東方で遊戯王１７　『湿気で髪がまとまらない2008』

注意：前回の続きです。
　　




























　　＿＿＿＿＿＿＿＿23:00　博麗神社宿舎内








永琳　「さて、ではさっそく次なる試合を始めようと思いますが……
　　　　この暑さはなんとかならないもんでしょうかね？」

妹紅　「ならないよ」

パチェ「明るいのはいいけど……なにも全身で焚き火しなくてもいいのに」

輝夜　「仕方ないのよ。こいつはいつも体を燃やしていないと、溶けて死んでしまうの」

妹紅　「溶けないよ」

魔理沙「あの燃えてる奴はいいとして…………さあ、ようやくでてきたな。紅魔館チーム」

文　　「ですねぇ。わたしの前情報では、優勝候補の筆頭と出ています」

霊夢　「どうやって調べたのよ、そんなの」

文　　「あら、わたしは諜報専門の天狗ですよ？　
　　　　その気になれば、メイドがこっそり趣味で集めてるぬいぐるみの数だって把握できます」

咲夜　「あんたあとで神社の裏まで来なさい」

アリス「まあ、あいつらの実力はわたし達も戦ったからわかるわ。
　　　　でも、あの蓬莱人達はどうなの？」

文　　「それなんですけど……あの人達の情報は入っていないんです。
　　　　なにせ、二人とも予選には参加してないですし」

霊夢　「ああ、そういえば主催者だからって勝手な権限使ってたわよね」

魔理沙「だが、だからといって実力が無いわけじゃないだろう。
　　　　むしろ、自信の表れと見るべきだろうな。
　　　　どうせやったら勝つんだから、予選なんか出るだけ無駄だとでも言いたいんだろ」

アリス「勝手な話ね、いずれにしても」

永琳　「いよいよこの試合が、一回戦の最終戦になります。
　　　　お互い、どなたが出られますか？」

輝夜　「いきなりわたしが出るまでもないわ。妹紅」

妹紅　「気安く呼ぶなって言ってるだろ。初めからそのつもりだよ」

レミ　「パチェ、お願い」

パチェ「……レミィ？　わたしが先でいいの？」

レミ　「ええ。言ったでしょ。わたしはあいつを懲らしめてやりたいの。
　　　あの自称主催者さんをね」

パチェ「（……自称っていうより実際そうなんだけどね）
　　　　まあ、いいわ。ならわたしが出ましょう」

妹紅　「あれ、あんたは…………会うのは初めてじゃないけど、戦ったことはないね」

パチェ「知識と造詣の泉、パチュリー・ノーレッジよ。
　　　　宴会にはあまり顔を出してないから、一応自己紹介をしておくわ」

妹紅　「永遠に幼き赤き不死鳥、藤原妹紅だ。
　　　　こう見えて長生きだから、覚えておいて損はないと思うよ」

レミ　「あいつ、ひとの二つ名を勝手に……。
　　　　パチェ、手加減無しで頼むわ。全力前進よ！」

咲夜　「お、お嬢様落ち着いて……せっかくのお召し物がシワに」

妹紅　「やれやれ、あの吸血鬼は相変わらずだねぇ。
　　　　でも、あんたは対照的ね。ずいぶん静かじゃない」

パチェ「喘息を患っているの。あんまりはしゃげないのよ」

妹紅　「あ、そう。そりゃ残念。でも、たまには運動もしないと体に毒よ。
　　　　わたしの熱で、たっぷり汗をかいていくといいわ。
　　　　ついでに、その氷みたいな表情を溶かしてあげようか」

パチェ「せっかくだけど、遠慮させてもらうわ。汗をかくのは嫌いなの。早く始めましょう」

妹紅　「ふうん。涼しい顔して、なかなか好戦的なんだね」

パチェ「これでも生粋の魔女なの。たまには殺生もしないとね」

妹紅　「ククク……面白くなってきたじゃん。
　　　　来な。ハンバーグにしてやるよ！」





　妹紅【抜山蓋世のフジヤマヴォルケイノ】LP8000

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＶＳ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パチュリー【秘術降魔神式の儀】LP8000




妹紅　「わたしのターンからでいいんだよな、確か」

永琳　「ええ。開始してください」

妹紅　「なら……いこうか。ドロー」

妹紅　「ヴォルカニック・エッジを、攻撃表示で召喚」


《ヴォルカニック・エッジ/Volcanic Slicer》 †
効果モンスター
星４/炎属性/炎族/攻1800/守1200
相手ライフに５００ポイントダメージを与える事ができる｡
この効果は１ターンに１度しか使用できない。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。


パチェ「（エッジ……ヴォルカニックバーンね）」

妹紅　「ヴォルカニック・エッジの起動効果発動。５００ダメージを受けな」

パチェ「……手が早いのね。先攻でいきなりダメージを与えてくるなんて」LP8000→7500

妹紅　「わたしはその辺の甘ちゃんデュエリストとは違うよ。
　　　　余所見なんかしてたら、容赦無く灰にしてやるからねえ」

妹紅　「カードを１枚伏せて、ターンエンドするよ」



妹紅　 LP8000:手札４:エッジ、伏せ１
パチェ　LP7500:手札６:無し



パチェ「わたしのターン……ドローするわ」

アリス「相変わらず、あの娘は眠そうな顔ね。本当にやる気あるのかしら」

霊夢　「というか、あの顔以外の表情を見たことがないわ」

魔理沙「この前わたしがマスパぶっぱなして、図書館が半壊しかけた時もあんな顔だったぜ」

咲夜　「急にゴキブリが飛んできて顔にひっついた時も、あんな顔で気絶してましたわ」

レミ　「まったくあんたら、パチェの事全然わかっちゃいないわね」

アリス「いやまあ、別にわからなくていいけど」

霊夢　「あんたはわかるっていうの？」

レミ　「当たり前よ。同居人なわけだし」

咲夜　「（ならわたしは……）」

パチェ「では……この辺りからいこうかしら。手札から、ソニックバードを召喚するわ」


《ソニックバード/Sonic Bird》 †
効果モンスター
星４/風属性/鳥獣族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、
デッキから儀式魔法カード１枚を選択して手札に加える事ができる。


