Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王4 『そこそこに波乱の幕開け』

2008/05/08 19:57:09
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注意:前回の続きです。
  























  ________博麗神社



アリス「……タッグデュエル?」

魔理沙「ああ。大会は二人で一組。
    まず一人ずつデュエルをして、先に二勝した方が勝ち残り。
    ただし、お互いに一勝一敗だったり引き分けがあった場合は、
    二対二のタッグデュエルで決着を着けるというわけだ」

アリス「なるほどね。具体的には、普通のデュエルとどう違うの?」

魔理沙「まず、自分のターンが来るごとに、プレイヤーは交代する。
    デッキは同じチームでもそれぞれ用意したのを使うが、フィールドと墓地は共有する。
    例えば、わたしが召喚したわたしのモンスターを、次のお前のターンに生け贄にしたり、
    融合素材に使うことができるわけだ。伏せた魔法や罠も同じだな」

アリス「相手が欲しいカードを、場に伏せてトスすることもできるってわけね」

魔理沙「ああ。ライフポイントは二人合わせて8000。
    でも普通より派手な戦いになるのは必至だぜ」

アリス「でも、とすると、二人のデッキの相性も考えて組まなきゃいけないのね」

魔理沙「そういうことだ。
    まあ、お前がどんなデッキでもうまくフォローしてやるから安心しろよ」

アリス「あら、言ってくれるじゃない。そっちこそ、足を引っ張ってくれないでよ」

魔理沙「まあ、もっともチーム戦になるのは、決勝トーナメントかららしいけどな」

アリス「らしい? なによそれ」

魔理沙「運営の意向でな。
    どういう趣向かはわからんが、大会について詳しい事は参加者には一切知らされていないんだ。
    集合場所と時刻は決まっているから、そこで当日発表があるらしい」

アリス「ふぅん。あの蓬莱人の考える事は、相変わらず分かり難いわ」

魔理沙「宇宙人だからな。それも当然だ。
    で、そんなわけで周知になっているのは、まずは個人で予選を行うということ。
    そして、決勝から二人組のチーム戦になるということ。それだけだ」

アリス「ということは、チームの二人ともがそれぞれ予選を勝ち上がってこなければならないわけね」

魔理沙「そういうこと。
    正確に言えば、チームを決めるのは決勝に残った者が全員決まってからだが、
    あらかじめパートナーを決めておけば、優勝への道は格段に近くなる。
    それこそ、手を伸ばせば届くぐらいにな。
    あ、ちなみにデッキはいくつ持ってきてもいいらしいから、なるべくたくさん組んどいた方がいいぞ」

アリス「ふふん。わたしを選んだのは正解よ、魔理沙。
    常に勝利に一番近い道筋を案内してあげるわ」

魔理沙「ふっ、期待してるぜ」

霊夢 「はぁ~あ……」

アリス「……何よ。あなた、まだふて腐れているの?」

霊夢 「別に。今日も相変わらずお茶はおいしいって思ってただけよ」

魔理沙「一人でも大会で出れないことなないんだぜ。
    決勝までいったら余ったやつと適当に組めばいいだろ」

アリス「そういう問題じゃないってことを、霊夢はいいたいんじゃないかしら?」

霊夢 「今日もお茶がおいしいわねぇ」

魔理沙「意味がわからないな、こいつ」



    *





  ________マーガトロイド邸




アリス「(さて。てな話をしてきたわけだけど……)」

アリス「(タッグデュエル、か。これもなかなか奥が深そうね)」

アリス「(まあシングルで連勝すればそれで問題ないわけだけど……
    やっぱり優勝を狙うなら万全を期すべきだわ)」

アリス「(魔理沙はドラゴンと……あと何使うんだろ?
    うーん。ちゃんと聞いとけばよかったわね……)」

アリス「(タッグ用のデッキもだけど、シングルのデッキも魔法使いと機械だけじゃ不安だわ。
    他にもいくつか作っておかないと……)」

アリス「(…………)」

アリス「(面倒だから人形にやらせるか……)」

アリス「(…………っ!?)」

アリス「(……何? 今の風……凄かった)」

アリス「(窓が開いちゃってるし…………あーあ、カードもめちゃくちゃじゃない。
    まったく、無作法な風だこと。
    もう、また整理しなおさないと……)」

アリス「…………」

アリス「……あれ?」

アリス「(あのカードが無い…………タッグデュエルに入れようと思っていた、
    わたしのお気に入りのカード、サイバー・ダーク・ドラゴン……。
    さっきまでここに置いておいたのに)」

アリス「(はっ……!? まさか、今のは風なんかじゃなくて……)」

アリス「(…………)」

アリス「(…………これは、毛?)」

アリス「(……この毛は、動物のものみたいね。しかも、かなり大きい)」

アリス「(と、いうことは、やっぱり……)」

アリス「(ふふふ……随分な真似をしてくれるじゃない。
    どうやら明日の大会、ただクリーンなイベントにはなりそうもないようね。
    裏に何か、黒い思惑が張り巡らされている、といったところかしら。
    まあ、明日になればいずれははっきりするでしょうけど……)」

アリス「(……余計におもしろくなってきたわね。
    この沸々と湧き上がるこの感覚…………
    とうの昔、人間だった頃に置き忘れてきたものかと思っていたけど)」

アリス「(ふふ、悪くないわ。明日は……存分に楽しませてもらわないとね)」










    ***
















  ________9:00 大会当日・博麗神社境内







アリス「(ふぅ…………この魔法カードを入れるか入れないかで一晩考えてしまったわ)」

魔理沙「おお、遅かったな。お前にしては」

アリス「そういうあなたこそ、早いのね。魔理沙にしては」

魔理沙「わたしはこう見えて早起きなんだぜ」

アリス「早起きってほど早くもないと思うけど……それはそうと、さすがにたくさんいるのね、参加者が」

魔理沙「そりゃそうさ。幻想郷中の妖怪が集まってるんだからな」

霊夢 「だからって……何で集合場所がうちなのよ!」

アリス「あら、いたの」

霊夢 「そりゃいたわよ。ここに住んでるし」

魔理沙「まあ、この神社なら場所を知らない奴はいないからな」

霊夢 「ここは一応普通の参拝客も来るのよ。この妖怪だらけの惨状を見たらびっくりするじゃないの。
    境界の神社は、妖怪たちに侵略されたって思われても仕方ないわ」

