Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王11 『決勝の始まりは死者の宴の始まりから』

2008/07/03 19:58:03
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注意:前回の続きです。
  































  ________19:00 博麗神社境内






輝夜 「……そこまで! 勝者、金髪二人組!」

魔理沙「よし、ガッチャだぜ!」

アリス「喜んでんじゃないわよ。金髪は差別用語なのよ」

輝夜 「誰も差別意識なんか持ってないけどね。まあ、なかなかのデュエルだったわ。
    運営委員長として、正式にあなたたちの決勝進出を認めます。
    永琳も、異存はないわね?」

永琳 「いえいえ。別に、異存なんか初めからないですよ」

鈴仙 「わたしもです」

輝夜 「あなたには訊いてないわ」

鈴仙 「……はい、そうですね」

魔理沙「言われなくても、認められてやるぜ。勝ったのはわたしたちなんだからな」

霊夢 「さすがね、二人とも。
    まさか、あそこからあんな劇的な展開を見せてくれるなんて」

アリス「魔理沙はあんまり役に立たなかったけどね……って、霊夢。生きてたんだ」

霊夢 「だから死にゃしないわよっ」

パチェ「まったく、相変わらず機械族の爆発力には恐れ入るわ」

レミ 「つくづく賞賛すべきは、そのシーラカンス並みのしぶとさのよね。
    とりあえず、それなりの余興であったことは褒めてあげるけど」

アリス「あれはおいしくないわ。シーラカンス」

魔理沙「お前らとも決着つけないとな。楽しみだぜ。そして……」

紫  「?」

魔理沙「きょとんとするな。お前だよ、お前」

紫  「あら。まあ」

幽々子「これだから、食べ物の恨みって怖いのよねぇ」

魔理沙「って…………あっ。わたしの団子っ」

妖夢 「まだ食べるんですか……」

幽々子「久しぶりに顕界に来たのだもの。こちらの流行も抑えておかないとね……うん、なかなかの美味」

レミ 「立ち食いとは気品が無い幽霊だな」

霊夢 「幽々子は立ち食いから踊り食いまでこなすからね。宴会以外じゃ迷惑なだけだけど」

アリス「宴会芸の話はどうでもいいのよ。
    あなたは、トーナメントでわたしが直々に倒してあげるわ」

紫  「あら、恐い顔。険悪。くすくす……」

魔理沙「お前は意味も無く笑うな」

輝夜 「さて……決勝進出者も正式に決まったところで、今度こそ諸人集ったようね」

藍  「あ、ちょっと待って。わたしのパートナーがまだ……
    あの、紫様。あの方を呼んでくれませんか?
    あの方は紫様しか見えないし……」

紫  「しかたないわねぇ。あなたの妖力もまだまだだしね。それと鼻の方も。
    ほら、どんどん萃まってくる……」

霊夢 「……っ!? 霧が集まって……。
    これって……」

アリス「あら。あなたは……」

萃香 「あれ~? やっと出番~?」

魔理沙「お前か。狐のパートナーは」

萃香 「あらどーも。今回は以前よりもさらに薄く広がっていたから気づかなかったみたいね。
    まあ、前も誰も気づいてくれた奴はいなかったけど」

レミ 「ああ……知っているわ。そういう動物をマングースっていうのよ。
    咲夜、これも覚えておきなさい」

咲夜 「お嬢様、それはハブですわ」

萃香 「相変わらず、無礼な魔族ね。あなた達の事もずっと見てたわよ? 
    神社の外から出れないからって、一人で囲碁はやめることね。
    知略と構築力の無駄使いよ。あと社会性も」

レミ 「だって他にすることなかったんだもん」

魔理沙「レミリアが詰め碁…………想像つかないぜ」

アリス「あなたの酒で濁った眼でどう見られようと構わないけど、その酒臭さは
    なんとかしてほしいわね。
    神聖なデュエル場には不釣合いよ」
 
萃香 「あら、あんたも飲む?」

アリス「じゃあ後で」

パチェ「こら」

霊夢 「というか、結局場所はうちなのね…………ん?」

小町 「あ、よかった~。四季様、間に合いましたよ」

四季 「どうやらそのようね。
    こんばんは、下界の方々。仕事を一時中断して来ました」

妖夢 「うわっ。誰かと思えば閻魔様じゃないですか」

魔理沙「ついに閻魔まで出張ってきたか。仕事ぐらい済ましてから来てほしいもんだけどな。
    またそこらが花だらけになっても知らないぜ」

霊夢 「どんどんいつもの宴会の調子になっていくわね。
    あんたらも、こんなところで遊んでる暇なんかないでしょうに」

小町 「激務の日々には息抜きも必要なんだよ。ねえ、四季様?」

四季 「うふふ。はしゃぎすぎですよ。小町」

鈴仙 「師匠、輝夜様。この方が幻想郷の閻魔様です」

永琳 「ああ。小言好きの、説教好きだとか」

四季 「好きで説きまわっているわけではありません。
    たまにはあなたがたがわたしの教えを守っているか、確認する必要があるのです」

紫  「げ。閻魔じゃない。あんたはいらないから帰りなさい」

四季 「……八雲紫ですか。あなたに関しては説法は無駄ですね。嘆かわしい事に」

幽々子「相変わらずお堅いのね。閻魔様は」

文  「そういうあなたは陽気すぎるような気もしますけどね。死人のくせに」

輝夜 「とにもかくにも、これで16名。集ったようね」

アリス「……16名?」

魔理沙「少し足りないな。そういや、お前のパートナーはどうしたんだ? 
    誰かは知らないが、永琳は出ないんだろ?」

輝夜 「わたしのパートナーはあいつよ、あいつ。
    まあそのうち来るだろうから、放っておくわ」

咲夜 「ああ、そっか。あの焼き鳥屋ですね」

霊夢 「はぁ、あいつも来るのか……。
    神社に火がうつらないように気をつけないと」

輝夜 「……さて。
    そんなわけで、長らくお待たせしました。
    まあ待たせた原因はわたしじゃないけど、元凶にはペナルティも受けてもらったことだし、
    これから決勝戦を始めます」