パチェ「ソニックバードの誘発効果発動。デッキから儀式魔法カードを手札に加える。
　　　　わたしはエンドオブザワールドを選択。これを手札に加えるわ。ターン終了」



妹紅　 LP8000:手札４:エッジ、伏せ１
パチェ　LP7500:手札６:ソニバ



アリス「ソニックバード……。なるほど、今日は儀式召喚デッキというわけね」

魔理沙「そういえば、よく図書館で怪しげな儀式してるよな。
　　　　この前とか何やってたんだ？　
　　　　部屋中で大量のお香焚いて、今にも悪魔が出てきそうな雰囲気だったぜ」

咲夜　「あれはただのアロマテラピーです。ちょっとやりすぎた感はありましたが」

レミ　「パチェはああ見えて、世間知らずなところが多いからね」

妹紅　「歯ごたえのなさそうな鳥が一羽……どうやら、焼き鳥にされたいみたいだね。
　　　　ドロー。わたしは火口に潜む者を召喚」


《火口に潜む者/The Thing in the Crater》 †
効果モンスター
星４/炎属性/炎族/攻1000/守1200
このカードが破壊され、フィールド上から墓地に送られた時、
手札から炎族モンスター１体を特殊召喚する事ができる。


妹紅　「バトルフェイズだよ。ヴォルカニック・エッジ、焼き尽くしてやりな。
　　　　ソニックバードに攻撃！」

パチェ「破壊されるわ」LP7500→7100

妹紅　「さらに、火口に潜む者でダイレクトアタックよ」

パチェ　LP7100→6100

妹紅　「……ったく、張り切って神社くんだりまで来てみれば、こんなやる気の無い奴が相手とはねぇ。
　　　　最初の威勢はどうしたのさ。少々拍子抜けだね。ターン終了」



妹紅　 LP8000:手札４:エッジ、火口、伏せ１
パチェ　LP6100:手札６:無し



パチェ「……わたしのターンよ」

輝夜　「妹紅の言う通りね。
　　　　レミリア。あなたの相方、さっきから何もしないで、ただ陰気な顔で突っ立ってるだけじゃない」

レミ　「浅薄ね、蓬莱人。
　　　　パチェは確かに陰気だけど、それは何も喘息で体が弱っているからじゃないわ。
　　　　生来の性格なのよ」

咲夜　「（ぜ、全然褒めてないわ……。
　　　　というか、偉そうに言うことじゃないし）」

パチェ「ドロー。レミィの言う通りよ。
　　　　デュエルはともかく、持って生まれた性格をとやかく言われたくないわね」

妹紅　「いやいや、言ったのは吸血鬼の方だって」

アリス「よくわからない会話の流れになってるけど、
　　　　あの娘の強さは一度戦ったわたしが一番よく知ってるわ。
　　　　パチュリーのデュエルは、綿密に練られた戦略の上にただ胡坐をかくだけじゃない。
　　　　誰よりも静かで冷静な視点をもって、状況を分析する氷のような客観性を持っている……」

レミ　「４７点、といったところね」

魔理沙「えらい中途半端な点数だな」

レミ　「じゃあ３０点」

アリス「下げないでよ……」

霊夢　「ようするにこういうことでしょ。
　　　　あいつは一見無表情で何を考えてるかわからないけど、やる時はやる、と」

レミ　「それは１２点。
　　　　つまりはこうよ。言葉を少なくする者は知識のある者、心の冷静な人はさとき人である」

アリス「旧約聖書ね。箴言１７章２７節」

レミ　「ふふふ。そう、沈黙とは金。
　　　　本当の賢者とは言葉が少なく、怒ること遅く、
　　　　冷静に物事を見つめることができる人物のことを呼ぶのよ」

魔理沙「よくわからんが、口数は少ない方がいいってわけか」

咲夜　「いやまあ、間違っちゃいないんでしょうけど」

妹紅　「なんだ。わたしがお喋りだって言いたいのかい」

パチェ「相手を間違えないでほしいわね。
　　　　手札から、サンダードラゴンの効果を発動。
　　　　このカードを墓地に捨て、デッキから同名カード２枚を手札に加えるわ」


《サンダー・ドラゴン/Thunder Dragon》 †
効果モンスター
星５/光属性/雷族/攻1600/守1500
手札からこのカードを捨てる事で、
デッキから別の「サンダー・ドラゴン」を２枚まで手札に加える事ができる。
その後デッキをシャッフルする。
この効果は自分のメインフェイズ中のみ使用する事ができる。


霊夢　「あれは……デッキの圧縮？」

魔理沙「違うな。たぶん儀式のコストだろ」

パチェ「そしてセンジュゴッドを召喚。
　　　　誘発効果で、デッキからこのカードを持ってくる…………これで儀式の準備は整ったわ」


《センジュ・ゴッド/Senju of the Thousand Hands》 †
効果モンスター
星４/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、
デッキから儀式モンスターカード１枚を選択して手札に加える事ができる。


妹紅　「儀式だって？」

パチェ「正と邪、光と闇、破と魔。アストラルの投射により、
　　　相反するエレメンタルを肯定し否定する。
　　　黒の炎と魔力を代償に、次元の彼方の存在との契約の扉を開く！」

パチェ「手札から儀式魔法、エンド・オブ・ザ・ワールドを発動！　
　　　　手札のサンダードラゴンと場のセンジュゴッドをリリースし……
　　　　終焉の焦土より降臨せよ！　破滅の女神、ルイン！」


《エンド・オブ・ザ・ワールド/End of the World》 †
儀式魔法
「破滅の女神ルイン」「終焉の王デミス」の降臨に使用する事ができる。
フィールドか手札から、儀式召喚するモンスターと同じレベルになるように
生け贄を捧げなければならない。


《破滅(はめつ)の女神(めがみ)ルイン/Ruin, Queen of Oblivion》 †
儀式・効果モンスター
星８/光属性/天使族/攻2300/守2000
「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。
フィールドか手札から、レベルの合計が８になるよう
カードを生け贄に捧げなければならない。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
もう１度だけ続けて攻撃を行う事ができる。


