Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王13 『HEROと香辛料』 <後編>

2008/07/21 20:32:21
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注意:前編からの続きです。



















  ________21:00 博麗神社敷地内





霊夢   LP3250:手札0:蒸気女、海男、裸羽根男、裏守備、伏せ2
魔理沙 LP2800:手札5:ドレッド(攻守2900)、ダッシュ、ディスク、ディフェンド、サーヴァント



パチェ「霊夢側もモンスターを埋めてきたか……
    でも、手札差は圧倒的。このターンは間違いなくD-HEROの総攻撃が来るわよ」

レミ 「でも、これだけ追い詰められながら、霊夢の瞳には揺るぎない何かが映っている。
    今のあいつは、よほどの事では倒れはしないわ。わたしには、それがわかる」

魔理沙「(霊夢のリバースカード……トラップか? 
    いや、だがあの感じはおそらく……)」

魔理沙「おもしろいぜ! このターン、凌げるもんなら凌いでみな! ドロー!」

魔理沙「カードを3枚伏せる。その後でダッシュガイのエフェクトを発動するぜ。
    場のディフェンドガイをリリースし、攻撃力を1000上昇! 
    そしてドレッドサーヴァントをリリースし、手札からダブルガイをアドバンス召喚する!」


《D-HERO(デステニーヒーロー) ダブルガイ/Destiny Hero - Double Dude》 †
効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻1000/守1000
このカードは特殊召喚できない。
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードが破壊された場合、次の自分ターンのスタンバイフェイズ時、
自分フィールド上に「ダブルガイ・トークン」(戦士族・闇・星4・攻/守1000)を
2体特殊召喚する事ができる。


鈴仙 「さらに新たなD-HEROを!
    ……でも弱いわね」

魔理沙「それは言わない約束だぜ。
    場のD-HEROが入れ替わったことで、ドレッドガイの攻撃力も変化する。
    攻撃力は3400だ!」

魔理沙「さあいくぜ! ドレッドガイで、ワイルドウィングマンを攻撃! 
    プレデター・オブ・ドラゴンメテオ!!」

霊夢 「く……!」

魔理沙「続いて、ダッシュガイでオーシャンを攻撃だ! ライトニング・ルミナスストライク!」

霊夢 「これも破壊されるわ。守備表示だからダメージは無しね」

魔理沙「お次はダブルガイだぜ。手札から速攻魔法発動、突進だ。
    ダブルガイの攻撃力を上昇し、前のターンで伏せた方の裏守備に攻撃!」


《突進(とっしん)/Rush Recklessly》 †
速攻魔法
表側表示モンスター1体の攻撃力を、
ターン終了時まで700ポイントアップする。


霊夢 「来たわね! これはメタモルポットよ!」


《メタモルポット/Morphing Jar》 †
効果モンスター(制限カード)
星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600
リバース:自分と相手の手札を全て捨てる。
その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。


霊夢 「5枚ドローさせてもらうわ」

魔理沙「だと思ったぜ。わたしは2枚捨てて5枚ドローだな」

鈴仙 「ここでメタポか……。手札不足も解決されましたね」

永琳 「でも、魔理沙も今のは読んでたみたいね。
    あらかじめ手札を伏せておいたみたいだし」

魔理沙「まだバトルフェイズは終わってないぜ。ダブルガイは二回攻撃ができる。
    攻撃力は1700だ。スチームヒーラーに攻撃!」

霊夢 「破壊されるけど……この瞬間リバースカード発動よ。
    ヒーローシグナル。デッキからフォレストマンを守備表示で特殊召喚よ」

アリス「(フォレストマン……これでまた融合が次のターン手札に。
    ほんとに、あの娘は何回融合させれば気が済むのかしら……)」

アリス「(何回……?)」

アリス「(…………まさか! 
    霊夢は……E・HEROの融合体全てを召喚するつもりだというの??)」

紫  「うふふ。正・解」

アリス「……!? 
    もう……やめてよそういうの」

紫  「心を読むのは得意でね。そういう顔してるでしょ? わたし」

アリス「意味がわからないわ。というか今の、本当なの? 
    E・HEROを素材とした融合体は、全部あわせると20体近く存在する。
    1回のデュエルでそれを全部召喚するなんて、とても不可能だわ。
    第一、そんなことして、いったい何の意味があるっていうのよ?」

紫  「意味、ね。そんなもの無いわ。でも、あるに決まってるじゃない」

アリス「……あのね。いくらあなたでも、シリアス時ぐらい持って回った言い方は止めなさいよ。
    話が進まないわ」

紫  「わたしは事実を即しているまでよ。
    意味の所在なんて、もうそんな低レベルな問題じゃないの。
    霊夢が今開こうとしているのは、そんなものよりも遥か高みにある扉なのよ」

アリス「(扉……? 高み……?)」

アリス「…………まさか! 
    あなたは初めから・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの時魔理沙と戦わせたのも、
    あの娘をパートナーにしたのも、全部……」

紫  「正・解♪ あの娘に扉を開けさせる為よ」

アリス「…………全ては霊夢を強くするために仕組んだっていうの。
    ずいぶんと回りくどいことするじゃない。
    パートナーならあの狐で十分でしょうに、そうまでして優勝したいってわけ?」

紫  「その答えは今は教えないでおくわ。
    正解かどうかは、これから自分の目で確かめることね」

紫  「(もっとも、それもいずれ教えてあげることだけど……)」

魔理沙「…………」

魔理沙「(……フォレストマンか。おそらく、次でまたHEROが融合召喚される。
    なら、こちらも布石を整えておくか。更なる切り札を出す為に……)」

魔理沙「バトルフェイズ終了時に、ダッシュガイは守備表示になる。
    カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



霊夢   LP3250:手札5:森男、伏せ1
魔理沙 LP2800:手札4:ドレッド(攻守3400)、ダッシュ、ダブル、ディスク、伏せ4



霊夢 「わたしのターン、ドロー!」

霊夢 「(よし! ……ようやく来たわね)」

霊夢 「スタンバイフェイズにフォレストマンの効果発動よ。
    墓地から融合を手札に加えるわ」

霊夢 「そして…………このカードを発動! 
    未来融合、フューチャーフュージョン!!」


《未来融合(みらいゆうごう)-フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 †
永続魔法(制限カード)
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを
墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを
自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


