*キャラ崩壊注意。そして会話中心のストーリーです。
霧雨魔理沙は巨乳が憎かった。とにかく憎かった。
動くたび揺れる脂肪の塊、弾力のある脂肪の塊、綺麗な形をした脂肪の塊、
夢と希望が詰まった脂肪の塊、男共が嫌な目つきで見つめる脂肪の塊。
彼女は恋に胸を膨らますことはあったが実際に胸が膨らんだことは無かった。
だから彼女は幻想郷の巨乳共が憎かった。
そんなある日、彼女は一つの結論に辿り着いた。
『誰しもが若い時は胸が小さかったんだから若返らせれば巨乳で無くなるのでは』
こんな結論に辿り着いた。それでまた成長したら元に戻ってしまうが、別に本物の魔女に
ならなければ自分の寿命の内にそこまでは大きくならないだろう、そう考えたのだ。
そして彼女は自分の寿命(ちょっと違うが)を犠牲にして巨乳を消すことを誓った。
「というわけでこれが若返りの薬だぜ。しかもパチュリー特製だから効き目抜群だぜ」
「自分で作りなさいよ。それと何で私もあなたの変な作戦に付き合わなければならないわけ?」
「何をいってるんだ兄弟。胸が小さい同士手を組もうぜ」
「兄弟と言うより姉妹って言った方がいいとは思うけど」
霧雨魔理沙(Bカップ)は若返りの薬(液状)が入った試験管を、ご近所さんであり、
今いる家の主であるアリス(Cカップ)に見せる。その魔理沙の顔はとても黒い笑顔だったがアリスは特に気にしなかった。
またアリスはどうしてこんな事に付き合わなければならないのかと最初は思ったが好きな魔理沙と
一緒にいれるからいっかという考えで結局ついていくことを決めた。
「ところで魔理沙?」
「何だアリス?」
「その薬を作ったパチュリーはどうしたの?」
「あぁ、隠れ巨乳だったから薬の実験台になってもらった」
「……悲惨ね」
「巨乳になんて同情する必要は無いぜ。それも隠れならなおさらだぜ」
ついでに若返りの薬を飲まされたパチュリーは何故か幼女になってしまった。
困る顔をするかと思ったが本を読むのに不自由をしない(小悪魔が読んでくれる)ため気にしていなかった。
『むしゃくしゃしたから六法全書を投げつけてやった。後悔も反省もしていない。』By.魔理沙
「で、最初はどこ行くの?」
「もちろん紅魔館の門番だぜ」
目的地を確認したところで二人は外に出て紅魔館を目指して飛んで行った。
「魔理沙さんには二回目ですがこんにちは魔理沙さんアリスさん。今日は図書館へ?」
「いや、実は二回目の訪問には訳があってだな、お前にようがあるんだ」
「へ? 私にですか?」
二人がやってきた紅魔館門前。そこにいるのはもちろん中華小娘こと紅美鈴である。
普段通りの嫌味のない気持ちの良い笑顔で二人を迎える。この後、何をされるか知らないからこそ哀れである。
それと、どうやら図書館で何が起こったのかまだ知らない様子である。
「実は魔力回復剤を作ってだな、お前に味見して貰おうと思ってきたんだ」
「あぁさっき図書館に来たのは魔力回復剤の作り方を聞きにきたんですね」
「そうだぜ。自分で飲もうとしたんだがどうも怖くてだな、アリスに飲ませようと思ったんだが嫌がったから」
「で、体が丈夫な私に飲んで貰おうと?」
「まぁそんなとこだ。飲んでくれるか?」
「もちろんですよ。役にたてるなら喜んで」
そういいながら魔理沙が手に持つ試験管を手に取る美鈴。どうも他人を疑うことを知らないらしい。
少しばかし薬を見てから美鈴は一気に飲み込んだ。この瞬間勝利を確信したかのように魔理沙はガッツポーズをする。
それと同時にボンと言う音と共に美鈴の姿が煙に包まれた。
「ヒャッハー! やったぜベイベー!」
「凄い煙ね。成功かしら?」
「げほっげほっ! ちょ、魔理沙さん、何ですかこれ!?」
やがて煙が晴れて魔理沙とアリスの目の前に現れたのは先ほどの紅美鈴と同じ格好をした女性だった。
もちろん紅美鈴であるが元の本人と結構違っていた。
おさげはそのままに、髪の長さは咲夜程に短くなり、顔も大人ではなくどこか幼い感じになり、背も幾分小さくなった。
