クルクル.........カラカラ.........
霧雨魔理沙が姿を消した。
2つの風車を残して幻想郷から消えた。
風車はとある人物のもとへと渡った。
一つは知識と日陰の少女に。
一つは悪魔の妹のもとに。
風車は魔理沙の行き先を教えてはくれない。
風車は風を受け、時折くるくる回るだけ。
ただ回る度に、懐かしい魔理沙の匂いをふりまくだけ。
クルクル......カラカラ......
知識と日陰の少女は、風のある日に外に出る。
風に風車を晒す。
風車が回る。
魔理沙の匂いが漂う。
身近に魔理沙を感じれる。
心地良い風。
大好きな人の匂いに包まれ、うたた寝をする。
ふと、朧に魔理沙の声が聞こえる。
───そんな所で寝ると、風邪引くぜ?
夢心地ながらも、魔理沙が遠い場所に行ったのだと確信した。
目の端からは涙が流れていた。
悪魔の妹は地下で泣く。
大好きな人を失ってしまった絶望に駆られ、幾晩も泣いた。
風車に向けて喚く。
何故私に黙って居なくなったのかと。
風車に喚いてもどうにもならない。
だが喚かずにはいられない。
ふと、魔理沙の声が聞こえた。
───...ごめんな......フラン...。
弱々しく謝る魔理沙の声。
その時悪魔の妹は悟る。
本当に魔理沙は遠くに行ってしまったのだと。
泣き出しそうになる。
しかし堪える。
近くに魔理沙が居るのだ。
情けない泣き顔は見せれない。
また会えるよねと風車に話し掛ける。
風車は頷くように回った。
クルクル...カラカラ...
数十年後、一人の少女が紅い屋敷へと向かう。
ローブから見える眩い金髪。
懐かしい道を踏み締めるように、ゆっくりと歩く。
あの日から長い時が流れた。
魔法を施した風車を一つ持ち、紅魔の門前に立つ。
門番は訝しげに見ていたが、顔を見せると歓喜の声を上げながら扉を開けてくれた。
館の中を進む。
悪魔の妹と日陰の少女のお茶会に首を挟む。
──良かった...風車を捨ててなくて...
少女が呟く。
悪魔の妹と日陰の少女は、少女の風車を見て驚いた。
二人の風車と全く同じな風車。
少女が言った。
輪廻は回るものの方がイメージをしやすいと思ったが、中々手くはいかないな......と。
彼女が言うには、風車は転生する前の記憶を残しておくもの。
そしてそれは、魂も記憶する事であると。
少女がローブを脱ぐ。
その下に着ていた服は、何時もの黒白の服。
そう、少女は転生を果たした魔理沙であった。
二人の少女は涙を流しながら魔理沙に抱き付く。
そして大きな声で魔理沙を迎える。
──バカ!何で私達に何も言わなかったのよ!──
口ではキツいことを言っていたが、魔理沙には分かっていた。
二人が喜んでくれていること。
おかえりなさいと言っていること。
もう一つ、魔理沙には分かったことがあった。
二人が自分を大切に思っていてくれたことを……。
霧雨魔理沙が姿を消した。
2つの風車を残して幻想郷から消えた。
風車はとある人物のもとへと渡った。
一つは知識と日陰の少女に。
一つは悪魔の妹のもとに。
風車は魔理沙の行き先を教えてはくれない。
風車は風を受け、時折くるくる回るだけ。
ただ回る度に、懐かしい魔理沙の匂いをふりまくだけ。
クルクル......カラカラ......
知識と日陰の少女は、風のある日に外に出る。
風に風車を晒す。
風車が回る。
魔理沙の匂いが漂う。
身近に魔理沙を感じれる。
心地良い風。
大好きな人の匂いに包まれ、うたた寝をする。
ふと、朧に魔理沙の声が聞こえる。
───そんな所で寝ると、風邪引くぜ?
夢心地ながらも、魔理沙が遠い場所に行ったのだと確信した。
目の端からは涙が流れていた。
悪魔の妹は地下で泣く。
大好きな人を失ってしまった絶望に駆られ、幾晩も泣いた。
風車に向けて喚く。
何故私に黙って居なくなったのかと。
風車に喚いてもどうにもならない。
だが喚かずにはいられない。
ふと、魔理沙の声が聞こえた。
───...ごめんな......フラン...。
弱々しく謝る魔理沙の声。
その時悪魔の妹は悟る。
本当に魔理沙は遠くに行ってしまったのだと。
泣き出しそうになる。
しかし堪える。
近くに魔理沙が居るのだ。
情けない泣き顔は見せれない。
また会えるよねと風車に話し掛ける。
風車は頷くように回った。
クルクル...カラカラ...
数十年後、一人の少女が紅い屋敷へと向かう。
ローブから見える眩い金髪。
懐かしい道を踏み締めるように、ゆっくりと歩く。
あの日から長い時が流れた。
魔法を施した風車を一つ持ち、紅魔の門前に立つ。
門番は訝しげに見ていたが、顔を見せると歓喜の声を上げながら扉を開けてくれた。
館の中を進む。
悪魔の妹と日陰の少女のお茶会に首を挟む。
──良かった...風車を捨ててなくて...
少女が呟く。
悪魔の妹と日陰の少女は、少女の風車を見て驚いた。
二人の風車と全く同じな風車。
少女が言った。
輪廻は回るものの方がイメージをしやすいと思ったが、中々手くはいかないな......と。
彼女が言うには、風車は転生する前の記憶を残しておくもの。
そしてそれは、魂も記憶する事であると。
少女がローブを脱ぐ。
その下に着ていた服は、何時もの黒白の服。
そう、少女は転生を果たした魔理沙であった。
二人の少女は涙を流しながら魔理沙に抱き付く。
そして大きな声で魔理沙を迎える。
──バカ!何で私達に何も言わなかったのよ!──
口ではキツいことを言っていたが、魔理沙には分かっていた。
二人が喜んでくれていること。
おかえりなさいと言っていること。
もう一つ、魔理沙には分かったことがあった。
二人が自分を大切に思っていてくれたことを……。
この話ももうちょっと幅があるといいと思うのですが、仕方ないでしょう。
だって、私も同じですから。
メレンゲのようなお話で素敵でした。