霊夢 「融合モンスターを選択し、素材をデッキから墓地に送ることで
    4ターン後に融合モンスターを特殊召喚する。
    わたしが選択するのは、E・HEROエリクシーラー。
    よってデッキからフェザーマン、クレイマン、バブルマン、バーストレディを墓地に送るわ」

パチェ「ついに来たか……融合デッキの切り札。
    呼び出すのは4体融合のエリクシーラー。いよいよ勝負をかけにきたわね」

レミ 「でも、召喚されるのは次の次の自分のターン。
    この差し迫った状況では、霊夢にとってはひどく長く、
    魔理沙にとってはとても短く感じられるでしょうね。
    エリクシーラー召喚までどんな攻防が展開されていくのか、楽しみだわ。ふふふ……」

霊夢 「手札から、オーバーソウルを発動よ!」


《O(オー)-オーバーソウル/O - Oversoul》 †
通常魔法
自分の墓地から「E・HERO」と名のついた通常モンスター1体を選択し、
自分フィールド上に特殊召喚する。


霊夢 「このカードの効果で、墓地のフェザーマンを特殊召喚するわ。
    そして、さらに増援を発動!」


《増援(ぞうえん)/Reinforcement of the Army》 †
通常魔法(準制限カード)
デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加え、
デッキをシャッフルする。


霊夢 「デッキからエアーマンを手札に加える。
    エアーマンを召喚し、誘発効果発動! 
    二番目の効果を使うわ。このカード以外の場のE・HEROの数だけ、
    相手の魔法・罠を破壊できる! 右端と左端のカードを破壊!」

魔理沙「D-タイムと激流葬だ。チェーンは無いぜ」

霊夢 「(よし、激流葬を葬った。ここはいくしかないわ)」

霊夢 「融合を発動よ! 手札のバブルマンと場のフェザーマンを融合!
    セイラーマンを特殊召喚!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) セイラーマン/Elemental Hero Mariner》 †
融合・効果モンスター
星5/水属性/戦士族/攻1400/守1000
「E・HERO バブルマン」+「E・HERO フェザーマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
自分の魔法&罠カードゾーンにカードがセットされている場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。


妖夢 「(ダイレクトアタックができるE・HEROか……
    攻撃力1400なら、2発通れば霊夢さんの勝ち、だけど……)」

霊夢 「バトルよ。わたしの場には1枚伏せカードがあるから、
    セイラーマンの攻撃をダイレクトアタックにすることができる。
    いけ、セイラーマン! アンカー・ナックル!」

魔理沙「甘いぜ! リバースカード発動! 聖なるバリア、ミラーフォース!」


《聖(せい)なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》 †
通常罠(制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊する。


霊夢 「(うううっ、しまった……まだミラフォがあったんだわ。
    セイラーマンとエアーマンは破壊……)」

霊夢 「でも、まだよ。わたしはフォレストマンを対象に、ミストボディを装備するわ」


《ミスト・ボディ/Mist Body》 †
装備魔法
このカードを装備している限り、
装備モンスターは戦闘によっては破壊されない
(ダメージ計算は適用する)。


アリス「(融合を無限に供給するフォレストマンに戦闘破壊耐性をつけたか。
    かなり厄介ね……)」

アリス「(というか、やっぱり霊夢は本気でやるつもりなんだわ……融合体全召喚。
   実際、もう10体以上融合モンスターを召喚している。
   これはもう、ある種の神がかった何かが働いているとしか……)」

アリス「(…………いや、奇跡は神の手ではなく、人の手で生み出すもの。
    あらゆる事象には、天意など存在しない。
    それはわたしの持論でもあるけど……)」

アリス「(でも、だとしたら……
    この展開を生み出したのは霊夢と、そしてライバルである魔理沙の力。
    二つが揃ってこそ、初めて……)」

アリス「(なるほど。認め合うからこそ死力で闘わなければならない時がある。
    これが……デュエルなのね。またひとつ、あの娘達に教えてもらった気がするわ)」

霊夢 「……このままターンエンドよ!」



霊夢   LP3250:手札2:森男、ミスト、未来融合、伏せ1
魔理沙 LP2800:手札4:ドレッド(攻守3400)、ダッシュ、ダブル、ディスク、伏せ1



魔理沙「ならばわたしのターンだぜ。ドロー!」

魔理沙「(フォレストマンは戦闘で破壊できないが……
    手札は徐々に揃いつつあるな。もうじきだぜ)」

魔理沙「バトルが駄目なら効果でダメージを与えるまでだぜ。
    手札から、ダンクガイを召喚!」


《D-HERO(デステニーヒーロー) ダンクガイ/Destiny Hero - Dunker》 †
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1200/守1700
手札から「D-HERO」と名のついたカード1枚を墓地に送る事で、
相手ライフに500ポイントダメージを与える。


魔理沙「優先権を行使して、エフェクト発動だ。
    手札のデビルガイを墓地に送り、500ダメージを与える!」

霊夢 「この程度……なんともないわ!」LP3250→2750

魔理沙「新たにD-HEROが召喚されたことで、ドレッドガイの攻撃力は上がるぜ。
    これで4600だ」

魔理沙「そしてダッシュガイを攻撃表示に、ダブルガイを守備表示に変更。
    ターンを終了するぜ」



霊夢   LP2750:手札2:森男、ミスト、未来融合、伏せ1
魔理沙 LP2800:手札3:ドレッド(攻守4600)、ダッシュ、ダブル、ダンク、ディスク、伏せ1



霊夢 「ドローするわ!」

霊夢 「スタンバイフェイズに、フォレストマンの効果で融合を手札に! 
    そして手札から、闇の量産工場を発動! 
    墓地のスパークマンとクレイマンを手札に加え、この2体を融合よ! 
    来い、サンダージャイアント!」


《闇(やみ)の量産工場(りょうさんこうじょう)/Dark Factory of Mass Production》 †
通常魔法
自分の墓地から通常モンスター2体を選択し手札に加える。


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) サンダー・ジャイアント/Elemental Hero Thunder Giant》 †
融合・効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2400/守1500
「E・HERO スパークマン」+「E・HERO クレイマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
自分の手札を1枚捨てる事で、フィールド上に表側表示で存在する
元々の攻撃力がこのカードの攻撃力よりも低いモンスター1体を選択して破壊する。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。


