Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

出逢った二人

2009/01/01 23:48:03
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「魔理沙でございまーす!」

 扉閉めた。全力で閉めた。速攻閉めた。
 家を見る。うん、私の家よね。今黒いのが部屋の中に居た気がするけれど、今日は疲れたのか、幻覚よね。

「まっりまりにしてやるぜ!」

 扉閉めた。また閉めた。また黒いの見えた。
 あぁ、今日は厄日かしら。でも負けない、私強い子。
 神綺様が昔言ってたもん。『アリスちゃんはツンデ……じゃなかった。強い子よ。うん』って言ってたもん。
 よし、現実に負けない!

「むぅ、ミスったぜ。ふざけすぎて暑くなったから服脱ごう」
「ごはっ!?」

 神綺様、私負けちゃいそう。この黒いのは何で人の家でドロワと薄いシャツだけなのよ。

「おう、アリス! 邪魔してるぜ!」
「本当に邪魔。帰ってくれないかしら?」
「無理だぜ」
「……用件は?」

 本当に今日は疲れているのだ。
 人里での人形劇が予想以上に好評過ぎてアンコールが起きた。それは良かったが、流石に疲労が溜まっている。
 だから早めにリラックスしたい。

「実はな、お前に会いたいってやつがいるんじゃよ」
「何で急に老け込んだのよ!?」
「だから明日紅魔館へ行くぜ」
「ちょ、強制!?」
「まぁまぁ、ちょっとバイオレンスなやつだけど、アリスに似てるぜ?」
「私に?」
「あぁ、だから頼むぜ!」
「あ、ちょ! 魔理沙!」

 勝手に家に居たかと思えば、勝手に約束をして帰ってく。相変わらず、自由奔放な性格。
 大体私に似てるって何が似ているんだろうか。
 でも、今日はとりあえず――

「寝よう」



◇◇◇



「アリス起きろー」
「ぅうん……」
「起きないと普段は素直になれない私が何をするか分からないぞ~?」
「……」

 魔理沙はアリスの布団を剥ぎ取る。穏やかな寝顔と少女らしいパジャマを見てると、思わず魔理沙は悪戯したくなった。
 アリスは前日の疲れがあるのか、それでも起きる気配は無かった。

「魔理沙さんの悪戯受けたいのかアリスー?」

 両手をわきわきさせながら、目を妖しく光らせ、眠っているアリスに近付く。

「うぅ……あん、んぅ」
「ふむふむ、私より大きいな。むむむ」

 ふにふに、むにゅう。ご馳走さまでした。

「さて、本格的に起きろアリス」
「……」
「上海焼くぜ?」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「うおっ!?」

 アリスがいきなり起き上がった。


「上海焼かれる夢見た……最悪」
「早く起きないからだぜ」

 アリスはあの後着替えて、魔理沙と紅魔館へ、向かっていた。

「こら止まりなさい!」
「マスタースパー……ぐぇ!」

 美鈴にマスタースパークを放とうとした魔理沙の喉元を突くアリス。

「ちゃんと事情説明するわ。ごめんなさいね」
「い、いえ」

 アリスは、まだ喉を抑えて涙を浮かべている魔理沙を無視して話を進める。
 しばらくすると許可が無事貰え、目的場所の図書館へ向かう。
 中にはパチュリーとフランドールが居た。

「あ、魔理沙! その人がアリス?」
「あぁ」

 フランドールがアリスの目の前までやって来て――

「初めまして。フランドール・スカーレットよ」
「え、あ、アリス・マーガトロイドよ」

 二人が挨拶をしている間、魔理沙とパチュリーはなにやら会話をしていた。

「えと、何で私に会いたいって思ったのかしら?」
「アリスは、私と同じなのよ」

 アリスは疑問符を浮かべるが、フランドールは「少ししたら分かるよ」とだけ言った。

「そういえばパチュリー、小悪魔は?」
「小悪魔? あぁ、朝食になったわ」
「何してんのよ!?」
「あぁ安心してアリス。性的な意味でだから。今頃ベッドで休んでるわ」
「そんなカミングアウト聞きたく無かったよ!」
「うわっ! フランとアリスのダブルツッコミかよ。迫力あるな」

