紅魔館の図書館にとある魔法使いがやってきた
まず思い出されるのは迷惑な白と黒の魔法使いだと思うが
「パチュリー居るかしら?」
今日は七色の魔法使いだったので門番隊も一安心
門の前で許可を貰い図書館の中に入り
「こんにちわパチュリー…少し本を読ませて貰いたいんだけど」
図書館の主であるパチュリー・ノーレッジに挨拶をする
アリスの姿を確認をしたパチュリーが頷くと声を掛けた
「ええ構わないわ…でも一つだけお願いがあるの…」
「何かしら?」
パチュリーのお願いに耳を貸すアリス
そのアリスに向かってパチュリーが告げた
「猫耳をつけなさいアリス」
「…はあ?」
図書館に来て開口一番にそうパチュリーに告げられて
流石のアリスも空いた口がふさがらなかった
「…ちょっとごめんね」
「あら、どうしたのアリス?」
とりあえず混乱したアリスが落ち着く為に取った行動は
無言で目の前に居るパチュリーの顎に手を当てて固定すると
真正面でしっかりと見つめる
思わぬ行動をされたパチュリーも想定外の事態に慌てる
「目…閉じてくれない?」
「むきゅっ!?」
パチュリーが真っ赤になりながらもアリスに言われた通りに目を瞑る
そして、アリスの顔がパチュリーにどんどん近づいていき…
「誰がつけるか!」
「~~っ~!?」
パチュリーの額に向かって全力の頭突き
アリス渾身の肉体言語であった
「…ふぅ…落ち着いたわ」
「むきゅ~~!」
いかに策略家であるパチュリーも
思わぬ奇襲に地面に倒れてのた打ち回る
(やりすぎたかしら?)
「…ほら、手を貸してあげるから」
流石にやりすぎたとアリスも感じたのか
パチュリーに手を伸ばす
「ありがと…」
痛む額を押さえながらパチュリーがアリスの手を掴み
「…かかったわね!喰らいなさい必殺の…」
「三角締め!」
地面に倒そうとしたら、逆にアリスの魔界神直伝の固有返し技が炸裂した
「ギ、ギブギブ!折れる折れる!?」
地面に倒れたパチュリーを起こす為に手を伸ばして
それを掴んで倒そうとしたパチュリーの手を掴んで三角締めを決める
「それで?なんで私が猫耳をつけないといけないの」
完全に絞める寸前に決めた三角締めを少しだけ緩めると
アリスがパチュリーに問いかける
その問いかけにパチュリーが全力で答える
「似合うからよ!」
「OK!もう少し締め付け上げましょうか」
アリスが笑顔でパチュリーの腕と首を締め上げる
今度は絞めるよりも全力で腕をへし折るつもりだった
「ま、待って!きちんとした理由があるわ」
流石に腕がへし折られると不味いのでパチュリーが珍しく慌てる
「…言ってみて、それによっては関節の可動域が増える事になるけど」
アリスの最後の慈悲に対してパチュリーが最後の弁論を述べた
「貴方が紅魔館の猫度を上げるための最高の逸材であるのとファンサービス」
「GO!ネック&アームクラッシュ!」
アリスがパチュリーの腕と首の絞め上げを強化しようとした時
パチュリーが完璧であると思われた三角締めの弱点を見つける
「…この体勢だとアリスのスカートの中に顔を入れて悪戯できそうね」
「!?」
その言葉にアリスの三角締めの拘束が一瞬緩まる
(今なら!)
その隙にパチュリーが己の残っていた力の全てを使って…
「突撃!アリスのスカートの中!」
そのままアリスのスカートの中に顔を突っ込む
逃げようと思えば逃げれたはず…だがパチュリーはあえて前に出た
「いい加減にしなさい!この動かない色ボケ図書館!」
その動きにアリスが顔を赤くしながらパチュリーの首を固定すると
突っ込んできたパチュリーの背中の上に回り
「残虐キャメルクラッチ!」
全力の力を籠めて顎に置いた手を引き上げる
(ミシッ!)
