
「なんだよ」
返事をしつつ、冷めた紅茶のカップを手に取る。
せっかく没頭していたのに、と多少不機嫌に思いながら振り返ると、アリスは浅く眉を立てていた。
「どういうつもり?」
アリスは平坦な口調でそう言った。怒っているようだ。
なにか私はやらかしたんだろうか?
時間稼ぎに紅茶を口に運ぼうとして、違和感に気が付いた。
何か邪魔なものが口に入っている。
それを取り出そうとしたところで、アリスがさらに言ってきた。
「どういうつもりで私の手を食べてるのかって聞いてるのよ」
「えっ、わっ、わりぃ」
魔理沙が慌てて私の手を離してそう言った。
まったく、大目に見ていると思ったら調子に乗って。
読書に集中している魔理沙の手が、何かを探しているようにうろうろしているのには気づいていた。
魔理沙は集中すると、まわりのものを手にとっていじりまわす。
今日はずいぶん没頭しているようだから、ああ、またかと思ってはいたのだが、
まさか私の手にまでその魔手が伸びてくるとは思わなかった。
魔理沙の手が、紅茶に伸ばした私の手をゆるく掴んだ。
人差し指の腹で、私の指の背をゆっくり擦る。
思わず顔を上げて抗議しようとするが、魔理沙は完全に本の世界に没頭しているようだ。
まあ実害はないし、魔理沙の集中を乱すのも悪いな、と気を使ってなにも言わないでいたら、
その手はどんどんエスカレートしてきた。
最初は私の手を擦るぐらいだったものが、関節を曲げ伸ばししたり、頬にあててすりすりしたり。
唇で私の手をふにふにしたあたりでわたしの気遣いは限界に達した。
まったく、人を巻き込まないで欲しいものである。
こいつらアホじゃないだろうか。
それが二人をみるパチュリーの見解である。
魔理沙がアリスの手を離して、二人は再び読書の体勢に入った。それはいい。
魔理沙も気を使ったのか、アリスに背を向けて本を読み始めた。それもいい。
だが、アリスが魔理沙の背中をいじりだしたのは、どういうことだろうか。
アリスは本を読むときは、頭を固定していないとダメなのか、よく何かに寄りかかっている。
本棚だったり、背もたれだったり様々だか、今日は魔理沙の背中にターゲットを定めたようだ。
額を背中にべったりつけてぶつぶつ何かを言っている。
視線は本に向かっているようで、魔理沙が居心地悪そうに身じろぎしたことにはまったく気づいていないようだ。
それどころか、あてるのは額だったり、頬だったり、鼻だったり。
最終的に魔理沙の肩にあごを乗っけたあたりで魔理沙の我慢も限界に達したらしく、
またわやわやと騒ぎ出した。いいかげんにして欲しいものである。
新しい紅茶を出すよう、小悪魔に言いつけながらパチュリーは思った。
まったく、無くて七癖とはよく言ったものだ。
テンポよく笑えるいい作品ですね。
テンポよく笑えるいい作品ですね。
でもこの作品はあまり大好きです
故にこのSSが大好きです。
これは可愛い!
訴えられるぞ、あんたwww
大袈裟に出して自分で気付きやすくするための道具だっけなw
昨日漫画喫茶で読み返して来たわ