鈴仙　「レベル８の儀式モンスター……！　
　　　　ステータスはそれほどでもないけど、効果は強いですね」

永琳　「そうね。奇襲性はかなりのものだわ」

魔理沙「まあ言ってしまうと、デミスじゃないんかいって話なんだけどな」

パチェ「状況によってはルインの方が有効の時もあるわ。
　　　　バトルフェイズよ。ルインでヴォルカニック・エッジを攻撃」

妹紅　「へえ、なんだ。結構やるじゃん」LP8000→7500

パチェ「まだよ。ルインの誘発効果発動。
　　　　相手モンスターを戦闘で破壊した時、もう一度攻撃ができる。
　　　　火口に潜む者に攻撃よ」

妹紅　「破壊されるけど、こいつの誘発効果を忘れてもらっちゃ困るね。
　　　　このカードが破壊され墓地に送られた時、手札から炎族モンスターを特殊召喚できる。
　　　　来な。ヴォルカニック・ハンマー」LP7500→6500


《ヴォルカニック・ハンマー/Volcanic Hammerer》 †
効果モンスター
星５/炎属性/炎族/攻2400/守1500
自分の墓地に存在する「ヴォルカニック」と名のついたモンスターカードの
枚数×２００ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。
この効果は１ターンに１度しか使用できない。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。


パチェ「（！　上級モンスター……）」

アリス「攻撃力２４００……やっぱりデミスの方がよかったわね」

パチェ「だから、そういうときもあるわ。カードを１枚伏せて、ターンエンドよ」



妹紅　 LP6500:手札３:ハンマー、伏せ１
パチェ　LP6100:手札５:ルイン、伏せ１



妹紅　「わたしのターンだね。ドロー」

妹紅　「ルインよりも、攻撃力はわたしのハンマーの方が上。
　　　　伏せカードで迎撃しようって魂胆だろうけど、そうはいかない。
　　　　発動させてもらうわよ。永続魔法、ブレイズ・キャノン」


《ブレイズ・キャノン/Blaze Accelerator》 †
永続魔法
手札から攻撃力５００ポイント以下の炎族モンスター１体を墓地へ送る事で、
相手フィールド上に存在するモンスター１体を破壊する。
この効果を使用したターン、自分のモンスターは攻撃する事ができない。


霊夢　「ブレイズ・キャノンですって？」

魔理沙「ヴォルカニックのキーカードだな。
　　　　手札のモンスターを弾丸にすることで、相手モンスターを破壊できるカードだ」

妹紅　「ブレイズ・キャノンの効果発動。
　　　　このカードは、手札の攻撃力５００以下の炎族を捨てることで、相手のモンスターを破壊できる。
　　　　手札のヴォルカニック・バレットを墓地に捨てることで、ルインを破壊。
　　　　いくわよ……ファイア！」

パチェ「（ルインがあっさりと……）」

妹紅　「他愛ないねぇ。わたしはさらに、今墓地に送ったヴォルカニック・バレットの効果を発動。
　　　　ライフを支払い、デッキから同名カード１枚を手札に加える」LP6500→6000


《ヴォルカニック・バレット/Volcanic Shell》 †
効果モンスター
星１/炎属性/炎族/攻 100/守 0
このカードが墓地に存在する場合、５００ライフポイントを払う事で
デッキから「ヴォルカニック・バレット」１体を手札に加える事ができる。
この効果は１ターンに１度だけ自分メインフェイズに使用する事ができる。


霊夢　「弾丸モンスターが補充された！？」

文　　「弾切れを防ぎましたね。これでまたモンスターを展開しても、すぐに破壊されてしまう」

妹紅　「ブレイズ・キャノンの効果を使用したターン、わたしは攻撃することができない。
　　　　だから代わりに、別の方法でダメージを与えてやるよ。
　　　　ヴォルカニック・ハンマーの起動効果発動。
　　　　墓地にヴォルカニックモンスターは２体。４００ポイントのダメージを受けな」

パチェ　LP6100→5700

鈴仙　「……さすが妹紅さんですね。
　　　　ヴォルカニックハンマーは起動効果を使ったターン、攻撃できない。
　　　　ブレイズ・キャノンとのデメリットを共有させるなんて」

永琳　「あれこそがヴォルカニック・バーンデッキよ。
　　　　相手モンスターを破壊しつつ、隙あらば容赦なく効果ダメージを与えていく。
　　　　どんな状況でも攻めることができるのが特徴よ。
　　　　まあ、あの人はちょっと血の気が多いからね」

鈴仙　「ああ、そうか。肝好きですしね」

永琳　「は？　それは関係ないわ。あなた、熱でもあるんじゃないの」

鈴仙　「…………」



妹紅　 LP6000:手札３:ハンマー、ブレイズキャノン、伏せ１
パチェ　LP5700:手札５:伏せ１



パチェ「わたしのターンでいいようね。ドロー」

パチェ「マンジュ・ゴッドを召喚。誘発効果で、デッキから高等儀式術を手札に加える。
　　　　カードを一枚伏せて、ターン終了」


《マンジュ・ゴッド/Manju of the Ten Thousand Hands》 †
効果モンスター
星４/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、自分のデッキから
儀式モンスターカードまたは儀式魔法カード１枚を選択して手札に加える事ができる。


妹紅　「ふん、わたしのターンだね。ドローする」

妹紅　「（また伏せカード…………攻撃はしにくいけど、でも）」

妹紅　「攻撃しなくても、モンスターは破壊できるんだよ。
　　　　ブレイズ・キャノンの効果発動！　手札のバレットを捨て、マンジュゴッドを破壊！」

霊夢　「モンスターを出してもすぐ破壊……。
　　　　弾も補充されるし、これじゃきりがないじゃない……」

アリス「さすがは炎を纏いし不死鳥ね。
　　　　わたしもこの前久々に挑んだら、フェニックスの尾でゲームオーバーだったわ」

魔理沙「そりゃお前が下手くそなだけだぜ」

アリス「作者はマリス砲できないのよ……」

妹紅　「墓地のヴォルカニックバレットの効果発動。
　　　　ライフを払って、デッキから３枚目を手札に。
　　　　さらに、ヴォルカニック・ハンマーの起動効果発動よ。
　　　　……ファイア！」LP6000→5500

