Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王7 『東方の奇術師』

2008/06/04 19:33:05
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注意:前回の続きです。


























  ________12:00 妖怪の山近辺






魔理沙「(……もうそろそろ昼だな。早いもんだ)」

魔理沙「(それにしても、意外と見つからないもんだぜ。
    神社にはあれだけのデュエリストがいたのに、出くわしたのが門番一匹とはな)」

魔理沙「(どいつもこいつも偏屈な妖怪ばかりだからなぁ~。
    大会とかいいつつも、みんないつもどおり自分の持ち場で食事でもしてんじゃないだろうか)」

魔理沙「(あるいはわたしが思ってたよりも、実は幻想郷は広かったとか……)」

魔理沙「……そんなわけないよな。こうしてどこを飛んでても、神社の大結界が見えるわけだし」

咲夜 「それは単に結界が大きいからではなくて?」

魔理沙「お……?
    …………下か。お前、こんな所で何してんだ?」

咲夜 「見てわからない?」

魔理沙「ああ、きのこ狩りか」

咲夜 「当然はずれよ。デュエルの相手を探してるの」

魔理沙「そういや、その背中に背負ってるテーブルは、わたしのと同じに見えてきた」

咲夜 「まったく、難儀よね。何も幻想郷中を会場にしなくてもいいのに」

魔理沙「それより、何でお前が選手なんだ? 
    デュエルなんてしたことないんじゃなかったか」

咲夜 「そうなんだけどねぇ。本当はこんなことするより、屋敷の掃除をしたいし」

魔理沙「じゃあなんでだよ」

咲夜 「言うなら代打よ、代打。パチュリー様がついさっき倒れちゃってね。
    日に当たりすぎたみたいで、今は神社で休んでるわ」

魔理沙「日射病か、そりゃ無理もないな。あいつは赤外線慣れしてないから」

咲夜 「で、急遽わたしがあの方の代わりにカードを集めることになったの。
    お嬢様と、パチュリー様の分をね。
    なにせ、門番は誰かさんのおかげで使い物にならなくなったから」

魔理沙「…………もしかして、わたしを探してたとか?」

咲夜 「はいあなた、正解」

魔理沙「自分に仕事が回ってきた逆恨みってわけか。
    受けてやる義理はさらさら無いが……」

咲夜 「理解したようね。わたしの貴重な時間を費やした罪を受けてもらうわよ」

魔理沙「ちょうどこっちも相手を探してたところさ。
    スペルカードは2枚賭けにしてほしいんだが、それでいいか?」

咲夜 「2枚でいいの? わたしはできればもっといっぺんがいいんだけど」

魔理沙「まだ1枚しか持ってないんだよ。お前は何枚あるんだ?」

咲夜 「今9枚ね」

魔理沙「うげ…………ほんとだ。
    って、何で今日始めたばかりのお前がそんなに持ってるんだ」

咲夜 「さあ? 才能ってやつじゃないかしら。まあこっちも、早く終わらせたいからね。
    なにせお嬢様の分と合わせて、12枚必要だから。
    これくらいのハイペースでないと足りないわ」

魔理沙「どうやら、お前には手加減は必要ないみたいだな。本気であたらせてもらうぜ」

咲夜 「いいんじゃない、それで。
    これまで戦った人達は、みんな瞬殺だったから物足りなかったのよ」

魔理沙「わたしをそこらへんの毛玉と一緒にするんじゃないぜ。デュエル!」





 咲夜【命削りの山札】LP8000

             VS

              魔理沙【ジュラシック・ハザード】LP8000




咲夜 「先攻後攻を決めましょうか。
    といっても、コイントスならわたしは外しようがないんだけどね」

魔理沙「そういやお前の趣味は手品だったな。忘れられがちな設定だが」

咲夜 「一言多いのよ。というか、設定とか言わないの」

魔理沙「ヘイヘイ悪かったよ。どうせとられるだろうし、先攻はくれてやるぜ」

咲夜 「あなたは霊夢と違って、物分りが早いからいいわ。じゃ、引かせてもらうわよ」

咲夜 「ドロー。ターンエンド」

魔理沙「…………エンドだって? お前、本当にルールを……」

咲夜 「ご心配なく。やり方なら、さっき時間を停止させてちゃんと勉強したわよ。
    あなたは気づかなかったでしょうけど、みっちり3時間くらい止めてたかしら」

魔理沙「それはまたずいぶんと頑張ったな……」

咲夜 「一応カードも全部目を通したからね。
    それで知ったのだけれど、こんなふうに先攻1ターンであえて何もしないっていう、
    そんな戦術も決して無くは無い。でしょう?」