パチェ「やはり来たわね、融合。実質アド損無しで召喚するとは……」

レミ 「まだこれからよ。おそらく、霊夢はこの先毎ターン融合体を召喚してくるはず。
    手札かライフが尽きるまでね」

霊夢 「優先権を行使して、サンダージャイアントの起動効果を発動するわ! 
    手札の凡人の施しを捨て、ダッシュガイを破壊!」

霊夢 「そしてバトルよ。ダンクガイに攻撃! ボルティック・サンダー!」

魔理沙「(いずれにせよやられてしまうが……ここは使っておくか)
    手札から、ダガーガイのクイックエフェクトを発動するぜ。
    墓地に捨てることで、ダンクガイの攻撃力800アップ!」

霊夢 「それでもジャイアンの方が攻撃力は上よ! 破壊してターンエンド!」

魔理沙「(ダメージは抑えることができたが……。
    ダッシュガイとダンクガイがやられたことで、ドレッドガイの攻撃力は
    下がってしまったか……)」LP2800→2400



霊夢   LP2750:手札1:ジャイアン、森男、ミスト、未来融合、伏せ1
魔理沙 LP2400:手札2:ドレッド(攻守1300)、ダブル、ディスク、伏せ1



魔理沙「(霊夢がここまで死力を尽くしているんだ。わたしもそれに答えたい!)」

魔理沙「わたしのターン……ドローだ!」

魔理沙「(…………あのカードは来ないか。だが……)」

魔理沙「手札から、封印の黄金櫃を発動! わたしが除外するのは、戦士の生還だ!」


《封印(ふういん)の黄金櫃(おうごんひつ)/Gold Sarcophagus》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。


パチェ「ここで戦士の生還か……となると、魔理沙が狙っているのは」

レミ 「おそらくドグマガイね。あいつの場にはリリース要員が揃っているし。でも……」

文  「ええと。次のターン、巫女の場には未来融合の効果でエリクシーラーが特殊召喚される。
    ドグマガイが手札に加わるまでの4ターン、どう凌ぐかというわけですね。
    いやぁ、この瞬間を見逃す手は無いわ~。にとり、カメラの準備はいい?」

にとり「はい、大丈夫なんですけど……。さっきからシャッターの切りすぎでもう指が……」

文  「構わないわ。腱鞘炎寸前まで撮り続けるわよ」

にとり「(ほとんど病気じゃ……)」

魔理沙「ドレッドガイを守備表示に変更。これでターンエンドだ」

霊夢 「エンドしたわね。ならわたしのターンよ! ドロー!」

霊夢 「未来融合が発動されてから、2回目のスタンバイフェイズよ。
    地水炎風のエレメントを司る、究極のヒーローが召喚されるわ! 
    来なさい、エリクリーラー!!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エリクシーラー/Elemental Hero Electrum》 †
融合・効果モンスター
星10/光属性/戦士族/攻2900/守2600
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
+「E・HERO クレイマン」+「E・HERO バブルマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」としても扱う。
このカードを融合召喚した時、ゲームから除外された全てのカードを
持ち主のデッキに戻しデッキをシャッフルする。
相手フィールド上に存在するこのカードと同じ属性のモンスター1体につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。


魔理沙「(……エリクシーラー!)」

鈴仙 「おお~、素材4体での融合とは豪華ですね」

永琳 「まあね。作者的には、デザインはフェザーマンに次ぐものらしいだけど。
    もちろん下から」

霊夢 「見てくれなんかとうに期待してないわ。
    エリクシーラーの誘発効果発動。除外されているカードを全てデッキに戻すわよ」

魔理沙「わたしもだな。ディアボリックガイを戻すぜ」

霊夢 「そしてフォレストマンの効果で融合を手札に加える。
    そしてサンダージャイアントの起動効果発動! 
    手札のボルテックを墓地に捨て、ドレッドガイを破壊するわ!」

魔理沙「(く……ドレッドガイの攻撃力は1300に下がっている。
    破壊されてしまったか)」

霊夢 「バトルよ! エリクシーラーでダブルガイを攻撃! 夢・想・天・生!!」

魔理沙「だが、まだわたしの場にはディスクガイがいるぜ」

霊夢 「そいつも破壊よ! サンダージャイアント、昇天脚!」

魔理沙「くっ……」

霊夢 「ようやくあなたの場がきれいになったわね。ターンエンド」



霊夢   LP2750:手札2:錬金男、ジャイアン、森男、ミスト、未来融合、伏せ1
魔理沙 LP2400:手札2:伏せ1



魔理沙「(くっ、今日のあいつの運気は異常だぜ。
    融合の連続で場は逆転……正直ここまで凌げただけでも、殊勲賞くらいほしいところだな)」

魔理沙「(しかし、このままでは……)」

霊夢 「こんなものじゃないでしょう?」

魔理沙「…………なんだって?」

霊夢 「あんたはこの程度で終わるデュエリストじゃない。
    だって、わたしにデュエルを教えてくれたのは、他でもない、魔理沙だもの。
    ルールはもちろん、デュエルの楽しさも、奥深さも……。
    そして、それを忘れかけたあの時、自分の身を挺して思い出させてくれた。
    わたしの手を引いてくれた。
    今のわたしがあるのは、あんたのおかげなの。
    デュエルモンスターズに関して、わたしはあんたの事を心から尊敬してるわ。
    ずっと、その背中を追いかけてきたのよ……」

アリス「(霊夢……)」

霊夢 「今、ようやく影を踏むことができた。肩をつかんで、あんたを振り向かせることができた。
    やっと本気で向き合うことができたのよ。
    だから……お願い! 諦めずに、最後まで闘って!
    あんたの全力を、このデュエルにぶつけて!」

魔理沙「…………」

魔理沙「……それは愚問さ、霊夢。
    わたしだって、この時をずっと待っていたんだ。お前と本気で闘える時をな。
    今、わたしは最高に楽しんでるんだぜ。
    こんな楽しいデュエル、簡単に終わらせるわけがないだろ?」