パチェ「……く」LP5700→5100

妹紅　「いい感じで焼けてきたねぇ。
　　　　ターンを終了する前に、永続魔法黒蛇病を発動。
　　　　ついでに、こいつも召喚しておこうか。プロミネンス・ドラゴン」


《黒蛇病(こくじゃびょう)/Black Snake Syndrome》 †
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに２００ポイントダメージを与える。
２ターン目以後自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは２倍になる。


《プロミネンス・ドラゴン/Solar Flare Dragon》 †
効果モンスター
星４/炎属性/炎族/攻1500/守1000
自分フィールド上にこのカード以外の炎族モンスターが存在する場合、
このカードを攻撃する事はできない。
自分のターンのエンドフェイズ時、
このカードは相手ライフに５００ポイントダメージを与える。


妹紅　「エンドフェイズに、プロミネンス・ドラゴンの誘発効果発動。さらに５００ダメージよ」

パチェ　LP5100→4600



妹紅　 LP5500:手札２:ハンマー、プロミ、ブレイズキャノン、黒蛇病、伏せ１
パチェ　LP4600:手札５:伏せ２



パチェ「ふう……さすがにちょっと暑くなってきたわね」

レミ　「だとさ。いい加減そのストーブ止めたらどうなんだ？」

輝夜　「まあねえ。止めようにも、殺しても生き返っちゃうから」

妹紅　「あたしのことかよ」

パチェ「違うわ、レミィ。わたしが言っているのは勝負のこと。
　　　　久しぶりにいい運動になりそうだわ。
　　　　咲夜。汗をかくかもしれないから、着替え用意しておいて」

咲夜　「ガッテンですわ」

パチェ「いくわよ。高等儀式術を発動！　五行の理を介し、精霊の導き手に誘われよ！　
　　　　デッキの大木炭１８を３枚墓地に送り、精霊術師ドリアードを攻撃表示で特殊召喚！」


《高等儀式術(こうとうぎしきじゅつ)/Advanced Ritual Art》 †
儀式魔法（制限カード）
手札の儀式モンスター１体を選択し、そのカードとレベルの合計が
同じになるように自分のデッキから通常モンスターを選択して墓地に送る。
選択した儀式モンスター１体を特殊召喚する。


《精霊術師(エレメンタルマスター) ドリアード/Elemental Mistriss Doriado》 †
儀式・効果モンスター
星３/光属性/魔法使い族/攻1200/守1400
「ドリアードの祈り」により降臨。
このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」としても扱う。


霊夢　「出たわね！　パチュリーのエレメンタルマスター！」

魔理沙「属性を操る魔法使い。あいつの真骨頂だな」

妹紅　「あー？　なんだ、そんな貧弱そうな魔導師がどうだと……」

パチェ「あなたが警戒した伏せカード。残念ね、これは迎撃用のトラップじゃないのよ」

妹紅　「！？」

パチェ「リバースカードを２枚、チェーンして発動！　両方とも風林火山よ！！」


《風林火山(ふうりんかざん)/Fuh-Rin-Ka-Zan》 †
通常罠
風・水・炎・地属性モンスターが全てフィールド上に
表側表示で存在する時に発動する事ができる。
次の効果から１つを選択して適用する。
●相手フィールド上モンスターを全て破壊する。
●相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
●相手の手札を２枚ランダムに捨てる。
●カードを２枚ドローする。


輝夜　「……なっ！？」

アリス「きたわね、必殺の風林火山！　しかも２枚分」

霊夢　「ひゃっほうって感じね！」

パチェ「一枚目で相手モンスターを全て破壊！　
　　　　二枚目で二枚ドローよ！」

妹紅　「させるか！　チェーンしてトラップ発動！　火霊術－紅！」


《火霊術(かれいじゅつ)－「紅(くれない)」/Spiritual Fire Art - Kurenai》 †
通常罠
自分フィールド上に存在する炎属性モンスター１体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。


妹紅　「サクリファイスエスケープってやつさ。
　　　　ヴォルカニック・ハンマーをリリースし、その攻撃力分のダメージを与える！」

パチェ「少々痛いけど……でも、これであなたを守るモンスターはいないわね」LP4600→2200

妹紅　「ふん。そんなモンスターにダイレクトアタックされたところで痛くも熱くもないね」

パチェ「それはどうかしら。わたしはドリアードに、リチュアルウェポンを装備するわ」


《リチュアル・ウェポン/Ritual Weapon》 †
装備魔法
レベル６以下の儀式モンスターのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力と守備力は１５００ポイントアップする。


パチェ「攻撃力と守備力を１５００ポイントアップ。ドリアードの攻撃力は２７００よ」

妹紅　「何！？」

パチェ「それではバトルフェイズ。いきなさい、ドリアード。エレメンタル・ハーベスター！！」

妹紅　「く……」LP5500→2800

パチェ「メインフェイズ２で、モンスターを裏守備でセット。さらにカードを２枚伏せて、ターン終了よ」



妹紅　 LP2800:手札２:ブレイズキャノン、黒蛇病
パチェ　LP2200:手札２:ドリアード、裏守備、リチュアル、伏せ２



鈴仙　「これでアド的にも、あの魔女の方が大幅に有利になりましたね」

永琳　「そうね。でも、今ので相手にも火をつけちゃったみたいよ」

輝夜　「まあ、もともとついてるけどね」

妹紅　「ふふふ……いいね！　
　　　　お互いの闘志がぶつかりあい、熱く燃え上がる。
　　　　これこそがデュエルだよ。ドロー！」

妹紅　「わたしのスタンバイフェイズに、黒蛇病の効果が発動する。
　　　　このカードはねぇ、毎ターンお互いに同じ数値のダメージを与えるのさ」LP2800→2600

パチェ　LP2200→2000

霊夢　「なんですって！　お互い同じ数値ってことは……。
　　　　じゃあ、ライフが少ない方が先に……」

魔理沙「そうなるな。それも、ターンカウントが進む毎にダメージは倍々に増えていく。
　　　　猶予はいくらもないぜ」

妹紅　「貪欲な壷を発動。
　　　　墓地のプロミネンス・ドラゴン、ヴォルカニック・エッジ、ハンマー、バレット２枚を
　　　　デッキに戻し、２枚ドローする」


《貪欲(どんよく)な壺(つぼ)/Pot of Avarice》 †
通常魔法
自分の墓地からモンスターカードを５枚選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを２枚ドローする。