魔理沙「(……確かにな。
    遊戯王では1ターン目であえて場にカードを何も出さないことは、極端に珍しいってわけじゃない。
    考えられるのは、本命で手札にゴーズ、対抗でフルバーンか大逆転クイズってところか……)」

魔理沙「(まあ、おそらくはゴーズがあるってことで間違いないだろう。
    あのカードの特殊召喚条件は、場にカードが何も存在していない事だからな……)」


《冥府の使者ゴーズ/Gorz the Emissary of Darkness》 †
効果モンスター(制限カード)
星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500
自分フィールド上にカードが存在しない場合、
相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、
このカードを手札から特殊召喚することができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、
受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。
●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」
(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。
このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。
●カードの効果によるダメージの場合、受けたダメージと同じダメージを
相手ライフに与える。


魔理沙「(だが一つ言えることは……
    そんなブラフを平気で使ってくるってことは、やっぱりこいつは相当の実力を持ってる。
    遠慮は不要ってことだ)」

魔理沙「じゃあわたしのターン、ドローするぜ」

魔理沙「セイバーザウルスを攻撃表示で召喚だ」


《セイバーザウルス/Sabersaurus》 †
通常モンスター
星4/地属性/恐竜族/攻1900/守 500
おとなしい性格で有名な恐竜。
大草原の小さな巣でのんびりと過ごすのが好きという。怒ると怖い。


魔理沙「ゴーズごときに臆するわたしじゃないぜ。
    セイバーザウルスで、ダイレクトアタックだ!」

咲夜 「ふふふ。あら、よく怖がらないで攻撃してこれたわね」LP8000→6100

魔理沙「……やっぱりブラフだったか。
    1ターン目からそんな牽制を仕掛けてくるなんて、さすがにいい度胸してるぜ」

魔理沙「だがゴーズが無いことがわかれば、もう恐れる必要は無いな。
    カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



咲夜  LP6100:手札6:無し
魔理沙 LP8000:手札4:セイバーザウルス、伏せ1



咲夜 「わたしのターン、ドロー」

咲夜 「魔法カード、おろかな埋葬を発動」


《おろかな埋葬/Foolish Burial》 †
通常魔法
自分のデッキからモンスター1体を選択して墓地へ送る。
その後デッキをシャッフルする。


咲夜 「メタモルポットを墓地に送るわ」

魔理沙「(メタポだって? どうしてそんなものを……)」

咲夜 「さらに、死者転生を発動。手札の魔法再生を墓地に送り、
    メタモルポットを手札に加える」


《死者転生/Monster Reincarnation》 †
通常魔法
手札を1枚捨てる。
自分の墓地に存在するモンスターカード1枚を手札に加える。


咲夜 「そしてモンスターを裏守備でセット。カードを4枚伏せてターンエンドよ」



咲夜  LP6100:手札0:裏守備、伏せ4
魔理沙 LP8000:手札4:セイバーザウルス、伏せ1



魔理沙「4枚って…………おいおい、露骨すぎるだろ。
    メタポの効果を使う気まんまんじゃないか」

咲夜 「あら。まんまんよ」

魔理沙「……まあいいか。ドローするぜ」

魔理沙「まんまんなのは結構だが、その作戦はわたしの手札を把握してからやるべきだったな。
    お前の狙いは、このカードで阻止させてもらうぜ。
    手札から、抹殺の使徒を発動!」


《抹殺の使徒/Nobleman of Crossout》 †
通常魔法(制限カード)
裏側表示のモンスター1体を破壊しゲームから除外する。
もしそれがリバース効果モンスターだった場合お互いのデッキを確認し、
破壊したモンスターと同名カードを全てゲームから除外する。
その後デッキをシャッフルする。


咲夜 「メタポを破壊しにきたようね。当然それくらいは読んでいたわ。
    チェーンしてトラップ発動。砂漠の光」


《砂漠の光/Desert Sunlight》 †
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスターを全て表側守備表示にする。