 アリスはフランドールに向き直る。
 フランドールはアリスと視線を合わせる。
 それだけで二人は通じ合った。

『あぁ、同じだ』

 パチュリーは、流石に二人のツッコミに圧倒されていた。

「アリス……」
「フランドール……」

 二人は熱い握手を交わした。

「何か……微妙に不愉快だわ」
「おお、パチュリーもか。私も何か知らんが不愉快だ」

 結局その後、何故か機嫌を損ねたパチュリーと魔理沙によって、フランドールとアリスは引き離され、魔理沙がアリスを森へ連れ帰ってしまった。



◇◇◇

――アリスの家にて

「魔理沙ありがとう。とても有意義な時間を過ごせたわよ」
「私は会わせなきゃ良かったと後悔してるぜ」
「何でよ?」
「何故か脅威的な存在を生み出してしまった気がする」
「意味が分からないわよ」

 魔理沙は苦笑いを浮かべ、アリスは本当に分からないといった表情だ。

「ていうか魔理沙いつまで私の家に居るのよ」
「んにゃ? まぁ気にするな。飯を戴こうなんて思ってないから安心しろ」
「はぁ……分かったわよ」
「ちなみに和食な。絶対和食な。和食以外食べると体中の血液が左足首辺りに集まっちゃうんだ」
「どんな状態よ!?」
「こけし」
「意味分からないわよ!」



――一方その頃、とある図書館では


「妹様、紅いミドリガメと蒼い紅魔館。どっちが良いと思う?」
「脈絡無さすぎて意味分からない!」
「ほら、何て言うか……こけし?」
「何が!?」
「妹様、ここ図書館。ちょっとは黙りましょう? もしくは喋る時、冒頭に『優しく……して』を付けなさい」
「何で!?」
「良いから!」
「は、はいっ!」
「それではツッコミの時もお願いね」
「優しく……して。何でよ! 面倒だよ!」
「あはは」
「優しく……して。ウザい! リアルに笑顔を壊したい!」
「妹様……さっきから頭大丈夫?」
「突然突き放された!?」
「そういえば妹様、アリスから伝言預かってるわ」
「え?」
『アリアリアリアリアリ』
「何処のブチャラティさんだよ!?」
「妹様、最初に言ったでしょ?」
「え?」
「静かにしてって!」
「元凶パチュリーだよ!」




「アリスに会いたい!」
「フランドールに会いたい!」

 そんな声が何処からか聞こえたそうな。
 にゃんだきゃんだで幻想郷は平和じゃけぇ。
何故かギャグが書けなくなってしまいました。
リハビリ作品です。
なのに、これは新年初のSSであると同時に、40作品目でもあります。
創想話に5本、プチに35本です。
明らかに割合おかしいです。
自分では『たまにはこんな奇跡はどうですか?』『こんな年明けも良いかもね』『絵本シリーズ』が非常に思いが深い作品です。
全く関係ないことをグダグダすみません。
こんな作品と作者ですが、少しでも楽しんでもらえると嬉しいです。
喉飴
コメント



1.コメ10削除
来るんじゃないかと思った二組の漫才コンビの邂逅!
こけし×2吹いたw
あと、朝食の小悪魔を詳しくお願い(ry

今年も強力なギャグをよろしくお願いします
2.地球人撲滅組合削除
これはとんでもないタッグ完成www
紅いミドリガメに、今年最初の吹きを奪われてしまいました。
>何故かギャグが書けなくなってしまいました。リハビリ作品です。
ご冗談でしょう!?

