この止まない雨は一体いつまで降り続けるのか。
秋姉妹たちは住処で雨が止むのを待つだけの毎日を送り続けている。
けーろけろけろかえるのこー まんまるおめめのーかみーさーまー
外で誰かが調子っ外れに歌う声が聞こえるが、そんなの二人には関係なかった。
「暑いねぇ……」
寝そべっている穣子がつぶやくと、すかさず静葉が反応する。
「ええ、暑いわ」
彼女は部屋の隅っこで壁に背もたれて気だるそうに自分の髪の毛をいじっていた。
「こんな蒸し暑いときは何をすればいいの?」
「そうね。この蒸し暑さを楽しみなさい」
「無理」
即答する穣子。それも当然、こんな暑さをどうすれば楽しめるのか彼女には想像できなかった。と言うか、むしろこの茹だるような暑さによって思考回路は、ショート寸前もとい機能停止寸前だった。
「穣子ったら、脳波が止まりかけてるわよ」
「そんなの分かるの!?」
「姉は何でも知っている」
「じゃあ、私のスリーサイズとかわかる?」
何気なく放った穣子の問いかけに対し、静葉は不敵な笑みを浮かべて答える。
「ええ、もちろんよ。上から100、100、100ね」
「どこのドラム缶よ。それ」
思わず突っ込みを入れる穣子。すると静葉は、たしなめるように言い返す。
「あら、穣子。それはドラム缶の神様に失礼よ」
「そんな神様聞いたことないわよ」
それ聞いた穣子は両手を広げ呆れたようなしぐさでつぶやく。
「もう、穣子ったら神様なのに知らないの?」
「知らないわよそんなの」
穣子は不機嫌そうに言い捨てる。
「ちょっと外見てらっしゃい」
姉に促されるように穣子は外へ行ってみる。
外は相変わらずうっとうしい雨が降り続けている。
ふと何かの気配がしたので彼女が後ろを振り向くと
「けろけーろ。私ケロちゃん。今あなたのそb……」
変なカエルがいたので、穣子はすぐ家の中に戻った。
中に戻ると静葉は壁に生えた変なキノコを見つめているところだった。
「ただいま」
「おかえりなさい。どう? いたでしょドラム缶の神様」
「いなかったわ。いたのは変なカエルだけだった」
「あら、おかしいわね。カエルの神様は呼んだ記憶がないんだけど」
「本当にいなかったわよ」
「じゃあ、姉さんが確かめてくるわ」
今度は静葉が外へ出る。案の定、例のカエルに出くわす。
「けーろけろ?」
「あなたが変なカエルさんね。ケロ?」
「けろけろけろー」
「ケロケーロ」
「けろー! けろ?」
「ケロロケロロ」
静葉は流暢なケロ語で、自称ケロちゃんと名乗ったカエルと話すだけ話をした後、家の中へ帰ってきた。
家の中では穣子が天井から落ちてくる雨粒を目で追っているところだった。
「ただいま」
「あ、姉さん。どうだった?」
「ええ、思わぬ結末が待っていたわ」
「は?」
「聞いて驚きなさい。表にいるカエルが実はドラム缶の神様だったのよ」
「えぇ!?」
素直に驚く穣子。更に静葉は続ける。
「これは意外な結末だったわね。流石の私も予想つかなかったわ。まさに人ならぬ、カエルを見た目で判断してはいけないってところね」
「それでそのドラム缶の神様は?」
「お腹すいたからって帰ったわ」
「あらら、残念」
「大丈夫。彼女はきっとまた現れるわよ。そう、私たちが望む限り」
そう言って、さも意味ありそうに窓の外を眺める静葉。それを見ていた穣子が思わず言い放つ。
「ねえ、姉さん。綺麗にまとめようとはしてるけど無理があるわ」
「そうね……でも仕方ないわ。だってドラム缶ですもの」
「そうだね。ドラム缶じゃ締まるわけないよね……」
静葉はため息をついて一言つぶやいた。