声も少し違う感じで若さがあった。簡単に言ってしまえば我らの世界でいう青春まっさかりの高校生といった
風貌である。パチュリーのように幼女にはならなかったが若返りは成功のようである。
「残念だったな、それは若返りの薬だぜ!」
「へ? 何ですかそれ? 結構いい薬じゃないですか」
「おっと、本当にいいかどうかはお前の身体……を……」
そういいながら視線を下に下ろす三人。しかしそのうち魔理沙とアリスは美鈴のある場所に釘付けになった。
もちろん胸であるが……。
「……変わってないわね」
「そ、そんな馬鹿な!まさかこいつは、こいつは天然だというのか!」
「? 何がですか?」
残念なことに魔理沙の思った結果とは違う結果になってしまった。どうやら美鈴は天然だったらしい。
それによく見てみると元の体型とは余り変わっていないのだ。長身で細身で健康的で、とてつもなくナイスバディで、
いかにもモデル体型といった感じである。もし写真集を出せば間違いなくミリオン突破である。
「おぉ、やっぱ若返るっていいですね。身体が軽いですよ」
「くそっ! 作戦は失敗だ! 基地に戻り作戦を立て直すぞアリス大尉!」
「ちょっと大尉って何よ? あっ、こらっ! 置いてくな!」
「あっ二人共!……いっちゃいましたか。お礼言いそびれちゃいました」
亜光速で飛んでいった二人を思いながらまた今度来たときに料理でもごちそうしようと思う美鈴であった。
余談だがこの後紅魔館で幼パチュリーと若美鈴の争奪戦が行われたのだが関係無いので割合する。
基地であるアリスの家に戻った二人は次の作戦確認を始めていた。
「ビッチ! まさかあの中国は性格だけでなく胸まで天然だったなんて! 計算してないぜ!」
「どうするの? 作戦は失敗したけど?」
「くっ、私は諦めないぞ、残りだけでも貧乳にしてやる!」
「っていうことは次はあの冬の妖怪?あれは冬にしかいないから……」
「あれは乳ましいとは言わない、太ましいっていうんだぜ」
「じゃあ次は冥界の姫ってこと?」
「そうだぜ、しかし強力な助っ人、魂魄妖夢の手で既に調査されてるぜ」
「よく協力してくれたわね」
「そして調査結果がこの紙だぜ」
そう言って懐から二つ折りにされた紙を取り出す魔理沙。まるで料理番組みたいに綺麗に準備された行動である。
「あらご丁寧に早いこと」
「それじゃあ読むぜ。えーと、『ドリキャスに薬を飲ませることには成功。しかし数刻経っても変化無し。
恐らくは奴の持つ【鉄の胃袋】は毒だけでなくあらゆる薬の効果までも無効化する模様』だそうだ」
「ドリキャスって、あの子最近ストレス溜まってるの?」
「最近は幽々子だけでなく紫にも色々弄られてるらしいからな、もうそろそろ不満が爆発するんじゃないか?」
「それよりも……失敗ね」
「……くそっ! やられたっ!」
乙女とは言えない表情で頭を抱える魔理沙を横目にアリスは『駄目じゃない』と溜め息をつく。
「くっ、まだだ! まだ、終わらんよ!」
「もう懲りなさいよ」
しかし、魔理沙はがばっと頭を上げると拳をぐっっと握りしめテーブルに叩きつける。
無謀で馬鹿なこの計画はどうやら続くらしい。
「次はマヨヒガの紫と藍の二人だ!」
「あの二人、そう簡単に飲んで貰えるかしら?」
「いいや! 飲ますね! じっちゃんの名に賭けて!」
意気揚々と宇宙からの電波を受信したかのように騒ぐ魔理沙。何故じっちゃんが関係あるのかはまったくの不明である。
「でも、一ついいかしら?」
「何だ?」
「紫の能力って『境界を操る程度の能力』よね?」
「それがどうした?」
「紫に頼んで『貧乳』と『巨乳』の境界を弄って貰えばよくない?」
「前それ頼んだら拒否られた」
「やっぱり……じゃあこういう考えはできないかしら?」
「?」
「紫が自分の『貧乳』と『巨乳』の境界を操ったから今の彼女は巨乳、って」
「……はっ!」