魔理沙「いよいよか……ここまで来るのもだいぶ長かったが」

アリス「これからさらに長くなるんでしょうね。肩が凝りそうだわ」

パチェ「じゃあいい加減教えてもらおうかしら。決勝戦の趣向を」

輝夜 「まず、公表しておいた通り、ここからは二人一組のチーム戦。
    まずシングルで一人づつ対戦し、二勝した方が勝利。
    それで一勝一敗になってしまった場合は、タッグデュエルで決着をつけることになるわ」

文  「つまり、最大で三試合やるわけですね」

妖夢 「トーナメントといってましたが、対戦相手はどうやって決めるんですか?」

永琳 「これから抽選をします。
    それから、これからやるのはただのトーナメントではないわ。
    まず8組で戦った後、原作同様に勝ち残ったベスト4にて、
    準決勝の対戦相手を決めるバトルロイヤルを行います」

魔理沙「バトルロイヤル……というと、あの4人でやるやつか」

霊夢 「うわ、あれやるの? 大丈夫なのかしら。作者的な意味で」

アリス「人生なんて、基本的に行き当たりばったりなものよ」

レミ 「まあ、そんな先の心配はしなくてもいいわ。
    それよりも、あなた達は自分の身を案じる事ね。
    一回戦で勝たなければ、何の意味もないのだから」

輝夜 「まあそういうことよ。
    見事優勝したチームには賞品として、永琳にどんな薬でも作らせる権利と、
    ステンレス仕様のデビルズ・ミラーを進呈します」

魔理沙「ちょ!? 激レアじゃないか。こいつは是が非でも欲しいぜ」

アリス「どうやって手に入れたのかは触れないでおきましょうか」

パチェ「どうせまたヤ○オクでしょ」

輝夜 「わたしが運営責任者だってこと忘れないようにね。
    機嫌を損ねたらどうなるか、わざわざ言わなくてもお察しできるでしょう? 
    わかったら口は謹んで、常にわたしの足元を見て前を歩きなさい」

魔理沙「つくづく何様なんだあいつは」

永琳 「さて、質問がないようでしたら組み合わせの抽選を行います。
    代表者はこちらに来て、このアルティメットビンゴマシーンを……
    なんてことはなく、ここからカードを選んで引いてください」

霊夢 「なら言わないでよ」

アリス「要はくじ引きか。わたしが行って来るわ」

魔理沙「別に構わないが、お前ってくじ運無さそうだよな。別に構わないが」

パチェ「どうする? レミィ」

レミ 「パチェに任せるわ。別に咲夜でもいいけど」

幽々子「めんどうねぇ。妖夢、引いてきて」

妖夢 「は、はあ(まだ食べてるし……)」

紫  「じゃあ、こっちも霊夢に頼もうかしらね。
    あなたの勘の鋭さは、わたしも認めるところだし」

霊夢 「勘とくじにどう関係があるのよ」

文  「じゃあ手早くわたしから。これにしましょうか……。
    おや、これは……?」


    狂符「幻視調律(ビジョナリチューニング)」


文  「なんて読むかわからないわね。中国語?」

鈴仙 「……って、またわたしの使ってるんですか!」

パチェ「別にいいじゃないの。ちり紙にしてるわけでもなし……」


    懶符「生神停止(アイドリングウェーブ)」


霊夢 「それにしても、楽勝なスペカばっかりよね。どれどれ」


    幻波「赤眼催眠(マインドブローイング)」


妖夢 「うーん、これかな……」


    狂視「狂視調律(イリュージョンシーカー)」


魔理沙「というか今気づいたんだが、こんなもんでどうやって決めるんだ?」

輝夜 「スペルカードは8種類だけど、厳密に分けると4種類。
    すなわち、4種類のスペカがあって、さらにそれぞれにノーマルのカードとハードがあるわけ。
    つまり、そのノーマルとハードのペアが試合の組み合わせとなる。
    ちなみに、ハードのカードを引いた方が先攻後攻の選択権を得られるわ」

アリス「回りくどいけど、一応理解したわ。これにしようかしら」


    波符「赤眼催眠(マインドシェイカー)」


アリス「(これは波符…………ということは)」

魔理沙「……初戦は、いきなり霊夢達か」

霊夢 「思ったより早く再戦できたみたいね。今度こそ、本当のデュエルで勝負しましょう」

魔理沙「おお! 望むところだぜ」

藍  「(ふん。こんなもの……茶番だな)」


    月眼「月兎遠隔催眠術(テレメスメリズム)」


藍  「あれ? これは確かラストスペルじゃ……」

永琳 「それはあぶれね。
    他にも1枚似たようなのがあるから、それを引いたところと組むことになるわ」


    散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」


小町 「これかな。あぶれってのは」

輝夜 「全員選び終わったようね。では最後に、わたしが残りのカードを引くとするわ」


    懶惰「生神停止(マインドストッパー)」


永琳 「これで抽選は滞りなく済みましたね。では、うどんげ。トーナメント表を発表しなさい!」

鈴仙 「(……師匠も楽しそうだなぁ)
    はいはい、ただいま……っと」



               ┌─幽々子&妖夢
          ┌─  ┤
          │     └─文&にとり
        ┌┤
        ││    ┌─霊夢&紫
        │└─  ┤
        │      └─アリス&魔理沙
        ―┤
        │      ┌─藍&萃香
        │┌─  ┤
        ││    └─四季映姫&小町
        └┤
          │    ┌─輝夜&妹紅
          └─  ┤ 
                └─レミ&パチェ