霊夢 「…………魔理沙、じゃあ!」

魔理沙「お前もさっき言ってたな。言葉を返すぜ。
    ここからが、本当の勝負だ! ドロー!!」

魔理沙「(…………来たか、ここで。
    さすが、遊戯王の神様は空気が読めてらっしゃるぜ)」

魔理沙「スタンバイフェイズに、前のターン破壊されたダブルガイの効果が発動する! 
    場にダブルガイトークンを2体特殊召喚するぜ!」

魔理沙「そして、墓地のディアボリックガイの効果発動! 
    このカードを除外することで、デッキからディアボリックガイを守備表示で特殊召喚!」

パチェ「……そうか! 
    ディアボリックガイは準制限カードだけど、エリクシーラーの効果でデッキに戻ったから
    もう一度効果が使えたのね」

文  「それにしても……
    このタイミングでモンスターを場に3体揃えたということは……」

妖夢 「(上級モンスターが来るのか。
    でも、戦士の生還が手札に来るのは次のターン。
    ということは、呼び出すのはドグマガイでは無く……)」

魔理沙「究極のDを見せてやる! 
    場の3体のモンスターをリリース…………カモンだぜ! 
    D-HERO、Bloo-D!!」


《D-HERO(デステニーヒーロー) Bloo-D(ブルーディー)/Destiny Hero - Plasma》 †
効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻1900/守 600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在するモンスター3体を
生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。
相手モンスター1体を指定してこのカードに装備する
(この効果は1ターンに1度しか使用できず、
同時に装備できるモンスターは1体のみ)。
このカードの攻撃力は、装備したモンスターの
攻撃力の半分の数値分アップする。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
相手フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターは
全て効果が無効化される。


鈴仙 「…………ブルーD!?」

永琳 「ここでBloo-Dか。奇襲性、制圧力。
    能力だけ見れば間違いなく最強のD-HERO。確かに勝負をつけにきたわね」

魔理沙「優先権を行使だ! 
    Bloo-Dは、相手モンスター一体を吸収し、その攻撃力の半分を得ることができる! 
    エリクシーラーを吸収!!」

霊夢 「……!? わたしのエリクシーラーが!」

魔理沙「吸収したモンスターはBloo-Dの装備カードになる。
    これで攻撃力は3350だ!」

魔理沙「いくぜ、バトル! Bloo-Dで、サンダージャイアントに攻撃! 
    邪恋、マスタースパーク!!」

霊夢 「…………きゃあああああああっ!!」LP2750→1800

藍  「(攻撃が……通った!)」

文  「これは…………どうやら、もう勝負はついたようですね」

パチェ「確かにね。Bloo-Dは相手モンスターを吸収する起動効果に加え、
    相手の場のモンスター効果を全て無効化する永続効果を持つ。
    効果を封じられては、霊夢のE・HERO達は真価を発揮できない」

妖夢 「そうか。霊夢のデッキはE・HEROの力を極限まで引き出すために作られた構成。
    モンスター除去も魔法・罠への対応も、そのほとんどがモンスター効果に依存している。
    だが、肝心のその効果が使えなければ、勝負は……」

魔理沙「(………………Bloo-D。
    こいつのエフェクトは、お前には酷だったかもしれない。
    このカードは場に存在する限り、相手の場のモンスター効果を全て封じる。
    つまりお前のデッキに眠る可能性を、その根から完全に潰してしまうことになるからだ)」

魔理沙「(だが、お前は全力のわたしを求めた。だからあえてこいつをデッキに入れた。
    それに、わたしだって全力のお前に勝ちたい。
    そう思っていたのは、わたしも同じだったんだ)」

魔理沙「(だから、この究極のDを……立ちはだかる運命を、打ち崩してみせてくれ! 
    可能性の枠にすら囚われない、お前の真の力で!)」

魔理沙「(…………そして、わたしはさらにその上をいかせてもらうぜ!)」

紫  「…………」

紫  「(…………ふhふふふ)」

魔理沙「わたしは、これでターンエンドだ!!」



霊夢   LP1800:手札2:森男、ミスト、伏せ1
魔理沙 LP2400:手札2:Bloo-D、錬金男(装備カード)、伏せ1



霊夢 「(さすが魔理沙だわ。ここでBloo-Dを出してくるなんて……)」

霊夢 「(でも、わたしだってこれぐらいで音をあげるわけにはいかない。
    カードをドローしない限り、結末はまだわからないのだから!)」

霊夢 「わたしのターン、ドロー!」

霊夢 「2枚目のホープオブフィフスを引いたわ! 
    墓地のテンペスター、サンダージャイアント、スチームヒーラー、
    スパークマン2枚をデッキに戻し、2枚ドロー!!」

霊夢 「……もう一発よ! 2枚目の貪欲な壷を発動! 
    ジアース、セイラーマン、フレンドック、沼地の魔神王2枚戻し、2枚ドロー!!」

鈴仙 「ちょっとちょっと……!
    この土壇場でドロー強化カードを2枚も…………なんて引きなの」

霊夢 「(……このドローで…………来た!)」

霊夢 「(…………でもどうやら、これが最後の融合のようね。
    さすがに、E・HEROを全部召喚するのは無理があったか)」

霊夢 「いや、ここまでこれただけでも十分すぎるくらいだわ。
    これもきっと、魔理沙のおかげ……)」

霊夢 「(だからこの最後の融合は、魔理沙。
    死力を尽くしてくれた、あなたへの感謝をこめて……)」

霊夢 「………………融合を発動!!」

妖夢 「…………な!?」

パチェ「んですって……!?」

霊夢 「ラスト・フュージョンよ! 手札のスパークマンと、沼地の魔神王を融合!! 
    わたしが呼び出すのは……」

鈴仙 「効果は封じられてるのに…………いったい何を??」

魔理沙「(……当然、あれに決まってるぜ! さあ、来い!!)」

霊夢 「来なさい!! シャイニング・フレア・ウィングマン!!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) シャイニング・フレア・ウィングマン/Elemental Hero Shining Flare Wingman》 †
融合・効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2500/守2100
「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」という名のついた
カード1枚につき300ポイントアップする。
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。


永琳 「(……! 
    最強のE・HERO、シャイニング・フレア・ウィングマン……。
    でも効果は使えないはず……)」

パチェ「シャイフレの強さは、効果によって攻撃力をあげる爆発力と、
    戦闘で破壊した時にダメージを与える逆転性。
    攻撃してBloo-Dを破壊できれば、その瞬間後者の能力は発動されるけど……」