まさかそんなことがありえるだろうか?いや、ありえる、そういう結論に達した魔理沙とアリスの二人。
あの紫は自分の能力であの胸を作ったのだ、と、そう確信した。
「あの胡散臭そうな彼女だから可能性あるわよね?」
「それに加齢臭だからな。あぁ可能性はあるな」
「じゃあオバサンはスルーの方向で」
「そうだな永遠の18歳のババアには」
『紫奥義「弾幕結界」』
ピチューン
・・・
・・
・
復活
「今日は怖いからマヨヒガはやめとこうぜ」
「今日はマヨヒガは危ないからやめましょうね」
二人は仕方が無く藍の胸は諦めることにした。しかしこの時二人は気づいていなかったが
紫と藍のために用意されていた試験管が消えていた。どうやら神隠しにあったらしい。
「じゃあ次は人里の守護者ね。じゃあ行きましょうか」
「待てアリス」
「? 何よ、今になってやめるつもり?」
「まぁ席に着け」
試験管を持ち外に出ようとするアリス。それを引き止めるのは計画を立てた魔理沙本人だ。
ここに来て痛い目を見たからやめるつもりなのだろうか?それは否、何か慧音に関して思いあたることがあるらしい。
「お前はさっき紫が自分の能力を使って巨乳になったて言ったよな?」
「それがどうかした?」
「じゃあ慧音の能力は何だ?」
「えっと、人の時は『歴史を食べる能力』で満月の時は『歴史を創る程度の能力』ね」
「つまり、どういうことが言える?」
「それは……歴史を創り変えることが可能ってことよね?」
「そうだ。じゃあ更に、それから何が考えられる?」
「……! ま、まさか!?」
アリスは何に考えついたのだろうか驚いた顔をする。それを見た魔理沙はにやっと笑い、拳を握りしめ
どこぞの軍事演説よろしく、力説した。
「そのまさかだぜ。上白沢慧音は自分の『胸が無い』という歴史を隠し、『自分が巨乳』という歴史を創ったんだよ!」
「ナ、ナンダッテー!?」
驚きの声を上げるアリス、しかし魔理沙の考えは更に先を行っていた。
「それだけじゃないぜ?今になって解ったが、巨乳の奴らでも元貧乳だと隠してる奴がいる」
「それは……わかった、永琳と小町ね?」
「そうだ。永琳は月の技術を持っている。それを使って豊胸手術、もしくは胸が大きくなる薬を作り、それを飲めば胸が成長する」
「小野塚小町は『距離を操る程度の能力』を使って自分の胸囲を伸ばした」
「わたしたち あたま いいな」
「天狗にネタということで後で話ましょうか」
「明日には幻想郷中に広まるな」
何という理論、そして結論だろうか?二人はとんでもない考えに至ってしまった。
そしてそれが真実かどうかを確かめずに文屋にネタとして売り込むあたり悪魔である。
「じゃあ三人は実は貧乳ということでスルーだな。次は……神奈子だな」
「それじゃあ行きましょうか」
そして二人は妖怪の山を目指した。
もちろん途中で文屋に先ほどの真実を伝えるのを忘れなかった。
「で、その栄養剤が誰にでも効くかを確かめに私の所に来たと」
「だから飲め」
「……もうちょい頼み方あるとは思うけど」
二人がやってきた山の上の守矢神社。そこにはお出かけした早苗と諏訪子の二人に
置いてかれた神奈子がいた。早速 適当な理由をつけて薬の入った試験管を手渡す魔理沙に不満を抱きながらも
まじまじと薬を見つめる神奈子。どうやら飲むのを躊躇してるらしい。
しかし魔理沙はその薬をパチュリーが作ってくれたことを忘れているらしい。恩知らずである。
「なんか、もっと別の薬じゃないわよね?」
「ただの栄養剤だぜ」
「そう。私が証人よ。実際にレシピ通りに作ってたし」
「それだと別に飲まなくてもいいような気がするけど」
「飲めば信仰を広めるのを手伝ってもいいぜ」
「あんたの言うことは信用できなないわよ。でも、飲まなくちゃいけないんでしょ?それっ!」
勢いをつけ一気に飲む神奈子。もちろんこの瞬間 魔理沙はガッツポーズ。そしてボンッという音と
共に煙に包まれる神奈子の姿。やがて煙が晴れそこにいるのは姿が変わったはずの神奈子が……