それと同時にパチュリーの腰が砕ける音がした
その時の一瞬を小悪魔がこう語る
「揺れました!パチュリー様の胸が『たゆん♪』って!」
その一部始終を収めたビデオは紅魔館内のみの地方報道で流れ
ファンの間では幻の一戦として名が残る事になる
残虐キャメルクラッチを受けて敗れたパチュリーは
自分の部屋の中のベッドの上で倒れていた
「…痛い」
「まったく…パチュリーが悪いのよ」
ベッドで寝込む羽目になったパチュリーの隣で
アリスがバツが悪そうな顔でりんごの皮をむいていた
「…本も読めないわ」
「御免なさいって…」
いくら正当防衛であるとはいえ
少々やりすぎてしまったとアリスも思っていた
「賠償を要求するわね」
アリスが剥いた兎の形を取ったリンゴをシャクシャク食べながら
当然の要求と言わんばかりにアリスに宣言するパチュリー
「こ、此方にも正当防衛の権利があるはずよ」
アリスの反論にパチュリーも少し頷く
「そうね…なら二択から選ばせてあげる」
「に、二択って」
呆れるアリスを無視してパチュリーが
指を突き出し二択を言い放った
「選びなさい、猫耳をつけるかナース服を着て一日私の看護か」
パチュリーはまさしくもって魔女であり、そして策略家であった
相手が少しでも罪悪感を持っているのを見抜いたのなら
言葉で畳み掛けて、そして言葉で騙す
その上、二択と言いながらそのうち選ぶ物を誘導する
(かかったわねアリス…誰だってナース服に着替えるよりは
手っ取り早く猫耳を着ける方が楽のはず…)
「さあ、選びなさい」
「仕方ないわね…」
アリスがため息を着いたのを見てパチュリーがガッツポーズを
決めようとしたが、腰の激痛で断念する
魔女とはいえギックリ腰には勝てないのだ
「それじゃあ…」
(どんな猫耳が似合うかしら?…上品な感じの白かしら?
それとも、少々アダルトな黒かしら?…でも三毛も悪くないわね)
パチュリーが妄想の中でアリスの猫耳と尻尾を想像して
「看病してあげるからちょっと寝ててね」
「ええ!今すぐに猫耳を用意…って…えっ!?」
パチュリーが驚きながらアリスの方を向くが
既にそこにはアリスの姿は無かった
(何でそこでナース服を選ぶの?)
想定外の事態にパチュリーの脳内も混乱し始めていた
(聞き間違い?…そうね、きっと聞き違いね
きっとアリスは間違いに気がついて戻ってくるはず)
「待たせたわ」
自分の混乱を落ち着けようとしていたパチュリーの前に
「それじゃあ看病してあげるわね」
物凄い自然な感じでナース服を着込んだアリスが現われた
「な、なぜ?なぜ猫耳を選ばなかったの!?」
「えっ?だって猫耳って恥ずかしいじゃない」
パチュリーの言葉に当然と言わんばかりに答えるアリス
「ナース服は恥ずかしくないの!?」
「えっ?何で恥ずかしいの?これは立派な作業服じゃない」
何で恥ずかしいのか不思議に思っているアリスと
なんでナース服が恥ずかしくないのか問い詰めたいパチュリー
「明らかにおかしいわ!?普通ナース服着るよりは
猫耳を着けたほうがまだ恥ずかしくないわ!」
「パチュリー落ち着いて…喘息が起こるわよ」
興奮して声を上げるパチュリーをアリスが宥める
「これはきちんとしておかないといけないわ!それだけじゃない!
