Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王9 『瞬間、弾幕、重ねて』

2008/06/19 20:31:04
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注意:前回の続きです。
  


























魔理沙&アリス&藍&橙「デュエル!!」










 <タッグデュエルルール>


・PSPのタッグフォース方式。2対2のタッグマッチ形式。

・使用するフィールドは1チームにつき1つ。

・モンスターフィールドは1チームにつき5箇所。

・自分&相方vs相手A&相手Bの例で考える場合、
こちらのチームが先攻の場合、ターンは「自分→相手A→相方→相手B→自分→…」の順に行う。
厳密には、「自分vs相手B→自分vs相手A→相方vs相手A→相方vs相手B→自分vs相手B→…」といった風に回していく。

・エクストラデッキは1チームにつき2つ(パートナーの融合、シンクロカードは利用不可)。

・墓地ゾーンは1チームにつき1箇所(パートナーの墓地も利用可能)。

・LPは1チームにつき8000。

・フィールド魔法は通常の2人での対戦と同じく、ひとつまで。

・デッキは1人につき1つ(1チームに2つ)。

・パートナーの置いたカードは、自分も使用可能。

・手札・デッキにバウンスする場合、その時場に立っているプレイヤーの手札・デッキに戻す。

・チームメンバーに対するアドバイス行為は禁止。ただし、パートナーの手札は見ることができる。

・他、基本的な事項は通常と同じ。







   アリス【亜式サイバー・ドラゴン】 LP8000  魔理沙【ドラゴンズ・ゲート】

                      VS

        藍【八俣神々降臨】 LP8000  橙【光神天輪桜乱】



  順番:アリス→藍→魔理沙→橙




アリス「タッグだろうがなんだろうが、問答無用でわたしの先攻! ドロー!」

魔理沙「いやいやいやいや……」

藍  「落ち着きが無いな、お前のパートナーは」

魔理沙「まあ……色々と見えてない奴だからな」

アリス「(……さて。タッグデュエルなんて初めてだけど、大丈夫かしらね。
   一応タッグ用のデッキではあるけど……)」

アリス「ねえ、魔理沙。まず始めはどうすれば……」

藍  「そこまでだ。
    タッグデュエル中は、パートナー間での助言やアドバイスはしてはならない」

アリス「そうなの? いいじゃない、少しぐらい」

魔理沙「そういうルールなんだよ。
    というか、お前さっきからいろいろと大雑把すぎだろ」

アリス「でも手先は器用よ。一応、幻想郷一って設定だわ」

橙  「……あのう、藍様。わたし、この場合手先は関係無い気がするんですけど……」

藍  「しっ……。あんまり余計なツッコミはするな。ややこしくなるから」

橙  「うーん。なんだかなー」

アリス「タッグって言っても、ようするに交代でデュエルするだけでしょ?」

魔理沙「まあ、言ってしまえばそうなんだけどな」

アリス「(とにかく、一応いつもどおりにやっていこうかな。
    進むうちになにかわかってくるだろうし……)」

アリス「モンスターを裏守備でセット。カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



アリス LP8000:手札4:裏守備、伏せ1
魔理沙     手札6
藍   LP8000:手札6:無し
橙        手札6



藍  「次はわたしのターンだ。ドロー」

アリス「わたしは魔理沙と交代しなくていいの?」

魔理沙「ああ。タッグフォースルールでは、交代は自分のターンのドローフェイズからだからな。
    だから、今のところは場のカードの決定権はお前にある」

藍  「そういうことだ。
    つまり、わたしのターンの時は相手はお前ということだな。覚悟するといいよ」

アリス「ふん、化け狐め。早くかかってきなさいよ」

藍  「では……。手札から、雷帝神を召喚」


《雷帝神(スサノオ)/Susa Soldier》 †
スピリットモンスター
星4/地属性/雷族/攻2000/守1600
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが相手プレイヤーに与える戦闘ダメージは半分になる。


アリス「スサノオですって……?」

魔理沙「なるほど、スピリットデッキか。上級者向けのデッキだぜ」

藍  「日本の神々をモチーフにされたスピリットモンスター達は、
    霊体ゆえにわずかな時間しか、現世にその姿を留めておくことができない。
    特殊召喚はできず、召喚されたターンのエンドフェイズに手札に戻ってしまうが、その分高い性能を持つ。
    雷帝神で、裏守備に攻撃だ」

アリス「これはシャインエンジェルよ。破壊されたことで誘発効果発動。
    プロト・サイバー・ドラゴンを特殊召喚するわ」


《シャインエンジェル/Shining Angel》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1400/守 800
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の
光属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。


《プロト・サイバー・ドラゴン/Proto-Cyber Dragon》 †
効果モンスター
星3/光属性/機械族/攻1100/守 600
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、
カード名を「サイバー・ドラゴン」として扱う。


藍  「プロトサイバーか。コンボ専用のモンスターだな」

アリス「(わたしの手札には、融合呪印生物光があるけど……
    よくよく考えれば、次のわたしのターンが来るのはあと3ターン後なわけか。
    う~ん、ちょっと失敗だったかもしれないわね)」

藍  「(……どうやら、人形使いの方はタッグは日が浅いようだ。
    ならばそこを突かせてもらうか)」

藍  「わたしはカードを3枚セットし、手札から永続魔法発動。エレメントの泉」


《エレメントの泉/Spring of Rebirth》 †
永続魔法
フィールド上のモンスターが持ち主の手札に戻る場合、
1回につき自分は500ライフポイント回復する。


藍  「これでターンエンド。
    エンドフェイズに、雷帝神は自身の誘発効果で手札に戻る。
    そしてモンスターが手札に戻ったことで、エレメントの泉の効果発動。
    ライフを500ポイント回復する」LP8000→8500



アリス LP8000:手札4:プロト、伏せ1
魔理沙     手札6
藍   LP8500:手札2:エレメントの泉、伏せ3
橙        手札6



アリス「いきなりカードを4枚も場に出すなんて、どういうことかしら。
    メタポを伏せたわけでもないのに……」

魔理沙「タッグデュエルは、2人でやる分手札も倍あるんだ。
    だから一人でやる時と比べて、カードアドバンテージはあまり重要視されない。
    お前も出し惜しみしてたら、あっという間にやられてしまうぜ」

アリス「なるほど……。爆発力ではタッグのほうがはるかに大きいわけか」

魔理沙「おっと、ようやくわたしのターンか。ドローするぜ」

魔理沙「スピア・ドラゴンを攻撃表示で召喚だ」


《スピア・ドラゴン/Spear Dragon》 †
効果モンスター
星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守 0
守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、
その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。


魔理沙「伏せカードは怖いが、タッグなら挽回はしやすいからな。遠慮なくいかせてもらう。
    スピア・ドラゴンで、藍、お前にダイレクトアタック!」

藍  「そんな攻撃は通らない。
    メインフェイズ1の終了前に、伏せカード発動。サイバー・シャドー・ガードナー」


《サイバー・シャドー・ガードナー/Cyber Shadow Gardna》 †
永続罠
このカードは相手ターンのメインフェイズにしか発動できない。
このカードは発動後モンスターカード(機械族・地・星4・攻/守?)となり、
自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。
このカードが攻撃宣言を受けた時、
このカードの攻撃力・守備力は相手攻撃モンスターと同じ数値になる。
このカードは相手ターンのエンドフェイズ時に魔法&罠カードゾーンにセットされる。
(このカードは罠カードとしても扱う)


藍  「このトラップモンスターは、攻撃されたとき、そのモンスターと同じ攻撃力になる。
    スピア・ドラゴンで攻撃してきても相打ちになるぞ」

魔理沙「それぐらいで怖気づくわたしじゃないぜ。スピア・ドラゴンで攻撃だ」

藍  「お互い破壊だな」

魔理沙「だが、まだわたしの場にはプロトサイバーがいる。
    プロトサイバーでダイレクトアタック!」

藍  「ならば、こちらはもう1枚トラップを発動。門前払いだ」


《門前払い/Begone, Knave!》 †
永続罠
フィールド上のモンスターがプレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。


藍  「ダイレクトアタックが成功したことで、プロトサイバーは手札に戻る。
    タッグデュエルでカードが手札やデッキに戻るときは、
    そのカードの持ち主ではなく、その時いたプレイヤーの元になる。
    つまり、プロトサイバーは魔理沙の手札に戻るわけだな」LP8500→7400