文  「もし効果を封じられていなかったら、とんでもない攻撃力になっていたでしょうけど……。
    自身の能力で攻撃力を上げることができない以上、Bloo-Dは倒すことができないわけですね」

レミ 「今のままではね。でも……」

パチェ「……レミィ?」

幽々子「わたしも気になっていたのよねぇ、霊夢の伏せカード」

霊夢 「…………リバースカード発動よ! エマージェンシーコール!」


《E(イー)-エマージェンシーコール/E - Emergency Call》 †
通常魔法
自分のデッキから「E・HERO」と名のついたモンスター1体を手札に加える。


妖夢 「(エマージェンシーコール……今の今までとっておいてたのか。
    でも、いまさら何を持ってくるつもり……)」

霊夢 「わたしがもってくるのはこれよ! E・HEROキャプテン・ゴールド!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) キャプテン・ゴールド/Elemental Hero Captain Gold》 †
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2100/守 800
このカードを手札から墓地に捨てる。
デッキから「摩天楼 -スカイスクレイパー-」1枚を手札に加える。
フィールド上に「摩天楼 -スカイスクレイパー-」が存在しない場合、
フィールド上のこのカードを破壊する。


魔理沙「!?」

霊夢 「手札から、キャプテンゴールドの起動効果発動! 
    このカードを墓地に捨て、デッキからスカイスクレイパーを手札に加える!」

パチェ「……そうか! 
    Bloo-Dで無効化されるのはフィールド上のモンスター効果のみ。
    手札で発動する効果は適用されるわ!」

アリス「(すごい! スカイスクレイパーがあればシャイフレの攻撃力は3500。
    Bloo-Dの攻撃力を上回る……!)」

アリス「(霊夢…………あなたは、本当に……)」

霊夢 「スカイスクレイパーを発動するわ! 
    やっぱりHEROが活躍するのは、この場所じゃないとね」

霊夢 「さあ、いくわよ! シャイニング・フレア・ウィングマンで、Bloo-Dに攻撃!! 
    シャァァアァイニング・シューーーーーーートォォッ!!!」

魔理沙「(…………っ! Bloo-Dがっ!)」LP2400→2250

霊夢 「この瞬間……シャイフレの誘発効果発動! 
    破壊したモンスターの元々の攻撃力分ダメージを与えるわ!!」

魔理沙「ぐわぁっ!! 
    ……だが、まだライフは残ってるぜ! 
    勝負は決まっていない!」LP2250→350

霊夢 「……いいえ、終わりよ!」

魔理沙「……!? 何だって!?」

霊夢 「手札から……速攻魔法発動!」

アリス「(…………速攻魔法!?)」

霊夢 「発動よ! 融・合・解・除!!」


《融合解除(ゆうごうかいじょ)/De-Fusion》 †
速攻魔法
フィールド上の融合モンスター1体を融合デッキに戻す。
さらに、融合デッキに戻したこのモンスターの融合召喚に使用した
融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
この一組を自分のフィールド上に特殊召喚する事ができる。


にとり「ゆ、融合解除っ……!?」

妖夢 「な……ここでか!?」

パチェ「シャイフレを戻して、融合した素材を融合召喚すれば……」

藍  「(…………勝負は、決まる!)」

霊夢 「場のシャイニング・フレア・ウィングマンをデッキに戻し、
    墓地のスパークマンと沼地の魔神王を特殊召喚! もちろん攻撃表示よ!!」

霊夢 「……これでわたしの勝ちだわ! スパークマンで、魔理沙にダイレクトアタック! 
    いけえっ、スパーク・フラァーッシュ!!」

魔理沙「融合解除…………それがくると思ってたぜ! 
    リバースカード発動!!」

霊夢 「ッ!?」

アリス「(…………このタイミングで!? まさか、魔理沙……)」

魔理沙「こっちも速攻魔法だ! 超融合!!」


《超融合(ちょうゆうごう)/Super Polymerization》 †
速攻魔法
手札を1枚捨てる。自分または相手フィールド上から融合モンスターカードに
よって決められたモンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
このカードの発動に対して、魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事はできない。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


鈴仙 「(魔理沙の場にモンスターはいない……。
    ということは、融合する素材は……!)」

魔理沙「当然霊夢、お前の場のモンスターだぜ! 
    手札のD-フォーメーションを捨てて、超融合発動!!」

魔理沙「霊夢の場のスパークマンと沼地の魔神王を融合!! 
    現れろ! E・HEROシャイニング・フェニックスガイ!!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) シャイニング・フェニックスガイ/Elemental Hero Shining Phoenix Enforcer》 †
融合・効果モンスター
星8/炎属性/戦士族/攻2500/守2100
「E・HERO フェニックスガイ」+「E・HERO スパークマン」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」と名のついた
カード1枚につき300ポイントアップする。
このカードは戦闘によっては破壊されない。


