「あばよ!死ぬまで借りていくぜ!」
紅い屋敷である紅魔館の中から高速で出て行く黒い影があった
自称普通の魔法使いと言い放つ白と黒の泥棒事
霧雨魔理沙が紅魔館にある図書館を襲撃して本を奪っていったのだ
「……きゅぅ…」
「…も、持ってか…ないで~」
その魔理沙の後に残されたのは真っ黒焦げになった小悪魔と
弾幕による大量の埃で呼吸困難になっているパチュリーの姿であった
無論、門番である美鈴も開幕ドラゴンメテオで
何も出来ぬまま気絶させられた
「と言うわけで…何とか魔理沙を止めないと
色々と大変な我々の会議を行ないます」
襲撃されて破壊された図書館の中で
小悪魔とパチュリー、そして美鈴が会議を開いていた
「…まず一番初めに、門の前で止める事は出来ないの?」
パチュリーの言葉に美鈴が申し訳なさそうに答えた
「す、すいません…でも、視覚できない程上空からの
奇襲に対応なんて出来ませんよ…」
どれだけ美鈴が頑張ろうとも、弾幕を放つ以前の問題なのだ
しかも、あちらはスペルカードの宣言をしているので
ギリギリ弾幕バトルが成立している
「…最近は、更に性質が悪くなって来てまして…」
「確かに守りを貫く私達にとっては、魔理沙さんの方に分があります」
美鈴の言葉に小悪魔が着替えを終えてホワイトボードを持って来た
「…見てください、最近の魔理沙さんの襲撃と離脱の時間なんですけど」
そのグラフには、襲撃の時間がどんどん短くなっているのが見られた
つまり、それが現している事は
「…最早この図書館の守りは完全に見抜かれているという事です」
既に、新型の罠を投入しても殆どその効果が得られなくなってきてる
その事実に、パチュリーが目頭を押さえて考え込む
(私の図書館は、最早あの白黒のネズミに良いようにされているのか…)
パチュリーが心の奥で怒る
この図書館はパチュリーにとっての聖域にして神聖な場所
それが、自分よりも年下の未熟な魔法使いに
良い様にされているのがたまらなく悔しいのだ
(どうする?)
魔理沙を強引に捕まえるのも悪くないが、それをするために
どれだけの犠牲を払うか…しかも、逃げられたりしたら
更なる被害を生みかねないし
その上反省する事も無いだろう
(だけど…このままにして置く事は出来ない…)
自分の大切な場所を好き勝手しているのだ許すわけには行かない…
(ん?自分の大切な場所?)
その考えにパチュリーの頭に電球が光った
「そうよ…魔理沙にとっての大切な場所を此方も奪えば良いのよ」
その言葉に小悪魔と美鈴もその発想に手を叩いた
「で、ですがパチュリー様…魔理沙にとっての大切な場所って…」
「色々あると思うのだけど?」
平然と構えていたパチュリーに小悪魔が問題を提起する
「はい…ですけど、何処にあるんですか?」
「えっと…博麗神社?」
「…あそこは不可侵条約が結ばれています」
「香霖堂は?」
「きっと、魔理沙さん無視すると思います」
「え~と…」
パチュリーが考えうる限りの魔理沙にとっての大切な場所を言うが
その事如くが小悪魔によって看破される
「…それに、何か手を出したら、周りから文句が来ますって」
「…それを失念していたわ…」
パチュリーと小悪魔がため息を着いて諦めかけていた時
「あの、一つ心当たりがあるんですが」
美鈴がおずおずと手を上げて二人に声をかけた
その言葉にパチュリーと小悪魔が顔を向ける
「言って見なさいその心当たりとやらを」
「えっと…さんなんですけど…」
美鈴の言葉にパチュリーと小悪魔がお互いの顔を見合わせる
そして、暫しの考えの後、美鈴が半日の休みを貰って表に出かけた
「ひゃっほ~う!」
数日後、再び魔理沙が紅魔館を襲撃してきた
(前は5分かかったからな、今回は4分を切りたいぜ!)