咲夜 「わたしの場の裏守備は表になる。よって抹殺の使途の効果は不発ね」

咲夜 「そして、裏から表にリバースしたことで、メタモルポットの効果発動。
    わたしは手札を5枚ドロー」


《メタモルポット/Morphing Jar》 †
効果モンスター(制限カード)
星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600
リバース:自分と相手の手札を全て捨てる。
その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。


魔理沙「発動されてしまったか。わたしは4枚捨てて5枚ドローだ」

魔理沙「手札からキラーザウルスの効果を発動するぜ。
    このカードを墓地に送り、ジュラシックワールドを手札に加える。そしてこれを発動」


《キラーザウルス/Destroyersaurus》 †
効果モンスター
星4/地属性/恐竜族/攻1800/守1100
このカードを手札から墓地に捨てる。
デッキから「ジュラシックワールド」1枚を手札に加える。


《ジュラシックワールド/Jurassic World》 †
フィールド魔法
フィールド上に表側表示で存在する恐竜族モンスターは
攻撃力と守備力が300ポイントアップする。


咲夜 「攻撃力を底上げしてきたようね」

魔理沙「まだだぜ。さらにハイドロゲドンを召喚」


《ハイドロゲドン/Hydrogeddon》 †
効果モンスター
星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。


魔理沙「これで布陣は整ったな。ハイドロゲドンで、メタポに攻撃だ」

咲夜 「ならばここで永続トラップ発動。グラビティバインドよ」


《グラヴィティ・バインド-超重力の網-/Gravity Bind》 †
永続罠(制限カード)
フィールド上に存在する全てのレベル4以上のモンスターは攻撃をする事ができない。


魔理沙「うざいぜ……」

咲夜 「知ったこっちゃないわね」

魔理沙「(うーん。今手札に魔法・罠除去カードはないからな……引いてくるまで待つしかないか)」

魔理沙「(それにしても、あいつのデッキ…………攻撃を封じてくるってことは、何だ?
    ロックバーンか、あるいはまたエクゾディア……?)」

魔理沙「(いや、まだ判断材料が少なすぎるな。軽々には動けない)」

魔理沙「このままターンエンドだ」



咲夜  LP6100:手札5:メタポ、バインド、伏せ3
魔理沙 LP8000:手札3:セイバーザウルス、ゲドン、ジュラシック、伏せ1



咲夜 「わたしのターンね。ドローしますわ」

咲夜 「魔法カードを発動するわ。暗黒界の取引よ」


《暗黒界の取引/Dark World Dealings》 †
通常魔法
お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローし、
その後手札からカードを1枚捨てる。


咲夜 「1枚ドローして、ブラウを捨てるわ」

魔理沙「わたしもドローする。捨てるのはミラーフォースだ」

咲夜 「ブラウを捨てたことで効果発動。さらに1枚ドロー」


《暗黒界の狩人 ブラウ/Broww, Huntsman of Dark World》 †
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1400/守 800
このカードが他のカードの効果によって
手札から墓地に捨てられた場合、
デッキからカードを1枚ドローする。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、
さらにもう1枚ドローする。


魔理沙「(さらに手札入れ替え…………やっぱりこいつもエクゾディアか?)」

咲夜 「さらにモンスターを裏守備で伏せ……」

咲夜 「リバースカードをオープン。太陽の書を発動」


《太陽の書/Book of Taiyou》 †
通常魔法
裏側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を表側攻撃表示にする。


魔理沙「(砂漠の光と同じ強制リバースカードか……てことは、あれもリバースモンスターだな)」

咲夜 「今伏せた裏守備を表にするわ。ニードルワームよ」


《ニードルワーム/Needle Worm》 †
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 750/守 600
リバース:相手のデッキの上からカード5枚を墓地に送る。


魔理沙「(……ニードルワームだと!?)」

咲夜 「デッキの上から5枚カードを捨てなさい」

魔理沙「……なるほど、デッキ破壊だったのか」

咲夜 「あなたは運がいいわ。今までの相手は全員5ターン以内には、
    全てのデッキを吐き出していたわよ」

魔理沙「(確かにデュエルモンスターズはLPを0にする他に、
    相手のデッキを0にし、カードを引けなくなることでも勝利することができる。
    だが、わたしのデッキは40枚。そう簡単にいくわけが……)」

咲夜 「あなたは今思ったわね。デッキを全て削り取るなんて、そうはできないと。
    でも、不可能を可能にすることこそ、奇術師の本分。
    あなたはせいぜい、わたしの手元にでも気を配っていればいい」