霊夢 「こうして実際に目に見えるようになると、余計に来るとこまで来たって感じがするわね」

魔理沙「ましてわたし達は初戦の対決だしな。
    決勝戦とはいかなかったが、直接当たれてよかったぜ」

パチェ「一回戦だけでも最低で8試合……。長い戦いになりそうね」

レミ 「問題無いわ。誰であろうと、わたしの新生ホルスデッキで瞬殺よ」

文  「ん? ホルスって速攻型でしたっけ?」

萃香 「あ~? 風邪にはちょうどいいんじゃない」

魔理沙「誰かこの酔っ払いをつまみ出せ」

小町 「よーし、がんばりましょうね、四季様。
    なるべく生き残って、休憩時間を長引かせましょう」

四季 「休み時間は増えても仕事が減るわけじゃないわよ」



    *






  ________19:30 博麗神社境内





輝夜 「上から順に第一試合として進行していきます。
    では早速、第一試合の出場デュエリスト、前へ!」

文  「ふっふ~。一番初めとは幸先がいいわね。
    にとり、いつまで隠れてるの。出てきなさい」

にとり「あ、バレました?」

文  「ここにいる妖怪で、あなたの迷彩を見破れない奴なんていないわよ。
    デュエルも妖力も、幻想郷で指折りの者達が揃ってるんだから。まあ、一部を除いて」

妖夢 「あ。幽々子様、呼ばれましたよ」

幽々子「あら、もう? 気が早いのね、まったく」

妖夢 「気が早いもなにも、決めたのはくじですから……」

輝夜 「では、お互い先鋒は進み出なさい」

文  「先に行っていいわ。たぶん、向こうは半霊が来ると思うから。
    亡霊の方は、たぶんあなたの手に負えないでしょうし」

にとり「わかりました。ちゃんと、わたしが勝つところも写真撮っといてくださいね」

妖夢 「あんなことを事もあろうに目の前で話してますが、いかが致します?」

幽々子「妖夢がいけばいいじゃない。来るもの拒まず、行くもの離さずよ」

妖夢 「……はあ、そういうことなら(全然わからないけど……)」

輝夜 「先攻は、さっきハードのスペカを引いたゴーストバスターズから。いいわね?」

妖夢 「わかりましたけど、勝手にチーム名つけるのやめてくれませんか」

輝夜 「では、審判は永琳に任せるわ」

永琳 「磯野役ですね……まあいいでしょう。
    それでは、準備がいいなら始めるわよ?」

にとり「わたしなら大丈夫よ」

妖夢 「こっちもです」

永琳 「それでは決勝トーナメント第一試合一本目…………始め!」

妖夢&にとり「デュエル!!」




 妖夢【ロザリオ神速三段六武衆】LP8000

              VS

              にとり【水辺の際に黄昏る神々】LP8000




にとり「さっさと済ませましょ。半人半霊さん」

妖夢 「河童とは珍しいのが相手になったものですね。だが、容赦はしない」

妖夢 「わたしの先攻だ。ドロー」

妖夢 「モンスターをセット。カードを1枚伏せて、ターンエンド」

にとり「わたしのターン、ドロー」

にとり「ならばわたしは、モンスターをセットしてターン終了よ」



妖夢  LP8000:手札4:裏守備、伏せ1
にとり LP8000:手札5:裏守備



霊夢 「さて……いよいよ始まっちゃったわね」

アリス「あー? そうねぇ」

魔理沙「おお~、始まったかぁ」

霊夢 「……何よ、あんたら。決勝だっていうのに、緊張感無いわね」

アリス「だって、わたし達ずっとデュエルしっぱなしだったんだもの。
    少しぐらいまったりしても罰は当たらないわ」

魔理沙「解説する奴なんて他にいくらでもいるしな。
    ああ、お前はいつもどおりリアクションする役で。よろしくな」

霊夢 「何よそれ……」

妖夢 「(外野がうるさい……)ドローします」

妖夢 「手札から、六武衆ニサシを召喚」


《六武衆-ニサシ/The Six Samurai - Nisashi》 †
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1400/守 700
自分フィールド上に「六武衆-ニサシ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


咲夜 「六武衆……あのカードは」

パチェ「六武衆は、場に同種のモンスターが2体以上揃うことで効果を得ることができるカードよ。
    だから今みたいにあれ一体だけでは、効果無しモンスターと変わらない。
    けど……」

妖夢 「裏守備を反転召喚。六武衆ヤイチです」


《六武衆-ヤイチ/The Six Samurai - Yaichi》 †
効果モンスター
星3/水属性/戦士族/攻1300/守 800
自分フィールド上に「六武衆-ヤイチ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
1ターンに1度だけセットされた魔法または罠カード1枚を破壊する事ができる。
この効果を使用したターンこのモンスターは攻撃宣言をする事ができない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」という名のついたモンスターを破壊する事が出来る。


妖夢 「これで、ニサシは二回攻撃能力を得た。ニサシで裏守備に攻撃!」

にとり「残念でした。これはペンギン・ナイトメア」


《ペンギン・ナイトメア/Nightmare Penguin》 †
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻 900/守1800
このカードがリバースした時、
相手フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上の水属性モンスターは攻撃力が200ポイントアップする。