既に遊びのような感覚で紅魔館にやって来た魔理沙
既に門の前に居た美鈴は奇襲用ブレイジングスターで
門ごと吹き飛ばしてきている
(さあ、今日はどの本を借りて行くかな)
そんな事を思いながら図書館のドアを開ける
「おっすパチュリー!早速本を勝手に借りて行くぜ!」
既に弾幕の準備とウォーミングアップは終っている
本を借りる(強奪する)にはこの開始数分が大切なのだ
八卦炉を構えて急いで現われるであろうパチュリーを待つ魔理沙
「あら?いらっしゃい」
だが、現われた二人は何時もとは違い
パチュリーは椅子に座って平然と本を読んでいた
「あ、魔理沙さんこんにちわ」
その隣で小悪魔が本を用意している
何時もと違う様子に魔理沙が呆気にとられたが
「居るなら丁度いいぜ、また本を借りていくぜ?」
有無を言わさないで借りようとしている本を
取って行こうと声をかけると
「ええどうぞ?」
パチュリーは笑みを浮かべながら魔理沙にそう返す
「…どうしたんだ?何時もなら抵抗するのに」
その様子に、流石の魔理沙もおかしいと思って
パチュリーに質問すると
「そうね、貴方は勝手に本を持って行って返さないから…」
「酷いな借りてるだけだぜ?死ぬまでな」
パチュリーの言葉に魔理沙がそう返すと
「ええ、そうでしょうね…だから別の人から
貴方のツケを払って貰う事にしたわ」
「別の人?」
魔理沙が怪訝そうな顔でパチュリーの方を見る
「…ええ、貴方が死んだ後も肩身が狭い思いをしながら
此処で過ごしてもらうことにしたから、好きなだけ本を持っていきなさい」
そう言って、パチュリーが小悪魔に目配せをすると
「では魔理沙さん紹介しますよ~」
小悪魔が頷いて、準備をしていた人を魔理沙の前に連れて来た
その人物を見た魔理沙の目が見開かれて
「ま、まさか…そんな!?」
思いがけない人物に肩が震え始める
「…さあ、自己紹介をしてくださいね」
「…本日付で…この図書館の司書見習いになりました…」
魅魔と申します…よろしくお願いします
「魅魔様!?」
そこに居たのは、自分の師匠の姿であった
だが、その目には光りが無い
その手に持っていた筈の杖が無い
昔着ていたはずの魔法使いのローブでは無く
何の変哲も無いメイド服を着せられていた
何より、異常なのは首に巻かれている頑丈そうな首輪
「…魔理沙、貴方が持っていった本の代わりに
とても面白い実験が出来そうな人材が手に入ったわ」
その首輪についた紐をパチュリーが引っ張る
それに従い、魅魔がパチュリーの隣で膝をつく
「や、止めろ!魅魔様には何の関係もないだろう!」
先ほどとは違い、怒りを込めた魔理沙の瞳がパチュリーを見つめる
だが、そんな魔理沙の目を見てパチュリーが鼻で笑う
「関係あるわよ?貴方の保護者でしょ?