魔理沙「お前は奇術師じゃなくてメイドだろ。
    一応言っておくが、時間を止めてわたしの手札を見たりするのは無しだぞ」

咲夜 「いやまあ、そういう意味の手品じゃないんだけどね。
    さあ、早くデッキから墓地に送りなさい」

魔理沙「く、5枚は痛いな……」残りデッキ26→21

咲夜 「ふふふ。聞こえるかしら、デッキの悲鳴が。
    これからあなたのデッキ、壊して差し上げましょう。
    カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



咲夜  LP6100:手札4:デッキ25:メタポ、ニードル、バインド、伏せ3
魔理沙 LP8000:手札3:デッキ21:セイバーザウルス、ゲドン、ジュラシック、伏せ1



魔理沙「(しかし、まずいな。ただでさえ、デッキは毎ターン消費されてくっていうのに)」

魔理沙「わたしのターンだ。ドロー」残りデッキ21→20

魔理沙「よし、サイクロンを発動だ。バインドを破壊するぜ」


《サイクロン/Mystical Space Typhoon》 †
速攻魔法(制限カード)
フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。


咲夜 「無駄ね。カウンタートラップ発動、神の宣告」


《神の宣告/Solemn Judgment》 †
カウンター罠
ライフポイントを半分払う。
魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし、それを破壊する。


咲夜 「サイクロンを無効にするわ」LP6100→3050

魔理沙「(ライフを半分支払ってまでもカウンターしてくるか……
     だが裏を返せば、あのバインドさえ破壊すればこちらにも勝機が見えてくるってことだ)」

魔理沙「(早く大嵐を引きたいところだが……)
    モンスターを裏守備でセット。ターンエンドだ」



咲夜  LP3050:手札4:デッキ25:メタポ、ニードル、バインド、伏せ2
魔理沙 LP8000:手札2:デッキ20:セイバーザウルス、ゲドン、裏守備、ジュラシック、伏せ1



咲夜 「わたしのターン、ドロー」残りデッキ25→24

咲夜 「あらら。来たわね、急所のカードが。
    ひょっとしたら、このターンで終わっちゃうかもね……ふふふ。
    手札から永続魔法を発動するわ。マスドライバーよ」


《マスドライバー/Mass Driver》 †
永続魔法
自分フィールド上のモンスターを1体生け贄に捧げるたびに、
相手ライフに400ポイントダメージを与える。


咲夜 「そして、マスドライバーの効果発動。
    場のモンスター一体をリリースするたびに、400ダメージを与える。
    メタモルポットを生け贄に捧げますわ」

魔理沙「(……ライフダメージ? いや、違うな。
    狙いはモンスターを墓地に送ることか)」LP8000→7600

咲夜 「さらに伏せカードを発動。浅すぎた墓穴よ」


《浅すぎた墓穴/The Shallow Grave》 †
通常魔法
自分と相手はそれぞれの墓地からモンスターを1体選択し、
守備表示でフィールド上にセットする。


咲夜 「お互い墓地からモンスターを選択し、裏守備でセットすることができるわ。
    わたしはメタモルポットを選択。あなたも選びなさい」

魔理沙「(さっきのニードルワームの効果で、墓地のモンスターは
    豊富に揃ってるが……攻撃はできないんだよな)
    暗黒ドリケラトプスをセットする」

咲夜 「まあ、どれを選ぼうが関係の無いこと。わたしのターンはこれからよ。
    カードを2枚伏せて、伏せカードを発動。硫酸の溜まった落とし穴」


《硫酸のたまった落とし穴/Acid Trap Hole》 †
通常罠
フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
そのモンスターを表側表示にして、守備力が2000以下の場合は破壊する。
守備力が2000より上の場合は裏側守備表示に戻す。


咲夜 「対象は、今セットしたわたしの場の裏守備。つまりメタモルポット。
    このカードを表にして破壊する。表になったことで、リバース効果が発動するわ」

魔理沙「うげ。またかよ……」

咲夜 「再びメタモルポットのリバース効果。わたしは2枚捨てて、5枚ドローするわ」残りデッキ24→19

魔理沙「4枚捨てて……5枚ドローか」デッキ20→15

魔理沙「(でも……よしよし。これで大嵐が来てくれたぜ)」    

咲夜 「消沈するのは早いわよ。まだまだわたしのターンは終わらない。
    あなたの時間はわたしのもの…………手札から、ハリケーンを発動」

咲夜 「お互いの場の魔法・罠を全て手札へ戻すわ」


《ハリケーン/Giant Trunade》 †
通常魔法(制限カード)
フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。