霊夢 「(シャイニング・フレア・ウィングマンのもう一つの融合形態……。
    シャイニング・フェニックスガイ……!?)」

パチェ「そんな、まさか……。
    相手の場のモンスターをそっくりそのまま融合素材にして、この戦闘を回避するなんて」

レミ 「……まったく、呆れるぐらい楽しませてくれるわねぇ。
    この娘たちの運命ときたら、落ち着きなく揺れ動いて、まるで予想がつかないんだもの」

幽々子「本当。ただの酒の肴にはもったいないわね。くすくす」

霊夢 「…………」

霊夢 「……ふふふっ」

魔理沙「お? どうした、急に笑うなんて。
    そんなに今の戦略が見事すぎたか?」

霊夢 「ひふふ、ほんとね。
    わたしの融合解除を読み切って、さらにそれを利用してくるなんて。
    とんだ大道芸だわ。ほんと、あんたって最高」

魔理沙「そうか。でもなんか、褒められてる気がしないなぁ」

霊夢 「実際褒めてるわけでもないしね。
    率直な感想よ。ほんと、デュエルって楽しい。くすくす」

魔理沙「ったく、のんきな奴だぜ。まあ、そこが霊夢らしいよな。
    でもお前、急に緊張感無くしたりして、まさかもう諦めたってんじゃないだろうな?」

霊夢 「まさか。この程度で負けを認めるわたしじゃないわ。
    まだわたしには、ライフも、手札も、デッキも残ってるんだからね!」

魔理沙「この程度、ねぇ。言ってくれるぜ。
    じゃあ次のわたしのターン、その残った首の皮、断ち切ってやるぜ!」

霊夢 「いいわ。デュエル再開よ! 
    メインフェイズ2でカードを1枚伏せる! ターンエンドよ!!」



霊夢   LP1800:手札0:森男、ミスト、レイパー、伏せ1
魔理沙 LP 350:手札2:シャイニングフェニックスガイ



鈴仙 「長かったけど…………今度こそ、最終局面ですね」

永琳 「やれやれね。まったく、ただでさえ時間が押しているというのに」

パチェ「状況は、霊夢の場には戦闘破壊耐性のフォレストマン、
    魔理沙の場には攻撃力2800のシャイニングフェニックスガイね。
    このままでは膠着状態もありうるけど……。
    レミィは、これをどう見る?」

レミ 「さてね。でも、ここは未来を予想するより、純粋に展開を楽しむ方がいい気がするわ」

幽々子「紫も言っていたわ。確かに今は成り行きを見守るのが吉ね。ふふふ」

魔理沙「(……すでに最後の切り札へのパーツは揃いつつある。
    このターンで、十分決着はつけられる)」

魔理沙「(これだけ楽しいデュエルは初めてだった。礼を言うぜ、霊夢)」

魔理沙「(…………もっとも、お前もきっと今同じ事考えてるんだろうけどな)」

魔理沙「(さて、そろそろいくか。名残惜しいが、これも仕方ないぜ。
    花火は、ずっと空に咲いていられないからな)」

魔理沙「……ラストターンだ! ドロー!!」

魔理沙「このターンのスタンバイフェイズ、封印の黄金櫃で除外されたカードが戻ってくる!
    手札に加え、これを発動! 戦士の生還だ!!」


《戦士(せんし)の生還(せいかん)/The Warrior Returning Alive》 †
通常魔法
自分の墓地の戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。


魔理沙「墓地の戦士族を1枚手札に加えることができる! 
    わたしはドグマガイを回収するぜ!」

妖夢 「戦士の生還! そういえば黄金櫃の効果があったんですね」

文  「でも……なんでドグマガイなんでしょう。
    今さら手札に加えても、リリースモンスターがいなければ召喚はできないのに」

パチェ「そうね。デビルガイだったらフォレストマンを未来に飛ばし、
    このターン戦闘は行えなくともミストボディは破壊できたはずなのに……」

アリス「(…………わたしにはわかるわ、魔理沙。
    あなたが何をやろうとしているのか……)」

アリス「(今持てる限りの全力を、このデュエルで出し尽くそうとしている。
    今あなたは、最高にデュエルを楽しんでいるのね!)」

魔理沙「さらに貪欲な壷を発動! 
    墓地のデビルガイ、ダンクガイ、ダイヤモンドガイ、ダッシュガイ、
    Bloo-Dをデッキに戻し、2枚ドローする!」

魔理沙「(………………来たぜ! 最後のキーカード!!)」

魔理沙「いくぜ霊夢! わたしはこのカードを発動! 死者蘇生!!」


《死者蘇生(ししゃそせい)/Monster Reborn》 †
通常魔法(制限カード)
自分または相手の墓地からモンスターを1体選択する。
選択したモンスターを自分のフィールド上に特殊召喚する。


霊夢 「(……死者蘇生!?)」

妖夢 「これは……やっぱりドグマガイのリリースモンスターを揃えにきた!?」

パチェ「だとしても……蘇生させるのは一体何だというの!?」

魔理沙「わたしが蘇生させるのは…………霊夢、お前の墓地にあるカードだ!」

霊夢 「っ!? なんですって!」

魔理沙「霊夢の墓地から、HEROを一体呼び出す!
    来い、E・HEROプリズマー!!」

レミ 「(……プリズマー! まさか……)」

魔理沙「プリズマーの起動効果発動だ! 
    融合モンスターを公開し、デッキからモンスターを墓地に送る。
    わたしが見せるのは最後のDのカード! 
    そして、デッキから墓地に送るのはBloo-Dだ!」

霊夢 「最後のD……あんたの狙いはそれね!」

魔理沙「ああ、今に見せてやるぜ。
    手札から……融合を発動! 
    手札のドグマガイと、場のBloo-Dとなったプリズマーを融合し……」

魔理沙「これがわたしの全力全身全霊だ!!
    現れろ! ドラグーン・D・エンド!!!」


《Dragoon(ドラグーン) D-END(ディーエンド)》 †
融合・効果モンスター
星10/闇属性/戦士族/攻3000/守3000
「D-HERO Bloo-D」+「D-HERO ドグマガイ」
このモンスターの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
1ターンに1度だけ相手フィールド上のモンスター1体を破壊して
そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
この効果を使用したターン、バトルフェイズを行う事ができない。
このカードが自分のターンのスタンバイフェイズ時に墓地に存在する場合、
墓地の「D-HERO」と名のついたカード1枚をゲームから除外する事で
このカードを特殊召喚する事ができる。


鈴仙 「……!? 
    あれが、最後のD……。
    ステータスは融合元のドグマガイより下がってるけど。
    攻守3000で自己再生能力まで備えてるなんて……」

永琳 「それもだけど、起動効果も強力よ。
    毎ターンノーコストで相手モンスターを破壊して、
    そのうえダメージまで与える……」

レミ 「ふふん、まさに最後のDと呼ぶに相応しいカードというわけね」

魔理沙「お前の場にはリバースカードがある。まずはそいつを片付けさせてもらうぜ。
    手札から大嵐を発動!」


《大嵐(おおあらし)/Heavy Storm》 †
通常魔法(制限カード)
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。


霊夢 「なら……チェーンしてリバースカード発動よ!
    ヒーローバリア!」


《ヒーローバリア/Hero Barrier》 †
通常罠
自分フィールド上に「E・HERO」と名のついたモンスターが
表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。