弟子の責任はその師匠が拭わないと」
そう言って、パチュリーが魅魔の半透明の下半身に座り込んだ
「…これ、結構居心地が良いのよ」
「黙れ!」
その言葉に全力のマスタースパークをパチュリーに
放とうと八卦炉を構える
「あら?いいのかしら…この場でそんな物を放とうとして…」
「なんだと?」
八卦炉を構えている魔理沙に対してパチュリーが
笑いながら言葉をかけた
「今の貴方の師匠…魔力の大半を封印されてるのよ?」
「!?」
「最早、ただの幽霊程の力しかない
この悪霊の前でそんなの使った確実に消し飛ぶわね」
その事実を聞いた魔理沙が心底悔しそうな顔で
八卦炉の動きを止めた
「く、卑怯だぜ!」
「そうかしら?…私は貴方が勝手に奪って行って返さない本の分を
貴方の師匠に肩代わりしてもらっているだけなんだけど」
悔しそうにしている魔理沙の前で
パチュリーが小悪魔に命令をだす
「…そうね、小悪魔…カメラを用意してくれる?」
「はい、わかりましたちょっと待っててくださいね」
小悪魔が急いでカメラを取りに向かった
「な、何をする気だよ」
嫌な予感がした魔理沙がパチュリーに声をかけると
「何って…貴方には関係が無いから安心しなさい」
「何をする気なんだよ!」
叫ぶ魔理沙を無視して、パチュリーが魅魔に命令を下す
「魅魔、服を脱ぎなさい」
「…わかりました」
パチュリーの命令に着ている服を脱ごうとする魅魔
「や、止めろ!」
それを魔理沙が急いで止めに入る
「あら、貴方には関係ないでしょ?」
「うるさい!何をするつもりなんだよ」
急いで服を脱ごうとしている魅魔を止める魔理沙
そんな魔理沙にパチュリーが
「なにって…貴方が破壊した図書館や門の修理費を捻出するために」
貴方の師匠のヌード写真を売ろうと思ってね?
パチュリーの言葉に、魔理沙がパチュリーに掴みかかる
「魅魔様は関係ないだろう!」
「…ええ…そうね…でもね…」
魔理沙につかみ掛かられて苦しそうにするパチュリー
(ぱん!)
そんな魔理沙の手を誰かが叩き落とした
パチュリーと魔理沙がその人物を見て驚く
「…魅魔?」
「…み、魅魔様!」
「……」
自分の師匠に叩かれた魔理沙が呆然とする
そんな魔理沙に向かって魅魔が一言告げる
「…主に…手を出すな」
その言葉に魔理沙が絶望の表情を浮かべると
「魅魔様…私の事を忘れてしまったのかよ…」
泣きながら魅魔の胸元に抱きついた
(こんなのって…こんなのってないぜ…)
「まあ、明日までに本が帰ってこないようなら
記憶も魔力ももう二度と戻ってこないって事になっているけどね」
泣いている魔理沙にパチュリーがそう伝えると
魔理沙がパチュリーの方を振り返る
「貴方の師匠にこの紅魔館に来ている貴方の事を伝えたらね
頭を下げて『責任は私が取る』って言ってきたわ」
その言葉に、魔理沙がハッとした
「そして、詳しい事を話してね…自分の魔力と記憶を封印する
あの首輪の事を伝えて手渡したらね
『魔理沙は良い子だから、絶対に本を返してくれるはずだよ…』
って言いながら自分であの首輪を着けたわ」
「魅魔様…」
仮にも神になっている人物が、自分の為に頭を下げて
自分の事を信じてくれて自ら首輪をつけたのだ
その事実に魔理沙が泣きそうになる
「さて…貴方が本を返さないのならそれでかまわないわ?