アリス「あるいは、そんな疑いを持つ暇もなく食べられちゃうかもね。
    みんな興奮して気が立ってるし」

魔理沙「というか、どうせ人なんか来ないんだからいいだろ」

アリス「あれ? そういえばあなた、結局参加するの」

霊夢 「なによ。悪い? 
    一応パートナーは決めてきたわよ。苦肉の策だったけど」

魔理沙「お前一人しかいないじゃないか。そいつはどこだよ」

霊夢 「たぶん寝坊か…………まあこういう時点で苦肉の策だったんだから、察してよ」

アリス「はいはい、って感じね…………ん?」

パチェ「早速やってるようね」

咲夜 「ごきげんようですわ」

レミ 「くあぁ……眠い」

魔理沙「ま~た寝不足か」

咲夜 「違いますわ。お嬢様は、いつもならもう寝てる時間なのです」

霊夢 「ああそっか。妖怪は普通寝るのは日が出てる時だもんね。
    最近は昼型も増えてきたって話だけど……アリスがいい例かしら」

アリス「例とか言われると、いい気分しないわね。わたしが不健康みたいじゃない」

レミ 「まあいいわ。
    さくさくっと蹴散らして、決勝が始まるまで夜寝、もとい昼寝するから」

魔理沙「随分な自信だな。まあ、こいつが余裕なのはいつものことか」

パチェ「そうだけど、根拠が備わっての余裕よ。
    この日のために、十分な調整をおこなってきたから。もちろん、わたしもね」

アリス「楽しみね。もう一度戦えるのが」

霊夢 「わたしは戦ってないけどね」

レミ 「う~ん、目がしぱしぱする~」

咲夜 「一応目薬は持ってきてますけど、屋外でさすのはよくありませんわ」

幽々子「…………その日傘をどかせば、いっそ楽になれるんじゃない?」

霊夢 「……幽々子っ?」

アリス「あら。これはまた、わざわざ地獄からはるばるご苦労ね」

妖夢 「地獄じゃなくて冥界です」

魔理沙「おお。お前も出るのか? まあ、確かに二人組じゃないと駄目だけど」

パチェ「もちろん、あなたも優勝を狙っているのよね」

幽々子「当然じゃない。やるからには勝たないとね。
    ま、わたしにとってそれは、人を死に至らしめるのと同じくらい造作も無いことだけど」

妖夢 「あのぅ、幽々子様。
    今日は一応遊戯の場ですし、能力はご自重されたほうがよろしいかと……」

幽々子「は? 誰が能力を使うって言ったの。
    ああ、それともあなたの願望だったのかしら?
    なんなら試しに見切ってみる? わたしのソウルスティール」

アリス「相変わらずこの二人は、一線を越えていないのが不思議ね」

霊夢 「……って、あっ。あれは……」

魔理沙「あー? 今度は何だよ」

霊夢 「新聞記者」

文  「はいはーい、お待ちかねの新聞記者ですよー♪」

魔理沙「新聞記者じゃなくて新聞だろ。
    まあ、お前の新聞なんか誰も待ってはいないが」

アリス「こんな大きなイベントに来ないはずがないとは思ってたけど……
    まさか、あなた選手として来たの?」

文  「あらぁ、よくわかりましたね。そのとおりです」

魔理沙「取材はいいのか? といっても、思いっきりカメラぶら下げてるけど」

文  「もちろん写真は撮りまくりますよ。
    でも、ただ取材するだけでは芸が無い三流記事ですからね。
    今回は自身で参加して、臨場感をそのまま記事にしようかと」

魔理沙「自分の事を記事にするのか。
    新聞っていうより未聞だな。前代未聞」

アリス「あら。でもドキュメント性があっていいじゃない」

文  「そうそう、そうなのですよ~。
    でも、それだけじゃまだ誰もが手に取る記事にはなりえない。
    ドキュメントの視点であるわたしが優勝する。
    その条件を為して、初めて完璧なものとなるのです」

魔理沙「やれやれだぜ。結局は誰もかれもが、倒さなきゃならない敵ってことだな」

レミ 「そうでなくは面白くないじゃない。
    勝利とは、相手を支配し、蹂躙し、屈服させること。
    今日はここにいる、いや幻想郷にいる全ての妖怪を、わたしの下にひざまづかせてあげるわ」