妹紅　「さらに手札から、ヴォルカニック・ロケットを召喚！」


《ヴォルカニック・ロケット/Volcanic Rocket》 †
効果モンスター
星４/炎属性/炎族/攻1900/守1400
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
デッキまたは自分の墓地から「ブレイズ・キャノン」と名のついたカード１枚を
手札に加える事ができる。


妹紅　「誘発効果よ。このカードが召喚に成功したことで、デッキ・墓地から
　　　　ブレイズ・キャノンと名のつくカードを手札に加える。
　　　　わたしはデッキから、ブレイズ・キャノン－トライデントを選択」

妹紅　「そして場のブレイズ・キャノンを墓地に送り、これを発動！　
　　　　強化砲台、ブレイズ・キャノン－トライデント！」


《ブレイズ・キャノン－トライデント/Tri-Blaze Accelerator》 †
永続魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
｢ブレイズ・キャノン｣１枚を墓地へ送って発動する。
手札から炎族モンスター１体を墓地へ送る事で、
相手フィールド上に存在するモンスター１体を破壊し
相手ライフに５００ポイントダメージを与える。
この効果を使用したターン、自分のモンスターは攻撃する事ができない。


パチェ「（！？　……永続魔法が進化した！）」

霊夢　「ブレイズ・キャノンが……パワーアップしたというの！？」

妹紅　「巫女は相変わらずいいリアクションだねぇ。
　　　　形態を移行したブレイズ・キャノンは、コストとして捨てる炎族の攻撃力の制限が無くなり、
　　　　さらにモンスター効果で破壊したとき５００ポイントを与える。覚悟するんだね」

妹紅　「ブレイズ・キャノン－トライデントの効果発動！　
　　　　手札のヴォルカニック・バレットを墓地に送ることで、ドリアードを破壊！」

パチェ「……破壊されるわ」LP2000→1500

妹紅　「まだだ。今捨てたバレットの効果で、デッキからもう一枚バレットを手札に加える。
　　　　そして射出！　裏守備を破壊するよ！」LP2600→2100

パチェ「チェーンしてトラップよ。ＤＮＡ定期健診」


《ＤＮＡ(ディーエヌエー)定期健診(ていきけんしん)》 †
通常罠
自分フィールド上に裏側表示で存在するモンスター１体を選択して発動する。
相手はモンスターの属性を２つ宣言する。
選択したモンスターをめくって確認し宣言された属性だった場合、
相手はデッキからカードを２枚ドローする。
違った場合、自分はデッキからカードを２枚ドローする。


パチェ「あなたは二種類の属性を宣言できるわ。当ててみなさい」

アリス「相手の思惑を外せば、２枚ドローができるカードか……。
　　　　パチュリーにとって、かなり博打になるわね」

魔理沙「ああ。あいつのデッキはおそらくモンスターの属性はバラバラだろうが、
　　　　それでも属性は全部で６種類。確率でいえば相手が外すのは三分の二。
　　　　五割は越えてるが、それでも外れた時のリスクは高すぎるぜ」

妹紅　「（あんまりこういうのは得意じゃないんだよなぁ……うーん）」

妹紅　「（あいつのデッキは正統派の儀式召喚主体。
　　　　なら投入される下級モンスターも限られてくる……。
　　　　マンジュゴッド、センジュゴッド、ソニックバード辺りかな。だったら……）」

妹紅　「光属性と、風属性を宣言するわ」

パチェ「このカードはクリッター、闇属性よ。カードを二枚ドローするわ」LP1500→1000

妹紅　「うわちゃ。そうきたか」

パチェ「そしてこのカードが破壊されたことで効果発動。
　　　　デッキから儀式の供物を手札に持ってくるわ」


《クリッター/Sangan》 †
効果モンスター（制限カード）
星３/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、
自分のデッキから攻撃力１５００以下のモンスター１体を選択し、
お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。


アリス「場のモンスターを一掃したうえにライフダメージまで……とんでもない戦術ね」

輝夜　「まあ、節操が無いともいえるけどね」

魔理沙「パートナーにそんな言い草はないだろうに」

妹紅　「何をするのか知らないけど、もう遅いね。
　　　　あんたのライフはあとわずか。ほっといても黒蛇病の病でおっ死ぬだろうよ。
　　　　病弱なお前にはふさわしい死に方ね」



妹紅　 LP2100:手札１:ロケット、トライデント、黒蛇病（１）、伏せ１
パチェ　LP1000:手札５:伏せ１



咲夜　「まずいですね……ライフ差がついた。
　　　　このままでは黒蛇病の効果だけでもきつくなってきます」

レミ　「それはパチェもわかっているはずよ。
　　　　パチェが慌てふためく姿も見てみたいものだけど、そうはいかないところが
　　　　ちょっと面白くないわね。
　　　　ってあれ……咲夜？　もう着替えとってきたの？　
　　　　相変わらず、手癖が悪いわね」

咲夜　「手際がいい、ですわ。お嬢様。
　　　　言うまでもないことですが、このわたしの能力にかかればこれぐらい造作も……」

レミ　「いやそれはいいんだけど。
　　　　わたしもちょっと汗かいてきたみたいだから、わたしの分も持ってきてって言いたかったのよ」

咲夜　「……そ、そうですか。
　　　　でも、でしたらさっきわたしが出掛ける時に言ってくだされば……」

レミ　「今でてきたのよ、汗」

咲夜　「……ただいま持ってきますわ（ビキビキ）」

魔理沙「たしかに場況は厳しいが、手札はある。
　　　　あいつがこのまま潰れるとは思えないが……」

アリス「同感ね。リリース要員もサーチできたことだし。逆襲の予感がするわ」

パチェ「わたしのターン、ドロー……」

パチェ「２枚目のソニックバードを召喚。
　　　　誘発効果で、デッキから大邪神の儀式を手札に加えるわ。
　　　　そしてリバースカードオープン。メタル・リフレクト・スライム」


《メタル・リフレクト・スライム/Metal Reflect Slime》 †
永続罠
このカードは発動後モンスターカード（水族・水・星１０・攻０／守３０００）となり、
自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。
このカードは攻撃する事ができない。（このカードは罠カードとしても扱う）