にとり「そしてペンギン・ナイトメアの誘発効果発動。ヤイチを手札に戻すわ」

妖夢 「(守備力1800か……。ニサシの剣では斬れないな)」LP8000→7600

にとり「ちなみに、ペンギンと河童は別物だからね」

妖夢 「わかってますよ……。ターンエンド」



妖夢  LP7600:手札5:ニサシ、伏せ1
にとり LP8000:手札5:ペンギン



レミ 「ペンギンということは、河童は水属性デッキね。
    水が無ければ生きていけない、可哀想な種族」

霊夢 「あんたは日光当たっただけで駄目じゃないの」

パチェ「河童はキュウリが好物と読んだことがあるわ。きっと顎が強いのね」

文  「いやぁ、それは間違ってませんが、あの娘はああ見えてなかなか強いですよ。
    一応山の神ですし、何よりエンジニアとしての腕も一級ですから。自称ですけど」

にとり「いえいえ、公称ですよ。ドロー」

にとり「ふふん、いいカード。ハイドロゲドンを召喚」


《ハイドロゲドン/Hydrogeddon》 †
効果モンスター
星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。


にとり「言い忘れたけど、ペンギン・ナイトメアが場に表である限り、
    わたしのフィールドの水属性モンスターは攻撃力が200アップ。
    よってハイドロゲドンの攻撃力は1800よ。ニサシに攻撃!」

妖夢 「くっ……破壊されます」LP7600→7200

にとり「この瞬間、ハイドロゲドンの誘発効果発動。
    デッキからもう一体ハイドロゲドンを特殊召喚。そしてこのカードで追撃よ」

妖夢  LP7200→5400

にとり「やっぱり半霊だけあって脇が甘いねぇ。ターンエンド」



妖夢  LP5400:手札5:伏せ1
にとり LP8000:手札5:ペンギン、ハイドロ2



妖夢 「脇が甘い? それは聞き捨てならないですね。ドロー」

妖夢 「わたしは第三の六武衆、ヤリザを召喚。さらに手札から永続魔法、連合軍」


《六武衆-ヤリザ/The Six Samurai - Yariza》 †
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻1000/守 500
自分フィールド上に「六武衆-ヤリザ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


《連合軍/The A. Forces》 †
永続魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族・魔法使い族モンスター1体につき、
自分フィールド上の全ての戦士族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。


霊夢 「モンスターを強化してきた……。
    連合軍は、自軍の戦士と魔法使いの数だけ攻撃力が上がるんだったわね。
    けど、戦士族はあれ一体だから、上昇量はたった200……か」

魔理沙「だな。だがまあ、さすがにそれで終わらすつもりはないみたいだぜ」

妖夢 「わたしは続いてリバースカードを発動。六武衆推参。
    墓地のニサシを攻撃表示で特殊召喚します」


《六武衆推参!/Return of the Six Samurai》 †
通常罠
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する。
この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターンのエンドフェイズ時に破壊される。


妖夢 「これで場には再び六武衆が2体揃った。
    六武衆達は、2体以上の連携でこそ真価を発揮する。
    さらに手札から、漆黒の名馬を発動!」


《漆黒の名馬/Legendary Ebon Steed》 †
装備魔法
「六武衆」と名のついたモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力と守備力は200ポイントアップする。
装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。


妖夢 「ニサシに装備。バトルフェイズです」

    六武衆ヤリザは場に自分以外の六武衆がいるとき、プレイヤーに直接攻撃ができる。
    連合軍の効果で攻撃力は1400。河童にダイレクトアタック!」

にとり「きゃっ!」LP8000→6600

妖夢 「そしてニサシの攻撃です。
    六武衆ヤリザが存在することで、ニサシは二回攻撃が可能。
    装備魔法の効果と合わせて、攻撃力は2100です。
    ハイドロゲドン2体に攻撃。生死流転斬!」

にとり「(うっ。ゲドンたちが一瞬で……)」LP6600→6300→6000

妖夢 「カードを1枚伏せてターンエンド。
    エンドフェイズに六武衆推参の効果でニサシは破壊されるけど、
    漆黒の名馬を墓地に送ることで破壊を無効にすることができるわ」

霊夢 「おお~、なるほど。漆黒の名馬を身代わりにできるわけね」

アリス「にしても、サムライとはまた、古臭いデッキを使ってるのね。
    人間なんかをモチーフにしたカードが、どれほどの力を持つというのかしら」

魔理沙「六武衆を舐めたらいけないぜ。展開力、爆発力は見ての通りかなりのもの。
    場合によっては1キルだって可能だ。
    まあ、もっぱら短期決戦向けだから、試合が長引けばジリ貧になるんだけどな」

パチェ「いずれにせよ、勝負が着くのはそれほど先じゃないってことね」



妖夢  LP5400:手札2:ヤリザ、ニサシ、連合軍、伏せ1
にとり LP6000:手札5:ペンギン



にとり「わたしのターン、ドロー」

にとり「(……よし、来たわね)
    封印の黄金櫃を発動。デッキからダイダロスを除外するよ」


《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。


《海竜(リバイアドラゴン)-ダイダロス/Levia-dragon - Daedalus》 †
効果モンスター
星7/水属性/海竜族/攻2600/守1500
自分フィールド上に存在する「海」を墓地に送る事で、
このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。


アリス「……ダイダロスか、なるほどね」

霊夢 「ちょっと、勝手に納得してないで説明しなさいよ」

咲夜 「とは言っても……あなた以外みんな納得してるしね」

レミ 「テキスト見りゃいいのよ。それでもわからなかったら、生まれ変わって出直しなさい」

魔理沙「つまりあれだ。一体一体なら破壊に手こずる六武衆も、全体除去ならば身代わり効果は使えないってことだ。
    まあそれを差し引いても、ダイダロスは水デッキのフィニッシャーだからな。
    フィールドをまっさらにできる上に、確実に2600のダイレクトアタックができるのは大きいぜ」