幽々子「そういう高言は未来が確定したときに言うことねぇ。
    あんまり吠えると、虚勢と思われても仕方ないわよ?」

レミ 「…………ふぅん。虚勢はどちらの方かしらね。
    別に、あなたから火葬にしてもいいのよ?」

紫  「そんなことしなくても、幽々子はすでに土葬されてるわよ」

妖夢 「うわっ、びっくりした」

アリス「でたわね。すきま妖怪」

幽々子「ねえ、紫。わたし土葬された覚えなんかないんだけど?」

紫  「おっと、失敬。なんでもないわ」

咲夜 「なんだか気持ち悪いですわね」

魔理沙「いつものことだけどな。というか、お前まで来たのか」

紫  「わたしはどこにでもいるし、どこにでも現れるわ。そこが幻想郷の中ならばね」

霊夢 「ちょっと、遅いじゃないの。時間ギリギリよ」

アリス「えっ? それって……」

魔理沙「こいつがお前のパートナーだったのか。まあだろうとは思っていたが」

霊夢 「不本意ながらね」

紫  「霊夢の一世一代の危機と聞いてねぇ。眠ってなんかいられないでしょう? 
    実際眠かったけどね」

パチェ「どうでもいいけど、あなたデュエルなんてできるの?」

紫  「あら。あなたわたしを誰だと思っているのかしら?
    あなたの20倍は生きているのよ。
    幻想郷において知らない事など何一つ無いわ。たぶん」

レミ 「相変わらず掴めないやつだわ。
    もしこいつと戦う事があったら、パチェに任せるわね」

パチェ「気が進まないわ……」

アリス「あ、そういえばちょっとあなた」

紫  「何かしら?」

アリス「聞きたいことがあるのよ。というか、あなたが……」

輝夜 「…………集まっているようね、皆々様方」

魔理沙「お。待ってたぜ」

霊夢 「って、またいつの間に神社の中からー」

鈴仙 「傾注願います。傾注願います」

永琳 「ご静粛に。これより、大会運営委員長が発言なさいますわ」

パチェ「続々と中から湧いてくるのね。あなたの家の防犯はどうなってるのよ」

魔理沙「まあ、ただの神社だしな」

輝夜 「デュエリストの皆さん、バトルシティイン幻想kyoにようこそ。
    今から大会ルールを説明するわ。
    その前に、うどんげ。皆さんに例のものをお配りして」

鈴仙 「はい。これですね」

アリス「……こ、これは。まさかデュエルディスク!?」

魔理沙「どこをどう見たらそうなるんだ」

レミ 「プレイマットと、携帯用のテーブルね。
    つまり、これで一応はどこでもデュエルができるってことになるのかしら」

幽々子「どうやらそのようね。妖夢、持ってなさい」

妖夢 「もう持たせてるじゃないですか…………ん? これは……」

パチェ「マットになにか挟まってるわね。スペルカード?」

輝夜 「さて、だいたい行き渡ったようね。
    まず、説明するまでもないでしょうけど皆さんの手にあるのは、
    いつでもどこでも相手がいればデュエルができるデュエルテーブルセット。
    そして、1枚のスペルカードよ。
    皆さんには、それぞれのスペルカードを対戦して賭け合っていただくわ」

永琳 「大会の舞台は―――ちょっと広いけど―――幻想郷全域。
    そのどこであろうと、デュエリストが対峙した瞬間に、そこが戦いの舞台となります」

魔理沙「まるで原作さながらのバトルシティだな」

輝夜 「今回の大会参加者は―――ちょっと多いけど―――256名。
    うち、決勝に昇れるのは16名のみ。
    スペルカードを6枚集めた者に、その中の一人になる権利が与えられる。
    もちろん決勝のイスは早いもの勝ちよ。制限時間は午後5時。
    だから、およそ8時間程度ね」

文  「決勝の場所はどこなのですか?」

輝夜 「このスペルカードには特殊なプリズム加工が施してあり、
    六枚を重ねることによってある一点に光がともる…………なんてことはないわ。
    ただのうどんげのスペルカードよ」

アリス「なら言わなくてもいいじゃない」

鈴仙 「って……ほんとだ! 
    よく見たらこれわたしのじゃないですか! どういうことなんです!?」

永琳 「大会が終わったら全部回収するわよ。うどんげは心配性ね」

輝夜 「決勝の舞台は……まあどこでもよかったんだけど、
    誰でも知っている場所ということで、ここ博麗神社にしたわ。
    六枚集まったらここにまた戻って来てね。うふふ」

霊夢 「だから勝手に人の家を……」

永琳 「それともう一つ、大会はアンティルールです。
    負けた者は、勝者にレアカードを1枚差し出さねばなりません」

レミ 「アンティルールか。参加者にとってレアカードは決して失いたくないもの。
   この大会は熾烈な闘いになるわね」

パチェ「しかし、どうしてまたアンティなのかしら。神のカードなんかあるわけないし」

輝夜 「ただの気分よ。原作に忠実にした方が雰囲気がでるでしょ」

魔理沙「気分かよ……」

永琳 「説明はこんなところかしら。なにか質問のある者はいる?」

妖夢 「決勝から先のルールはどうなってるんですか?
    チーム戦ということでしたけど……」

輝夜 「そういう心配は予選を無事突破してからすることね。
    そんなこと、今話しても仕方ないでしょう。
    まあ、皆知ってると思うけど一応言っておくと、決勝からは二人一組のチーム戦になる。
    それだけは確かよ」

レミ 「要は勝てばいいのよ。勝利こそ絶対的で圧倒的なものはないのだから」

永琳 「一応言っておくけど、スペルカードはちゃんとデュエルでやりとりしてね。
    弾幕厳禁よ」

幽々子「あら残念」

霊夢 「あ、そういえば、あなたも参加者の一人なのよね?」

輝夜 「当然よ。まあわたしは主催者特権としてすでにスペルカードは
    6枚持ってるから、無条件で決勝進出だけど」

魔理沙「そこも原作に忠実にしろよ……」

輝夜 「何はともあれ、大会開始は30分後。
    さあ、勝利に飢えたデュエリストたちよ。バトルシティに散りなさい! 解散!」

霊夢 「やれやれ。ノリノリもいいところだったわね」

魔理沙「だいたい、シティじゃないしな」

パチェ「さて、一応は始まったことだし…………レミィ、どうする?」

レミ 「そうねぇ。今ここにいる命知らずの世間知らず達からカードを奪ってやってもいいんだけど……
    まあ、いいわ。楽しみは後にとっておくとしましょう」

パチェ「それもそうね。じゃあ適当に西へ行きましょうか」

アリス「楽しみにしてるわよ。決勝で会うのを」

レミ 「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。いくわよ、咲夜」

咲夜 「はしゃぎすぎて日傘の外に出ないでくださいね」

文  「わたしは北へでも行ってみようかしら。なにか新聞のネタがあるかもしれないし」

魔理沙「お前はそればっかだな」

霊夢 「よし。紫、わたし達も行くわよ………………って、もういないし!」

妖夢 「あれ? 幽々子様、わたし達は行かなくてよろしいので?」

幽々子「そうねぇ。じゃあそろそろ行ってきていいわよ」

妖夢 「…………は?」

幽々子「だから、早くスペルカードを集めてきなさい。
    あなたなら4時間もあればわたしの分と合わせて12枚、簡単に集められるでしょう。
    わたしはここで午後ティーでも飲んでるから」