ただ、貴方の事を信じてくれた師匠は二度と戻ってこないけど」
その言葉に魔理沙が箒を持って図書館の出入り口に向かう
「…まだ、魅魔様が戻る可能性があるんだな?」
「多分ね?」
パチュリーがそう告げた時
「…ま…りさ…」
「「!?」」
記憶を失っているはずの魅魔がそう呟いた
パチュリーと魔理沙が驚くが
「待ってろ魅魔様!絶対に戻してやるから!」
次の瞬間、魔理沙がそう叫び箒に乗って紅魔館から飛んで行った
魔理沙が行ってしばらくしてから
図書館の中に美鈴が入ってきて
「はい、魅魔さんお疲れ様でした」
「やれやれ…演技も疲れるねぇ」
そのかけ声と共に、魅魔が先ほどとは違い
普段の魅魔の口調に戻ってから
「コンタクトレンズってのは、やっぱり好きになれないよ」
目に入れていたコンタクトレンズを外した
「迫真の演技でしたね~」
小悪魔が魅魔の傍に寄ってくる
パチュリーも魅魔の傍に寄って来て声をかける
「…でもいいのかしら?魔理沙は貴方の弟子なんでしょ?」
「…ああ、可愛い馬鹿弟子だ…」
パチュリーの言葉に魅魔がゆっくりと頷く
「だけど、随分と放って置いてしまったからね…
私は怒らないといけない時に怒ってやれなかった…」
その顔はとても寂しそうだった
「…だからね、せめて演技でも良いから強奪は
駄目な事だとわからせてやりたかったのさ」
魅魔がそう話し終えると
「でも、魔理沙さん…魅魔さんが脱がされそうになった時
本気でパチュリー様に掴みかかってましたね」
「…まだヒリヒリするわ」
小悪魔とパチュリーがそう付け加えてきた
その言葉に、魅魔が苦笑いを浮かべる
「まあ、魔理沙もまだ私の事を覚えてくれていて
本当に泣き出すとは思っても居なかったけどね」
「…それだけ大切に思ってくださってるって事ですよ」
美鈴の言葉に、魅魔がやれやれといった感じで頷くと
「…さて、本棚の整理があるんだろう?」
「えっ?は、はいそうですけど…」
「わかった、急いでやるから詳しい仕事を言いな」
小悪魔をつれて本棚の山の中に入っていった
後に残されたのは美鈴とパチュリーの二人
「…ねえ美鈴…」
「なんですか?パチュリー様」
「…どう言ってあの祟り神を連れて来たの?」
その言葉に、美鈴が頭をポリポリと掻きながら答えた
「え~と…行きつけの食堂で図書館のお手伝い募集中で
メイド服着れますよって言ったら来てくれました」
「一度着てみたかったんだよ…この司書の服も」
「そうなんですか?」
「…まあ、ちょっと胸元がきついけどね」
「…こぁ~(涙)」
別の方法で香霖堂もツケもwwww
ほんと、この2人は反省を知らないなww
しかし魅魔様のヌード写真集はもったいない事をした…っ!!
もうちょっと魔理沙が耐えてくれたr(マスタースパーク)
魅魔様はいつになったらWIN版に現れるのだろか…
つまらない誤字の為に台無し
ところで司書服を着た魅魔様の写真集はまだですか?
待て!魅魔様はメイド服も着ているはずだぞ。
そっちも忘れるな!
「な……何を言ってるんだ! この首輪……取れない!?」
>時空や空間を翔る程度の能力様
二人とも甘えたいんですよ…多分
では、霖之助の膝に座る権利を五十万から…
>2番様
もう少し耐えてくれたら…きっとスカートを(ファイナルマスタースパーク)
>3番様
魅魔様が最新作のEXで出てくれるって…あたい信じてる!
>oblivion様
魅魔様はカコイイんです、そして魔理沙を
真の意味で叱る事の出来る数少ない人物だと思ってます
>5番様
すいません、誤字訂正しましたOTL
>6番様
すいません、誤字書いた私が悪いんですOTL
>7番様
とはいえ、あんまり儲からない香霖堂です
どうやって生活してるんだろう?
>8番様
そっちも絶版です…でも、休伽羅亭に行けば…見せてもらえるかも
>9番様
メイド服の魅魔様…ぜひ!私の家に来てくれ
>10番様
「それじゃあ、早速上着を脱いで…」
ミシッ!?ゴシャッ!!
「あまり私をなめない方が良い…」
「こ…こぁ~!?」
「首輪が取れないから両手で破壊しちまったよ…」
こんな感じですか?
やる側は一度やられないとやられる側の気持ちが分からないというのもありますしね。
しかし魅魔様かっけーッス。
ただこの後全力で本を担いできた魔理沙をゆっくり顔な四人が
「ドッキリ!」と書かれた立て札を持ってお出迎えというシーンしか思い浮かばない自分は重症ですね分かってます。
>霖之助の膝に座る権利
っ[100万]
一言多い注意で全て台無し
>>301の願望が叶うのか否か実践して欲しかった
搾乳的な意味でうわごめんなさいやめt
150!!