魔理沙「いらNEEEEEEEEE」

藍  「さらにモンスターが手札に戻ったことで、エレメントの泉の効果でライフが回復する」LP7400→7900

アリス「ちょっと魔理沙っ、なんてこと言うのよ。このわたしのカードなのよ」

魔理沙「だって、こんなの何に使うんだよ。お前、それタッグ用のデッキじゃなかったのか。
    だったらもっとこっちの事も考えて組めよ」

アリス「なんですって、魔理沙の分際でっ
    だいたい、わたしの方がターンが先なのよ。
    だったら、それに合わせたプレイングをしなさいよ!」

魔理沙「いや先攻とったのはお前の勝手で……」

藍  「(…………)」

藍  「(思ったとおりだな。こいつらにチームワークなんて意識はかけらもない。
    策を弄さずとも、勝手に仲違いをしてくれる。
    タッグデュエルにおいて最も重要なものとは何か、そんなものは知るよしもなく。
    これならば、わざわざわたしが手を下す必要もあるまい)」

橙  「…………藍さまー」

藍  「……ん? どうした。橙」

橙  「わたしの番ってまだですかぁ?」

藍  「ああ、もうすぐだよ。よく今までセリフを言わずに我慢してたな。
    いなくなったかと思ったぞ」

橙  「…………」

アリス「だいたい前から思ってたんだけど、あんたの帽子は大きすぎなの。
    見てて暑苦しいのよ!」

魔理沙「あ~お前、言ったな。だったらこっちも白状させてもらうけどな。
    お前の人形だって、梅雨明けとかけっこうカビ臭いんだよ!」

アリス「猫と湿気は人形の敵なのよっ。
    だいたいなんなの、あんたは。なんでキノコを食べると大きくなるのよ!」

魔理沙「そりゃお前もだろ!」

藍  「(いつのまにかデュエルと関係の無い論争にまで発展している……)
    はいはい、もうその辺でいいだろう。
    ほら、確かお前達は急がないとならないんじゃなかったか?」

アリス「ハッ。そういえばそういう設定だった気もするわね。
    おら、早くしなさいよ。この多幸症」

魔理沙「設定とか言うな。カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」



アリス LP8000:手札4:伏せ3
魔理沙     手札4
藍   LP7900:手札2:エレメントの泉、門前払い、伏せ1
橙        手札6



藍  「ああほら、橙の番だぞ」

橙  「はーい。待ってました~」

藍  「手はず通りやれば問題は無い。ただ、一応真面目にな」

燈  「わかってますよー。ドロー」

橙  「光神機、桜火を生け贄無しで召喚するよ」


《光神機(ライトニングギア)-桜火(おうか)/Majestic Mech - Ohka》 †
効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻2400/守1400
このカードは生け贄なしで召喚する事ができる。
この方法で召喚した場合、このカードはエンドフェイズ時に墓地へ送られる。


アリス「……桜火か。妥協召喚能力を持つモンスターね」

魔理沙「生け贄無しで召喚すると普通はエンドフェイズに破壊されてしまうが、
    門前払いがあれば破壊される前に手札に戻るってわけか。
    古典的な戦略だな」

橙  「えへへー、でしょー?」

藍  「……橙。今のは褒められたんじゃないぞ」

橙  「そうなんですか? 勉強になるわ~」

藍  「(ほんとに大丈夫かな……)」

橙  「いくわよ。桜火で魔理沙にダイレクトアタック! 仙符、鳳凰展翅!」

魔理沙「おっと、リバースカードを発動するぜ。スケープ・ゴートだ」


《スケープ・ゴート/Scapegoat》 †
速攻魔法(制限カード)
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を
4体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)


魔理沙「羊トークンを4体特殊召喚するぜ。これでダイレクトアタックはできない」

アリス「(なるほど……!
    戦闘ダメージを受けなければ、門前払いの効果が発動することはない。
    手札に戻らなければ、桜火は自身の効果で自壊するわけか。うまいわね)」

魔理沙「おい」

アリス「……あ? 何よ。何でこっち見てるの」

魔理沙「今、うまいと思っただろ」

アリス「思ってない」

魔理沙「少しは思ったんだろ?」

アリス「思ってないったら」

藍  「(だからさ、今みたいな時はそのカードを……)」

橙  「(あっ、そうか。この右端のカードを使うんですね)」

藍  「(いや、その隣なんだが……)」

魔理沙「……こそこそ何話してんだ? お前ら」

藍  「……ああ、いや何でもないよ。
    橙、痴話喧嘩も終わったらしいし、そろそろ続けてあげなさい」

橙  「はーい。手札から速攻魔法発動、エネミーコントローラーよ」


《エネミーコントローラー/Enemy Controller》 †
速攻魔法
次の効果から1つを選択して発動する。
●相手フィールド上の表側表示モンスター1体の表示形式を変更する。
●自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。
相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。
発動ターンのエンドフェイズまで、選択したカードのコントロールを得る。


橙  「一つ目の効果を選択。羊トークン1体を攻撃表示に変更するよ」

橙  「そして、桜火で攻撃表示の羊トークンに攻撃!」

魔理沙「(チッ、うまいことするぜ。
    これでダメージを与えたことで、自壊効果も防ぐことができるわけか…………ん?)」LP8000→5600

アリス「無能」

魔理沙「わたしが無能なら、お前は自称都会派だな」

橙  「(なんかまだ喋ってるけどいいのかな……)
    この瞬間、門前払いの効果発動。桜火は手札に戻る。
    さらにエレメントの泉の効果により、ライフが500回復するよ。
    カードを1枚伏せて、ターンエンドっと」LP7900→8400



アリス LP5600:手札4:羊トークン3、伏せ2
魔理沙     手札4
藍   LP8400:手札2:エレメントの泉、門前払い、伏せ2
橙        手札4



アリス「(……やっぱり魔理沙なんかには任せてられないわ)」

アリス「わたしのターンよね。ドローするわよ」

アリス「(スピリットと門前払い光神機……デッキの相性はかなりいいみたいね。
    その点、こっちは機械族とドラゴン族……。
    シナジーがあるとしたらサイバー・ダークぐらいしかないわ。
    しかも魔理沙の能無しは、レベル3以下のドラゴンを捨ててくれないし)」

アリス「(……それにしても、相手の場にモンスターがいないからサイバー・ドラゴンを特殊召喚できない。
    まさか、これも相手の戦略の内なのかしら……)」

アリス「(……ここはそう考えておいた方が賢明ね。
    猫の方はともかく、あの狐は侮れないわ)」

アリス「場のリバースカードを発動するわ。リビングデッドの呼び声よ」


《リビングデッドの呼び声/Call of the Haunted》 †
永続罠(本当は禁止カード)
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


魔理沙「あっ! わたしのリビデ……」

アリス「シャインエンジェルを蘇生するわ。そしてシャインでダイレクトアタックよ」

藍  「(……ほら、ここでトラップの効果発動って言うんだ)」

橙  「(あ、そっか……! わかりました~)」

橙  「ダメージは受けるけど、門前払いの効果発動よっ。
    シャインエンジェルは手札に戻るよ」LP8400→7000

藍  「(……ああそれと、永続魔法の効果も忘れずにな)」

橙  「あ、あとエレメントの泉の効果でライフ回復よ!」LP7000→7500

アリス「(う~ん……あきらかに相談してるけど、なんだか見ててほほえましいわね。
    黙ってておいてあげましょうか)」

アリス「モンスターを裏守備でセット。そしてカードを1枚伏せてターンエンドよ」



アリス LP5600:手札4:羊トークン3、裏守備1、伏せ2、リビデ
魔理沙     手札4
藍   LP7500:手札2:エレメントの泉、門前払い、伏せ2
橙        手札4



藍  「わたしのターンだ。ドロー」

藍  「(……あの裏守備はおそらく、手札に戻したばかりのシャインエンジェルだな。
    大道芸師のくせに、芸の無い奴だ)」

藍  「阿修羅を攻撃表示で召喚する」


《阿修羅(アスラ)/Asura Priest》 †
スピリットモンスター
星4/光属性/天使族/攻1700/守1200
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。


アリス「(あれは……まずいわね)」

藍  「阿修羅は相手の場のモンスター全てに一度ずつ攻撃することができる。
    阿修羅で羊トークンに攻撃! 仙狐思念!」

アリス「伏せカードオープンよ! ミラフォを発動するわ」


《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》 †
通常罠(制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊する。