妖夢 「……はい(午後ティーて……)」

アリス「あ、そういえばあのすきま妖怪は…………もういないんだっけ。
    なら仕方ないわね」

魔理沙「さて、まずは解散だな。とりあえず散っておくか」

アリス「魔理沙は先に行ってて」

魔理沙「あ? どうした。誰かとやる約束でもしてたのか?」

アリス「まあ、そんなところね。先客を待たせるわけにはいかないわ」



    *



藍  「…………」

藍  「デュエリストナンバー38…………奴もいいレアカードを持っているな」

アリス「探したわよ、あなたを」

藍  「……おや。わたしに何の用かな?」

アリス「とぼけないで。
    あなたでしょう、昨日わたしの部屋からカードを盗んだのは」

魔理沙「なんだって? どういうことだよ」

アリス「そのままの意味よ。
    正確には、実行したのはあなたの使い魔ね。
    部屋に猫の毛が残っていたわ。
    わたしの家は動物なんて飼ってないのに、おかしいわよね、これは」

藍  「それだけでうちの橙を犯人扱いとは、いささか早計じゃないかな?
    野良猫が勝手に忍び込んだときに落としていったのかもしれないだろう」

アリス「体毛と一緒に、大量のマタタビも検出されたわ」

魔理沙「ああ、じゃあ言い逃れはできないな」

藍  「……ふん。
    では橙の名誉の為にも言っておくと、あいつは使い魔じゃなくて式神だ。
    主人の命令を忠実に実行する、ね。
    ああでも、あいつはそんなに忠実にはやってくれないか……」

アリス「本性を現したわね。ずいぶんとあっさりじゃない」

藍  「わたしも式神。
    カードを盗ってこいという命令は受けてはいるが、
    問い詰められてもとぼけろという命令は受けていないからね」

アリス「やっぱりあのすきま妖怪か。
    いったい何のつもりかは知らないけど、だったら話は早いわ。
    わたしとデュエルなさい。
    デュエリストにとってかけがえの無いカードを強奪するような妖怪は、わたしが許さない!」

魔理沙「おい本気か、アリス。
    あいつははっきり言って強敵だぞ。何せ数学に強いからな」

藍  「フ、やるというのか? このわたしと……」

アリス「魔理沙、どいてなさい」

魔理沙「どうやら本気みたいだな。一応言っとくと、あいつのデッキは……」

アリス「駄目。その先は何も言わないで」

藍  「?」

アリス「例えあいつがどんな卑劣な手を隠してようが、ゲームの前に敵の手の内をわたしが知る権利は無いわ」

魔理沙「別に卑劣ってわけじゃないんだが……」

アリス「さあ、今あなたの持ち得る最高の戦術で挑んできなさい!
    わたしのデッキが粉砕してあげるわ!」

藍  「原作気分で楽しそうなところ悪いが、お前の相手はわたしではない。橙!」

藍  「…………」

藍  「……あれ?」

アリス「いないじゃないの」

藍  「橙の奴…………きっと道に迷ったんだな」

魔理沙「アウトだろ、それは」

橙  「……あ! 藍様~」

藍  「おお、橙……!
    よかった。どこへ行ってたんだ」

魔理沙「神社の中じゃないか? コタツがあるからな」

アリス「今は秋でしょ。ちょっと早くないかしら」

藍  「では、橙。ここは任せたぞ」

橙  「はーい」

アリス「ちょっと待ちなさいよ。わたしのカードはどうするの」

藍  「橙に勝てたら返してやるよ。
    この大会はアンティルール、問題は無いだろう」

魔理沙「ふん、こんな奴に任せてもいいのか?
    アリスの主人公補正を甘く見ないほうがいいぜ」

藍  「それはこちらのセリフだな。橙には最強のデッキを与えてある。
    鬼神をその身に宿した妖怪に、どこまで太刀打ちできるかな」

アリス「ふん、式神の式神に負けてたまるもんですか。
    なんなら、こっちも人形が相手してやってもいいのよ」

魔理沙「動かすのはお前だけどな」

藍  「焦らなくともこれから勝ち進んでいけば、わたしとも紫様とも戦う機会があるだろう。
    もっとも、お前達が順当に勝ち残ってこれたらの話だがね」

魔理沙「じゃあ最後にきくが、こんな役者めいた真似をしているのも、紫の命令か?」

藍  「…………そうだよ。ハァ」

アリス「でしょうね」

藍  「雰囲気は大事だからとかいって、キャラ作りまで……
    つくづく、あの方は何考えてるんだか……」

魔理沙「あいつにつくられたお前にも見当がつかないんだから、わたし達にわかるはずがないな」

アリス「まあ、いいわ。あなたはいずれ相手をしてあげる。
    今はカードを取り返すのが先決よ」

橙  「わたしの相手は…………あれ?
    藍様、誰でしたっけ?」

藍  「目の前の大道芸師だ。わたしは先に行ってるからな」

橙  「はーい。よし、勝負よ。旅の大道芸師!」

アリス「……なんだかちっとも負ける気がしないんだけど」

魔理沙「勝手に脚色入れられてるしな。
    というか、あいつほんとにルールわかってるのか?」

橙  「ルール? 勝ち方なら藍様に教わったよ。
    言われた通りにすれば必ず勝っちゃうからってね」

アリス「ふん、2ボスが3ボスに敵うと思って? いくわよ、デュエル!」

魔理沙「(五十歩百歩にしか聞こえないけどな……)」





 アリス【黒魔術の裁き】LP8000

            VS

              橙 【解き放たれる鬼神】LP8000




アリス「わたしの先攻よ! ドロー」

魔理沙「相変わらずだな。言ったもの勝ちか」

アリス「そうよ。もう勝ったものだけどね。
    モンスターをセット。ターンエンドよ」



アリス LP8000:手札5:裏守備1
橙   LP8000:手札6:無し



橙  「わたしのターン。ドローするよ~」

橙  「ええと、モンスターを裏守備でセット。
    そして魔法カード、手札抹殺を発動するよ」


《手札抹殺/Card Destruction》 †
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから
捨てた枚数分のカードをドローする。