霊夢　「壁になるトラップモンスター？　このタイミングで……」

魔理沙「いや、あれは儀式の生け贄だな」

パチェ「…………これで準備は整った。これより邪神降臨の儀を執り行うとしましょう」

妹紅　「何？」

パチェ「手札より、大邪神の儀式を発動。
　　　　場のメタルリフレクトスライムをリリースし…………光と闇の混迷より招聘されん。
　　　　大邪神、レシェフ！！」


《大邪神(だいじゃしん)の儀式(ぎしき)/Final Ritual of the Ancients》 †
儀式魔法
「大邪神 レシェフ」の降臨に必要。
フィールドか手札から、レベルが８以上になるようカードを
生け贄に捧げなければならない。


《大邪神(だいじゃしん) レシェフ/Reshef the Dark Being》 †
儀式・効果モンスター
星８/光属性/悪魔族/攻2500/守1500
「大邪神の儀式」により降臨。手札の魔法カードを１枚捨てる。
相手フィールド上モンスター１体のコントロールをエンドフェイズ時まで得る。
この効果は１ターンに１度だけ使用する事ができる。


鈴仙　「！　まさかレシェフとは…………これ、妹紅さんまずくないですか？」

永琳　「レシェフは魔法カード一枚をコストに、相手のモンスターを奪うことができるわ。
　　　　妹紅の場のモンスターは一体。そして、残るレバーも一本」

鈴仙　「……こんな時に何言ってるんですか」

パチェ「優先権を行使し、起動効果発動！　
　　　　手札のドリアードの祈りを捨て、ヴォルカニック・ロケットのコントロールを得るわ」

妹紅　「な、しまっ……」

咲夜　「これでパチュリー様のモンスターは３体に対し、相手は０。
　　　　ダイレクトアタックが通れば……いけますわ！」

パチェ「総攻撃よ。レシェフで直接攻撃！　エメラルドメガロポリス！！」

妹紅　「…………なんてね。トラップ発動よ。ファイヤー・ウォール」


《ファイヤー・ウォール/Fire Wall》 †
永続罠
相手が直接攻撃を宣言した時、自分の墓地に存在する
炎族モンスター１体をゲームから除外する事で、
そのモンスターの攻撃を無効にする。
自分のスタンバイフェイズ毎に５００ライフポイントを払う。
払わなければ、このカードを破壊する。


パチェ「（！？　永続トラップ･･････）」

妹紅　「墓地の火口にひそむ者を除外し、その攻撃を無効にするよ」

パチェ「でも、わたしの場にはまだ攻撃できるモンスターがいるわ。
　　　ロケットとソニックバードで攻撃！」

妹紅　「無駄無駄ぁ！　ヴォルカニックバレット二枚を除外よ！」

妖夢　「攻撃一辺倒かと思いきや、防御力もさるもの……やりますね」

紫　　「不老不死のくせに、防御なんて必要なのかしらねぇ」

幽々子「硬い上に小さい肝だなんて、食べ応えないわぁ」

妖夢　「あのう、幽々子様……そんなに食べると太りますよ」

幽々子「わたしの胃袋は宇宙よ。文字通り」

妖夢　「文字通りって何ですか……。
　　　　太りすぎると社会的ハンデをしょいこむ事になりますよ？　それでもいいんですか？」

幽々子「大丈夫。そうなったら家から出なきゃいいのよ」

魔理沙「あいつはいろんな意味で人間失格だな」

レミ　「パチェもちゃんと食べるものは食べないと駄目よ。あいつは見習わなくてもいいけど」

パチェ「そういえば、今日は水しか飲んでない気がするわ」

咲夜　「ちょ、言わんこっちゃないですね……」

パチェ「大丈夫よ。そういうときのために、このカードがあるわ。神秘の中華なべを発動」


《神秘(しんぴ)の中華(ちゅうか)なべ/Mystik Wok》 †
速攻魔法
自分フィールド上のモンスター１体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、
その数値だけ自分のライフポイントを回復する。


妹紅　「（ライフ回復……！？）」

パチェ「ヴォルカニック・ロケットをリリースし、攻撃力分のライフを回復。
　　　　ごちそうさまでした。ターンエンドよ」LP1000→2900



妹紅　 LP2100:手札１:トライデント、燃え盛る、ウォール
パチェ　LP2900:手札２:レシェフ、ソニバ



咲夜　「パ、パチュリー様。そういう問題では……」

アリス「あのパジャマはああ見えてネジとんでるの？」

レミ　「そう言いなさんな。パチェも楽しそうで何よりじゃない」

魔理沙「楽しんでるのか、あれ。相変わらずの眠そうな目なんだが」

霊夢　「実際寝てるのかってぐらい小さいもんね」

アリス「そういやこの前、寝てると思ってあいつのまぶたにマジックでいたずらしようとしたら、
　　　　直接眼球に書いてしまったことがあったわ」

咲夜　「あんたらあの方をなんだと思ってるのよ」

永琳　「（でも、ここでライフ回復はこっちにとって痛いわね……。
　　　　すでに黒蛇病は発動済み）」

妹紅　「まさかここまでやるとはね……ドローするよ」

妹紅　「スタンバイフェイズに、黒蛇病の効果が発動する。
　　　　お互い４００ポイントのダメージを受けるわ。
　　　　ファイヤーウォールは維持コストを払わず破壊するよ」LP2100→1700

パチェ「（ライフは減るけど……逆転した今、有利なのはわたしの方。
　　　　このまま何も起こらなければ、あいつは自分の永続魔法の効果で自滅する……。
　　　　何も起こらなければ、だけど）」LP2900→2500

妹紅　「あーあ。こんなに追い詰められるんだったら、出し惜しみなんかするんじゃなかったよ。
　　　　わたしは、場のブレイズ・キャノン－トライデントを墓地に送り……」

妹紅　「紅蓮焦土に燃え上がれ！　ヴォルカニック・デビルを特殊召喚！！」


《ヴォルカニック・デビル/Volcanic Doomfire》 †
効果モンスター
星８/炎属性/炎族/攻3000/守1800
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する｢ブレイズ・キャノン－トライデント｣を
墓地に送った場合に特殊召喚する事ができる。
相手ターンのバトルフェイズ中に相手フィールド上に
攻撃表示モンスターが存在する場合、
相手プレイヤーはこのカードに攻撃をしなければならない。
このカードがモンスターを破壊し墓地へ送った時、
相手フィールド上のモンスターを全て破壊し、
相手ライフに１体につき５００ポイントダメージを与える。