藍  「甘いな。こちらもリバースカードオープン、神の宣告」


《神の宣告/Solemn Judgment》 †
カウンター罠
ライフポイントを半分払う。
魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし、それを破壊する。


藍  「ミラフォの効果は無効だ。阿修羅はそのまま攻撃できる」LP7500→3750

藍  「羊トークン3体を攻撃。仙狐思念!」

アリス「(くっ。トークン達は全滅、か……)」

藍  「最後に裏守備に攻撃だ」

アリス「シャインエンジェルよ。破壊されたことで効果発動。
    融合呪印生物光を攻撃表示で召喚するわ」


《融合呪印生物-光/The Light - Hex-Sealed Fusion》 †
効果モンスター
星3/光属性/岩石族/攻1000/守1600
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
フィールド上のこのカードを含む融合素材モンスターを生け贄に捧げる事で、
光属性の融合モンスター1体を特殊召喚する。


魔理沙「なっ、お前……」

藍  「イージーミスだな。
    阿修羅は全てのモンスターに攻撃が可能。
    戦闘中に特殊召喚されたモンスターならば、それに対してもまた攻撃ができる。
    阿修羅で融合呪印生物に攻撃!」

アリス「ううっ、破壊ね……」LP5600→4900

藍  「よく神の宣告を伏せておいたな。今のはいい手だぞ、橙」

橙  「えへへ」

魔理沙「おいおい~、何だよ今のは。あきれて呼吸すらままならないぜ」

アリス「そのまま窒息してしまえばいいわ」

藍  「(あいつらは相変わらずだな…………まあ好都合だが)」

藍  「このままターンエンド。エンドフェイズで阿修羅は手札に戻る」LP3750→4250



アリス LP4900:手札4:伏せ1、リビデ
魔理沙     手札4
藍   LP4250:手札2:エレメントの泉、門前払い、伏せ1
橙        手札4



魔理沙「わたしのターンだぜ。ドロー!」

魔理沙「(モンスターで攻撃すれば手札に戻って防御がおろそかになる。
    ここはひとまず体勢を整えた方がいいな)」

魔理沙「モンスターを裏守備でセット。ターンエンドだ」



アリス LP4900:手札4:裏守備、伏せ1、リビデ
魔理沙     手札4
藍   LP4250:手札3:エレメントの泉、門前払い、伏せ1
橙        手札4



藍  「(守りを固めてきたか。だが無駄な事……)」

橙  「わたしのターンね~。ドロー」

橙  「手札から、永続魔法を使うよ。ヴァルハラを発動」


《神の居城-ヴァルハラ》 †
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


橙  「わたしの場にモンスターはいないから、ヴァルハラの効果発動~。
    光神機轟龍を、攻撃表示で特殊召喚よ」


《光神機(ライトニングギア)-轟龍(ごうりゅう)/Majestic Mech - Goryu》 †
効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2900/守1800
このカードは生け贄1体で召喚する事ができる。
この方法で召喚した場合、
このカードはエンドフェイズ時に墓地へ送られる。
また、このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が越えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


魔理沙「(く、攻撃力2900。それも貫通能力つきか……)」

アリス「(場にモンスターを残しにくい門前払い光神機でのヴァルハラは強力ね。
    このままじゃ、毎ターン轟龍を召喚されてしまう)」

橙  「さらに、桜火を生け贄無しで召喚。
    バトルフェイズよ。轟龍で裏守備に攻撃。翔符、飛翔韋駄天!」

魔理沙「くっ、仮面竜だ。効果で仮面竜を守備表示で特殊召喚する」LP4900→3100


《仮面竜(マスクド・ドラゴン)/Masked Dragon》 †
効果モンスター
星3/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、
デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。


橙  「轟龍は手札に戻る。さらに桜火で仮面竜に攻撃!」LP4250→4750

魔理沙「再び効果発動だ。アームド・ドラゴンLV3を守備表示で特殊召喚するぜ」


《アームド・ドラゴン LV3/Armed Dragon LV3》 †
効果モンスター
星3/風属性/ドラゴン族/攻1200/守 900
自分のターンのスタンバイフェイズ時、表側表示のこのカードを墓地に送る事で
「アームド・ドラゴン LV5」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。


アリス「桜火の攻撃は通らなかった。これで桜火はエンドフェイズに自壊するわね」

橙  「そういうときのためのこのカードよ。メインフェイズ2で、無情の抹殺を発動するわ」


《無情の抹殺/Ruthless Denial》 †
通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体を選択して墓地に送り、
相手の手札をランダムに1枚墓地へ送る。


アリス「(む。桜火は放っておくとエンドフェイズに自壊する。
    ならばその前に他のカードのコストにしてしまおうというわけね……)」

橙  「桜火を墓地に送り、相手の手札1枚を墓地に送る。
    じゃあ、左端のカードにしようかな」

魔理沙「これは破壊竜ガンドラだぜ」

橙  「それは墓地送り。カードを1枚伏せて、ターンエンドだよ」



アリス LP3100:手札4:アームドLV3、伏せ1、リビデ
魔理沙     手札3
藍   LP4750:手札3:エレメントの泉、門前払い、ヴァルハラ、伏せ2
橙        手札1



霊夢 「ちょっとあんたら! いいかげん真剣にやりなさいよ」

魔理沙「お、霊夢。いたのか」

霊夢 「最初からいたわよ!」

アリス「わたしは真剣よ。文句ならこの痴呆に言って」

魔理沙「あー? お前だろ、このアスペルガーの……」

霊夢 「女の子が下品な言葉使わないの。
    わたしが言ってるのは、あんた達両方によ。
    力を合わせないで、あいつらを倒せると思ってるの? 
    いつまでもバラバラのままじゃあ、このまま共倒れよ。
    決勝進出なんて夢のまた夢だわ」

アリス「ふん。魔理沙なんかの手を借りなくったって、あいつらぐらい余裕よ。
    なんならわたしの人形に交代してもいいくらいだわ」

魔理沙「こっちのセリフだな。
    だいたいこいつの言動は、同じ金髪としてあまりにふがいない」

霊夢 「いいかげんにしなさいってば! わからないの? 
    あの狐たちはバウンス戦術であんたたちの戦略を狂わして、
    故意にチームワークを乱そうとしているのよ。
    相手の術中に嵌ったままでいいの?」

アリス「…………なんですって?」

魔理沙「あいつら…………それが目的であんなデッキ使ってたのか。
    卑怯な手を使うぜ」

藍  「いやまあ、ほとんど自分達で坂を転げ落ちていったように見えたが」

アリス「でも、そういうことだったのね。
    なら、わざわざ相手の思惑に従ってやる必要はないわ」

魔理沙「同感だな。わたしは、他人の思い通りに動かされるのが一番嫌いなんだ。
    それよりだったら、お前と協力する方を選んでやるぜ。不本意ながらな」

アリス「ふん。言っておくけど、手を貸すのは仕方なくなんだからね。
    あんたなんか死のうが、賞味期限切れの生ものを勝手に食べようが、本当はどうでもいいんだから。
    その辺誤解のないようにね」

魔理沙「お前とはつくづく気が合うのか合わないのかわからないな。
    もはやなんで口論になってたのかも忘れたが、とりあえず現状は棚上げだ。
    まずは……」

藍  「(……! 二人の目の色が変わった?)」

アリス「目の前の敵を粉砕するのが先決ね! ドロー!」

アリス「サイバー・ダーク・ホーンを攻撃表示で召喚するわ!」


《サイバー・ダーク・ホーン/Cyberdark Horn》 †
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻 800/守 800
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地に存在するレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を
選択してこのカードに装備カード扱いとして装備し、
その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をアップする。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が越えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
このカードが戦闘によって破壊される場合、
代わりに装備したモンスターを破壊する。


霊夢 「サイバーダークか! ナイスね」

アリス「魔理沙、あなたのカード使わせてもらうわよ。
    サイバー・ダーク・ホーンの誘発効果発動。
    召喚時に墓地のレベル3以下のドラゴン族を装備することができる。
    わたしは仮面竜を装備! 攻撃力は2200になるわ」

藍  「そうはさせないよ。橙」

橙  「わかってますよー。永続トラップ発動。エンペラー・オーダー」


《エンペラー・オーダー/By Order of the Emperor》 †
永続罠
召喚成功時に発動される効果モンスターの効果の発動を無効にする事ができる。
その時、そのモンスターのコントローラーはデッキからカードを1枚ドローする。