咲夜 「さあ、あなたも場のジュラシックワールドと伏せカードを戻しなさい」

魔理沙「…………。
    なんだか猛烈に嫌な予感がするぜ」

咲夜 「正解ね。あなたのデッキの命もあと14,5枚ってところかしら。
    ほんとにこれで終わっちゃうかもね……」

咲夜 「わたしはカードを3枚セット。
    そして、手札からこのカードを発動。手札抹殺。
    さらに、チェーンして速攻魔法発動。連続魔法よ」


《手札抹殺/Card Destruction》 †
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから
捨てた枚数分のカードをドローする。


《連続魔法/Serial Spell》 †
速攻魔法
自分の通常魔法発動時に発動する事ができる。
手札を全て墓地に捨てる。
このカードの効果は、その通常魔法の効果と同じになる。



咲夜 「手札抹殺は、お互い手札を全て墓地に送り、送った枚数分ドローするというカード。
    あなた、手札は何枚だったかしらね」

魔理沙「な、7枚だぜ……」

咲夜 「つまりあなたは7枚捨てて、7枚ドローしなければならない。
    そして、連続魔法の効果でもう一度同じ処理を行うのよ。では、執行」

魔理沙「あばばばばばばb」残りデッキ15→8→1

咲夜 「ふふふ、1枚だけ残るなんて。
    やっぱりあなたは悪運だけは幻想郷一かもね。ターンエンド」



咲夜  LP3050:手札0:デッキ19:ニードル、伏せ3
魔理沙 LP7600:手札7:デッキ 1:セイバーザウルス、ゲドン、裏守備



魔理沙「(くそ、なんて奴だ。まさかたった1ターンで20枚近く削られるなんて……)」

咲夜 「まったく他愛ないわね。所詮はカードゲーム。
    山札を切って、札を切るだけの作業。感情の入る余地なんか微塵も無いわ」

魔理沙「仕事で嫌々やってるだけだっていうのか?
    かわいそうな奴だな、お前。
    デュエルモンスターズの楽しみ方ってやつを、ちっともわかってないぜ」

魔理沙「いいか、教えてやる。
    デッキにカードがある限り、同じだけ可能性も残されている。
    わたしは、最後までこのデッキを信じるぜ」

咲夜 「あらあら、強がっちゃってまあ。ここからどうしようっていうの。
    このデュエルが終わる頃、あなたとデッキとの信頼関係は完全に崩れる。
    もちろん、あなたの完全なる敗北という形でね」

魔理沙「やってみなくちゃわからないぜ。
    デッキからカードを引けなくなったら負けだが、デッキが0になっても負けじゃないからな」

魔理沙「じゃあいくぜ。ドロー!」残りデッキ1→0

魔理沙「手札から魔法カード発動だ! 貪欲な壷!」


《貪欲(どんよく)な壺/Pot of Avarice》 †
通常魔法
自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。


魔理沙「墓地のハイパーハンマーヘッド、ギガンテス、俊足のギラザウルス、暗黒ティラノ、
    ディノインフィニティをデッキに戻し、2枚ドローする!」残りデッキ0→5→3

咲夜 「あら、そんな方法でデッキを増やすなんて。
    でもいずれにせよ、たった3枚じゃ次のターンで終わりかしら」

魔理沙「そいつはどうかな、だぜ」

咲夜 「何ですって?」

魔理沙「お前のデッキ破壊デッキは、基本的に複数のカードのコンボによって爆発的な威力を発揮する戦術だ。
    だが、今お前の手札は0で、場の伏せカードはたった3枚。
    もうそうそうコンボはできないだろう」

咲夜 「……なるほど。なかなかの読みね。
    でもそこまでわかっているなら、わたしの場の伏せカードの1枚が
    グラビティバインドであることも推察できるはずだけど?」