今年も凄まじいのをよろしくお願いします。
3.sirokuma削除
あけましておめでとうございます。
今年も喉飴さんのパチェは絶好調やね。良いことだ。
個人的には小悪魔を食べちゃった描写をkwsk!もっとkwsk! (実はこっちが本命とか主張してみる)
4.敬称略の人削除
え……ギャグが……書けない?
そんな、それなら読んでる間細かな笑いを断続的に繰り返してしまった私の存在は…?
なにはともあれ、今年も喉飴さんの作品楽しみにしてます~
5.名前が無い程度の能力削除
アリスとフランとは珍しい組み合わせですね。
マリアリ派の私としては複雑w
ギャグは毎度の事ながらとても楽しめました^^
6.名前が無い程度の能力削除
フラン様……アリアリはブチャラティさんですよー。
7.名前が無い程度の能力削除
内容はとても面白かったです。ギャグとして楽しめました。

しかし場面場面の移り変わりが急すぎるようにも思えます。
例えば紅魔館でのアリスとフランの遣り取りは内容も描写もまだまだ膨らませられる余地があるのでは?
帰結する所は同じでも、もう少し過程に厚みが欲しかったところです。
8.喉飴削除
>>コメ10様
今年は諸事情により3月まで執筆が遅くなりますが、今年もよろしくお願いします。

>>地球人撲滅組合様
やったー。最初の笑いを貰いましたぜ!
私は元からギャグ、ダーク、バトルを書くのが非常に苦手なのです。
こちらこそ、今年もあなた様の作品期待してますぜ!

>>sirokuma氏
あけましておめでとうございます!
「小悪魔」
「はい? ――ってきゃあ!?」
「いただきます」
「ちょ、朝からそんな……ぁん」
続きは省略されました。続きを表示する場合は『パチュこあ!』と(ry

>>敬称略の人様
テンポが悪いと自分では思ってましたが、笑って下さって安心です!

>>5様
この作品、もし百合的に見るなら『マリアリ』『パチュフラ』になってますから安心を!

>>6様
フランちゃんもたまには間違えてしまいます。いえ、すみません。PCつけれる時間確保出来次第、修正致しますのでしばしお待ちください。

>>7様
この作品は『ほぼ会話文統一の一発ネタ』をコンセプトにしているため、普通とは微妙に構成が違ってます。
スピード感重視なため、色々な場面が浅くなってしまった感は、私も惜しいと感じてます。すみません。
それでも、楽しんで下さってなによりです。


読んで下さった方、コメントを残して下さった方全てに感謝を致します!
9.名前が無い程度の能力削除
ギャグが……書けない……だと!?

いや、十分に面白かったですw笑いましたw
10.謳魚削除
明けましてアリフラ(友情的な意味で)!
だが二人を待ち受けるのは幻想郷の予想を超えた魔女と魔法使い!
人形師と悪魔の妹は再び出会う、立ち向かう為に。
次回『黒白七曜御乱心(とうほうぼけつっこみ)』第四十一話『六十年目の御約束裁判』
妖夢&妖忌「次回も必ず見るべし!」
ゆゆ様「……いーもん、仲間外れでもさみしくないもん……」
庭士道大原則ひとぉ~つ!
庭士は己の主人を生涯懸けて弄り倒さねばならない!(あれ?感想は?)(ツッコミ二人で一千万パゥワァ!)(いやそれ違うだろ)
11.こうが削除
>>「小悪魔? あぁ、朝食になったわ」
 「何してんのよ!?」
 「あぁ安心してアリス。性的な意味でだから。今頃ベッドで休んでるわ」
やっぱりパチュリーさんはパチュリーさんでした。

あけましておめでとうございます。
今年も喉飴さんのご活躍に期待しております。
12.喉飴削除
>>9様
それはこちらとしても嬉しい限りですw

>>謳魚様
もはや分かりませんww

>>こうが様
あけましておめでとうございます。
こちらこそこうが様の活躍を期待しています。
13.名前を表示しない程度の能力削除
明けてましたおめでとうございます。
しかしついにツッコミ気質の二人が出会うときがやってきてしまったか……!
だが私は一向に構わん! むしろもっとやれ!!

>何故かギャグが書けなくなってしまいました。
嘘だッ!!!!
14.喉飴削除
>>名前を表示しない程度の能力様
おめでとうなのですよ。にぱー☆
読んで下さってありがたやありがたや。