「ちょ、何よこれ!? 失敗作!?」
「……おかしいわね、姿形まったく変わってないわよ?」
「な、何故だ? どうして若返ってない!?」
姿が変わったはずの神奈子がいなかった。薬を飲んだにも関わらず普段と変わらない姿でそこに立っていたのだ。どうやら失敗のようである。
「若返って、て何? これ栄養剤じゃなくて若返りの薬だったの?」
「恐らくは年を食いすぎてるから薬の効果がまったく発揮されなかったのね」
「そうだ、忘れていた。こいつも相当のオバンだということを! くそっ! やられたっ!」
「神話の時代からいる神様だから、超年増のはずよね」
「ならば幼くなるまで飲ますまでだ! よしっ家に戻るぞアリス!」
「あぁ戻るのかい? じゃあ送っていくわよ」
どうやら神話の時代から生きてきた神奈子にはパチュリー特製若返り薬はまったく効き目が無いらしい。
どうにか幼くしようと急いで薬のあるアリス宅に戻ろうとした魔理沙とアリスを止める神奈子。
顔は優しさに満ちた笑顔だがとてもドス黒いオーラが見えるのは気のせいだろうか?
しかし美鈴にも同じ手が使えると思うのだが二人はそのとき気づかなかったようだ。
「お、いいのかキャノ子様?」
「ちょっと待って魔理沙、何か嫌な予感がするんだけど?」
「あぁ送っていくよ。私のオンバシラで地獄まで」
『神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」』
ドズン
翌日、永遠亭の一室で包帯でグルグル巻きにされたアリスと魔理沙と何故かお尻を押さえて呻く文の姿があった。
<終局>
霧雨魔理沙は巨乳が憎かった。とにかく憎かった。
動くたび揺れる脂肪の塊、弾力のある脂肪の塊、綺麗な形をした脂肪の塊、
夢と希望が詰まった脂肪の塊、男共が嫌な目つきで見つめる脂肪の塊。
彼女は恋に胸を膨らますことはあったが実際に胸が膨らんだことは無かった。
だから彼女は幻想郷の巨乳共が憎かった。
そんなある日、彼女は一つの結論に辿り着いた。
『誰しもが若い時は胸が小さかったんだから若返らせれば巨乳で無くなるのでは』
こんな結論に辿り着いた。それでまた成長したら元に戻ってしまうが、別に本物の魔女に
ならなければ自分の寿命の内にそこまでは大きくならないだろう、そう考えたのだ。
そして彼女は自分の寿命(ちょっと違うが)を犠牲にして巨乳を消すことを誓った。
「というわけでこれが若返りの薬だぜ。しかもパチュリー特製だから効き目抜群だぜ」
「自分で作りなさいよ。それと何で私もあなたの変な作戦に付き合わなければならないわけ?」
「何をいってるんだ兄弟。胸が小さい同士手を組もうぜ」
「兄弟と言うより姉妹って言った方がいいとは思うけど」
霧雨魔理沙(Bカップ)は若返りの薬(液状)が入った試験管を、ご近所さんであり、
今いる家の主であるアリス(Cカップ)に見せる。その魔理沙の顔はとても黒い笑顔だったがアリスは特に気にしなかった。
またアリスはどうしてこんな事に付き合わなければならないのかと最初は思ったが好きな魔理沙と
一緒にいれるからいっかという考えで結局ついていくことを決めた。
「ところで魔理沙?」
「何だアリス?」
「その薬を作ったパチュリーはどうしたの?」
「あぁ、隠れ巨乳だったから薬の実験台になってもらった」
「……悲惨ね」
「巨乳になんて同情する必要は無いぜ。それも隠れならなおさらだぜ」
ついでに若返りの薬を飲まされたパチュリーは何故か幼女になってしまった。
困る顔をするかと思ったが本を読むのに不自由をしない(小悪魔が読んでくれる)ため気にしていなかった。
『むしゃくしゃしたから六法全書を投げつけてやった。後悔も反省もしていない。』By.魔理沙
「で、最初はどこ行くの?」
「もちろん紅魔館の門番だぜ」
目的地を確認したところで二人は外に出て紅魔館を目指して飛んで行った。
「魔理沙さんには二回目ですがこんにちは魔理沙さんアリスさん。今日は図書館へ?」