「明日は晴れるといいわね」
秋姉妹たちは住処で雨が止むのを待つだけの毎日を送り続けている。
けーろけろけろかえるのこー まんまるおめめのーかみーさーまー
外で誰かが調子っ外れに歌う声が聞こえるが、そんなの二人には関係なかった。
「暑いねぇ……」
寝そべっている穣子がつぶやくと、すかさず静葉が反応する。
「ええ、暑いわ」
彼女は部屋の隅っこで壁に背もたれて気だるそうに自分の髪の毛をいじっていた。
「こんな蒸し暑いときは何をすればいいの?」
「そうね。この蒸し暑さを楽しみなさい」
「無理」
即答する穣子。それも当然、こんな暑さをどうすれば楽しめるのか彼女には想像できなかった。と言うか、むしろこの茹だるような暑さによって思考回路は、ショート寸前もとい機能停止寸前だった。
「穣子ったら、脳波が止まりかけてるわよ」
「そんなの分かるの!?」
「姉は何でも知っている」
「じゃあ、私のスリーサイズとかわかる?」
何気なく放った穣子の問いかけに対し、静葉は不敵な笑みを浮かべて答える。
「ええ、もちろんよ。上から100、100、100ね」
「どこのドラム缶よ。それ」
思わず突っ込みを入れる穣子。すると静葉は、たしなめるように言い返す。
「あら、穣子。それはドラム缶の神様に失礼よ」
「そんな神様聞いたことないわよ」
それ聞いた穣子は両手を広げ呆れたようなしぐさでつぶやく。
「もう、穣子ったら神様なのに知らないの?」
「知らないわよそんなの」
穣子は不機嫌そうに言い捨てる。
「ちょっと外見てらっしゃい」
姉に促されるように穣子は外へ行ってみる。
外は相変わらずうっとうしい雨が降り続けている。
ふと何かの気配がしたので彼女が後ろを振り向くと
「けろけーろ。私ケロちゃん。今あなたのそb……」
変なカエルがいたので、穣子はすぐ家の中に戻った。
中に戻ると静葉は壁に生えた変なキノコを見つめているところだった。
「ただいま」
「おかえりなさい。どう? いたでしょドラム缶の神様」
「いなかったわ。いたのは変なカエルだけだった」
「あら、おかしいわね。カエルの神様は呼んだ記憶がないんだけど」
「本当にいなかったわよ」
「じゃあ、姉さんが確かめてくるわ」
今度は静葉が外へ出る。案の定、例のカエルに出くわす。
「けーろけろ?」
「あなたが変なカエルさんね。ケロ?」
「けろけろけろー」
「ケロケーロ」
「けろー! けろ?」
「ケロロケロロ」
静葉は流暢なケロ語で、自称ケロちゃんと名乗ったカエルと話すだけ話をした後、家の中へ帰ってきた。
家の中では穣子が天井から落ちてくる雨粒を目で追っているところだった。
「ただいま」
「あ、姉さん。どうだった?」
「ええ、思わぬ結末が待っていたわ」
「は?」
「聞いて驚きなさい。表にいるカエルが実はドラム缶の神様だったのよ」
「えぇ!?」
素直に驚く穣子。更に静葉は続ける。
「これは意外な結末だったわね。流石の私も予想つかなかったわ。まさに人ならぬ、カエルを見た目で判断してはいけないってところね」
「それでそのドラム缶の神様は?」
「お腹すいたからって帰ったわ」
「あらら、残念」
「大丈夫。彼女はきっとまた現れるわよ。そう、私たちが望む限り」
そう言って、さも意味ありそうに窓の外を眺める静葉。それを見ていた穣子が思わず言い放つ。
「ねえ、姉さん。綺麗にまとめようとはしてるけど無理があるわ」
「そうね……でも仕方ないわ。だってドラム缶ですもの」
「そうだね。ドラム缶じゃ締まるわけないよね……」
静葉はため息をついて一言つぶやいた。
「明日は晴れるといいわね」
けろけろー