魔理沙「ああ。だからこのターンは攻撃はしない。
    別の方法でダメージを狙わせてもらうぜ」

咲夜 「別の方法ですって?」

魔理沙「場のセイバーザウルスとハイドロゲドンをリリースし、このデッキ最強のモンスターを召喚する! 
    来い、スーパーコンダクターティラノ!」


《超伝導恐獣(スーパーコンダクターティラノ)/Super Conductor Tyranno》 †
効果モンスター
星8/光属性/恐竜族/攻3300/守1400
自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる事で
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、この効果を発動したターンこのモンスターは
攻撃宣言をする事ができない。


咲夜 「攻撃力3300……でも攻撃はできないはず」

魔理沙「こいつはそんな必要ないのさ。コンダクターティラノの起動効果発動! 
    場の裏守備を生け贄に捧げ、相手に1000ダメージを与える!」

咲夜 「……1000は強力ね」LP3050→2050

魔理沙「さらに、今墓地に送られた暗黒プテラの誘発効果発動。
    このカードは戦闘以外で墓地に送られれば、何度でも再利用ができる。
    手札に戻すぜ」


《暗黒(ブラック)プテラ/Black Ptera》 †
効果モンスター
星3/風属性/恐竜族/攻1000/守 500
このカードが戦闘によって破壊される以外の方法で
フィールド上から墓地に送られた時、このカードは持ち主の手札に戻る。


咲夜 「(……つまり、ティラノの効果の弾切れは無いということか)」

咲夜 「(ティラノの効果は1ターンに一度しか使用できない。
    でもだとしても毎ターン使われれば、魔理沙のデッキが切れるより先に
    わたしのライフが……)」

魔理沙「気づいたようだな。
    もうお前には今のところ、漫然とわたしがドローするのを待つ以外に手はないはず。
    このままいけばわたしの勝ちってことだ。形勢逆転だな」

魔理沙「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」



咲夜  LP2050:手札0:デッキ19:ニードル、伏せ3
魔理沙 LP7600:手札6:デッキ 3:超伝導恐獣、伏せ2



咲夜 「(くっ、さすがに予定外だったわね)
    ドローするわ……」残りデッキ19→18

咲夜 「伏せカードを発動するわ。暗黒界の取引。
    デッキから1枚ドローして、ブラウを捨てる。
    ブラウの効果によって、さらにもう1枚ドロー」残りデッキ18→17→16

魔理沙「わたしもドローか。エネミーコントローラーを捨てるぜ」残りデッキ3→2

咲夜 「……ふふふ、来たわ。
    あなたの悪あがきも見てて悪くはなかったけど、さすがにもう十分かしらね」

咲夜 「2枚目の浅すぎた墓穴を発動します。
    メタモルポットを墓地から裏守備で蘇生」

魔理沙「(なに!? じゃあ、次のあいつのターンで反転召喚して、
    リバース効果を発動されたら……)」

魔理沙「……くそっ。わたしはハイパーハンマーヘッドを裏守備でセットだ」

咲夜 「カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



咲夜  LP2050:手札0:デッキ16:ニードル、伏せ3
魔理沙 LP7600:手札6:デッキ 2:超伝導恐獣、裏守備、伏せ2



魔理沙「(うう……こうなったら、あのメタポの効果が発動する前になんとかするしかないぜ)」

魔理沙「わたしのターンだ。ドローするぜ」残りデッキ2→1

魔理沙「スーパーコンダクターティラノの起動効果発動! 
    場の裏守備をリリースして、1000ダメージだ!」

咲夜 「もはや消化作業でしかないわね」LP2050→1050

魔理沙「それはまだわからないぜ。
    わたしは手札から、2枚目のジュラシックワールドを発動!」

咲夜 「何? そんなフィールド魔法が、いまさら何の役に立つというの?」

魔理沙「今にわかるぜ。わたしはこれでターンエンドだ」

咲夜 「エンド? じゃあ、もうわたしのターンでいいってことかしら。
    やはり無意味じゃない」

魔理沙「いいや、まだだ。エンドフェイズに、伏せカードを発動させてもらう」

咲夜 「(このタイミングで発動……? いったい……)」

魔理沙「トラップカード、大噴火を発動!!」


《大噴火/Volcanic Eruption》 †
通常罠
フィールド上に「ジュラシックワールド」が存在している場合、
自分のエンドフェイズ時に発動する事ができる。
フィールド上のカードを全て破壊する。