妖夢 「(……とはいえ、黄金櫃の効果で手札に加わるのは4ターン後。
    なら、その前に勝負をつけるまでだ)」

にとり「わたしのターンはこれからだよ。魚達は陸の上じゃあ強さを発揮できない。
    このカードで真の力を見せてあげるわ。
    フィールド魔法発動! 伝説の都、アトランティス!」


《伝説の都 アトランティス/A Legendary Ocean》 †
フィールド魔法
このカードのカード名は「海」として扱う。
手札とフィールド上の水属性モンスターはレベルが1つ少なくなる。
フィールド上の水属性モンスターは攻撃力と守備力が200ポイントアップする。


妖夢 「このフィールドは……海!?」

にとり「そして、手札からギガ・ガガギゴを召喚! 
    フィールド魔法とペンギンの効果で攻撃力アップよ」


《ギガ・ガガギゴ/Giga Gagagigo》 †
通常モンスター
星5/水属性/爬虫類族/攻2450/守1500
強大な悪に立ち向かうため、様々な肉体改造をほどこした結果
恐るべきパワーを手に入れたが、その代償として正義の心を失ってしまった。


霊夢 「……えっ!? いきなり攻撃力2850のモンスター!?」

パチェ「アトランティスの効果ね。あれがある限り、水属性モンスターのレベルは一つ少なくなる。
   レベルが4になったギガ・ガガギゴは、生け贄無しで召喚することができるのよ」

咲夜 「なるほど……水属性デッキだけの利点ですね」

にとり「ちなみにこの子は河童じゃないわ。
    ギガ・ガガギゴで、ヤリザに攻撃! のびーるアーム!!」

妖夢 「うわっ。避けにくい……」LP5400→4350

魔理沙「うむ、確かに。あれは個人的に、ルナのセファプレより苦手だぜ」

アリス「誰もきいてないわよ」

にとり「(よーし、さすがにこのモンスターは簡単には倒せないはず……。
    その間にあのカードを引き入れられれば、いつものようにわたしの勝ちね)
    カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



妖夢  LP4350:手札2:ニサシ、連合軍、伏せ1
にとり LP6000:手札2:ギガガゴ、ペンギン、アトランティス、伏せ1



妖夢 「わたしのターン……と、その前に。
    あなたのエンドフェイズで、場のリバースカードをオープンします。これは神速の具足」

文  「このタイミングで、ですか。珍しいわね」


《神速の具足/Swiftstrike Armor》 †
永続罠
自分のドローフェイズにドローしたカードが「六武衆」と名のついた
モンスターカードだった場合、そのカードを相手に見せる事で
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。


妖夢 「そしてドロー。 
    ……さっそく神速の具足の効果発動だな。
    わたしがドローしたカードは六武衆ザンジ。よって、このカードを攻撃表示で特殊召喚」


《六武衆-ザンジ/The Six Samurai - Zanji》 †
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1800/守1300
自分フィールド上に「六武衆-ザンジ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
このカードが攻撃を行ったモンスターをダメージステップ終了時に破壊する。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


魔理沙「……来たな。六武衆のエースが」

アリス「他の六武衆がいる限り、攻撃したモンスターを問答無用で破壊するカードか……。確かに強力ね」

にとり「(それにしても、あっという間にまた六武衆が2体揃った。
    このスピード、厄介だなぁ)」

妖夢 「わたしはさらにヤイチを召喚。優先権を行使し、ヤイチの起動効果発動。
    このターン攻撃しない代わりに、場の伏せカードを1枚破壊する」

にとり「……これはミラフォよ」

妖夢 「(……ミラフォを射抜いた。
    これは間違いなく好機。攻め時だな……)」

妖夢 「バトルフェイズ。連合軍の効果で、六武衆達の攻撃力はさらに上昇する!」


    六武衆-ニサシ 攻撃力2000

    六武衆-ザンジ 攻撃力2400

    六武衆-ヤイチ 攻撃力1900


妖夢 「いけ! 六武衆!
    ザンジでギガ・ガガギゴに攻撃! 反射下界斬!」

にとり「攻撃力はこっちの方が上だけど……ザンジの効果狙いってわけね」

妖夢 「その通りです。ザンジの効果でギガ・ガガギゴは破壊。
    本来ならばザンジも相打ちになりますが……
    六武衆は破壊されるとき、他の六武衆を身代わりにすることができる。
    ザンジの代わりにニサシを破壊する。ターンエンドです」LP4350→3900



妖夢  LP3900:手札1:ザンジ、ヤイチ、連合軍、具足
にとり LP6000:手札2:ペンギン、アトランティス



霊夢 「あれが身代わり効果か・・・・・・狙い通りのカードを破壊するのも一苦労だわ」

レミ 「ふん、姑息な戦術ね。弱い者同士で助け合い、庇いあって戦線を維持するなんて。
   いくらアリが群れようと、強大な力の前では蹂躙されるだけよ」

パチェ「それはどうかしら。
   六武衆は、場に揃うだけでモンスター、リバースカードもろもろに対応できる。
   現に、今もチームワークを使って攻撃力の高い相手を倒した。
   この結束力は油断ならないわ」

にとり「わたしのターン、ドロー」

にとり「(黄金櫃の効果適用は次のターン……。なら、これで時間を……)
    手札から、レベル制限B地区を発動するわ」


《レベル制限B地区/Level Limit - Area B》 †
永続魔法(制限カード)
フィールド上に表側表示で存在するレベル4以上のモンスターは
全て守備表示になる。


妖夢 「(む……B地区か)」

にとり「これで、そっちの場のレベル4のモンスターは全員守備表示。永遠に攻撃できないよ」

妖夢 「だが、それはそちらも同じこと。戦いを長引かせて、何の得があると?」

にとり「同じ? ふふっ、だったらよかったのにね。
    わたしは手札から、アビス・ソルジャーを召喚するわ」


《アビス・ソルジャー/Abyss Soldier》 †
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1800/守1300
水属性モンスター1体を手札から墓地に捨てる。
フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用することができる。


