「パチュリー」
「最近よく来るわね妹様」
「き、来ちゃ行けないかな?」
フランドールは少し不安気味に尋ねる。
「別に好きになさい。ただレミィが拗ねるわよ」
相変わらずの無表情で、本からは目を離さず言うパチュリー。
「お姉様は優しいから大丈夫だもん」
「そう。で、今日は何の用?」
「私ね、歌を教えて欲しいの」
「歌?」
フランドールの口から発せられた意外な言葉に、本から目を離してフランドールの目にピントを合わせる。
「うん。美鈴がね、歌はいいねぇ……歌は心を潤してくれる。って言ってたから知りたくて」
長年閉じ込められていたフランドールは、歌の一つも知らないのだろう。だから美鈴の言葉で歌というものに興味が湧いたのか。
「分かったわ」
「やった!」
フランドールは喜ぶ。
「まぁまずは簡単な童謡にしましょうか」
「童謡?」
フランドールは聞き慣れない言葉に、首を傾げる。
「そ、童謡。子供向けに作られた歌のことよ」
「私子供じゃないもん! パチュリーより年上だもん! 就職だって出来るもん!」
「そう。それは失礼したわね。なら裏童謡を」
「裏童謡?」
「裏童謡は大人の階段を上りつつある君はまだシンデレラさ、的な人用」
「よく分からないけど大人向け?」
「yes.yes.yes」
パチュリーの肯定な言葉に、喜ぶフランドール。
「じゃあそれで教えて」
「じゃあ実際に歌ってみせるから」
「うん!」
『迷子の迷子の子猫ちゃん~貴女のお家はどこじゃけえ?』
「訛ってる!?」
『お家を訊いても「止めて下さい!」名前を訊いても「しつこいです!」』
「台詞入ってるよ!?」
『「良いじゃねぇか、ほら」にゃんにゃんにゃにゃ~ん。にゃんにゃんにゃにゃ~ん♪』
「台詞のせいで色々おかしな意味に!?」
『泣いてばかりいる子猫ちゃん~』
「うわぁ、取り方によっちゃ最低だぁ」
『犬のお巡りさん。ニヤリと笑ってワンワンワワン、ワンワンワワン♪』
「犬のお巡りさん最低だよ! ていうかストップパチュリー!」
「まだ二番を歌ってないのに……」
「歌うなよ! 何これ!? 台詞入ってるし展開が危ないし!」
「でも裏童謡を選んだのは妹様よ?」
「う……」
「妹様ったら大胆ね」
「うがぁぁぁもういい! もっと普通のやつにして」
「わがままなシンデレラちゃんねぇ。じゃあ次は普通の童謡を歌うわ」
『ぞうさんぞうさん、お鼻が長いのね』
「さっきと比べて格段に健全だね」
『そうよ、だから何、悪いのかよ!』
「ぞうさんキレた!?」
『ぞうさんぞうさん、だあれが好きなの』
「また普通に戻った」
『どうしてあんたなんかに教えなきゃならないのよ!』
「ぞうさんまたキレた!? てかまたほぼ台詞じゃん! やめだやめだぁ」
「人が気持ち良く歌ってるのに邪魔をしないでフランドール・妹・スカスカレット」
「ミドルネームみたいに妹って入れるな! あとスカスカレットってなんだ! そしてこれを気持ち良く歌うパチュリーが信じられない!」
「あら、信じてくれてたの?」
「うぅ……じゃなくて!」
「ごめんなさい。からかいすぎたわね」
そっと優しくフランドールの頭に手を置く。
「私パチュリーより年上だってば……」
「嫌かしら?」
「嫌……じゃない」
こそばゆいけれど、悪くは無かった。
パチュリーは優しくフランドールを抱き寄せ自分の膝の上に乗せる。そして帽子を取り、直接頭を撫でる。
「んっ……」
くすぐったそうに小さく声を上げたか、次第にそれもなくなる。見ると少し眠
たそうな目をしていた。
「歌」
「え?」
「歌ってあげるわ」
パチュリーが歌う。それはとても優しい子守歌。フランドールの背中から伝わるパチュリーの定期的な心音と混ざり合い、一つの新しい歌を奏でる。