妖夢 「……!? ここでヒーローバリア! 
    と、いうことは……」

鈴仙 「このターンを…………凌いだというの!?」

パチェ「ヒーローバリアを引いてたのか……。
    魔理沙の場にはモンスターが2体。
    一体でフォレストマンを破壊されても、もう一体の攻撃はこれで通らない」

魔理沙「やれやれ。さすがだな、霊夢。
    和睦や咆哮で済むのにあえてヒーローバリアをデッキに入れるなんて、こんな空気の読める奴そうそういないぜ」

霊夢 「ふふふ、褒め言葉として受け取っておくわ」

魔理沙「だが、わたしのターンはこれで終わってはいないぜ。
    Dエンドの起動効果発動! 
    相手モンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」

魔理沙「フォレストマンを破壊だ! シュート・ザ・ムーン!!」

霊夢 「……きゃあああああああっ!!」LP1800→800

魔理沙「言い忘れたが、Dエンドは攻撃表示だ。
    さらにシャイニングフェニックスガイを守備表示に変更。
    念には念を入れとかないとな。これでターンエンドだ」



霊夢   LP 800:手札0:無し
魔理沙 LP 350:手札1:D-END、シャイニングフェニックスガイ



霊夢 「…………わたしのターンね」

霊夢 「(不思議。絶望的な状況なのに、ドローする右手は熱く火照ってる……)」
  
霊夢 「なんて言えばいいのかしら。まるで……自信が力になって溢れてくるみたい。
    なにか、確信めいた力のようなものが……)」

霊夢 「(いえ、これは確信そのものだわ。
    今のわたしには、ドローするカードがわかる……)」

霊夢 「(魔理沙、本当に楽しかったわ…………ありがとう!)」

霊夢 「ドロー!!」

霊夢 「…………手札から、ヒーローフラッシュを発動!!」


《ヒーローフラッシュ!!/HERO Flash!!》 †
通常魔法
自分の墓地の「H-ヒートハート」「E-エマージェンシーコール」
「R-ライトジャスティス」「O-オーバーソウル」をゲームから除外して発動する。
自分のデッキから「E・HERO」と名のついた通常モンスター1体を特殊召喚する。
このターン自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた通常モンスターは、
相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。


魔理沙「(…………ヒーローフラッシュ!?)」

霊夢 「墓地のH・E・R・Oを除外し、デッキからモンスターを特殊召喚するわ!!」

霊夢 「あなたの全身全霊…………このカードで返す!! 
    来なさい! E・HERO、ネオス!!!」


《E・HERO(エレメンタルヒーロー) ネオス/Elemental Hero Neos》 †
通常モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2500/守2000
ネオスペースからやってきた新たなるE・HERO。
ネオスペーシアンとコンタクト融合することで、未知なる力を発揮する!


鈴仙 「ネオスですって!?」

文  「それも、ヒーローフラッシュで特殊召喚したカードは、
    このターン相手にダイレクトアタックができます!」

パチェ「魔理沙の場に伏せカードは…………無い!」

霊夢 「バトルフェイズ! いくわよ、魔理沙!!」

魔理沙「……ああ、来い!!」

霊夢 「ネオスで魔理沙にダイレクトアタック!! ラス・オブ・レイム!!!」

魔理沙 LP350→0



    *



輝夜 「……そこまで! 勝者、脇巫女!!」

霊夢 「ハァ……ハァ……」

霊夢 「……勝った? わたしが、魔理沙に……」

魔理沙「ああ、お前の勝ちだ」

アリス「そうよ。胸を張りなさい」

紫  「素晴らしいデュエルだったわ、霊夢。おめでとう。くすくす」

霊夢 「紫。アリスも……」

魔理沙「楽しかったぜ。ほら、手を出せよ。
    最後は握手で終わろうぜ。
    お互いの健闘を称えあって、な?」

霊夢 「…………ありがとう。本当に……」

魔理沙「おいおい、よせよ。
    お前はようやく本来の実力を出すことができたんだ。
    だが、今度やる時はこうはいかないぜ。
    わたしのデッキはD-HEROだけじゃないしな」

霊夢 「……ふふっ。
    そんなの、返り討ちにしてやるわ。いつでも受けてたつからね!」

パチェ「…………ようやく終わったわね。
    逆転に次ぐ逆転の展開。まったく、とんでもない戦いだったわ」

レミ 「そうね。人間の織り成す奇跡の螺旋図……しかと見せてもらったわ」

鈴仙 「それにしても、まさか場も手札も0の状態から逆転するなんて……」

永琳 「そういうこともあるということよ。可能性という尺度を無視するならね」

妖夢 「あいつらにはその力がある、ということですね、幽々子様」

幽々子「あら、わたしが言おうとしたのに。正解よ、妖夢。70点」

妖夢 「(正解なのに何で微妙な点数なの……)」

四季 「どうやら、あの二人はわたしの教えをきちんと守っているようですね。感心感心」

小町 「そうなんですか? 四季様、あの二人になんて?」

四季 「泥棒の罪状と、健康に気を使った調理法についてです」

小町 「(全然関係無いじゃないの……。というか花映塚の話なんて、もう絶対忘れてるだろうし)」

魔理沙「…………さて、と。悪いな、アリス。
    全力は出せたが、結果は負けだったぜ」

アリス「気にしなくていいって言ったでしょ。
    ま……あんたにしちゃ、よくやったんじゃない」

魔理沙「きっついなぁ。惜しかったわねの一言ぐらい言ってほしいもんだぜ」

アリス「にしても、最後に残ってた手札1枚は何だったの?」

魔理沙「ああ、これだよ」

アリス「……D-カウンターか。
    Dエンドは便宜上最後のDって名目だけど、D-HEROではない。
    だからこのカードの発動条件は満たせないというわけね。
    それでも一応伏せておけば、牽制にはなったのに」

魔理沙「霊夢側がドローカード1枚の行くしかない状況である以上、
    ブラフに意味なんて無いさ。
    それに、あれが状況に干渉するカードで無い時点で、わたしに勝ち目が無いことはわかっていた。
    先に水面から顔を上げたのは、わたしの方だったってことさ。
    ま、結局はあいつの気迫が優ったってわけだ」