にとり「ああ、ちなみにこれも河童じゃないよ」

霊夢 「河童だろうがエヴァ量産機だろうが、レベルが4なら攻撃できないじゃないの」

紫  「あなたの頭はニワトリね。
    アトランティスの効果でレベルが下がっているから、あのカードはレベル3よ。
    よってB地区の効果は受けないわ」

にとり「そして優先権を行使、起動効果を発動。
    手札の海神の巫女を墓地に捨て、ザンジを手札に戻すよ」

妖夢 「(……クッ、六武衆は破壊なら身代わりが使えるが、バウンスには効果が無い)」

にとり「フィールド魔法とペンギンの効果で、アビス・ソルジャーの攻撃力は2200。
    ヤイチに攻撃!」

妖夢 「く……」LP3900→3200

にとり「ターンエンドよ」



妖夢  LP3200:手札2:連合軍、具足
にとり LP6000:手札0:アビス、ペンギン、アトランティス、B地区



パチェ「これはもう決まったようね。六武衆は一度場を制圧されると立て直すのは難しい。
    2体以上並べるのが難しくなるからね」

幽々子「……そいつはどう、かしらね」

霊夢 「幽々子?」

幽々子「似てた?」

魔理沙「何がだよ……」

幽々子「まあ、それはともかく……。
    妖夢は見た目は幼い半人前だけど、あの娘の振るう剣には力があるわ。
    まだ未熟だから、その分切っ先には迷いが生じる。
    でも、迷いとは可能性なの。
    完成された剣には迷いなど微塵も無いけど、完璧だからそれ以上でも以下でもない。
    未完成であるがゆえに、妖夢の剣には可能性という尺度に縛られない、
    無限の力が宿るのよ」

アリス「でも、結局は未熟者ってことじゃないの」

妖夢 「(勝手な事を言われてるなあ……)ドローします」

妖夢 「ドローカードは六武衆カモン。
    よって神速の具足の効果で、このカードを攻撃表示で特殊召喚する」


《六武衆-カモン/The Six Samurai - Kamon》 †
効果モンスター
星3/炎属性/戦士族/攻1500/守1000
自分フィールド上に「六武衆-カモン」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
1ターンに1度だけ表側表示で存在する魔法または罠カード1枚を破壊する事ができる。
この効果を使用したターンこのモンスターは攻撃宣言をする事ができない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


妖夢 「さらに、手札からザンジを召喚。
    B地区の効果で守備表示になるけど、これで場には六武衆が2体。
    よってカモンの起動効果が使える。チェーンしてB地区を破壊! 
    そして……」

にとり「な……なによ?」

魔理沙「お、くるかな。六武衆の親玉が」

アリス「親玉? 強いの?」

魔理沙「ああ。まあ、見てな」

妖夢 「いきます……手札から特殊召喚!」

妖夢 「推参せよ! 大将軍紫炎!!」


《大将軍 紫炎/Great Shogun Shien》 †
効果モンスター
星7/炎属性/戦士族/攻2500/守2400
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが
2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手プレイヤーは1ターンに1度しか魔法・罠カードの発動ができない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」という名のついたモンスターを破壊する事ができる。


文  「ほう、これはこれは。紫炎ですか」

アリス「場に六武衆が2体いるとき特殊召喚が可能なモンスターか。能力もかなり高いわね」

妖夢 「連合軍の効果で、紫炎の攻撃力は3100。
    アビス・ソルジャーを攻撃です。
    いけ、紫炎! 未来永劫斬!!」

にとり「あううっ! わたしのアビソルが……」LP6000→5100

妖夢 「ターンエンドです」



妖夢  LP3200:手札0:紫炎、ザンジ、カモン、連合軍、具足
にとり LP5100:手札0:ペンギン、アトランティス



にとり「わたしのターン、ドローするわよ」

にとり「(このカードは…………ふふふ、ダメ押しだね)」

にとり「失敗だったねぇ。破壊するならB地区じゃなくて、アトランティスの方よ」

妖夢 「何?」

にとり「封印の黄金櫃発動から4ターン目。
    このターンのスタンバイフェイズで、除外していたダイダロスを手札に加えられるわ」

にとり「アトランティスの効果でレベルが下がっているから、ダイダロスは生け贄一体でアドバンス召喚できる。
    場のペンギン・ナイトメアをリリースして、ダイダロスをアドバンス召喚するわ。
    そして、さらにこのカードをリリースし……」

妖夢 「(ダイダロスをリリース……!? まさか……)」

にとり「大いなる海の化身、海竜神ネオダイダロスを特殊召喚!!」


《海竜神-ネオダイダロス/Ocean Dragon Lord - Neo-Daedalus》 †
効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2900/守1600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「海竜-ダイダロス」1体を
生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上に存在する「海」を墓地に送る事で、
このカードを除くお互いの手札とフィールド上のカードを全て墓地へ送る。