猫耳がいかに素晴らしいかを…ゲフッ!ゲフッ!?ゴホッ!」
唐突に咳き込むパチュリー
「ゴホッ!ゴホッ!」
「ほら、興奮するから…待ってて」
喘息の発作が始まったパチュリーの傍にアリスが近寄ると
呼吸をしやすいような体勢にパチュリーを動かす
「口を小さくして呼吸をして、そうすれば少しは楽になるから」
「すぅ…はぁ…すぅ…」
アリスに言われたとおりに、パチュリーが
口を小さくして呼吸をすると幾分か呼吸が楽になる
「…良かったそんなに酷い発作ではないみたいね…横になって」
「……わかった」
ある程度楽になってきたのをアリスが確認をしてから
パチュリーに横になる事を指示する
「まだ辛い?」
「…随分楽になってきたわ…まだ少し辛いけど」
その言葉を聞いたアリスが少し頷くと
「ちょっとごめん、上着捲るわね」
「むきゅっ!?」
パチュリーの上着を捲り始める
いきなりの事にパチュリーが顔を赤くするが
アリスの手は止まらない
(ま、まさか…さっきの猫耳の復讐!?)
パチュリーの頭の中に桃色の妄想が繰り広げられる
『ふふふっ…動けないわよね?パチュリー…』
(や、止めてアリス…)
『さっきの復讐よ…さあ、このウサ耳をつけなさい』
(そ、そんな辱めを!?)
『遠慮しないで良いわ、小悪魔が用意してくれているから』
(こあ!?裏切ったのねこあ!)
そんな妄想をしているうちに、アリスがパチュリーの服を捲り終え
パチュリーのお腹に手を当てる
「少しくすぐったいけど我慢してね」
「や、優しくして?」
「…?そんなの当然じゃない病人なんだから」
頬を染めたパチュリーの言葉にアリスが首を傾げつつも
真っ白なパチュリーのお腹に向かって手を伸ばす
(嗚呼…さよなら少女だった日々…
レミィ…貴方より先に大人の階段を上がるわ)
そして、遂にアリスの手が脇の下に入り…
「…いい?慢性気管支喘息を楽にするにはね、
こうやって肋間筋を緩めてやるとかなり楽になるのよ」
肋骨の筋肉をほぐす為にマッサージを加えた
脇腹の方から直に押さえた方が効き目があるのだ
「…むきゅぅ」
思いっきり勘違いしたパチュリーが顔を赤くして一言そう呟いた
「…これで随分楽になったと思うけど」
しばらくの間、アリスがパチュリーの体をストレッチするとそう告げた
「…驚いたわ…すごく楽になってる」
これだけ短時間で喘息の発作が楽になったのもそうだが
下手したらさっきよりも呼吸が楽になっているのだ
「後は、普段から少し腹式呼吸の練習をすれば発作の回数は減るはずよ」
「本当?」
驚くパチュリーにアリスが頷いて返す
「咳は体力を奪うからしばらく横になっていると良いわ」
意外な事かもしれないが咳はかなりのカロリーを消費するのだ
アリスに言われたとおりに、ベッドの上に横になるパチュリー
その際にも、アリスはパチュリーの背中に手を入れて
横になりやすいようにしてくれた
「…随分と手馴れているわね」
ベッドに入ったパチュリーがアリスにそう問いかける
先ほどの口を小さくする呼吸の事もそうだが
およそ、アリスがそこまで看護に詳しいとは知らなかった
驚くパチュリーにアリスが椅子に座って答える
「それはそうよ…お母さんにみっちり教わったもの」
それは余りにも意外すぎる答えであった
「…面白そうな話ね…よければ聞かせてくれない?」
早速パチュリーがその話に食いつくとアリスが話をし始める