魔理沙「うわ、いきなり手札抹殺かよ」

橙  「4枚捨てて、4枚ドローするよ」

アリス「わたしは5枚ね」

アリス「(…………ん? あれは……)」

橙  「1枚伏せて、ターンエンドよ~」



アリス LP8000:手札5:裏守備1
橙   LP8000:手札3:裏守備1、伏せ1



アリス「わたしのターン。ドローするわ」

アリス「ちょっとあなたの墓地確認させてもらっていいかしら?」

橙  「どうぞ~」

アリス「(…………マッド・リローダー、封印されし者の右腕、封印されし者の左足、平和の使者、か。
    これはどう見ても確定ね……)」

魔理沙「どうだった?」

アリス「間違いないわ。エクゾディアよ」

橙  「よくわかったわね~。正解よ」

アリス「そりゃわかるわよ。パーツがあったし」

魔理沙「どうやら、あいつのデッキは比較的スタンダードなエクゾディアみたいだな。
   デッキを掘り起こして、パーツは墓地に置いておく。
   それを後で一気に手札に戻す戦術か。と、なると……」

アリス「キーカードを揃えられる前に、さっさと勝負をつけないとね」

アリス「裏守備を反転召喚。執念深き老魔術師よ」


《執念深き老魔術師/Old Vindictive Magician》 †
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 450/守 600
リバース:フィールド上の相手モンスター1体を破壊する。


アリス「リバース効果発動。あなたの場の裏守備を破壊するわ」

橙  「これはクリッターだよ」


《クリッター/Sangan》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、
自分のデッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を選択し、
お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。


橙  「ええっと、クリッターの効果発動。デッキからカードを1枚手札に加えるよ。
    わたしが選ぶのは、封印されしエクゾディアだよ」


《封印されしエクゾディア/Exodia the Forbidden One》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000
このカードに加え、「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」
「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」
が手札に全て揃った時、デュエルに勝利する。


魔理沙「さっそく1枚引き込まれたな」

アリス「(墓地にはすでにパーツが二枚。手札には一枚は確定・・・・・・)」

アリス「(それでも、今は攻めるしか他に手はないわ)」

アリス「場の老魔術師を生け贄に捧げ、闇紅の魔導師を攻撃表示で召喚するわ」


《闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)/Dark Red Enchanter》 †
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1700/守2200
このカードが召喚に成功した時、
このカードに魔力カウンターを2個乗せる。
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1個乗せる。
このカードに乗っている魔力カウンター1個につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
また、このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除くことで、
相手の手札をランダムに1枚捨てる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


魔理沙「お。なかなか渋いカード入れてるんだな」

アリス「目の付け所がいいと言ってほしいものね。個人的に、渋いは褒め言葉に聞こえないの。
    闇紅の魔導師の誘発効果発動。
    召喚時、このカードに魔力カウンターが2つ乗せられる。
    よって、このカードの攻撃力は2300よ。
    闇紅の魔導師で、猫にダイレクトアタック!」

橙  「ええっと、これでいいんだよね。トラップ発動よ~。
    光の護封壁を発動するわ」


《光の護封壁/Wall of Revealing Light》 †
永続罠(制限カード)
発動時1000の倍数のライフポイントを払う。
払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃できない。


橙  「3000ポイント支払うわ~」LP8000→5000

魔理沙「これで、アリスの攻撃力3000以下のモンスターは攻撃を封じられたわけか。
   あのカードは早々に破壊したいところだが……」

アリス「(手札にはまだ魔法除去のカードが無いのよね…………なら仕方ないわ。
    とりあえず……)」

アリス「闇紅の魔導師の起動効果を発動。魔法カウンターを二つ取り除くことで、
    あなたの手札をランダムに選んで墓地に捨てる。
    右から二番目のカードを捨てなさい」

橙  「これはブラウだよ~」


《暗黒界の狩人 ブラウ/Broww, Huntsman of Dark World》 †
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1400/守 800
このカードが他のカードの効果によって
手札から墓地に捨てられた場合、
デッキからカードを1枚ドローする。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、
さらにもう1枚ドローする。


橙  「ブラウが墓地に捨てられたことで、効果発動。
    デッキから2枚ドローするよ」

魔理沙「闇紅の効果は不発だな。いや、これはむしろ裏目か。
    お前、こういう運は無いよな」

アリス「うーん。まあ、こういう時もあるわね。
    カードを一枚伏せて、ターンエンドよ」



アリス LP8000:手札4:闇紅、伏せ1
橙   LP5000:手札6:護封壁



橙  「わたしのターン、ドローね」

橙  「手札から、封印の黄金櫃を発動するよ~」


《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。


アリス「(タイムラグはあるけど、万能のサーチカード。
    ということは、もちろん選ぶのは……」

橙  「デッキから、封印されし者の右足を除外するよ」

魔理沙「これで、2ターン後にはあいつの手札にあれが加わる、か。
    となると、デッキに眠っているパーツカードはあと一枚。
    早くも苦しくなってきたな」

アリス「でも魔法カードが発動されたことで、闇紅の魔導師にカウンターが一つ乗るわよ」

橙  「さらに手札から、ディープ・ダイバーを召喚~」


《ディープ・ダイバー/Deep Diver》 †
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1000/守1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた場合、
バトルフェイズ終了時にデッキからモンスターカードを1枚選択し、
デッキの一番上に置く。