アリス「ふうん、随分と殊勝じゃない」

魔理沙「軽く燃え尽きたからな。だが、わたしも悔いはないぜ」

アリス「…………なるほどね。あんたの言う事、わたしにもわかる気がするわ。
    まあとにかく、これでわたし達の一敗。次の試合、ますます負けられなくなったわね」

魔理沙「ああ。だが、勝算はあるのか? 
    相手はあの紫だぜ」

アリス「勝算なんてそんなもの、いちいち計算してたらキリが無いわ。
    それこそ、数字や確率なんてものを気にしているようじゃ、デュエルも楽しくなくなる。
    そうじゃなくて?」

魔理沙「…………さすがはアリスだな。
    まったくもって、お前の言う通りだぜ。
    そこまで分かってるなら、安心して任せられる……」

アリス「ちょっとあんた、今寝そうになったでしょ」

魔理沙「ああいや、そんなことはないぜ。決して、決して」

アリス「二回言う辺りがその証拠ね。
    この試合が終わったら、今度はタッグデュエルがあるのよ。
    先に気を抜いたら、承知しないんだから」

魔理沙「はいはい。仰せのままに、だぜ」






















                                             ・・・・・・To be continued
第十三話です。長々とお疲れ様でしたm(_ _)m
そして前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m
最近暇が無くて前回の直しすらまだ済んでないのですが、一応こちらはできているので続きを投稿しておくことにしました。

霊夢→E・HERO、魔理沙→D-HEROです。
魔理沙がDなのはキャラに合わせてというよりも、霊夢のライバルという設定を意識してのことです。
あと全体的に黒いデザインのカードが多いので、魔理沙が使ってもそこそこ似合うだろうということで起用しました。

霊夢と魔理沙は、この話でようやく一段落ついた感じです。
そのために真剣勝負にしようと思って書いたんですが、思いのほか容量くってしまいましたorz
だらだら感があったら申し訳ないです。



<以下コメントへの返信>
長い作品にも関わらず楽しんで読んでいただけたようで、作者としても満腔の喜びを感じています。ありがとうございましたm(_ _)m


>>2>>3
修正しました。ご指摘ありがとうございました~。

>>4>>6
いつもは初めにプロットを考えてからやるんですが、今回の話は書いているうちにどんどん筆が進み、最終的にプロットとはおよそかけ離れた進行になりました。
物書きをしている方ならわかると思いますが、いわゆる話が一人歩きしたってやつですね。こんなことを言うのは変かもしれませんが、書いている自分でもどちらが勝つのか予想がつかないくらいでした。
確かに初めは霊夢が勝つ予定で書いていたのですが、書いているうちにもう勝敗なんてどうでもよくなってしまったのです。今後のシナリオに関わろうがなんだろうが、もうこの二人に委ねてしまおう。最終的には、そんな心境になっていました。
こういう場合は得てして、いい話に仕上がることが多いといいます。
ひとえに心から楽しんでデュエルをした霊夢と魔理沙、この二人おかげかもしれませんね。

>>5
ああん、しまった。仰るとおりですorz
本当はエリクシーラーの効果で、戦士の生還もデッキに戻ります。

>>6ミラーゲートについて
そうだったのですか~。洗脳→強制転移だと戻ってこないから、てっきりこの場合もそうだと思っていました。ゲームで検証してから書くんだったなぁ。
作者の見識不足でした。毎回ご指摘いただいているようで、本当にありがとうございますm(_ _)m
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
感動した!!
E・HEROの融合体を全種出した霊夢。対抗する形でD-HEROを選択し、そのトリッキーな効果を駆使した真理沙。
これほど熱く、そして心に残るデュエルを見たのはGX第3期のヘルカイザーVSヨハン(ユベル)、十代VSユベル戦以来だ!
屈指の名デュエルを見せてくれてありがとう!! クラミ痔あさん!!
2.名前が無い程度の能力削除
根をあげる→音をあげる

いつも楽しくみさせてもらってます
これからの展開にも期待!
3.名前が無い程度の能力削除
魔理沙が最後の自分のターンにカードを一枚伏せて手札が0枚になってましたが(魔理沙 LP 350:手札0:D-END、シャイニングフェニックスガイ、伏せ1)
霊夢がネオスを召喚したときパチュリーが「魔理沙の場に伏せカードは・・・・・・・・・・・・無い!」
デュエルの後にアリスが「にしても、最後に残ってた手札1枚は何だったの?」と言ってるんですが?
4.名前が無い程度の能力削除
アツい、アツいわあ。やっぱり、E-HEROは燃える!

デュエルも逆転に次ぐ逆転で、本当にどちらが勝ってもおかしくない展開だったため、読み進めていくのが楽しかったです。ここに来て、ようやく霊夢に日が射したのも◎。

次回以降も楽しみにしています。
5.名前が無い程度の能力削除
この構成力は半端ない!本当にアニメでも見ているような気分でした。
ところでエリクシーラーの効果で除外された全てのカードがデッキに戻るなら、
黄金櫃で除外されていた戦士の生還もデッキに戻ると思うのですがどうなんでしょ?
6.名前が無い程度の能力削除
熱い・・・これは熱かった! あそこで超融合は鳥肌モノでした。
てっきりこの決闘は魔理沙が勝つものだとばかり思ってたり。・・・・・・や、何かアリスじゃ紫に勝てるようなイメージがあんまりないから、展開的に・・・と(笑)
またこの後の展開にも期待させて頂きますよっ。


と、いうところで・・・今回も少し指摘させて頂きます。
エリクシーラーとフレイムウィングマンのダメージ計算は他の方が指摘されていますが・・・前編の洗脳→ミラーゲートの流れですが、洗脳されたジ・アースをミラーゲートで奪っても、最終的にコントロールは元々の持ち主、この場合は霊夢に返ってきますよ。
7.狂信者ギリメカラ削除
いや~熱い闘いでした!
前後編纏めて一気堪能させていただきました。
今後の展開が楽しみでしょうが有りません
8.名前が無い程度の能力削除
アニメもびっくりの熱い展開でした!

自分もひとつ思ったのですが、前回のミラーゲートは再びコントロールが戻るのはエンドフェイズなので、デビルガイのダイレクトアタックは通らないのでは?
間違ってたらすいません。
9.名前が無い程度の能力削除
ギャラリーのラスボス達の態度がなんかムカつく。
でもデュエル自体は素晴らしかった。