「昔ね、魔界に四人の進入者がやって来て、魔界中を
滅茶苦茶にして行った事があったんだけど…」
暴れるだけ暴れてその四人は帰っていったのだが
その際に放たれた弾幕によって無関係な魔界の住人も怪我をする人が続出
変な極太レーザーに家ごと燃やされた人や、謎の巫女に強奪を受けたもの
魔導書等を根こそぎ奪われた者もいた
怪我を受けた者を治す為に病院が大量に作られたのだが
その病院が作られたは良いが、医者の数が圧倒的に足りない
このままでは大変だと思われた時に…
「…魔界神…まあ私の御母さんなんだけど」
魔界神である神綺が動ける者に対して病院での
医者の手伝いをするように呼びかけた…
呼びかけただけでなく魔界神自らも
病人や怪我人の看護や治療を手伝いに回った
その行動に心打たれた魔界の住人は
『魔界神様の呼びかけに応えよう!』を合言葉に
自ら率先して怪我人を救う為の技術等を磨き始め
医療人の人口が増えて行き、医者が足りなくなる事は無くなったのだ
「御母さんが呼びかけた言葉が地獄のようは状態でも
人を救う為の宣言として魔界では『ヘル神綺宣言』と呼ばれているわ」
アリスの話が終ると、パチュリーの方を向いて
「ナース服は魔界人にとってはけして恥ずかしい服じゃないのよ」
「…貴方がナース服を選んだ理由が良くわかったわ」
アリスにとってはナース服は恥ずかしいものではなく
格好が良いまさに戦闘服のような物なのだ
「御免なさい…ナース服が恥ずかしい服だなんて」
「気にしないでいいわよ」
謝るパチュリーに対してアリスが笑顔で答える
「それよりも、今日一日私が看護をしないといけないんでしょ?」
何かして欲しいことあるかしら?
猫耳着けて…
帰るわよ?
…寝付くまで傍に居てくれるかしら?…
ええ、わかったわ…
しばらくしてアリスの手を握って眠りに着くパチュリーの姿見られたそうな
まず思い出されるのは迷惑な白と黒の魔法使いだと思うが
「パチュリー居るかしら?」
今日は七色の魔法使いだったので門番隊も一安心
門の前で許可を貰い図書館の中に入り
「こんにちわパチュリー…少し本を読ませて貰いたいんだけど」
図書館の主であるパチュリー・ノーレッジに挨拶をする
アリスの姿を確認をしたパチュリーが頷くと声を掛けた
「ええ構わないわ…でも一つだけお願いがあるの…」
「何かしら?」
パチュリーのお願いに耳を貸すアリス
そのアリスに向かってパチュリーが告げた
「猫耳をつけなさいアリス」
「…はあ?」
図書館に来て開口一番にそうパチュリーに告げられて
流石のアリスも空いた口がふさがらなかった
「…ちょっとごめんね」
「あら、どうしたのアリス?」
とりあえず混乱したアリスが落ち着く為に取った行動は
無言で目の前に居るパチュリーの顎に手を当てて固定すると
真正面でしっかりと見つめる
思わぬ行動をされたパチュリーも想定外の事態に慌てる
「目…閉じてくれない?」
「むきゅっ!?」
パチュリーが真っ赤になりながらもアリスに言われた通りに目を瞑る
そして、アリスの顔がパチュリーにどんどん近づいていき…
「誰がつけるか!」
「~~っ~!?」
パチュリーの額に向かって全力の頭突き
アリス渾身の肉体言語であった
「…ふぅ…落ち着いたわ」
「むきゅ~~!」
いかに策略家であるパチュリーも
思わぬ奇襲に地面に倒れてのた打ち回る
(やりすぎたかしら?)