橙  「バトルフェイズだよ。ディープ・ダイバーで闇紅の魔導師に攻撃~」

アリス「闇紅の魔導師の攻撃力は2000。自爆特攻のつもりね。
    ディープダイバーは破壊されるわ」

橙  「いたた…………でもディープダイバーが戦闘で破壊されたことで誘発効果発動よ。
    バトルフェイズ終了時に、デッキから封印されし者の左腕を選択。
    デッキの一番上に置くよ」LP5000→4000

魔理沙「って、言ってる側から揃っちゃったじゃないか。お前、大丈夫かよ」

アリス「あの一番上のカードは次のターンのドローで手札に加えられるけど、
    封印の黄金櫃で除外したカードが手元に来るのは4ターン後、まだ余裕はあるわ。
    まあ、あなたはのんびり紅茶でも飲んでなさい」

魔理沙「心配だな~」

橙  「じゃあ次は、今度はこれでいいかな。
    メインフェイズ2で成金ゴブリンを発動。一枚ドローするよ」


《成金ゴブリン/Upstart Goblin》 †
通常魔法
デッキからカードを1枚ドローする。
相手は1000ライフポイント回復する。


魔理沙「早速今サーチした左腕が手札に加えられたな。しかも、相手のライフを回復させてまでドローか。
    本当にエクゾディアを揃える以外に眼中が無いって感じだ」

アリス「でも、闇紅にまたカウンターが乗るわ。これで二つよ」LP8000→9000

橙  「えへへ、なんかわたし勝ってるっぽいわね。
    カードを2枚伏せて、ターンエンド~」



アリス LP9000:手札4:闇紅(カウンター2)、伏せ1
橙   LP4000:手札4:護封壁、伏せ2



アリス「(あのカードさえ来れば、一枚でエクゾディアを破ることができるんだけれど……)
    ドローするわ」

アリス「(…………うわ、ほんとにきちゃった。この補正、癖になりそうだわ~)」

アリス「このカードで、わたしの勝ちは確定ね。
    手札から、カードエクスクルーダーを召喚!」


《カードエクスクルーダー/Card Excluder》 †
効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守 400
相手の墓地に存在するカード1枚を選択しゲームから除外する。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


橙  「かわい~」

アリス「あなた、わたしの言う事聞いてなかったのかしら。そんなこと言ってる場合じゃないでしょう。
    優先権を行使して、カードエクスクルーダーの起動効果発動。
    あなたの墓地のカードを1枚選択して除外する。
    あなたの墓地の、封印されし者の右腕を除外!」

魔理沙「墓地からカードを再利用するカードは幾つかあるが、
    除外されてしまえば、手札に戻る可能性はほぼ無い。
    エクゾディア完成の芽は絶たれる。
    そうなれば、エクゾディア以外に勝つ手段が無いあのデッキはサレンダーするしかない。
    そういうことだな」

橙  「そうなの?」

魔理沙「そうなんだよ」

橙  「それはちょっと危ないわ。
    じゃあ、このリバースカードを発動よ。補充要員!」


《補充要員/Backup soldier》 †
通常罠
自分の墓地にモンスターカードが5枚以上存在する時に発動する事ができる。
自分の墓地から効果モンスター以外の攻撃力1500以下の
モンスターカードを3枚まで手札に加える。


橙  「墓地の封印されし者の右腕、封印されし者の左足を手札に加えるわよ~」

魔理沙「チェーンしてやられたか。
    となると、カードエクスクルーダーの効果は不発だな」

アリス「(くっ、まさかとは思ったけど、もう伏せてあったとはね……悪運の強い)」

アリス「でも、もう手がないわけじゃないわ。
    古のルールを発動! この効果により、手札からブラック・マジシャンを特殊召喚するわ!」


《古のルール/Ancient Rule》 †
通常魔法
自分の手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。


《ブラック・マジシャン/Dark Magician》 †
通常モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。


橙  「(ブラック・マジシャンっ……!?)」

アリス「そして、ブラック・マジシャンが場にいる今こそ、このカードを使わせてもらうわ。
    黒・魔・導……!」


《黒・魔・導(ブラック・マジック)/Dark Magic Attack》 †
通常魔法
「ブラック・マジシャン」が自分フィールド上に
表側表示で存在している時のみ発動する事ができる。
相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。


魔理沙「光の護封壁を破壊か。これで攻撃できる……が」

橙  「そ、それはさらに危ないわ。チェーンして伏せカードをオープン。和睦の使者よ」


《和睦の使者/Waboku》 †
通常罠
このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける
全ての戦闘ダメージを0にする。
このターン自分モンスターは戦闘によっては破壊されない。


魔理沙「意外としぶといぜ。これでこのターンアリスは攻撃しても意味がない」

アリス「そのようね。でも、わたしはこのターン魔法カードを使ったから、
    闇紅の魔術師にさらに二つカウンターが乗るわよ。これで四つね」

アリス「攻撃できないのなら、手札を削らせてもらうわ。
    闇紅の魔術師の起動効果を発動。二回分使うわよ。
    カウンターを4つ取り除いて、あなたの手札を2枚捨てる! 今度は左の2枚よ!」

橙  「封印されしエクゾディアと、またブラウだよ」

魔理沙「って、またかよ……。
    一番サルベージしにくい胴体を射抜いたのはいいが、2枚ドローはきついぜ」

アリス「(う~ん。ほんと、こういう運は無いのよねぇ……。
    とりあえず、胴体を落としたことで時間を稼げるといいけど……)
    ターンエンドよ」



アリス LP9000:手札1:闇紅、ブラマジ、カードエクスクルーダー、伏せ1
橙   LP4000:手札7:なし



橙  「(胴体が落ちちゃった……)わたしのターン、ドローするよ」

橙  「(……お? このカード……。
    これならひょっとして大丈夫かな?)」

橙  「よーし! 手札から、サンダー・ドラゴンの効果を発動するよ!」


《サンダー・ドラゴン/Thunder Dragon》 †
効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻1600/守1500
手札からこのカードを捨てる事で、
デッキから別の「サンダー・ドラゴン」を2枚まで手札に加える事ができる。
その後デッキをシャッフルする。
この効果は自分のメインフェイズ中のみ使用する事ができる。