藍  「召喚成功時の誘発効果は無効になる。
    その分、相手に1枚のドローを許してしまうけどね」

アリス「ホーンの効果は無効ね。ドローするわ」

アリス「(せっかく満を持してのサイバーダーク登場だったのに、
    これじゃあ今回は出番無さそうね。1枚ドローはおいしいけど)」

アリス「まあいいわ。いくわよ、サイバー・ダーク・ホーンで猫にダイレクトアタック」

橙  「これぐらい、なんともないねぇ。
    門前払いの効果でホーンは手札に戻るよ。その分ライフも回復」
    LP4750→3950→4450

アリス「アームドドラゴンで攻撃はしないわ。
    アームドを守備表示に変更。カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



アリス LP3100:手札4:アームドLV3、伏せ3、リビデ
魔理沙     手札3
藍   LP4450:手札3:エレメントの泉、門前払い、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、伏せ1
橙        手札2



藍  「(さっきは、パートナーのカードを利用しようとしてたな。
    ようやく協力する気になったようだが、そうはさせない。
    結束する前に終わらせてやる)」

藍  「わたしのターン、ドロー」

藍  「手札から、磨破羅魏を召喚する」


《磨破羅魏(マハラギ)/Maharaghi》 †
スピリットモンスター
星4/地属性/岩石族/攻1200/守1700
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが召喚・リバースしたら、次の自分のドローフェイズ時、
ドロー前にデッキの一番上のカードを1枚見てデッキの一番上か下に戻す。


藍  「この瞬間、磨破羅魏の誘発効果発動。
    そして、その効果をエンペラー・オーダーで無効にする。
    これでわたしは1枚ドローできる」

霊夢 「(なるほど……スピリットは手札に戻るから、毎ターンドローができる。
    エンペラー・オーダーは、本来このドローコンボのためだったのね)」

藍  「そして手札の雷帝神を捨て、トリッキーを特殊召喚」


《THE トリッキー/The Tricky》 †
効果モンスター
星5/風属性/魔法使い族/攻2000/守1200
手札を1枚捨てる事で、このカードを手札から特殊召喚する。


藍  「アームドドラゴンはスタンバイフェイズで進化するモンスターだったな。
    そうはさせないよ。このターンで破壊してあげよう。
    トリッキーでアームドLV3に攻撃だ」

アリス「こっちこそ、そうはさせないわ。リバースカード発動! 強制脱出装置よ」


《強制脱出装置/Compulsory Evacuation Device》 †
通常罠
フィールド上のモンスター1体を持ち主の手札に戻す。


アリス「トリッキーを手札に戻すわ」

藍  「(……パートナーのモンスターを守っただと? 
    こいつら……やはり、さっきまでとは……)」

藍  「だが、手札に戻ったことでライフが回復。
    エンドフェイズで磨破羅魏は手札に戻る。ターンエンドだ」LP4450→4950→5450



アリス LP3100:手札4:アームドLV3、伏せ2、リビデ
魔理沙     手札3
藍   LP5450:手札4:エレメントの泉、門前払い、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、伏せ1
橙        手札2



魔理沙「わたしのターンだぜ。ドロー!」

魔理沙「スタンバイフェイズに、アームド・ドラゴンLV3の効果発動! 
    LV3を墓地に送り、デッキから現れろ! アームド・ドラゴンLV5!」


《アームド・ドラゴン LV5/Armed Dragon LV5》 †
効果モンスター
星5/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1700
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスター1体を破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で「アームド・ドラゴン LV7」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。


アリス「ようやく出せたわね。アームドLV5」

魔理沙「ああ。だが、礼は言わないでおくぜ。まずはこいつらを倒してからだ」

魔理沙「手札から、スタンピング・クラッシュを発動だ!」


《スタンピング・クラッシュ/Stamping Destruction》 †
通常魔法
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが
存在する時のみ発動する事ができる。
フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊し、
そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。


魔理沙「ようやくその鬱陶しいトラップを消せるな。門前払いを破壊!」

藍  「(ち。コンボの要である門前払いが……)」LP5450→4950

魔理沙「さらに、手札から名推理を発動!」


《名推理/Reasoning》 †
通常魔法
相手プレイヤーはモンスターのレベルを宣言する。
通常召喚が可能なモンスターが出るまで自分のデッキからカードをめくる。
出たモンスターが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地に送る。
違う場合、出たモンスターカードを特殊召喚し、残りのカードを墓地へ送る。


藍  「名推理だって?」

魔理沙「一応説明しておくぜ。
    この魔法は、モンスターカードが出るまでデッキをめくり、
    出たモンスターがお前の宣言したレベルならばそのまま墓地に送る。
    当てられなかったらそのモンスターは特殊召喚される。
    さあ、レベルを宣言してもらおうか」

藍  「(……通常、デッキには事故が起きないように、レベル4以下のモンスターが多めに入っているものだ。
    しかしわざわざあんなカードを使ってくるということは、
    あらかじめデッキのモンスターのレベルをばらし、当てられにくくしているということ。
    そして、特殊召喚されたときのメリットが大きい上級モンスターを多く採用しているに違いない)」

藍  「(とはいえ、生け贄が2体必要になる最上級は事故の危険が多すぎる。
    なら……)」

藍  「わたしは6を宣言する」

魔理沙「6だな。じゃあ、いくぜ」


 竜の逆鱗
 サイクロン
 光の護封剣

 タイラント・ドラゴン


霊夢 「さすが魔理沙。ナイス引きね」

魔理沙「お前の推理は外れだな。
    タイラント・ドラゴンのレベルは8。よってこのカードを、攻撃表示で特殊召喚だ」


《タイラント・ドラゴン/Tyrant Dragon》 †
効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻2900/守2500
相手フィールドにモンスターが存在する場合のみ、
バトルフェイズ中にもう一度だけ攻撃する事ができる。
また、このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。
他のカードの効果によってこのカードが墓地から特殊召喚される場合、
自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体を生け贄に捧げなければならない。


藍  「……運のいい奴だ。この期に及んで最上級モンスターを引いてくるとは」

魔理沙「わたしは引きだけの女じゃないぜ。
    バトルフェイズだ。まずはアームド・ドラゴンLV5でダイレクトアタック。
    アームド・レイライン!」

藍  「(タイラント・ドラゴンには罠は通じない。なら、こいつに……)
    リバースカードオープン、ドレインシールド!」


《ドレインシールド/Draining Shield》 †
通常罠
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分の数値だけ自分のライフポイントを回復する。


藍  「アームド・ドラゴンの攻撃は無効。そして攻撃力分ライフを回復する」LP4950→7350

アリス「またライフ回復か……スピリットデッキだけはあるわね」

魔理沙「だが、まだタイラント・ドラゴンの攻撃が残ってるぜ。
    もう一度ダイレクトアタックだ!」

藍  「(くっ…………だがライフダメージよりも辛いのは、奴らが協力し始めてきたこと……)」LP7350→5450

魔理沙「手ごたえあり、だな。モンスターをセットして、ターンエンドだ」



アリス LP3100:手札4:アームドLV5、タイラント、プロト、伏せ1、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP5450:手札4:エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー
橙        手札2



橙  「あれ? 藍様~。大丈夫ですか?」

藍  「ああ。というか橙、次はお前のターンだぞ。余所見するんじゃない」

橙  「え? ああ、そうだったんですか。ちょっとそこの蟻の行列が気になって……」

魔理沙「もっと緊張感持てよ」

藍  「(あ~、まずいな。橙の集中力が切れていた。
    元が猫だけに、こうなると落ち着きが無くなるんだよなぁ)」

橙  「よーし、ドローするよ」

橙  「ヴァルハラの効果発動よ。轟龍を攻撃表示で特殊召喚。
    さらに、2枚目の桜火を生け贄無しで召喚するよ」

魔理沙「(……よし、ここだな!)
    アリス。お前の伏せカードを使わせてもらうぜ」

アリス「許可するわ」

魔理沙「ならリバースカード発動だ。重力解除。
    場の全てのモンスターは守備表示になるぜ」


《重力解除/Zero Gravity》 †
通常罠
自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。