「…ほら、手を貸してあげるから」
流石にやりすぎたとアリスも感じたのか
パチュリーに手を伸ばす
「ありがと…」
痛む額を押さえながらパチュリーがアリスの手を掴み
「…かかったわね!喰らいなさい必殺の…」
「三角締め!」
地面に倒そうとしたら、逆にアリスの魔界神直伝の固有返し技が炸裂した
「ギ、ギブギブ!折れる折れる!?」
地面に倒れたパチュリーを起こす為に手を伸ばして
それを掴んで倒そうとしたパチュリーの手を掴んで三角締めを決める
「それで?なんで私が猫耳をつけないといけないの」
完全に絞める寸前に決めた三角締めを少しだけ緩めると
アリスがパチュリーに問いかける
その問いかけにパチュリーが全力で答える
「似合うからよ!」
「OK!もう少し締め付け上げましょうか」
アリスが笑顔でパチュリーの腕と首を締め上げる
今度は絞めるよりも全力で腕をへし折るつもりだった
「ま、待って!きちんとした理由があるわ」
流石に腕がへし折られると不味いのでパチュリーが珍しく慌てる
「…言ってみて、それによっては関節の可動域が増える事になるけど」
アリスの最後の慈悲に対してパチュリーが最後の弁論を述べた
「貴方が紅魔館の猫度を上げるための最高の逸材であるのとファンサービス」
「GO!ネック&アームクラッシュ!」
アリスがパチュリーの腕と首の絞め上げを強化しようとした時
パチュリーが完璧であると思われた三角締めの弱点を見つける
「…この体勢だとアリスのスカートの中に顔を入れて悪戯できそうね」
「!?」
その言葉にアリスの三角締めの拘束が一瞬緩まる
(今なら!)
その隙にパチュリーが己の残っていた力の全てを使って…
「突撃!アリスのスカートの中!」
そのままアリスのスカートの中に顔を突っ込む
逃げようと思えば逃げれたはず…だがパチュリーはあえて前に出た
「いい加減にしなさい!この動かない色ボケ図書館!」
その動きにアリスが顔を赤くしながらパチュリーの首を固定すると
突っ込んできたパチュリーの背中の上に回り
「残虐キャメルクラッチ!」
全力の力を籠めて顎に置いた手を引き上げる
(ミシッ!)
それと同時にパチュリーの腰が砕ける音がした
その時の一瞬を小悪魔がこう語る
「揺れました!パチュリー様の胸が『たゆん♪』って!」
その一部始終を収めたビデオは紅魔館内のみの地方報道で流れ
ファンの間では幻の一戦として名が残る事になる
残虐キャメルクラッチを受けて敗れたパチュリーは
自分の部屋の中のベッドの上で倒れていた
「…痛い」
「まったく…パチュリーが悪いのよ」
ベッドで寝込む羽目になったパチュリーの隣で
アリスがバツが悪そうな顔でりんごの皮をむいていた
「…本も読めないわ」
「御免なさいって…」
いくら正当防衛であるとはいえ
少々やりすぎてしまったとアリスも思っていた
「賠償を要求するわね」
アリスが剥いた兎の形を取ったリンゴをシャクシャク食べながら
当然の要求と言わんばかりにアリスに宣言するパチュリー
「こ、此方にも正当防衛の権利があるはずよ」
アリスの反論にパチュリーも少し頷く
「そうね…なら二択から選ばせてあげる」
「に、二択って」
呆れるアリスを無視してパチュリーが
指を突き出し二択を言い放った
「選びなさい、猫耳をつけるかナース服を着て一日私の看護か」
パチュリーはまさしくもって魔女であり、そして策略家であった
相手が少しでも罪悪感を持っているのを見抜いたのなら
言葉で畳み掛けて、そして言葉で騙す
その上、二択と言いながらそのうち選ぶ物を誘導する
(かかったわねアリス…誰だってナース服に着替えるよりは
手っ取り早く猫耳を着ける方が楽のはず…)
「さあ、選びなさい」
「仕方ないわね…」
アリスがため息を着いたのを見てパチュリーがガッツポーズを
決めようとしたが、腰の激痛で断念する
魔女とはいえギックリ腰には勝てないのだ
「それじゃあ…」
(どんな猫耳が似合うかしら?…上品な感じの白かしら?
それとも、少々アダルトな黒かしら?…でも三毛も悪くないわね)
パチュリーが妄想の中でアリスの猫耳と尻尾を想像して
「看病してあげるからちょっと寝ててね」
「ええ!今すぐに猫耳を用意…って…えっ!?」
パチュリーが驚きながらアリスの方を向くが
既にそこにはアリスの姿は無かった
(何でそこでナース服を選ぶの?)