フランドールは歌を聞き取ろうとするが、心地良さにリラックスしていき、睡魔に負け、パチュリーの膝の上でそのまま眠ってしまった。
優しく笑み、頭を撫でるその姿は母と娘の様に見えた。
柔らかく暖かい日差しが、いつまでも二人を包んでいた。
以上独断と偏見に充ち満ちた続きでした。
レミ「なによフランのばか、パチェのばか……」
こあ「大丈夫、お嬢様には私が居ますよ」
パチェフラが在るなら、こあレミが在っても良いじゃない!(暴走一歩手前の様です)
>フランドール・妹・スカスカレット
どうしたらこんな面白いことを考えられるのか教えてくださいwwww
これはまた酷い歌でフランをからかうパチュリーはもう最高です。
>どこじゃけえ
今回は軽めな気がしますが、
相変わらず喉飴と嶺上開花さんのネタは出だしから強烈ですw
>フランドール・妹・スカスカレット
妹www
偶には(初めて?)こういう終わり方もいいですね。しかしパチュリーがこれで終わるはずが(ry
では次回作も期待して待ってます。
常に新しいものを求めてます。
>>謳魚様
ちょw私なんかの文章で暴走なんて勿体ないです!
>>こうが様
あなた様はもしや私の絵本シリーズを読んで下さっていたのですか!?
こういう思考が常に働いているんで、私にはツッコミいれてくれる人が必要なのですww
>>コメ10様
今回は続けるかどうか実験的な物だった為、少し弱いボケです。
毎回笑って下さって嬉しいですw
読んで下さった全ての方に感謝です!
坊や~良い子だ金出しな~
今度は最後ほのぼのかよ……こんなのも書けるのかよ……
妬ま(sy
で、絵本シリーズでの約束だったピンクなアレはどこ(ry
替え歌って子供の頃はよくやりましたよねぇ
>>7様
それをやるとただでさえ短編な私の作品が恐ろしいことになりますww
>>8様
嶺上開花は省略して下さって構いませんw正直名前を喉飴に変えたいですw
この名前は喉飴を舐めて麻雀アプリしてたら嶺上開花が出たからなのですw
私の文章なんてまだまだですよ。いつかは創想話で2000点取りたいものですw
すみませんw夜伽で喉飴を検索すればフランではありませんが、過去に私がノリで書いたネチョいのありますよww?
読んで下さってありがとうございました!
妹様のツッコミはシリーズ変わっても健在のようで。
そのままどこまでも高みを目指していただきたいものです。
新シリーズ開始とのことで、小躍りして喜びました。
次回も楽しみにしてます。
それはともかく新シリーズ開幕ですね! 喉飴氏の妹様の突っ込みがまた見れるんですね!
よってパチュリーにはこれからも自重という言葉自体を自重してもらってもっと妹様を困らs(スターボウブレイク
しかし替え歌だけじゃなく意味の取り違いで突っ込みたくなる歌はあったりしますよ。
「屋根より高い(屋根以上の価値の)鯉のぼり」とか「シャボン玉飛んだ 屋根まで(屋根も一緒に)飛んだ」などなど。
日本語ッテムツカシイデスネー。
たまには優しく! って妹様が言ってたんでw
とても書きやすい反面、飽きられないかにびくびくしてますw
>>名前を表示しない程度の能力様
妹様以外にもツッコミいれようかと思いましたがやめましたw
歌は面白いですよねwいろいろw
門に腰掛けながら「歌は良いねぇ。そう思わないか、十六夜咲夜君?」
そう微笑んだ直後にナイフを頭に刺した美鈴を幻視した。
誰も突っ込まないから分からないのかと思いましたが突っ込んで下さり歓喜w
>>14様
ぞうさんだって性格に個性がありますw
読んで下さってありがとうございます!