霊夢　「……攻撃力３０００ですって！？」

アリス「特定の永続魔法をコストに召喚だなんて……珍しいカードね。それに強い」

魔理沙「召喚条件が厳しいぶん、それに見合う能力を持つカードだ。
　　　　でもまあ、ぶっちゃけヴォルカニックでもあれ入れる奴は少ないけどな。
　　　　いや、ほとんどいない」

アリス「ぶっちゃけすぎよ、魔理沙」

妹紅　「ふん。まあ言ってなさいよ。今にこのカードの力を見せてやるからさ」

パチェ「（……！　来る！）」

妹紅　「ヴォルカニック・デビルでソニックバードを焼殺！　パゼストバイフェニックス！！」

パチェ「ぐ……はっ」LP2500→900

霊夢　「どうしてレシェフを攻撃しないの？　
　　　　あれを生き残らせたら、次のターンでまた洗脳されちゃうのに」

魔理沙「だからテキスト見ろって……。お前ほんとは日本語読めないんじゃないのか」

霊夢　「なっ。漢検五級持ってるわたしに、何て言い草なの」

妖夢　「何それおいしいのって感じですね、幽々子様」

幽々子「は？　何言ってるの妖夢。資格を食べられるわけがないでしょう」

妖夢　「（うう……幽々子様のいじわる）」

妹紅　「目の前で人体が燃えるのを眺めたことはあるかい？　
　　　　焼肉みたいな臭いがするんだよ。
　　　　あんたはどんな香ばしい臭いがするんだろうねぇ」

妹紅　「デビルの誘発効果発動！　
　　　　このカードがモンスターを戦闘で破壊したとき、残りの相手モンスターを全て破壊する！　
　　　　紅蓮地獄に落ちるがいいわ！」

パチェ「……レシェフは破壊ね」LP900→400

咲夜　「そんな！　パチュリー様のライフが……」

アリス「（残り４００…………これじゃあ次の妹紅のスタンバイフェイズで……）」

妹紅　「まだ燃え尽きちゃいないようだけど、もう時間の問題ね。
　　　　カードを一枚伏せて、ターンエンドよ」



妹紅　 LP1700:手札０:ヴォルデビ、黒蛇病（２）、伏せ１
パチェ　LP 400:手札２:無し



魔理沙「確かにこのままだと、黒蛇病の効果でライフは０になる。
　　　　さっきみたいに回復できればいいが……」

文　　「だとしても、あのヴォルカニック・デビルを倒さない限りパチュリーさんに勝機はありませんね。
　　　　どうですか？　その辺お仲間として、何か一言」

レミ　「ああん？　焼き鳥にされたいのか？」

霊夢　「天狗は鳥じゃないでしょ」

アリス「ふむ。この状況ではさしもの吸血鬼も、冗談を受け流せるほど機嫌はよくないようね」

レミ　「機嫌？　あら、それはあなたの見込み違いよ。
　　　　だってこの試合、パチェが敗北するはずがないもの。
　　　　そういう運命だと、あの紅い月も言っているわ」

魔理沙「ふうん、ほんとに余裕そうだな。まあ月は今日は出てないみたいだが」

パチェ「……ハァ」

妹紅　「息も絶え絶えみたいね。
　　　　どう？　おかげでいい汗かけたでしょう」

パチェ「それは勘違いよ。これはため息。
　　　　わたしはデュエルは緻密なタクティクスというのがモットーなのに、
　　　　結局こうして最後の引きに賭けなければいけない状況に陥ってしまった。
　　　　まだまだわたしも未熟ね」

妹紅　「ふうん。賭ける、ということは、まだ諦めちゃいないみたいってことか」

パチェ「ええ。最後まで粘るなんて疲れるけど、
　　　　あの金髪二人を見てるとわたしも見習ってみたくなるの。
　　　　窮地に立たされた時のディスティニードローというやつをね」

パチェ「そろそろいくわ。……ドロー」

パチェ「（…………きた。神に縋るのも、あながち悪い手じゃないかもしれないわね）」

パチェ「手札から、マンジュ・ゴッドを召喚するわ」


《マンジュ・ゴッド/Manju of the Ten Thousand Hands》 †
効果モンスター
星４/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、自分のデッキから
儀式モンスターカードまたは儀式魔法カード１枚を選択して手札に加える事ができる。


鈴仙　「マンジュ？　ということは、まさかもう一度儀式を！？」

永琳　「まあ、それしか逆転の手はないでしょうしね」

霊夢　「でも、一体何を……。
　　　　デビルを倒すだけでなく、このターンで決着をつけなければならないのに」

魔理沙「たぶん、アレだろうな」

アリス「アレね」

霊夢　「えー、なによ～。教えてよ～」

パチェ「もう遅いわ。デッキから、イリュージョンの儀式を選択。そしてこれを発動！」


《イリュージョンの儀式(ぎしき)/Black Illusion Ritual》 †
儀式魔法
「サクリファイス」の降臨に必要。
フィールドか手札から、レベルが１以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。


パチェ「手札のサンダー・ドラゴンを儀式の供物に捧げ……」

パチェ「光れ、幻想の眼。サクリファイスを特殊召喚！！」


《サクリファイス/Relinquished》 †
儀式・効果モンスター
星１/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
相手モンスター１体を指定してこのカードに装備する。
（この効果は１ターンに１度しか使用できず、
同時に装備できるモンスターは１体のみ）
このカードの攻撃力・守備力は装備したモンスターの数値になる。
戦闘によってこのカードが破壊される場合、
かわりに装備したモンスターが破壊され、
超過した戦闘ダメージは相手プレイヤーも受ける。


霊夢　「あのカードは…………レベル１でしかも攻守０だけど」

魔理沙「モンスターの質はステータスだけじゃないっていい見本だな。
　　　　サクリファイスは相手モンスターを吸収する力を持っている」

パチェ「優先権を行使し、起動効果発動よ。
　　　　サクリファイスは１ターンに一度相手モンスターを魔法カード扱いにして、装備することができるわ。
　　　　ヴォルカニック・デビルを装備！」