魔理沙「お互いの場の全てのカードを破壊だ!」

咲夜 「くっ、なるほど。そういうことか。
    だけど、チェーンしてリバースカード発動! リバースソウル!」


《リバースソウル/Soul Reversal》 †
速攻魔法
自分の墓地に存在するリバース効果モンスター1体をデッキの一番上に戻す。


咲夜 「墓地の悪魔の偵察者をデッキの一番上に戻すわ」残りデッキ16→17


《悪魔の偵察者/Hiro's Shadow Scout》 †
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻 650/守 500
リバース:相手はカードを3枚ドローする。
ドローしたカードをお互いに確認し、その中に魔法カードがあった場合、
その魔法カードを全て墓地に捨てる。


魔理沙「そのカードは……相手に強制的にドローさせるリバース効果か」

咲夜 「そう。デッキの一番上に置いたことで、次のターンわたしは確実にこれを
    引き入れ、場にセットすることができるのよ」



咲夜  LP1050:手札0:デッキ16:無し
魔理沙 LP7600:手札6:デッキ 1:無し



咲夜 「では、わたしのターン、ドロー」残りデッキ17→16

咲夜 「宣言通り、モンスターをセット。ターンエンドするわ」

咲夜 「セットされたこのカードを攻撃すれば、その瞬間効果が発動し、あなたの敗北。
    攻撃しなくとも、次のわたしのターンで反転召喚すればそれで終わり。
    セットされたこのカードを破壊すればいいのだろうけど、
    さっきメタポを破壊するためにわざわざ超伝導恐獣を犠牲にして大噴火を使ってきた以上、
    その方法ももはやあなたの手札には存在しない。
    さらに、デッキにあるカードはさっき貪欲な壷で戻したモンスターカードであることはわかっている。
    今度こそ、万策尽きたわね」



咲夜  LP1050:手札0:デッキ16:裏守備
魔理沙 LP7600:手札6:デッキ 1:無し



魔理沙「…………やっぱり、お前は初心者だな。何もわかってないぜ」

咲夜 「? この期に及んでまだそんな減らず口を叩くのね。
    確かにわたしはついさっき始めたばかりだけど、現にあなたはその初心者にひざまずくのよ」

魔理沙「だからわかってないっていうんだよ。
    いいか、これから言うことを覚えておくといい」

魔理沙「そんなふうに長々と説明するのはな、負けフラグっていうんだよ! ドロー!!」

魔理沙「手札から、俊足のギラザウルスを特殊召喚!」


《俊足のギラザウルス/Gilasaurus》 †
効果モンスター
星3/地属性/恐竜族/攻1400/守 400
このモンスターの召喚を特殊召喚扱いにする事ができる。
特殊召喚扱いにした場合、相手の墓地から相手は
モンスター1体を特殊召喚する事ができる。


魔理沙「このカードは召喚を特殊召喚扱いにできるモンスター。
    ただしその場合、相手も墓地からモンスターを特殊召喚することができる。
    さあ、選ぶがいいぜ」

咲夜 「何を考えているのかは知らないけど、わざわざ壁モンスターを増やしてくれるなんてね。
    メタモルポットを守備表示で特殊召喚よ」

魔理沙「どれだって構わないぜ。さらに、手札から大進化薬を発動だ!」


《大進化薬/Big Evolution Pill》 †
通常魔法
自分フィールド上の恐竜族モンスター1体を生け贄に捧げて発動する。
このカードは発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間フィールド上に残り続ける。
このカードがフィールド上に存在する限り、
恐竜族モンスターの召喚に生け贄は必要なくなる。


咲夜 「……大進化薬ですって?」

魔理沙「場のギラザウルスを生け贄に捧げる。
    これで、恐竜族の召喚に生け贄は不要になったぜ。
    そしてギラザウルスは特殊召喚だったから、わたしにはまだ通常召喚の権利が残っている」

咲夜 「……だとしても、スーパーコンダクターティラノを召喚したところで、
    あなたの場にはもう生け贄に捧げるモンスターがいないから効果は使えない。
    仮に使えたとしても、わたしのライフは50残るじゃない。どうやって……」

魔理沙「だ~か~ら。そういうセリフがフラグだって言ってんだよ。
    わたしが召喚するのはこいつだ!」

魔理沙「アドバンス召喚! さあ来い、ブラックティラノ!!」


《暗黒恐獣(ブラック・ティラノ)/Black Tyranno》 †
効果モンスター
星7/地属性/恐竜族/攻2600/守1800
相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。