「いや、実は二回目の訪問には訳があってだな、お前にようがあるんだ」
「へ? 私にですか?」
二人がやってきた紅魔館門前。そこにいるのはもちろん中華小娘こと紅美鈴である。
普段通りの嫌味のない気持ちの良い笑顔で二人を迎える。この後、何をされるか知らないからこそ哀れである。
それと、どうやら図書館で何が起こったのかまだ知らない様子である。
「実は魔力回復剤を作ってだな、お前に味見して貰おうと思ってきたんだ」
「あぁさっき図書館に来たのは魔力回復剤の作り方を聞きにきたんですね」
「そうだぜ。自分で飲もうとしたんだがどうも怖くてだな、アリスに飲ませようと思ったんだが嫌がったから」
「で、体が丈夫な私に飲んで貰おうと?」
「まぁそんなとこだ。飲んでくれるか?」
「もちろんですよ。役にたてるなら喜んで」
そういいながら魔理沙が手に持つ試験管を手に取る美鈴。どうも他人を疑うことを知らないらしい。
少しばかし薬を見てから美鈴は一気に飲み込んだ。この瞬間勝利を確信したかのように魔理沙はガッツポーズをする。
それと同時にボンと言う音と共に美鈴の姿が煙に包まれた。
「ヒャッハー! やったぜベイベー!」
「凄い煙ね。成功かしら?」
「げほっげほっ! ちょ、魔理沙さん、何ですかこれ!?」
やがて煙が晴れて魔理沙とアリスの目の前に現れたのは先ほどの紅美鈴と同じ格好をした女性だった。
もちろん紅美鈴であるが元の本人と結構違っていた。
おさげはそのままに、髪の長さは咲夜程に短くなり、顔も大人ではなくどこか幼い感じになり、背も幾分小さくなった。
声も少し違う感じで若さがあった。簡単に言ってしまえば我らの世界でいう青春まっさかりの高校生といった
風貌である。パチュリーのように幼女にはならなかったが若返りは成功のようである。
「残念だったな、それは若返りの薬だぜ!」
「へ? 何ですかそれ? 結構いい薬じゃないですか」
「おっと、本当にいいかどうかはお前の身体……を……」
そういいながら視線を下に下ろす三人。しかしそのうち魔理沙とアリスは美鈴のある場所に釘付けになった。
もちろん胸であるが……。
「……変わってないわね」
「そ、そんな馬鹿な!まさかこいつは、こいつは天然だというのか!」
「? 何がですか?」
残念なことに魔理沙の思った結果とは違う結果になってしまった。どうやら美鈴は天然だったらしい。
それによく見てみると元の体型とは余り変わっていないのだ。長身で細身で健康的で、とてつもなくナイスバディで、
いかにもモデル体型といった感じである。もし写真集を出せば間違いなくミリオン突破である。
「おぉ、やっぱ若返るっていいですね。身体が軽いですよ」
「くそっ! 作戦は失敗だ! 基地に戻り作戦を立て直すぞアリス大尉!」
「ちょっと大尉って何よ? あっ、こらっ! 置いてくな!」
「あっ二人共!……いっちゃいましたか。お礼言いそびれちゃいました」
亜光速で飛んでいった二人を思いながらまた今度来たときに料理でもごちそうしようと思う美鈴であった。
余談だがこの後紅魔館で幼パチュリーと若美鈴の争奪戦が行われたのだが関係無いので割合する。
基地であるアリスの家に戻った二人は次の作戦確認を始めていた。
「ビッチ! まさかあの中国は性格だけでなく胸まで天然だったなんて! 計算してないぜ!」
「どうするの? 作戦は失敗したけど?」
「くっ、私は諦めないぞ、残りだけでも貧乳にしてやる!」
「っていうことは次はあの冬の妖怪?あれは冬にしかいないから……」
「あれは乳ましいとは言わない、太ましいっていうんだぜ」
「じゃあ次は冥界の姫ってこと?」
「そうだぜ、しかし強力な助っ人、魂魄妖夢の手で既に調査されてるぜ」
「よく協力してくれたわね」
「そして調査結果がこの紙だぜ」
そう言って懐から二つ折りにされた紙を取り出す魔理沙。まるで料理番組みたいに綺麗に準備された行動である。
「あらご丁寧に早いこと」