妹紅　「な……！？」

パチェ「そして装備したカードのステータスをそのまま写し取る。
　　　　よって、サクリファイスの攻撃力は……」


　　　　サクリファイス　　　　攻撃力3000


鈴仙　「なんて効果なの……相手が強力なモンスターであるほど、その力を自分のものにするなんて。
　　　　もう妹紅さんのモンスターゾーンはがら空き……」

パチェ「（でもまだリバースカードが一枚…………とはいえ、ここはいくしかない！）」

パチェ「バトルフェイズよ！　マンジュゴッドでダイレクトアタック！」

妹紅　「……っ！」LP1700→300

妖夢　「通った！」

パチェ「（……よし！）
　　　そしてサクリファイスの追撃！　サンシャイン・リフレクター！！」

妹紅　「くっ……トラップ発動！」

パチェ「（……トラップ！？）」

咲夜　「……な！？　サクリファイスの攻撃が、止まった！？」

妹紅　「発動させたのはこいつだ。くず鉄のかかし」


《くず鉄(てつ)のかかし》 †
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手モンスター１体の攻撃を無効にする。
発動後このカードは墓地に送らず、そのままセットする。


パチェ「（く……しまった。無念ね……）」

妹紅　「サクリファイスの攻撃を無効にする。もうそっちの場に攻撃できるモンスターはいないね」



妹紅　 LP 300:手札０:黒蛇病（３）、伏せ１
パチェ　LP 400:手札０:サクリ、マンジュ、ヴォルデビ（サクリ装備）



アリス「（攻撃できるモンスターはいない……。
　　　　と、いうことは……）」

魔理沙「パチュリーのライフは４００。妹紅は３００……」

妹紅　「わたしのターンね。スタンバイフェイズで、黒蛇病の効果発動。
　　　　お互い８００ダメージを受けるわ」LP300→0

パチェ　LP400→0

輝夜　「！？」

永琳　「黒蛇病のダメージタイミングはお互い同時……。
　　　　よってこの試合、引き分けです！」

霊夢　「引き分けですって！？」

魔理沙「まさかドローとは……。
　　　　破壊輪が禁止になってから、引き分けなんてもう拝むことはないと思ってたぜ」

レミ　「それほど両者とも拮抗していたということよ。ふふふふふ」

咲夜　「お嬢様…………残念でしたね。
　　　　というか、全然怒ってらっしゃらないのですね」

レミ　「あら、なぜ腹をたてる必要があるの？　
　　　　だってわたしの言った通りだったじゃない。パチェは負けない、とね。
　　　　わたしが予見したとおりの運命になったわ」

咲夜　「いやまあ、確かに仰るとおりですが……。
　　　　そういうのを世間では屁理屈と……」

妹紅　「悪いね。勝ちを譲ってやるわけにはいかなかったもんでさ。
　　　　お前さんも、なかなかやるじゃない」

パチェ「お互い様よ。いいデュエルだったわ」

文　　「そして固く握り合う両者。いいですね～、美しいですね～」

にとり「いい絵ですよね～。ガッシガシフラッシュ焚いちゃいましょう」

咲夜　「ちょっとあんたら、パチュリー様は光に弱いんだからやめなさい」

パチェ「……ごめんなさい、レミィ。勝ち星を拾えなかったわ」

レミ　「大丈夫よ。気に病む必要は無いわ。
　　　　おい審判、こういう場合は今後どうなるの？」

永琳　「そうですね……。
　　　　次戦とその次のタッグデュエルはするとして、それで二勝した場合はそのチームの勝利。
　　　　それでまた一対一なら、お互い一人ずつ進み出て
　　　　もう一戦サドンデスをすることになります」

アリス「ということは、次の試合の勝敗に関わらずタッグまでは必ずやるということね」

輝夜　「やってくれたわねぇ。藤原の妹紅さん。
　　　　その肝残らず削り取って、里に振るってお仲間を増やしてあげようかしら」

妹紅　「あー、別にいいじゃないの。負けたわけじゃないんだし。
　　　　そんなこといちいち気にするから、カルシウム不足なんだよ。
　　　　あ、いや。カリスマ不足かな」

輝夜　「な……カリスマが無いですって！　
　　　　作者がルナの蓬莱の弾の枝とるのに何百回かかったかも知らないで！」

アリス「そいつが下手くそなだけでしょ」

魔理沙「だいいち、カリスマと関係無いしな」

咲夜　「パチュリー様、お疲れ様でした」

パチェ「ああ……咲夜。汗かいちゃった。着替え、ある？」

咲夜　「はい、もちろん。こんなこともあろうかと、３着ご用意しておりますわ」

パチェ「さすが、準備がいいのね。でもそんなにたくさんはいらないわ」

レミ　「いい運動できたみたいね」

パチェ「ええ。楽しかったわ。なんだか、おかげでお腹が空いてきたかも……」

咲夜　「まあ、それは喜ばしいですね。
　　　　今すぐにでもお食事のご用意を致しますよ。何がよろしいですか？」

パチェ「そうね……じゃあ思い切って、生まれて初めての焼き鳥にしてみようかしら」





















　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・To be continued

第十七話です。前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m

パチュリー→正規儀式、妹紅→ヴォルカニックバーンです。
妹紅はこれっきゃないですよね。フジヤマですし。
で、パッチェさんなんですが、いろいろ悩んだ挙句儀式召喚デッキを使わせました。
どこかの同人誌で、図書館で怪しげな召喚儀式をしているパッチェさんを見かけたので、そのイメージで(ノ∀｀)
儀式召喚といっても相変わらずドリアードと風林火山は３積みですし、エレメンタル色は残しています。実際回るかは別として……


今回は引き分けという決着でした。破壊輪が禁止になってから、引き分けなんてサターンか自爆スイッチでも使わない限りお目にかかれないわけですが、たまにはこういうのもありかなと思います。



＜以下コメントへの返信＞
>>1>>2>>3
ご指摘ありがとうございまいた～。もう間違いなんてデフォですねっ（泣）
エンドオブザワールドのとこは修正きかないのでそのままにさせてくださいorz
しかし何度も読み返しているのに、何で誤字や表記ミスを見逃すのやら……