橙  「このカードを手札から捨てることで、デッキからサンダー・ドラゴン2枚を手札に加えるわ」

魔理沙「(デッキ圧縮のカードか。
    今これを使うということは……狙いは手札コストか?)」

橙  「よーし。手札から、鳳凰神の羽根を発動するよ!」


《鳳凰神の羽根/A Feather of the Phoenix》 †
通常魔法
手札を1枚捨てる。自分の墓地からカードを1枚選択し、デッキの一番上に戻す。


アリス「(くっ、もう引き当てたなんて……。大した時間稼ぎにもならなかったわね)」

橙  「サンダー・ドラゴンを墓地に捨てて、墓地の封印されしエクゾディアをデッキの一番上に戻すわ」

アリス「(でも、通常魔法を使ったことでカウンターがのる。
    次のわたしのターン、闇紅の効果でエクゾパーツを墓地に落として、
    エクスクルーダーで除外すれば、わたしの勝ち……)」

橙  「まだだよ。ライトニング・ボルテックスを発動するわよ~」


《ライトニング・ボルテックス/Lightning Vortex》 †
通常魔法
手札を1枚捨てる。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。


橙  「もう1枚のサンダー・ドラゴンを墓地に捨てて……あなたの表側表示モンスターを全て破壊! えいっ!」

アリス「(ぐっ、これはまずい……!)」

アリス「チェーンして、速攻魔法発動! 月の書!」


《月の書/Book of Moon》 †
速攻魔法(準制限カード)
表側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を裏側守備表示にする。


アリス「ブラック・マジシャンを裏守備表示にするわ。
    闇紅とエクスクルーダーは破壊される」

魔理沙「裏にすることで破壊を回避させたか。
    でも、なんでブラック・マジシャンなんだ?」

アリス「闇紅の魔導師を生き残らせたとしても、裏にすれば、乗っていたカウンターは消滅してしまう。
    となると、次のターンに二つもカウンターを乗せて手札破壊効果を使うのは今のわたしには厳しい。
    なら、ここはブラマジに賭けてみようと思ってね」

橙  「カードを1枚伏せて、ターンエンド。次のターンで、わたしの勝ちよ~」



アリス LP9000:手札1:ブラマジ
橙   LP4000:手札4:伏せ1



魔理沙「(あいつの手札は4枚。うち、右腕、左腕、左足があるってことはわかっている。
   そして、次のドローで胴体が手札に加わり、スタンバイフェイズで封印の黄金櫃で除外した右足が手札に加わる……)」

魔理沙「……確かに、このままだとあいつの勝ちだな。
    お前、まさか2ボスに負けるなんてな~。同情するぜ」

アリス「パートナーになんて言い草よ。
    それに、わたしは負けるつもりなんて全然ないから」

橙  「このターンでわたしを倒せる~?
    無理よね、一介の大道芸師さんにはね~」

アリス「違うって言ってるでしょう、頭の悪い式神ね。
    ひとつ聞きたいんだけど、そのデッキはあの狐からもらったのよね。
    じゃあ、あなたが組んだんじゃないの?」

橙  「そうよ。わたしは藍様の式神。
    だから藍様の力を与えられたわたしは、とっても強いのよ~」

アリス「なにか勘違いしてるわね。
    デッキは自分で作り上げる、いわば自分自身というべきものなの。
    そこには確かに、脈々とした魂の繋がりがある。
    それこそが、デュエリストの強さの本質なのよ」

アリス「あなたのデッキは所詮、他人から与えられた借り物。そこに繋がりは無く、あな
   たが何を求めても決してデッキは答えてはくれない。すなわち強さは存在しないの。
   あなたなんか、おそるるに値しないってことよ」

アリス「これから見せてあげる。本物のデュエリストの絆の強さを! ドロー!」

アリス「…………やっぱりわたしのデッキは答えてくれたみたいね。
    わたしは、場のブラック・マジシャンをリリースし……」

橙  「えっ……ブラマジをリリースですって~?」

アリス「来なさい! 裁きを下しし者、黒魔導の執行官!!」


《黒魔導の執行官(ブラック・エクスキューショナー)/Dark Eradicator Warlock》 †
効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2100
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「ブラック・マジシャン」1体を
生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いのプレイヤーが通常魔法カードを発動する度に、
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。


魔理沙「なあ、水をさすみたいで悪いんだが、ちょっといいか?」

アリス「何よ、今主人公っぽく決めてたのに。無粋な人間ね」

魔理沙「だって、ブラマジとステータス同じじゃないか。駄目だろ、それじゃ。
    そのバーン効果だって、通常魔法が無きゃ意味がないし」

橙  「そ、そうだわっ。その通りよ。あー、びっくりした。
    せっかくだから、今これを発動してあげるわ。
    これは速攻魔法だから、問題はないわよね。スケープ・ゴートよ~」


《スケープ・ゴート/Scapegoat》 †
速攻魔法(制限カード)
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を
4体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)