アリス「(あれが……海の神)」

霊夢 「くっ、さすがに凄いプレッシャーね。凄く強そう……」

魔理沙「攻撃力2900に加え、手札まで及ぶリセット効果。混沌帝龍並みの凶悪さだな」

にとり「ネオダイダロスの起動効果発動! 
    場のアトランティスを墓地に送り、このカード以外のお互いの場・手札のカードを全て墓地に送る!」
 
にとり「くらいな! 幻想大瀑布!!」

妖夢 「(く……連合軍と具足まで)」

にとり「これで残るカードはネオダイダロスだけ。ネオダイダロスでダイレクトアタックよ。
    海竜神の怒りを受けるがいい! 大・海・嘯!!」

妖夢 「……うわあぁっ!」LP3200→300

アリス「うわ……これは強烈ね」

魔理沙「さすがに効いたみたいだな。場も、」

幽々子「妖夢は水に弱いからね」

霊夢 「水に弱い……?」

幽々子「カナヅチなのよ」

妖夢 「違いますよ!」

にとり「今の攻撃でまだ浮き上がってくるなんて、しぶといねぇ。
    でもさすがにもう為す術ないでしょ。ターンエンド」



妖夢  LP 300:手札0:無し
にとり LP5100:手札0:ネオダイダ



文  「まあ、あの娘の言う通りでしょうねぇ。この状況から逆転できる手があるとは思えません。
    初戦はわたし達がいただきですね」

幽々子「あら、それはどうかしらね」

霊夢 「……幽々子?」

幽々子「教えてあげるわ。妖夢は追い詰められれば追い詰められる程、その力を発揮するの。
    なにせあの娘は…………ラスト・サムライだからね」

霊夢 「…………」

アリス「…………」

妖夢 「(……こ、ここは気にせず平常心で)
    わたしのターン、ドローです!」

妖夢 「……カードを1枚伏せて、ターンエンド」

にとり「そんな伏せカード1枚で耐えられるっての? 
    わたしのターン、ドロー!」

にとり「ネオダイダロス、津波で全てを飲み込め! 大海嘯!!」

妖夢 「トラップ発動! 究極・背水の陣!」


《究極・背水の陣/Backs to the Wall》 †
通常罠
自分のライフポイントが100ポイントになるようにライフポイントを払って発動する。
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスターを
自分フィールド上に可能な限り特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
ただし、フィールド上に存在する同名カードは特殊召喚できない。


にとり「(……えっ? なに、あのトラップは……)」

妖夢 「この圧倒的不利に立ち向かうには、文字通り背水の陣しかない。
    ライフを100ポイントになるように払い、墓地の六武衆を全て特殊召喚する! 
    六武衆結集だ。今一度集え! 
    ザンジ、ヤイチ、カモン、ヤリザ、ニサシ!」LP300→100


    六武衆-ザンジ   攻撃力1800

    六武衆-ヤイチ   攻撃力1300

    六武衆-カモン   攻撃力1500

    六武衆-ヤリザ   攻撃力1000

    六武衆-ニサシ   攻撃力1400


霊夢 「い、一気にモンスターが五体も!?」

パチェ「そうか。このカードがあったのね」

鈴仙 「でも、ライフを100残して全て支払うなんて……。
    相当の覚悟じゃないとできないわ」

妖夢 「全員守備表示だ」

にとり「どれだけ湧いて出てこようと、これであんたのライフは100。
    さっきみたいにザンジで特攻はできないわ。ネオダイダロスで、ヤイチを攻撃!」

妖夢 「ヤイチの代わりにヤリザを破壊する」

にとり「(しまった! 身代わり効果があったんだっけ……)」

にとり「(まずいかなぁ。だったら、このカードも……)」

にとり「くっ、手札から地砕きを発動するわ!」


《地砕き/Smashing Ground》 †
通常魔法(制限カード)
相手フィールド上の守備力が一番高い表側表示モンスター1体を破壊する。


妖夢 「わたしの場で一番守備力が高いのはザンジ。
    でも効果により、代わりにヤイチを破壊します。



妖夢  LP 100:手札0:ザンジ、ニサシ、カモン
にとり LP5100:手札0:ネオダイダ



妖夢 「わたしのターン、ドロー。
    ……これで詰みですね」

にとり「(うう、なんかやばい感じがする……)」

妖夢 「墓地のヤリザとヤイチを除外し……
    推参せよ! 紫炎の老中、エニシ!!」


《紫炎(シエン)の老中(ろうじゅう) エニシ/Enishi, Shien's Chancellor》 †
効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2200/守1200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の「六武衆」と名のついたモンスター2体を
ゲームから除外する事でのみ特殊召喚する事ができる。
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する事ができる。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃宣言をする事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


にとり「(……エニシだって!?)」

レミ 「背水の陣に続き、ここであのカードを引くとは……なるほどね。
    ふふふ。あいつも、運命に選ばれし者の一人というコトか」

妖夢 「優先権を行使、起動効果発動!
    フィールドの表側表示のモンスター1体を破壊できます。
    ネオダイダロスを破壊!」

にとり「ああ……ネオダイダロスが」

妖夢 「わたしの勝ちです。ザンジ、ニサシ、カモンで総攻撃!」

妖夢 「連閃……業風神閃連斬!!」

にとり「うう……そんなぁ」LP5100→3300→1900→500→0

輝夜 「そこまで! 勝者、御庭番衆!」

妖夢 「誰が忍者ですか……」

文  「あやや。負けてしまいましたか」

にとり「うーん、こんなはずじゃなかったんですけど」

霊夢 「うーん。初戦から、手に汗握る戦いだったわね。
    まさかあそこから逆転するなんて……。
    これが決勝トーナメントのレベルなのね」

魔理沙「1ターン先すら、何がおきるかわからない戦い。
    やっぱり、どいつもこいつも一筋縄にはいきそうにないな」

アリス「今さらね。そんな事、わかりきっていたことじゃない」

レミ 「そうね。いずれにせよ、ここにいる全ての妖怪を倒し、頂点に君臨するのはこのわたし。
    だから、紅茶もおいしい。咲夜、椅子」

咲夜 「椅子ですか。椅子……
    (そんなもの持ってきて無いわよ……)」

幽々子「ご苦労様。妖夢」

妖夢 「ああ……幽々子様。
    いえ、少し手こずってしまいました。申し訳ありません」

幽々子「いいのよ。あなたの力量はまだ未熟。楽に勝つ必要なんてないんだから。
    競って、競って、競った末に頭だけになってでも勝利をおさめる。
    それぐらいがちょうどいいのよ。ねえ、紫?」