「それじゃあ読むぜ。えーと、『ドリキャスに薬を飲ませることには成功。しかし数刻経っても変化無し。
恐らくは奴の持つ【鉄の胃袋】は毒だけでなくあらゆる薬の効果までも無効化する模様』だそうだ」
「ドリキャスって、あの子最近ストレス溜まってるの?」
「最近は幽々子だけでなく紫にも色々弄られてるらしいからな、もうそろそろ不満が爆発するんじゃないか?」
「それよりも……失敗ね」
「……くそっ! やられたっ!」
乙女とは言えない表情で頭を抱える魔理沙を横目にアリスは『駄目じゃない』と溜め息をつく。
「くっ、まだだ! まだ、終わらんよ!」
「もう懲りなさいよ」
しかし、魔理沙はがばっと頭を上げると拳をぐっっと握りしめテーブルに叩きつける。
無謀で馬鹿なこの計画はどうやら続くらしい。
「次はマヨヒガの紫と藍の二人だ!」
「あの二人、そう簡単に飲んで貰えるかしら?」
「いいや! 飲ますね! じっちゃんの名に賭けて!」
意気揚々と宇宙からの電波を受信したかのように騒ぐ魔理沙。何故じっちゃんが関係あるのかはまったくの不明である。
「でも、一ついいかしら?」
「何だ?」
「紫の能力って『境界を操る程度の能力』よね?」
「それがどうした?」
「紫に頼んで『貧乳』と『巨乳』の境界を弄って貰えばよくない?」
「前それ頼んだら拒否られた」
「やっぱり……じゃあこういう考えはできないかしら?」
「?」
「紫が自分の『貧乳』と『巨乳』の境界を操ったから今の彼女は巨乳、って」
「……はっ!」
まさかそんなことがありえるだろうか?いや、ありえる、そういう結論に達した魔理沙とアリスの二人。
あの紫は自分の能力であの胸を作ったのだ、と、そう確信した。
「あの胡散臭そうな彼女だから可能性あるわよね?」
「それに加齢臭だからな。あぁ可能性はあるな」
「じゃあオバサンはスルーの方向で」
「そうだな永遠の18歳のババアには」
『紫奥義「弾幕結界」』
ピチューン
・・・
・・
・
復活
「今日は怖いからマヨヒガはやめとこうぜ」
「今日はマヨヒガは危ないからやめましょうね」
二人は仕方が無く藍の胸は諦めることにした。しかしこの時二人は気づいていなかったが
紫と藍のために用意されていた試験管が消えていた。どうやら神隠しにあったらしい。
「じゃあ次は人里の守護者ね。じゃあ行きましょうか」
「待てアリス」
「? 何よ、今になってやめるつもり?」
「まぁ席に着け」
試験管を持ち外に出ようとするアリス。それを引き止めるのは計画を立てた魔理沙本人だ。
ここに来て痛い目を見たからやめるつもりなのだろうか?それは否、何か慧音に関して思いあたることがあるらしい。
「お前はさっき紫が自分の能力を使って巨乳になったて言ったよな?」
「それがどうかした?」
「じゃあ慧音の能力は何だ?」
「えっと、人の時は『歴史を食べる能力』で満月の時は『歴史を創る程度の能力』ね」
「つまり、どういうことが言える?」
「それは……歴史を創り変えることが可能ってことよね?」
「そうだ。じゃあ更に、それから何が考えられる?」
「……! ま、まさか!?」
アリスは何に考えついたのだろうか驚いた顔をする。それを見た魔理沙はにやっと笑い、拳を握りしめ
どこぞの軍事演説よろしく、力説した。
「そのまさかだぜ。上白沢慧音は自分の『胸が無い』という歴史を隠し、『自分が巨乳』という歴史を創ったんだよ!」
「ナ、ナンダッテー!?」
驚きの声を上げるアリス、しかし魔理沙の考えは更に先を行っていた。
「それだけじゃないぜ?今になって解ったが、巨乳の奴らでも元貧乳だと隠してる奴がいる」
「それは……わかった、永琳と小町ね?」
「そうだ。永琳は月の技術を持っている。それを使って豊胸手術、もしくは胸が大きくなる薬を作り、それを飲めば胸が成長する」
「小野塚小町は『距離を操る程度の能力』を使って自分の胸囲を伸ばした」
「わたしたち あたま いいな」
「天狗にネタということで後で話ましょうか」