想定外の事態にパチュリーの脳内も混乱し始めていた
(聞き間違い?…そうね、きっと聞き違いね
きっとアリスは間違いに気がついて戻ってくるはず)
「待たせたわ」
自分の混乱を落ち着けようとしていたパチュリーの前に
「それじゃあ看病してあげるわね」
物凄い自然な感じでナース服を着込んだアリスが現われた
「な、なぜ?なぜ猫耳を選ばなかったの!?」
「えっ?だって猫耳って恥ずかしいじゃない」
パチュリーの言葉に当然と言わんばかりに答えるアリス
「ナース服は恥ずかしくないの!?」
「えっ?何で恥ずかしいの?これは立派な作業服じゃない」
何で恥ずかしいのか不思議に思っているアリスと
なんでナース服が恥ずかしくないのか問い詰めたいパチュリー
「明らかにおかしいわ!?普通ナース服着るよりは
猫耳を着けたほうがまだ恥ずかしくないわ!」
「パチュリー落ち着いて…喘息が起こるわよ」
興奮して声を上げるパチュリーをアリスが宥める
「これはきちんとしておかないといけないわ!それだけじゃない!
猫耳がいかに素晴らしいかを…ゲフッ!ゲフッ!?ゴホッ!」
唐突に咳き込むパチュリー
「ゴホッ!ゴホッ!」
「ほら、興奮するから…待ってて」
喘息の発作が始まったパチュリーの傍にアリスが近寄ると
呼吸をしやすいような体勢にパチュリーを動かす
「口を小さくして呼吸をして、そうすれば少しは楽になるから」
「すぅ…はぁ…すぅ…」
アリスに言われたとおりに、パチュリーが
口を小さくして呼吸をすると幾分か呼吸が楽になる
「…良かったそんなに酷い発作ではないみたいね…横になって」
「……わかった」
ある程度楽になってきたのをアリスが確認をしてから
パチュリーに横になる事を指示する
「まだ辛い?」
「…随分楽になってきたわ…まだ少し辛いけど」
その言葉を聞いたアリスが少し頷くと
「ちょっとごめん、上着捲るわね」
「むきゅっ!?」
パチュリーの上着を捲り始める
いきなりの事にパチュリーが顔を赤くするが
アリスの手は止まらない
(ま、まさか…さっきの猫耳の復讐!?)
パチュリーの頭の中に桃色の妄想が繰り広げられる
『ふふふっ…動けないわよね?パチュリー…』
(や、止めてアリス…)
『さっきの復讐よ…さあ、このウサ耳をつけなさい』
(そ、そんな辱めを!?)
『遠慮しないで良いわ、小悪魔が用意してくれているから』
(こあ!?裏切ったのねこあ!)
