Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

お話二つ

2009/05/12 22:50:17
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 1.萃香と天子





 萃香を揉みしだく団。
 略してSM団。

「そんな団体を作ろうと思ったんだけど、団員私だけで誰も来なかったわ」
「お前頭大丈夫か?」
「な!? SM団長の私に向かって何よその口の聞き方は!」
「それ、本当にいろいろと危ないぞ?」

 なんだかんだで未だに天界に居座っている萃香。
 その萃香にまとわりつくように、毎日萃香を訪れるのは天子。

「SM団長ってのをとりあえず辞めなきゃ残念なままだぞ」
「えー……萃香を揉みしだいてみたいと思うじゃない」
「そっか、お前さんはまず思考から変えなきゃ残念なままだな」

 萃香の馬鹿にしたような、それでいてどこか哀れんだような態度に、天子は腹を立てる。

「あんた、もしかして私を馬鹿にしてない?」
「今気付いたのか?」
「……揉みしだかれたい?」
「どんな脅迫だ!」

 萃香の背後に回り込む。萃香は天子の背後に回り込む。天子はさらに萃香の背後に回り込む。萃香もさらに天子の背後に回り込む。ぐるぐるぐるぐる……

「って私たちは馬鹿か!」

 天子を軽く殴る萃香。

「痛い! 親にしかぶたれたことないのに!」
「それはいろいろと問題だな」

 睨み合う二人。
 天子は緋想の剣を持っていないと戦力がかなり落ちるが、決して弱いわけではない。
 本気の萃香には天子もまともにやって勝てない。だから天子は警戒する。

「あ! 空からお酒が!」
「何!? どこだ!?」

 本気になっても根本は酒好きだった。

「ふ……もらったわ!」

 萃香の腹部を蹴り飛ばし、馬乗りになる。
 そして、揉みしだく。どこをとは言わない。

「きゃぅっ! ひゃあ!?」
「な!? 全然揉むトコが無い!」
「お、お前が言うな!」
「ふふ、いつまで強がっていられるかしら? 私の1秒間に32回揉むテクニックで散るがいいわ!」
「ひぅっ!? こ、の……ばかぁ、くぁっ!」

 肩やらなにやら様々な場所を揉みしだかれる。
 力が入らない。効果は抜群だ。
 ふにふに。ふにゅん。コリコリ。

「ふぁ……はぁ……」
「よし、弱ってきたわね……今がチャンス! パチェットボール!」
「ふみゃ? のわぁぁぁぁぁぁ!」

 天子が投げたパチェットボール。
 製作者、パチュリー・ノーレッジさん。
 前回ちまっと宴会に出席した時にパチュリーから一つ譲って貰った魔法道具だ。
 パチェットボールに当たった者は、この手のひらサイズのボールの中に閉じ込
められる。

「なんだこれ!? 吸い込まれる!」
「萃香をゲットね」
「うぉぉぉぉふざけるなぁぁ!」

 暴れようにも逆らえず、ボールの中に吸収されてしまった。
 天子はそのボールを掴み、頭上へ投げる。
 すると――

「うわぁ! 出れた?」

 中から萃香が現れた。

「私の勝ちね、萃香」
「くっ……魔法道具なんて卑怯だぞ!」
「あら? 抵抗する気?」
「当たり前だ!」
「鬼は潔さが大事じゃない」
「う……」
「負けは負けでしょ?」
「うぅ……」

 天子の言葉に、強くは言い返せない萃香。

「はぁ……分かったよ。私の負けだ」
「そうそう、それでいいのよ」
「ってあれ? 勝負競ってたっけ?」
「……あぁ! 萃香を揉みしだくんだった! 忘れてた!」
「忘れてろ馬鹿!」