橙  「一時しのぎってやつね~。守備表示にしても門前払いで手札に……」

藍  「違うぞ、橙。門前払いの効果が発動するのは、相手に戦闘ダメージを与えた時だ」

橙  「えっ…………ってあれ? というか藍様~、門前払いはどこへ?」

霊夢 「ナイスね。妥協召喚した桜火は、攻撃できないからエンドフェイズに自壊する」

藍  「(……橙はやっぱり気づいてなかったか。まあ、この辺が限界だろうな)」

藍  『(橙、もういい。あとはわたしの言う通りにしろ)』

橙  『(藍様!? 頭に直接……)』

藍  『(余計な素振りはするな。
    念話を奴らに悟られたら、マタタビは向こう二ヶ月禁止する)』

橙  『(うぇっ!? 二ヶ月も……!
    そ、それは困りますよぅ。あれがないと禁断症状が……)』

藍  『(ならば、言う通りにしなさい。遊びは終わりにする……)』

橙  『(うう……わかりました)』

橙  「……カードを1枚伏せて、ターンエンドするよ。
    桜火はエンドフェイズに墓地に送られるわ」



アリス LP3100:手札4:アームドLV5、タイラント、裏守備1、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP5450:手札4:轟龍、エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、伏せ1
橙        手札0



アリス「わたしのターンね! ドロー!」

アリス「裏守備を反転召喚。プロト・サイバー・ドラゴンよ」

橙  「えっ? それは魔理沙が伏せたカードじゃ……」

魔理沙「返してやったのさ。このターン攻撃するためにな」

藍  「(気配を殺し、さりげなくトスをするとは…………息があってきたな。
    やはりこいつらはここで潰しておかねばならない)」

アリス「そういうことね。覚悟しなさいよ。
    手札から、融合呪印生物光を召喚! そして起動効果発動。
    このカードとプロトサイバーをリリースし、サイバー・ツイン・ドラゴンを特殊召喚よ!」


《サイバー・ツイン・ドラゴン/Cyber Twin Dragon》 †
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2100
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このモンスターの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
このカードは一度のバトルフェイズ中に2回攻撃することができる。


霊夢 「出たわね! サイバー・ツイン・ドラゴンっ」

アリス「(これで全員のダイレクトアタックが通れば勝てるけど……
    一応ミラフォは怖いから、タイラント・ドラゴンは守備にしておこうかしら)
    アームドドラゴンを攻撃表示に変更するわ」

アリス「アームド・ドラゴンLV5で、轟龍に攻撃! 魔彩光の上海人形!」

魔理沙「全然違うだろ」

霊夢 「だんだん技名も適当になってきたわね。今さらながら」

橙  「……轟龍は破壊ね」

アリス「よし、続いてサイバーツインでダイレクトアタック!
    エヴォリューション・ドールズ・バースト!」

橙  「それは通さないよ。リバースカードオープン。
    永続罠、メタル・リフレクト・スライム!」


《メタル・リフレクト・スライム/Metal Reflect Slime》 †
永続罠
このカードは発動後モンスターカード(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、
自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。
このカードは攻撃する事ができない。(このカードは罠カードとしても扱う)


橙  「メタル・リフレクト・スライムは守備力3000のトラップモンスター。
    あんたらの場にこいつを倒せるモンスターはいないわ」

魔理沙「しぶとい奴らだな。なかなか攻撃が通らないぜ」

霊夢 「でもトラップモンスターは魔法・罠除去カードでも破壊することができる。
    たいした時間稼ぎにはならないんじゃない?」

アリス「(霊夢の言うとおりね。大嵐を引けばあいつらの場を一掃できる。
    大嵐は制限カードだけど魔理沙にデッキにもあるはずだから、時間の問題のはず……)」

橙  「…………」

藍  「…………」

アリス「(にしては、随分余裕そうなのよね…………やけに冷静というか。
    特に猫の方、さっきまでとは雰囲気が違うような……)」

アリス「(……一応伏せておいたほうがいいわね)
    カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



アリス LP3100:手札3:アームドLV5、タイラント、ツイン、伏せ2、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP5450:手札4:メタリフ、エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー
橙        手札0



藍  「わたしのターン。ドロー」

藍  「(……メタリフで何ターンも凌げないのはわかっている。
    だが、この1ターンだけもてばそれで十分だったのさ……)」

藍  「わたしはメタル・リフレクト・スライムをリリース。砂塵の悪霊を召喚する」


《砂塵の悪霊/Dark Dust Spirit》 †
スピリットモンスター
星6/地属性/アンデット族/攻2200/守1800
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが召喚・リバースした時、フィールド上のこのカード以外の
表側表示モンスターを全て破壊する。


藍  「こいつの誘発効果は強力だぞ。
    召喚されると同時に、場の表表示モンスターを全て破壊する。
    このカード以外のね」

霊夢 「……何ですって!?」

藍  「もちろん、エンペラーオーダーの効果は使わない。
    砂塵の悪霊の効果発動! 一掃しろ! アルティメットプディスト!」

アリス「そ、そんな…………。わたしの場のモンスターが、ぜんめつめつめつ……」

藍  「あまりにショックにキャラが退化しているようだな。
    だが、だからといって手加減はしてやれない。手札抹殺を発動」


《手札抹殺/Card Destruction》 †
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから
捨てた枚数分のカードをドローする。


藍  「4枚捨てて、その数だけドローする」

アリス「わたしは3枚捨てて3枚ドローね」

藍  「(ふっ……いいカードが来たな)
    わたしはさらに、手札からフィールド魔法発動。死皇帝の陵墓」


《死皇帝の陵墓/Mausoleum of the Emperor》 †
フィールド魔法
お互いのプレイヤーは、生け贄召喚に必要なモンスターの数×1000ポイントの
ライフを払う事で、生け贄モンスター無しでそのモンスターを通常召喚する事ができる。


魔理沙「まずいぜ。このフィールド魔法は……」

藍  「知っているようだな。
    このフィールドでは上級モンスターを召喚する場合、その生け贄をライフに置き換えることができる。
    上級モンスターなら1000、最上級なら2000といった具合にな」

霊夢 「でも、あんたはこのターン、もう通常召喚の権利は使っているじゃない」

藍  「当然それも承知している。手札から二重召喚を発動。
    これでもう一度召喚ができるというわけだ」


《二重召喚(デュアルサモン)/Double Summon》 †
通常魔法
このターン中もう一度だけ通常召喚を行う事ができる。


アリス「……展開が早いわね。
    まさか、あいつはこのターンで決めるつもりなんじゃ……」

藍  「察しがいいな。だが、時すでに遅し。
    今、記紀神話の神々の姿を拝ませてあげるよ」

藍  「死皇帝の陵墓の効果発動。
    ライフを2000払い…………出でよ。ヤマタノドラゴン」


《八俣大蛇(ヤマタノドラゴン)/Yamata Dragon》 †
スピリットモンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2600/守3100
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、
手札が5枚になるまでデッキからカードをドローする。


魔理沙「攻撃力……2600か」

藍  「バトルフェイズだ。
    ヤマタノドラゴンで、人形使いにダイレクトアタック! 屍山血河!」

アリス「トラップ発動! 万能地雷グレイモヤ!」


《万能地雷グレイモヤ/Widespread Ruin》 †
通常罠
相手が攻撃を宣言した時に発動する事ができる。
相手攻撃表示モンスターの中から一番攻撃力が高いモンスター1体を破壊する。


アリス「ヤマタノドラゴンを破壊するわ」

藍  「ふん、ならば手札から速攻魔法発動。収縮だ」


《収縮/Shrink》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択する。
そのモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。


藍  「ヤマタノドラゴンの攻撃力を半分にする」

霊夢 「……自分のモンスターに? どういうこと?」

魔理沙「ヤマタノドラゴンの破壊を防ぐためさ。
    グレイモヤで破壊されるカードは、相手の場で最も攻撃力が高いカード。
    つまり、これで破壊されるのは砂塵の悪霊の方になる」

藍  「そのとおり。よってヤマタノドラゴンに攻撃は続行。
    砂塵の悪霊は破壊されるけどね」

アリス「くっ、1300のダメージか……」LP3100→1800

藍  「そしてこの瞬間、ヤマタノドラゴンの誘発効果発動。
    わたしはカードを5枚ドローする」

霊夢 「一気にアドを稼いできたか。さすがに強力ね」

魔理沙「やはりこの効果を使いたいがための収縮か。
    あいつ、中間管理職のくせになかなかやるぜ」

藍  「(こいつ、人が気にしてる事を……)
    メインフェイズ2でカードを2枚伏せる。ターンエンドだ。
    エンドフェイズにヤマタノドラゴンは手札に戻る」LP5450→5950



アリス LP1800:手札3:伏せ1、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP5950:手札4:エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、死皇帝の陵墓、伏せ2
橙        手札0