紫  「そうね。宴の開演としては、まずまずの催しといえるかしら」

妖夢 「ありがとうございます」

紫  「褒めてるわけじゃないわよ。勘違いしないでね」

妖夢 「は……はあ。すみません」

紫  「次は幽々子の番かしら。
    どうするの? やっぱり、毒殺?」

幽々子「うふふ、そうねぇ。当然、幽殺で」


























                                             ・・・・・・To be continued
第十一話です。前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m

ようやく決勝までこぎつけました。折り返し地点ですね。
というかトーナメント表発表しちゃったので今後の展開読めちゃうかもしれませんが、そういう時はあたたかく目をつぶって(?)ください。

なお区切りがいいということで、この回から一部ルールの名称を今の基準に直すことにしました。
一応説明しておきますと、具体的には生け贄→リリース。生け贄召喚→アドバンス召喚。融合デッキ→エクストラデッキ。てな感じになります。

決勝まで来たことで、登場キャラががっつり増えました。同時にデッキの幅も広がって、書いててとても楽しいです。
今回は妖夢→六武衆、にとり→水属性。幅が広がった割にはどっちもそのまんまw
妖夢はまあ戦士族か装備ビートってことで、中でも刀使いということで六武衆に。
六武衆は師範が実装済みのオンラインでは、今の環境で最強クラスのデッキです。個人的にはロックバーンよりやりたくないデッキだったりします。
なんにせよ、緋想天でも厨キャラだった妖夢にはふさわし(ry


<以下コメントへの返信>
>>1>>3
修正しました。細かいところをご指摘ありがとうございますm(_ _)m

>>2
固定というわけではなく、別のデッキも使う予定です。
とはいっても、今の段階ですでにD-HEROは他のキャラが使う話を書いてしまったので、申し訳ないですが要望には答えられませんorz
でもそういった意見はとても参考になるので、これからも何かあればコメントいただけると嬉しいです(そう言いつつも、向こう6話ぐらいはもうできているので、あまり取り入れられないかもしれませんが……)。
ちなみに、今悩んでるのはパチュリーと、あとトーナメント表にはないですが神奈子のデッキなんですよね……なんかどちらもしっくりくるのが無い。

>>6
あ~、なるほど。爬虫類か~。そういやあのしめ縄は蛇ですもんね。
いいかもしれません。ありがとうございます、いただきました(´∀`)
すわちゃんはやっぱカエルですよねww
神奈子とタッグ組ませたいんですが、早苗さんとすわちゃんどっちにするか悩み中……
守矢一家は表にはないですが、もしかしたら宴につられてひょっこり出てくるかもしれません。てかネタバレ(ry

>>7
ヤイチのレベルは3なので、B地区の影響は受けません。

>>8
こ れ は ひ ど い
何でこんな間違いをするのか自分でもわかりませんorz
修正しました。ありがとうございました~

>>9
仰るとおりですorz
修正しました。ご指摘ありがとうございました~
今回は間違い多かった……次回から気をつけます。
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
詰(め)碁と読んで欲しい。
2.名前が無い程度の能力削除
主役二人のデュエルに飽きてきたのでこの展開は嬉しいですね。
ところでレミリアはもうホルスで固定なんですか?
能力関係でD-HEROを使ってもらいたいところです。
3.名前が無い程度の能力削除
二回目のハイドロゲドンのダイレクトアタック時にLPをナイトメアの増加分引き忘れてますよ

しかし妖夢…六武衆とはなんとやりづらいデッキをw
4.名前が無い程度の能力削除
六部か・・・・・・私もオンラインやってるんで、六部相手には苦労します。
師範と紫炎がうぜぇw
この作品のデッキはほとんどテーマデッキですが、個人的に気になるのはダムドとライロのテーマデッキ。
ガチデッキと成り得るこの強力なデッキをどう扱うかが腕の見せ所ですよ。
最近は強力なテーマデッキが多く登場してきて、ますます遊戯王が面白くなってきました。
ドグマブレードはさすがにKYですがw
D-HEROを使うキャラはタッグの関係でやっぱり紫かな?
ドラゴン使いの魔理沙には光と闇の竜を召喚して見せて欲しいけど、タッグじゃ使いにくいと思うから無理かな?
続きを楽しみにしています。
5.名前が無い程度の能力削除
>確実に2600のダイレクトアタックができるのは大きいぜ
厳密に言えばクリボーとかでダメージ防げるんですよね。
まぁネオじゃ無理ですが
6.極夜削除
ああっ,トーナメント表に守矢一家の名前がない事が酷く哀しいです…。

洩矢諏訪子>名は体を現す,【カエル】デッキ!

八坂神奈子>特殊勝利型の【ヴェノム】か爬虫類系デッキとか…。
7.名前が無い程度の能力削除
>にとり「フィールド魔法とペンギンの効果で、アビス・ソルジャーの攻撃力は2200。      ヤイチに攻撃!」

>妖夢 「く・・・・・・」LP3900→3200

とありますが、B地区の効果で守備になってるのでライフの減少はないのでは? アビスは貫通効果持っていませんし。
しかし同じ水属性使いとしてはにとりにがんばって欲しかった。
8.名前が無い程度の能力削除
勘違いかもしれませんが
黄金棺を使った次のターンにダイダロスを手札に加えてないでしょうか?
9.名前が無い程度の能力削除
>にとり「そして優先権を行使、起動効果を発動。
   手札のサルベージを墓地に捨て、ザンジを手札に戻すよ」
アビス・ソルジャーは水属性モンスターを捨てないと効果を発動できないはずですが。