咲夜 「(な!? あのカードは……)」

魔理沙「テキストを読めばわかるよな? 
    このカードは相手の場に守備モンスターしかいなければ、
    プレイヤーにダイレクトアタックすることができるんだぜ。
    つまり、お前の場にいくら壁モンスターがいようが無意味ってことだ」

魔理沙「いけえっ、ブラックティラノ! メイドにダイレクトアタックだ! 
    しっぽでミアズマスウィープ!!」

咲夜 「(く……無念ね)」LP1050→0



    *



魔理沙「ガッチャ! ルールを守って、楽しいデュエルをしようぜ」

咲夜 「ちゃんと守ってるわよ。人聞きの悪い」

魔理沙「怪しいもんだな。ほんとは、途中で時間を止めて積み込みしてたんだろ?」

咲夜 「別に今さらどっちでもいいでしょう。勝ったのはあなたなのだし」

魔理沙「それもそうだな。じゃ、スペルカードをもらうぜ」

咲夜 「ハァ……仕方ないわね。どうぞ」

魔理沙「よし、これであと3枚か。うまくいけばあと一回で決勝進出だな」

咲夜 「そんなまどるっこしいデッキ使ってるからいけないのよ。
    わたしのデッキなら、うまくいけば1ターンキルだって可能よ」

魔理沙「いやまあ……正直そのデッキは運要素が強すぎなんだぜ」

咲夜 「レアカードも渡すんでしょう? といっても、全部パチュリー様のだけど」

魔理沙「いいのかよ。まあ、買ってきたのはお前なんだろうが」

咲夜 「まあ、わたしのデッキにはそんなにレアなカードは入ってないけどね」

魔理沙「そうだなぁ。じゃあ手札抹殺でいいか。そういや持ってなかった」

咲夜 「さて、じゃあわたしもそろそろ次へ向かわないと。
    あなたのせいで、またノルマが増えてしまったからね」

魔理沙「そういやお前、今までどの辺りをうろついてたんだ? 
    よくそんなにたくさんの奴と会えたな」

咲夜 「そうねぇ。ついさっき人間の里でカード買ってきたんだけど、
    帰り道には割とたくさんいたわよ」

魔理沙「里だな。勝手知ったるところでありがたいぜ。
    ちょうど小腹もすいてきたことだし、せっかくだからなんか食べようかな」

咲夜 「ああ……そういえば」

魔理沙「何だ? おいしいつけ麺屋でも新しくできたか?」

咲夜 「違うわよ。途中であなたの連れを見かけたと思ってね。
    同じチームなんでしょ? あの人形屋さん」

魔理沙「人形屋じゃなくて人形使いなんだけどな。どっちでもいいけど」

咲夜 「ちらっと見かけただけでデュエルはやってないわ。
    というか、すでに対戦してたからね」

魔理沙「そうか。誰とやってたかは知らないが、まああいつなら問題無いだろ。
    むしろやばいのはこっちだぜ。
    あいつより先に決勝にいかないと、わたしの家があいつの別荘にされてしまう」

咲夜 「よくわかんないけど、その心配ならいらないわよ。たぶん」

魔理沙「? どういうことだ?」

咲夜 「だって、あの娘負けてたもの」

魔理沙「…………」

魔理沙「……なんだと!?」























                                             ・・・・・・To be continued
第七話です。前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m

魔理沙→恐竜、咲夜→デッキデスです。
咲夜さんは初めワールドトランスにしようか迷ったんですが、SS的にきつかったので却下。
結局、幻想ノ宴の影響でデッキ破壊にあいなりました。
ちなみに、時間を止めてズルはしていませんw
魔理沙は基本ドラゴンなんですが、同じパワーデッキということで恐竜もありかなー、と。

次回、いつになく(?)シリアスな話になります。
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
シングル戦でデッキ破壊とはさすが瀟洒。
次回はもしかしてデュエル無し…? 何であれ、楽しみに待たせて頂きます。
2.名前が無い程度の能力削除
咲夜さんエックスかよwww
3.名前が無い程度の能力削除
やっぱりストーリーの進行上、デッキ破壊とかロックは対戦相手のほうが使ってくる戦法になりますよね。ただ、個人的に咲夜さんが使ってくるとは思っていなかったので、新鮮な驚きを感じました。
4.アジサイ削除
デッキが一枚以外の場合は、貪欲発動できないそうですよ~。