藍  「(さて……現状では明らかに有利だが、勢いはまだ向こうにあるようだな。
    本来ならば今のターンで決まっていてもおかしくはなかった。
    奴らの執念がそうさせるのかは知らないが、ここからは元々無かったはずのターン。
    どう転ぶか……)」

魔理沙「わたしのターンだな。ドロー」

魔理沙「よし、きたな。そろそろわたしも見せ場をもらうぜ。
    手札から、龍の鏡を発動!」


《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)/Dragon's Mirror》 †
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


藍  「龍の鏡だと?」

魔理沙「墓地のスピア・ドラゴン、タイラント・ドラゴン、仮面竜2体、
    そしてアームドLV5をゲームから除外し……
    現れろ! ファイブ・ゴッド・ドラゴーン!」


《F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)/Five-Headed Dragon》 †
融合・効果モンスター
星12/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守5000
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
ドラゴン族モンスター5体を融合素材として融合召喚する。
このカードは地・水・炎・風・闇属性のモンスターとの戦闘によっては破壊されない。
(ダメージ計算は適用する)


橙  「こ、攻撃力5000~~!?」

霊夢 「来たわ! ドラゴン族最強カード!」

魔理沙「いくらちまちまライフを回復しようが、こいつの一撃で全て吹き飛ばしてやるぜ。
    ファイブ・ゴッド・ドラゴンでダイレクトアタック! ファイブ・ゴッド・マスタースパーク!!」

藍  「トラップ発動。2枚目のドレインシールド」

魔理沙「(д ) ゚ ゚」

霊夢 「うわ……」

藍  「ファイブ・ゴッド・ドラゴンの攻撃は無効。
    そしてその攻撃力5000がわたしのライフに加算される」LP5950→10950

アリス「…………」

魔理沙「ま、まあ魔法の筒じゃなかっただけましだぜ」

魔理沙「気を取り直して、メインフェイズ2で貪欲な壷を発動だ。
    墓地のシャインエンジェル、サイバーツイン、融合呪印生物光、アームドLV3、
    サイバーダークホーンをデッキに戻し、2枚ドロー」


《貪欲(どんよく)な壺/Pot of Avarice》 †
通常魔法
自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。


魔理沙「(このカードは……)」

魔理沙「いいカードを引いたぜ。お前にとっておきのプレゼントだ。
    これで今のヘマは帳消しにしてもらおうかな」

アリス「へえ、期待していいのね?」

魔理沙「もちのロンだぜ。わたしはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



アリス LP1800:手札3:F・G・D、伏せ2、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP10950:手札4:エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、死皇帝の陵墓、伏せ1
橙        手札0



藍  「(プレゼントだと……? 
    そうか、今伏せたあのカードだな。
    あからさまにパートナーへのアシストだが……今はあんな伏せカードに構っている余裕はない。
    ファイブ・ゴッド・ドラゴン。あいつをなんとかしなければ)」

橙  「わたしのターン、ドロー」

藍  『(……いいカードは引けたか?)』

橙  『(あ……はい、なんとか)』

藍  『(よし、そのカードなら大丈夫だ。
    ライフは大幅に回復したとはいえ、今風は向こう側に吹いている。
    なんとしても次のターンを凌ぐんだ)』

橙  『(了解です~)』

橙  「手札から、魔法カード発動。ソウルテイカーよ」


《ソウルテイカー/Soul Taker》 †
通常魔法
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する。
この効果によって破壊した後、相手プレイヤーは1000ライフポイント回復する。


橙  「このカードの効果で、ファイブ・ゴッド・ドラゴンは破壊。
    その分、あんたたちのライフは回復しちゃうけどね」

魔理沙「やられたか。この局面できっちり除去カードを引いてくるとは、さすがにやるぜ」
    LP1800→2800

橙  「(藍様、あとはお願いしますね~)ターンエンドよ」



アリス LP2800:手札3:伏せ2、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP10950:手札4:エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、死皇帝の陵墓、伏せ1
橙        手札0



アリス「わたしのターンね。ドローするわ」

アリス「(……このカードは)」

アリス「(なるほど……。魔理沙のこの伏せカード。プレゼントってのはこういう意味だったのね。
    味な事してくれるじゃない)」

魔理沙「気に入ってくれたか?」

アリス「ふん。魔理沙にしては、なかなかのセレクションだわ。これならいけるわね」

藍  「(いけるだと? このライフ差で、ファイブ・ゴッド・ドラゴンはもう失ったというのに。
    ハッタリには見えないが……)」

アリス「まずはこれよ。手札から、永続魔法発動発動。魔力倹約術」


《魔力倹約術/Spell Economics》 †
永続魔法
魔法カードを発動するために払うライフポイントが必要なくなる。


アリス「これで魔法カードのライフコストが無くなるわ。
    そして、場の伏せカードをオープン。次元融合!」


《次元融合/Dimension Fusion》 †
通常魔法(制限カード)
2000ライフポイントを払う。
お互いに除外されたモンスターをそれぞれのフィールド上に可能な限り特殊召喚する。


藍  「(……次元融合だと!?
    まさか、さっきアシストしたのはこれか!)」

アリス「このカードはお互い、ゲームから除外されたモンスターを全て特殊召喚できる。
    でもあなたは除外ゾーンにモンスターはいないわね」

アリス「こっちは遠慮なく召喚させてもらうわ。
    わたしの場に、スピア・ドラゴン、タイラント・ドラゴン、仮面竜2体、
    そしてアームド・ドラゴンLV5を、それぞれ攻撃表示で特殊召喚よ!」

霊夢 「一気にモンスターが5体! 押し切れるわ!」

アリス「一斉攻撃よ! まずは仮面竜でダイレクトアタック!」

藍  『(……橙!)』

橙  『(はい! 藍様!)』

橙  「リバースカードオープン! 光の護封壁!」


《光の護封壁/Wall of Revealing Light》 †
永続罠(制限カード)
発動時1000の倍数のライフポイントを払う。
払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃できない。


霊夢 「護封壁ですって!?」

橙  「3000ポイント支払うわ。
    あなたたちの場のモンスターの攻撃力は、最高でもタイラント・ドラゴンの2900。
    これで攻撃は通らないわよ」LP10950→7950

アリス「なるほど。うまいわね……と言いたい所だけど」

魔理沙「残念だったな。ここでわたしの伏せカードの出番だぜ」

藍  「(何っ? さっき伏せたのは次元融合の方ではないのか……?
    なら、一体……)」

アリス「遠慮なく使わせてもらうわ。
    リバースカードオープン! 速攻魔法よ。超融合!」


《超融合/Super Polymerization》 †
速攻魔法
手札を1枚捨てる。自分または相手フィールド上から融合モンスターカードに
よって決められたモンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
このカードの発動に対して、魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事はできない。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


藍  「(っ……!? そうきたか!)」

アリス「わたしの融合デッキにも、もちろんパートナーの分のカードが入ってるわ。
    手札を1枚捨てて、場の五体のドラゴンを融合! 
    再び現れなさい! ファイブ・ゴッド・ドラゴン!」


    F・G・D  攻撃力5000


霊夢 「攻撃力5000ってことは……光の護封壁が通じないわ!」

アリス「ふふふ、そういうこと。
    バトルフェイズ中の特殊召喚だから、このカードには攻撃の権利が与えられる。
    ファイブ・ゴッド・ドラゴンでダイレクトアタックよ!
    ……えっと、技名なんだっけ。魔理沙、さっきなんて言ったの?」

魔理沙「ファイブ・ゴッド・マスタースパークだな。高らかに叫ぶといいぜ」

アリス「ちょっと趣に欠けるわね。変更させてもらうわ。
    ファイブ・蓬莱・バースト!!」

魔理沙「結局それかよ……」

霊夢 「(……どっちもどっちだわ)」

橙  「……きゃあああああああっ!!」LP7950→2950

霊夢 「よし、でもこれでライフを大幅に削ったわね」

魔理沙「ようやく形勢逆転ってところだな。
    これで、次のわたしのターンでファイブ・ゴッド・ドラゴンの攻撃が通れば勝ちか」

藍  「橙! 大丈夫か」

橙  「ううう……ごめんなさい藍様。まさか、あそこで超融合だなんて」

藍  「ああ、わたしもさすがに計算外だった。だがこれで奴の攻撃は終わり。
    次のわたしのターンにまわってさえくれば、勝負は決したも同然だ」

アリス「(……確かに魔理沙の言う通りだけど。
    でもあの護封壁さえなければ、本当なら5体全員で攻撃してから
    超融合を発動して、トドメをさせてたのよね)」