「明日には幻想郷中に広まるな」
何という理論、そして結論だろうか?二人はとんでもない考えに至ってしまった。
そしてそれが真実かどうかを確かめずに文屋にネタとして売り込むあたり悪魔である。
「じゃあ三人は実は貧乳ということでスルーだな。次は……神奈子だな」
「それじゃあ行きましょうか」
そして二人は妖怪の山を目指した。
もちろん途中で文屋に先ほどの真実を伝えるのを忘れなかった。
「で、その栄養剤が誰にでも効くかを確かめに私の所に来たと」
「だから飲め」
「……もうちょい頼み方あるとは思うけど」
二人がやってきた山の上の守矢神社。そこにはお出かけした早苗と諏訪子の二人に
置いてかれた神奈子がいた。早速 適当な理由をつけて薬の入った試験管を手渡す魔理沙に不満を抱きながらも
まじまじと薬を見つめる神奈子。どうやら飲むのを躊躇してるらしい。
しかし魔理沙はその薬をパチュリーが作ってくれたことを忘れているらしい。恩知らずである。
「なんか、もっと別の薬じゃないわよね?」
「ただの栄養剤だぜ」
「そう。私が証人よ。実際にレシピ通りに作ってたし」
「それだと別に飲まなくてもいいような気がするけど」
「飲めば信仰を広めるのを手伝ってもいいぜ」
「あんたの言うことは信用できなないわよ。でも、飲まなくちゃいけないんでしょ?それっ!」
勢いをつけ一気に飲む神奈子。もちろんこの瞬間 魔理沙はガッツポーズ。そしてボンッという音と
共に煙に包まれる神奈子の姿。やがて煙が晴れそこにいるのは姿が変わったはずの神奈子が……
「ちょ、何よこれ!? 失敗作!?」
「……おかしいわね、姿形まったく変わってないわよ?」
「な、何故だ? どうして若返ってない!?」
姿が変わったはずの神奈子がいなかった。薬を飲んだにも関わらず普段と変わらない姿でそこに立っていたのだ。どうやら失敗のようである。
「若返って、て何? これ栄養剤じゃなくて若返りの薬だったの?」
「恐らくは年を食いすぎてるから薬の効果がまったく発揮されなかったのね」
「そうだ、忘れていた。こいつも相当のオバンだということを! くそっ! やられたっ!」
「神話の時代からいる神様だから、超年増のはずよね」
「ならば幼くなるまで飲ますまでだ! よしっ家に戻るぞアリス!」
「あぁ戻るのかい? じゃあ送っていくわよ」
どうやら神話の時代から生きてきた神奈子にはパチュリー特製若返り薬はまったく効き目が無いらしい。
どうにか幼くしようと急いで薬のあるアリス宅に戻ろうとした魔理沙とアリスを止める神奈子。
顔は優しさに満ちた笑顔だがとてもドス黒いオーラが見えるのは気のせいだろうか?
しかし美鈴にも同じ手が使えると思うのだが二人はそのとき気づかなかったようだ。
「お、いいのかキャノ子様?」
「ちょっと待って魔理沙、何か嫌な予感がするんだけど?」
「あぁ送っていくよ。私のオンバシラで地獄まで」
『神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」』
ドズン
翌日、永遠亭の一室で包帯でグルグル巻きにされたアリスと魔理沙と何故かお尻を押さえて呻く文の姿があった。
<終局>
>永琳は月の技術を持っている。それを使って豊胸手術が出来る
薬じゃ駄目?
神隠しにあった試験管のその後に何も触れてない事にがっかり
不憫……。とりあえず悲しい気持ちになったwww
こういうのも楽しいですね~。
真ん中あたりのアリスのセリフに誤字あったので報告
>よく強力してくれたわね→「協力」ですね。
紫が藍と霊夢に飲ませるんですね、分かります。
え、若返った(若返るのか?)紫さまが幼女の藍と戯れるシーンはないの?
>やがて煙が晴れそこにいるのは姿が変わった神奈子
>おかしいわね、姿形まったく変わってないわよ?
このあたりが矛盾するようでわかりにくかったです。
服装は変わって中身は変わっていないという解釈でよいでしょうか?