 2.パチュリーとレミリア






「こんばんは、パチェ」
「こんばんは、レミィ」

 夜、レミリアが図書館に訪れていた。
 パチュリーは特に気にすることなく、軽く挨拶を交わす。

「パチェも起きてるのね」
「魔女だからね。というか私が寝てたら貴女はどうする気だったの?」
「暇だから無理矢理にでも起こす」

 パチュリーはわざとらしく、はぁ、と溜め息を吐く。

「レミィはもう少し周りに気を遣うのをすすめるわ」
「パチェにはもう少し友人の私を大切に扱うことをすすめる」

 二人して、笑う。

「そういえば、小悪魔は?」
「あの子ならもう寝たわよ」
「驚いた。てっきりあの子も夜型かと思ってた」
「意外でしょ? 早寝早起きで老人みたいなのよ」
「へぇ、面白い」

 なんてことない、普通の会話。
 魔女とか吸血鬼とか、そんなものは関係無しに、二人は純粋に友人なのだ。

「ところで、今日は何の用?」
「あら、用も無く親友の元を訪ねたら駄目かしら?」
「ま、どうせ用件はアレでしょ?」
「お、分かってるわね」

 レミリアがワイングラスを二つ取り出し、一つをパチュリーに渡す。

「久し振りに朝まで飲みましょう」
「酔って本に零さないでね」
「そうね、善処するわ」
「零したらロイヤルフレアよ」
「おぉ、怖い」

 どこに隠し持っていたのか、レミリアはワインを取り出して、互いのグラスに注ぐ。
 とっても紅い、けれども血ではないワインが注がれる。
 静かな図書館に、注がれる音が響く。心が愉快になる。

「それじゃあ」
「乾杯、ね」

 薄暗いランプの下、ワイングラスが音を立てる。
 二人はクスッと笑ってから、軽く一口飲む。

「ん、美味しい」
「そうね。あ、そうそう――」

 また、二人はなんてことない会話を始める。
 相槌をうったり、笑いあったりと、親友同士の時間が続く。
 朝までは、まだまだ長い。
今回は二つのお話。
1と2で大分雰囲気やらジャンルやら違いますが。
あとパチェットボールは『パチェットモンスター!』を読むと、より分かると思いますが、別に読まなくても平気です。
そんなこんなではありますが、少しでも楽しんで下さると幸いです。
喉飴
http://amedamadaisuki.blog20.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
落差が激しいwww
親友同士の何でもない語らいが素敵。夜の静かな空気が良かったです。
2.謳魚削除
しかしてどちらも「友と戯れる一時」、と。
天萃は好きですけれど、やはり萃勇と萃衣玖(無いのは分かっておりますが諦めないのです)がジャスティスなのでした。
パチュレミはもっとイチャイチャパチュパチュれみゃれみゃするかと思ったのに!
ちっくしょーう!
楽しかったです。
ぺこり。
3.薬漬削除
パチェットボールwww
4.名前が無い程度の能力削除
落差がwww

下のでいつギャグが入るか身構えてしまったじゃないかw
5.ふぶき削除
萃香は天子の手の中からは逃げれないんですね?

揉み放題だw


レミリアとパチュリーのなんてことのない一時

こんな友人を持っている2人は素晴らしいと思う
6.名前が無い程度の能力削除
ギャグ無しという、まさかのオチww
7.名前が無い程度の能力削除
落差すげーww
パチェレミの二人の会話に入ってみたいなぁ←100%無理
良いお話でしたとも!
8.岩山更夜削除
どちらもほのぼのとしていいお話でした。パチェとレミィの距離感とか。
ところで、SM団に入団したいのですが、どうすれば(ry
9.喉飴削除
>>1様
落差は少し狙ってましたw
なんてことない、けれど良い雰囲気を出してみたかったので、そう言って下さると嬉しいです。

>>謳魚様
萃衣玖なら書けるかもしれませんw

>>薬漬様
パチェットボールはパチェットモンスターで使ったネタですw

>>4様
全く違った雰囲気でしたw
私はギャグ苦手ですからw

>>ふぶき様
揉み放題ですw
良いですよねぇ、こんな友人関係。

>>6様
ギャグ苦手ですからw1と2は全く違うものですw

>>7様
落差も楽しみの一つということでw
嬉しいお言葉ありがとうございます。

>>岩山更夜様
ではあなた様には副団長の地位を(ry