アリス「(次はあの狐のターン。奴の手札はまだかなり残っている。
    ファイブ・ゴッド・ドラゴンがいかに強力とはいえ、対抗する手段は残っているはず……)」

アリス「(もう一波乱あるかもしれないわ。ここで手綱を緩めるのは危険な気が……)」

アリス「魔理沙、やっぱりここは……」

魔理沙「わかっているさ。そんな簡単に行くとは思っちゃいないぜ」

アリス「(……そうよね。やっぱり、さすがにこの娘には油断や慢心は無いわ。
    あなたなら、きっとこのカードを使いこなしてくれるはず……)」

アリス「仕方ないわね。癪だけど、今回もあなたに譲ってあげるわ。
    カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



アリス LP2800:手札1:F・G・D、倹約術、伏せ2、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP2950:手札4:エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、護封壁、死皇帝の陵墓
橙        手札0



藍  「ならばわたしのターンだな。ドロー」

藍  「……お前達は非常によくやったよ。
    だがこのタイミングで、わたしまでターンを回してはいけない。
    その辺はデュエリストの本能で察知しておくべきだったな」

魔理沙「ふん、お前がそんな減らず口を叩くなんて珍しいな」

藍  「心のままを言っているだけさ。
    お前達がここで消えてくれれば、紫様も喜ばれることだろう」

アリス「御託はいらないわ。早くしなさいよ。やれるものならね」

藍  「言われなくてもそうするよ。
    まずはこいつだ。手札から、イナバノシロウサギを召喚」


《因幡之白兎(イナバノシロウサギ)/Inaba White Rabbit》 †
スピリットモンスター
星3/地属性/獣族/攻 700/守 500
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
相手フィールド上にモンスターが存在しても相手プレイヤーに直接攻撃する。


霊夢 「あれは……直接攻撃が可能なスピリットモンスター。
    でも、それだけでどうするっていうの」

藍  「もちろんこのまま攻撃なんて真似はしないさ。
    手札から、死のマジックボックスを発動!」


《死のマジック・ボックス/Mystic Box》 †
通常魔法
自分と相手フィールド上から1体ずつモンスターを選択する。
選択した相手モンスター1体を破壊し、
選択した自分モンスター1体のコントロールを相手に移す。


アリス「マジック・ボックスですって!?」

藍  「ファイブ・ゴッド・ドラゴンを破壊する! 
    そしてイナバノシロウサギをそっちのフィールドに移す」

魔理沙「だが、スピリットモンスターはエンドフェイズに手札に戻る。
    つまり実質的には完全な単体除去が可能なわけか」

藍  「本来はそうやって使うんだけどね。もはやそんな余裕は与えない。
    このターンでお前達を敗北の奈落へと突き落としてやろう」

藍  「わたしは、手札から2枚目の二重召喚を発動。これでもう一度通常召喚ができる。
    そしてさらに、死皇帝の陵墓の効果発動!」

藍  「ライフを2000払い……降臨せよ! 
    神話よりいでし火神にして忌神、ヒノカグツチ!!」LP2950→950


《火之迦具土(ヒノカグツチ)/Hino-Kagu-Tsuchi》 †
スピリットモンスター
星8/炎属性/炎族/攻2800/守2900
このカードは特殊召喚できない。
召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、
次のターンのドローフェイズ時、相手はドロー前に手札を全て捨てる。


霊夢 「あれが……最強のスピリットモンスター」

藍  「覚悟はいいかな。
    ヒノカグツチがダメージを与えたとき、相手は手札を全て捨てなければならない。
    効果が適用されるのは次のドローフェイズ前だけどね」

魔理沙「なるほどな……最高級のハンデスカードってわけか」

藍  「そう。つまりこの攻撃が通れば、お前達は圧倒的に為す術が無くなる。
    身動きがとれなくなったところを、ゆっくり始末するとしよう」

藍  「では戦闘だ。
    ヒノカグツチで、イナバノシロウサギに攻撃! 紅蓮滅殺拳!!」

アリス「くっ、速攻魔法発動よ! 収縮! 
    ヒノカグツチの攻撃力を半分にするわ!」

藍  「だが、半分にしたところで攻撃は止められないぞ」

アリス「く……あああっ!!」LP2800→2100

藍  「通ったな。これでヒノカグツチの効果発動が決定した。
    そして、メインフェイズ2で手札から月の書を発動」


《月の書/Book of Moon》 †
速攻魔法(準制限カード)
表側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を裏側守備表示にする。


藍  「ヒノカグツチを裏守備表示にする。
    これでこのカードは、このターン手札に戻らない」

藍  「(……さらにこのトラップで、こちらの勝利は確定だ)
    わたしはさらにカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」




アリス LP2100:手札1:倹約術、伏せ1、リビデ
魔理沙     手札1
藍   LP 950:手札0:裏守備、エレメントの泉、ヴァルハラ、エンペラーオーダー、護封壁、死皇帝の陵墓、伏せ1
橙        手札0



魔理沙「わたしのターンだ。どうやらラストターンになりそうだがな」

アリス「そうみたいね。思ったよりも手間がかかってしまったわ」

藍  「ふん。まだそんな余裕を見せるか。ヒノカグツチの効果発動!
    ドローフェイズ前に全ての手札を墓地に捨てる」

魔理沙「わたしの手札は1枚。これはホワイト・ホーンズ・ドラゴンだ」

藍  「上級モンスターだったか。いずれにせよ召喚は不可能だったな」

魔理沙「だが、まだわたしはドローしていない。
    たった1枚でも、逆転する可能性としては十分だぜ。ドロー!!」

藍  「たった1枚でも……か。
    ならばその1枚の希望すら、お前達には与えない。
    カウンター罠発動! 強烈なはたき落とし!」


《強烈なはたき落とし/Drastic Drop Off》 †
カウンター罠
相手がデッキからカードを手札に加えた時に発動する事ができる。
相手は手札に加えたカード1枚をそのまま墓地に捨てる。


魔理沙「何!?」

藍  「そのカードを墓地に捨てるんだ」

魔理沙「く……これは激流葬だぜ」

霊夢 「そんな……ドローカードまで捨てられたら、本当に為す術ないじゃない」

藍  「これでわかったかな。
    お前達にできることは、このまま座して死を待つか、
    それともサレンダーして負けを認めるか、その選択だけだ」

アリス「うふふ。これが普通のデュエルなら、ね」

藍  「……何?」

魔理沙「その通りだぜ。わたしたちがやっているのはタッグデュエル。
    わたしが何もできなければ、パートナーの力を借りればいい」

橙  「で、でも手札が0なら意味はないわ~」

アリス「とことん節穴ね。
    何のために、わたしが場にカードを伏せたと思ってるの」

藍  「(…………!
    あのリバースカード、あれはトラップではなくて、まさか味方に援護するための……。
    だったらあいつは、この展開を予想していたというのか……!?)」

霊夢 「でも、だったらあの伏せカードは一体……」

魔理沙「わたしにはわかるぜ。
    なぜなら、この局面を打破できるのはあのカードしかないからな。
    お前ならあれを選んでいると思っていた」

アリス「あら、当然よ。わたしの選択するカードに間違いはない。
    なぜなら、わたしが選んだカード全てが正解だからよ」

魔理沙「はっは、恐れ入るぜ。じゃあお言葉に甘えて、フィニッシュは譲ってもらおう。
    リバースカードオープン! ダーク・バースト!」


《ダーク・バースト/Dark Eruption》 †
通常魔法
自分の墓地に存在する攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を手札に加える。


藍  「(!? しまった……!)」

橙  「ダーク・バーストですって~?」

霊夢 「あれは…………墓地からモンスターをサルベージするカード。
    でも、攻撃力1500以下のモンスターを回収したって……」

魔理沙「あるのさ、わたしの墓地にはな。それはこいつだ!」

橙  「あのカードは……」

藍  「(く……。やはり、こいつらのコンビネーションは……)」

魔理沙「お前の死皇帝の陵墓はわたしも使うことができる。
    その効果を発動させてもらうぜ」

魔理沙「ライフを2000払い、現れろ!
    破壊竜ガンドラを召喚!!」LP2100→100


《破壊竜ガンドラ/Crush D. Gandra》 †
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
このカードは特殊召喚できない。
自分のライフポイントを半分払う事で、
このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊しゲームから除外する。
この効果で破壊したカード1枚につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
このカードは召喚・反転召喚されたターンのエンドフェイズ時に墓地へ送られる。