そんな妄想をしているうちに、アリスがパチュリーの服を捲り終え
パチュリーのお腹に手を当てる
「少しくすぐったいけど我慢してね」
「や、優しくして?」
「…?そんなの当然じゃない病人なんだから」
頬を染めたパチュリーの言葉にアリスが首を傾げつつも
真っ白なパチュリーのお腹に向かって手を伸ばす
(嗚呼…さよなら少女だった日々…
レミィ…貴方より先に大人の階段を上がるわ)
そして、遂にアリスの手が脇の下に入り…
「…いい?慢性気管支喘息を楽にするにはね、
こうやって肋間筋を緩めてやるとかなり楽になるのよ」
肋骨の筋肉をほぐす為にマッサージを加えた
脇腹の方から直に押さえた方が効き目があるのだ
「…むきゅぅ」
思いっきり勘違いしたパチュリーが顔を赤くして一言そう呟いた
「…これで随分楽になったと思うけど」
しばらくの間、アリスがパチュリーの体をストレッチするとそう告げた
「…驚いたわ…すごく楽になってる」
これだけ短時間で喘息の発作が楽になったのもそうだが
下手したらさっきよりも呼吸が楽になっているのだ
「後は、普段から少し腹式呼吸の練習をすれば発作の回数は減るはずよ」
「本当?」
驚くパチュリーにアリスが頷いて返す
「咳は体力を奪うからしばらく横になっていると良いわ」
意外な事かもしれないが咳はかなりのカロリーを消費するのだ
アリスに言われたとおりに、ベッドの上に横になるパチュリー
その際にも、アリスはパチュリーの背中に手を入れて
横になりやすいようにしてくれた
「…随分と手馴れているわね」
ベッドに入ったパチュリーがアリスにそう問いかける
先ほどの口を小さくする呼吸の事もそうだが
およそ、アリスがそこまで看護に詳しいとは知らなかった
驚くパチュリーにアリスが椅子に座って答える
「それはそうよ…お母さんにみっちり教わったもの」
それは余りにも意外すぎる答えであった
「…面白そうな話ね…よければ聞かせてくれない?」
早速パチュリーがその話に食いつくとアリスが話をし始める
「昔ね、魔界に四人の進入者がやって来て、魔界中を
滅茶苦茶にして行った事があったんだけど…」
暴れるだけ暴れてその四人は帰っていったのだが
その際に放たれた弾幕によって無関係な魔界の住人も怪我をする人が続出
変な極太レーザーに家ごと燃やされた人や、謎の巫女に強奪を受けたもの
魔導書等を根こそぎ奪われた者もいた
怪我を受けた者を治す為に病院が大量に作られたのだが
その病院が作られたは良いが、医者の数が圧倒的に足りない
このままでは大変だと思われた時に…
「…魔界神…まあ私の御母さんなんだけど」
魔界神である神綺が動ける者に対して病院での
医者の手伝いをするように呼びかけた…
呼びかけただけでなく魔界神自らも
病人や怪我人の看護や治療を手伝いに回った
その行動に心打たれた魔界の住人は
『魔界神様の呼びかけに応えよう!』を合言葉に
自ら率先して怪我人を救う為の技術等を磨き始め
医療人の人口が増えて行き、医者が足りなくなる事は無くなったのだ
「御母さんが呼びかけた言葉が地獄のようは状態でも
人を救う為の宣言として魔界では『ヘル神綺宣言』と呼ばれているわ」
アリスの話が終ると、パチュリーの方を向いて
「ナース服は魔界人にとってはけして恥ずかしい服じゃないのよ」
「…貴方がナース服を選んだ理由が良くわかったわ」
アリスにとってはナース服は恥ずかしいものではなく
格好が良いまさに戦闘服のような物なのだ
「御免なさい…ナース服が恥ずかしい服だなんて」
「気にしないでいいわよ」
謝るパチュリーに対してアリスが笑顔で答える
「それよりも、今日一日私が看護をしないといけないんでしょ?」
何かして欲しいことあるかしら?
猫耳着けて…
帰るわよ?
…寝付くまで傍に居てくれるかしら?…
ええ、わかったわ…
しばらくしてアリスの手を握って眠りに着くパチュリーの姿見られたそうな
>それとアリスに猫耳は一つの真理だと思う
同意
俺の所に来て看病してくださいぃぃぃぃぃ!
あと、アリパチェが正義なのもわかります。
魔界神様のお陰で、私にも色々わかって嬉しいです。
旧式(メンソレ○タムのアレ)が思い浮かぶ私は異端?
でもウサ耳は大人の階段ではないと思います!
それにしても魔界人達…きっと平和ボケしてたんだろうな…魔界があまりに平和だから。
ナイチンゲールな神綺様カコイイ!
脇役氏には座布団を渡さざるを得ない。 っ[追尾座布団]
風邪ひいたんで永遠亭に行ってきます。
ウサ耳は恥ずかしいのか、そうなのか・・・。
魔界時代の歴史がそれっぽくて吹いた。
永遠亭でいつでもバイトできそうです。