「パチェ~、動いてる~?」
「ほよ?私は動いてるわよ。まだ」
「あ、違った、生きてる~?」
「……どしたの?」
微妙に噛み合わない会話。
吸血鬼にとっては良い天気とは言えない日。
世帯主(仮)が私の図書館にやってきた。
「ついに猫の飼い方を真剣に調べる気になったの?」
「違う違う、それに猫は放し飼いにするのが楽しいんじゃない」
「そうかしらね……じゃあ何のご用かしら?」
「あら、そう言えば何だっけ……」
口元に手を当てて考えるレミィ。
「あ、そうそう今度の宴会なんだけど、どんな余興がいいかなぁって思ってさ」
「余興?」
「最近『食べちゃうぞ~』とか咲夜と一緒にやる手品とかじゃマンネリ化してきてねぇ」
「うん」
「やっぱここは被り物?いやいや、思い切って脱ぐとか!? うーんもっと皆がわくわくするのがいいかな?」
「……」
「いやいや、ここは小粋にジャグリングとか?ねーどうしよ!?」
「……ねぇレミィ、テンション上がりつつあるところ若干申し訳ない気がするんだけどね」
「えっ?ずいぶん改まって何?」
「最近ね、ちょっと紅魔館が軽く見られてるのって知ってる?」
「なっ……」
「少し前は人が近寄る事なんか全然無かったのよ?」
「そうだったかしら?」
「今は違う、出入りの業者は出来たわ図書館の一部が一般開放になるわ、
挙句に最近じゃ門番の写真撮影・握手会まで開かれてるのよ?」
「あら、私の知らないところでそんなことしてたのね、あの門番」
「でね、そうなった原因の一つにあなたの『カリスマ性』ってのも影響してると思うのよ」
「私の?」
「そう、今のあなたを成分表で表すと80%が『ヘタレ』よ」
「酷っ!」
「それで19%が『スタジオ○ブリに出てきそう』」
「どういうこと!?」
「で、後の1%が『ギンギー』」
「何で入ってるの!?何で食べ物が入ってるのよ!!」
「そこに行くと私なんか、33%が『病弱』33%が『喘息』33%が『色白』よ」
「な、何かろくでもないわね…」
「残りの1%が『ギンギー』」
「だからどうしてギンギーが入ってるのよ!?しかも二人とも!!」
「……やっぱり、友達だから?」
「ちょっとはにかまないで!恥ずかしいわ!」
「えっ?」
「大体、私はカリスマ100%よ? むしろカリスマの権化と言ってもいいわ」
「えぇ~?」
「なによぉ……?」
「じゃあ一度カリスマ検査をして上げるわ」
「カリスマ検査?」
「今から私が色々な状況を作り上げるから、それをカリスマを持って解決する、真のカリスマならなんて事のない状況ばかりよ」
「ふーん、いいじゃない、私のカリスマ性ってのを見せ付けてあげるわ」
「じゃあ早速始めましょうか」
ガラガラッ
「『ちょっと!今何時だと思ってるのよ!?』」
「ちょっと、先を急いでるの。今日は簡単にやられてくれない?」
「……なるほどね、じゃあ次」
「『どもー!!文々。新聞でーす!ウチの新聞も可愛がって下さいよ~ 知らない仲じゃあございませんでしょう?』」
「ぎゃおー!」
「またそれで追い返す気?」
「『あ~……、また持ってかれた…』」
「まかせなさい!神槍「スピア・ザ・グングニル」! 反則の10発連射!」
「うん、本気で撃つのは止めてね?図書館に穴が開くから」
「龍の頸の玉、仏の御石の鉢、火鼠の皮衣、燕の子安貝、蓬莱の玉の枝、貰うとしたらどれ?」
「全部!」
「厚かましい!?」
「まだエイジャの赤石とかあるんでしょ?出しなさい!」
「終わり?」
「うん、大体分かった、レミィの中にカリスマを見る事が出来たわ」
「そうでしょう?」
得意げな表情で胸を張るレミィ。
「レミィのカリスマは20%」
「20%だけ?」
「それで60%がヘタレ」
「ほとんど変わってないじゃない!」
「そして18%が『1UPが出た瞬間異様に反応する』」
「何で!?」
「『むむ、お前達何もんだ?』 ぴちゅーん」
「焦るから被弾してる!?」
「で、後2%が『ギンギー』」
「増えてるじゃない!何があったのよ!」
「いやまぁその……」
「だからちょっとはにかまないでって!気になるから!別に嬉しくも無いし!」
思いっきり突っ込んでくるレミィ。
「でも今の答えは良かったでしょ?」
「良かったけどまだまだ及第点ってとこね」
「じゃあどんな答えが良いって言うの?」
「そうねぇ、私がやって見せるから同じ質問を私にもしてくれない?」
「同じ質問をすればいいの?分かったわ」
「どうでもいいけど、パチェの物真似って結構上手いのよね……その後やるのはちょっと気が重いわ…」
「何か言った?」
「なにも…」
ガラガラッ
「『ちょっと!今何時だと思ってるのよ!?』」
「え? 亡霊の癖に早寝なの?」
「えっ?これ霊夢のマネじゃ無かったの!?」
「『どもー!!文々。新聞でーす!ウチの新聞も可愛がって下さいよ~ 知らない仲じゃあございませんでしょう?』」
「確かにあなたと私は知らない仲じゃない、しかしそれで新聞を取るような事をすると
仲の良い人妖が多い博麗神社のお賽銭箱が空っぽなのはおかしいと言う結論になる、それじゃ不平等、
よってその新聞はいらない、ご静聴ありがとうございました」
「確かにそうかも知れないけど……」
「『あ~……、また持ってかれた…』」
「あら、妹様も一緒に持ってかれたわ」
「誘拐じゃない!フラン!?フラーン!!」
「龍の頸の玉、仏の御石の鉢、火鼠の皮衣、燕の子安貝、蓬莱の玉の枝、貰うとしたらどれ?」
「うどんげ」
「訳分からないわ!」
「その答えのどこにカリスマ性があるって言うのよ!!」
「いや、この状況でうどんげって答える方がカリスマ性があるでしょ?」
「もういいわ!!」
(終)
我慢してたのにww
はにかみパチェ可愛いよパチェ。
というかフランちゃん盗まれてるww
取り返さないと!
むしろ、わかっているからこそ面白さが倍増するのでしょうか?
パチュリーのキャラも非常にグッドでした。