霊夢 「ガンドラの元の攻撃力は0……。
    だから最上級だけど、ダーク・バーストで回収できたのね!」

魔理沙「優先権を行使し、起動効果発動! 
    ライフを半分払い、場の全てのカードを破壊する!
    デストロイ・ギガ・レイズ!!」LP100→50

橙  「わ、わたしたちの場が…………何もなくなっちゃった」

魔理沙「そしてガンドラの攻撃力は、破壊したカード×300ポイントとなる。
    よって、その攻撃力は……」


    破壊竜ガンドラ  攻撃力2400


アリス「そんなでもないわね」

魔理沙「空気嫁……だが、お前達のライフを削りきるには十分だな」

魔理沙「破壊竜ガンドラでダイレクトアタック! 超拡散・マスタースパーク!!」

藍   LP950→0



    *



魔理沙「ガッチャ! チームワークの勝利だぜ」

霊夢 「やるわね~! あそこでダークバーストを渡すなんて」

アリス「ふん。墓地にガンドラがあることはわかっていたしね。
    それに、相手の切り札が次のターンに来ることも読めていたから。
    スピリットの切り札といったらヒノカグツチだし」

霊夢 「あれ? なんかテンション低いわね。逆転勝利だっていうのに」

アリス「いや、なーんか今回も主人公らしくないポジションだったなぁって思って。
    最後はわたしが決めたかったのに、納得いかないわ。
    何より、読者の皆が誤解してしまうじゃない」

魔理沙「まあいいじゃないか。たまにはあるさ。二回連続なんてことも」

アリス「今度はあんたが噛ませ犬やりなさいよ。
    だいたいなんなのさっきの技名は。自分のスペカをとってつけただけじゃない。
    何でもかんでもマスタースパークつければ売れると思って」

魔理沙「いや……落ち着けよ。違う話になってるぜ」

藍  「…………なるほどな。紫様が危惧するわけだ」

アリス「ふん。わたし達の実力、思い知ったようなら主人にも伝えてやりなさい。
    どんな手を使おうが、あなたの野望はわたし達が砕いてみせる!」

霊夢 「なんか、無理やり主人公らしいセリフを持ち出した感じがするんだけど」

魔理沙「慌てすぎだよな」

アリス「うるさいわねっ、わかってるわよ。
    ここは、作者のわたしへの愛を信じるしかないわ」

藍  「さっきから何を言ってるのかわからんが、今回のところは敗北を認めよう。
    実に見事な結束だった」

魔理沙「なんだか気持ち悪いな、急に持ち上げてくるなんて。
    一体何が目的なんだよ」

藍  「素直な心の内を述べたまでだよ。他意など微塵もない。
    あと紫様の為に一応言っておくと、あの方は別に何も企んでなどいないよ。きっとね」

アリス「まったくもって信用ならないわね。もともとあいつは胡散臭いけど」

霊夢 「パートナーのわたしが言うのもなんだけど、まず服装から胡散臭いわ」

藍  「(それはわたしも同意見だが……ああいや)
    まあいい。お前達二人分のスペルカードだ。確か1枚ずつだったな」

魔理沙「よっし。少し手間取ったが、これで……」

アリス「お互い決勝進出ね!」

霊夢 「よかったわね。
    これで二人とも予選落ちだったら、わたしにも負い目が残っちゃってたもの」

魔理沙「霊夢とも決着をつけないとな。あと、もちろんお前とも」

藍  「そう睨まなくてもいいだろう。何はともあれ、これでキャストは揃った。
    あとは彼の地で運命を相見えるだけだよ」

霊夢 「わたしんちだけどね」

アリス「故郷に錦を飾るってやつね」

魔理沙「それはなんか違うと思うが……」

アリス「でも神社の中でカード大会だなんて、罰当たりにならないかしら」

魔理沙「罰なんて、あそこの神様はそんなことしないだろ。
    むしろ賑やかで喜ぶんじゃないか」

霊夢 「宴会と勘違いして出てくるかもしれないわね」

橙  「宴会いいですね~。むしろ大会じゃなくてそっちにしませんか?」

藍  「ああそうだ、橙は家帰って留守番だから」

橙  「(……藍様のケチ)」

藍  『(…………聞こえてるよ。心の声は)』

藍  「まあそれはともかく、お前達も急いだ方がよくないか? 
    ここまで来て他の誰かに先を越されては水の泡だろう」

アリス「だ~いじょうぶよ。
   だいたい、わたしは長い間連戦だったんだからもっとゆっくりさせてよ」

魔理沙「そういや、わたしなんか昼ごはんまだだぞ。
    ふもとの山菜そば食べに行こうぜ」

霊夢 「また山菜? というか、わたしはさっきそこでお弁当食べたし」

アリス「里まで行くのはだるいって~。近場でいいでしょ近場で」

藍  「(こいつら…………デュエルが終わったとたんにユルユルに……)」

アリス「そうだ、あなた達。神社に戻るんでしょ? 
    ならわたしたち3人決勝進出って、本部に伝えといてくれない」

魔理沙「ああ、頼むぜ。それなら安心だ。ちょっと遅れるって言っといてくれ。
    わたしたちは、ちょっとそこで食事してから行くからさ。
    ひょっとしたら、その後に甘味所にも寄るかもしれないけど」

霊夢 「あそこの宇治金時、一日50食限定なのよね。まだやってるかしら」

藍  「あ、おい! ちょっと待……」

橙  「行っちゃいましたねぇ」

藍  「…………」

藍  「…………わたし達もご飯にするか」

橙  「はーい♪」

























                                             ・・・・・・To be continued
第九話です。前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m

初のタッグデュエルなわけですが、タッグフォースルールなので特に難解な部分は無いと思います。
基本はただ交代交代やるだけです。たくさんキャラが喋るので、普段より二割増しほど賑やかになりました。
これからもたまにタッグはやっていくつもりです。なにかわかりづらかった所があれば、ご指摘いただければ大いに助かりますm(_ _)m

今回のデッキなんですが、藍→スピリット、橙→門前払い光神機です。
どっちもインスピレーションでさくっと選択。
藍は式神なので、日本神話をイメージしたカード群であるスピリットを。
今にして思えばTDGSのカードも使わせたかったんですが、この話を書いたのが発売前だったのが残念orz
橙は二回目の登場ですが、すばしっこいので(?)光神機とか。
スピリットと相性がいい点と、なんとなくイメージ合うような気がしたので。

ここにきてようやく、筆者がアリススキーなことが公になりました(ノ∀`)
話の中のアリスもそうなんですが、個人的にはツンとデレは8:2程度がベストだと思います(ぉ
前回もいい目を見なかったので本当は彼女にトドメを譲りたかったのですが、進行上泣く泣くこうなりました。

にしても、だんだん無駄に容量が長くなってる気がするなぁ。
次回からはついに決勝トーナメント…………の前に、もう一波乱あるようです。



<以下コメントへの返信>
>>2
修正しました。ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m
早すぎた埋葬と勘違いしてたorz

>>5
アリスですか……どちらかというとライロは魔理沙かな~と思ってたんですけど、どうなんでしょうかね?(´∀、)

>>6
修正しました。ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m

>>7
修正しました~。ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m
今回はいつにも増して間違い多かったですね……以後気をつけます。
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
くどい
2.名前が無い程度の能力削除
今回も楽しませて貰いましたー。
そろそろ物語も山場に向かってるのかな?
次回も期待してますっ!

以下気になったのが一点。
リビングデッドの呼び声で呼び出されたシャインエンジェルがバウンスされた時、リビングデッドは破壊されずに意味の無いカードとして場に残り続けますよー。
3.狂信者ギリメカラ削除
スピリット、門前払い光神機と大分デッキも出揃ってきましたね、
今後も誰がどんなデッキを使うのか楽しみです
4.名前が無い程度の能力削除
>>あいつ、中間管理職のくせになかなかやるぜ

魔理沙負けちまえ!…と思ったのは秘密です
5.名前が無い程度の能力削除
アリスにはライロが似合うと思うんだ
6.名前が無い程度の能力削除
神の宣告のライフ計算がまちがってる。話自体に影響はないけど
7.名前が無い程度の能力削除
どうも、いつもお話楽しみにしております。
指摘させてもらうと、月の書は現在、準制限になってますよ