橙  「羊トークン4体を召喚よ。あなたの手札は1枚。
    それがモンスターだったとしても、このトークンの壁は突破できないわよね~?」

魔理沙「だ、そうだが、結局どうなんだよ?」

アリス「言ったでしょ。本当の強さを見せるとね。
    わたしが引いたカードはこれよ! トゥーンのもくじ!」


《トゥーンのもくじ/Toon Table of Contents》 †
通常魔法
「トゥーン」という名のついたカードをデッキから1枚手札に加える。


橙  「……どういうこと??」

魔理沙「そのまんまだな。
    トゥーンと名のつくカードをデッキから加えることができる通常魔法だ」

橙  「デッキから加えるって、それだけ~? そんなことしてどうするのよ」

アリス「わたしが手札に加えるには、これよ。2枚目のトゥーンのもくじ。
    このカード自体も名前にトゥーンとついているから、サーチが可能なわけね」

橙  「だから何だって言うのよ。
    今更デッキを圧縮したところで、それがどうだって言うの~?」

アリス「ふん、猫はこれだから。黒魔導の執行官のテキストをよく見るのね」

橙  「通常魔法が発動されたとき、相手に1000ダメージ与えるんでしょ?
    わたしのライフは4000よ。
    1枚ぐらい発動されたところで、それぐらい痛くもかゆくも…………って、ああっ!」LP4000→3000

アリス「獣並みの知能だから、気づくのにも相応に時間を要したようね。
    そう。わたしのデッキには、トゥーンのもくじが3枚入っているのよ」

アリス「再び手札から、トゥーンのもくじを発動! またトゥーンのもくじを手札に加える!
    執行官の効果で、さらに1000ダメージ!」

橙  「あああ~、わたしのライフが……」LP3000→2000

アリス「さらに最後のもくじを発動!
    デッキから、トゥーン・キャノン・ソルジャーを手札に加えるわ!」

橙  「最後……ってことは、もう終わり??
    じゃあ、やっぱりわたしの勝ちじゃない! やった!」LP2000→1000

アリス「残念だけど、そうはならないの。今手札に加えたこのカードを召喚するわ」


《トゥーン・キャノン・ソルジャー/Toon Cannon Soldier》 †
トゥーンモンスター
星4/闇属性/機械族/攻1400/守1300
召喚・反転召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。
フィールド上の「トゥーン・ワールド」が破壊された時このカードも破壊する。
自分のフィールド上に「トゥーン・ワールド」があり相手がトゥーンを
コントロールしていない場合このカードは相手を直接攻撃できる。
自分のフィールド上に存在するモンスター1体を生け贄に捧げる度に、
相手ライフに500ポイントダメージを与える。


橙  「・……え~っと」

アリス「トゥーン・キャノン・ソルジャーの起動効果発動!
    自分の場のモンスター1体をリリースするたびに、相手に500ダメージを与える!」

アリス「わたしの場の黒魔導の執行官と、トゥーン・キャノン・ソルジャー自身をリリースするわ!!」

橙  「うにゃあああ……。そんなぁ……」LP1000→500→0

アリス「わたしの勝ちね、生まれ変わって出直してきなさい。
    もちろん、来世も猫に!」

魔理沙「なんだよその意味不明な決めゼリフは……」

アリス「わたしの勝手でしょ。
    さて、それはいいとして、勝負はわたしの勝ちよ。
    アンティルールに乗っ取り、あなたが昨日盗んだカード、返してもらうわ」

橙  「ああ~、負けたせいか式が抜けてきたわ。
    なんかもうどうでもいいって感じ~。はい、これ」

アリス「まったく。でも、このカードで間違いないようね」

魔理沙「一体何を盗まれたんだ? 
    …………これは、サイバー・ダーク・ドラゴンか」

アリス「ええ。タッグデュエル用のデッキに入れようと思ってね」

魔理沙「なるほど、わたしのデッキがドラゴン族だからか。悪くないかもな……」

アリス「それはそうと、何であなたの主人はあなたにこんなことさせたのかしらね?
    今後の為にも聞かせてくれると、何かと参考になりそうなんだけど」

橙  「知らないわよ~。
    でも、やっぱり紫様が藍様に命令したことだとは思うけど」

魔理沙「紫か。大会前に選手のデッキから主力カードを抜いて、有利になろうって算段だろうか。
    あいつがそんな小細工をするとも思えないが」

アリス「そんなに優勝したいのかしらね。
    でも、だったら霊夢なんかよりも自分の式神を組めばいいのに」

魔理沙「霊夢が聞いたら泣くぞ。いや、号泣する」

アリス「あ、そうそう。スペルカードももらわないとね。これでわたしは2枚。
    あと2連勝もすれば、余裕で決勝進出ってところかしら。
    魔理沙、あなたも早くわたしに追いつきなさいよ」

魔理沙「わかってるぜ。そっちこそ、余裕見せすぎて途中で足元すくわれるんじゃないぞ。
    そのサイバー・ダークは、タッグデュエルじゃないと意味ないんだからな。
    ちゃんと決勝まで残ってこいよ」

アリス「じゃあ、いっその事競争ね。どっちが先にスペルカード6枚集めるか……」

魔理沙「おお、それで構わないぜ。
    わたしが勝ったら、お前のコレクションの魔法石を全部もらうからな」

アリス「ぜ、全部って……。
    何やら大会以上におおごとになってきたけど、まあいいわ。
    じゃあわたしが勝ったら、あなたの家ごといただくわ」

魔理沙「おま…………く、だがもう後には退けないぜ」

アリス「別荘にでもしようかしら。
    まあとにかく、ひとまずここで解散ね。一番乗りで神社に戻ってきてやるわ。
    優雅に紅茶を飲みながら待ってるわよ」

魔理沙「それは不法侵入っていうんだぜ」

























                                             ・・・・・・To be continued
第四話です。前回コメント下さった方々ありがとうございましたm(_ _)m
大会始まったということで、今回からタイトルつけることにしました。あまり深い意味はありません。
あと、改行のおかしなところを直しました。多少見やすくなったかと思います。

橙のデッキですが・・・・・・ごらんの通りエクゾディアです。なんというか、インスピレーションでピシッ、ピシピシっと決めました。
漫画を意識したわけじゃないですが、かませ犬にはちょうどよか(ry

という感じで拙い内容ですが、続きを期待される旨のコメントをいただけて、とても心が洗われます。
未だに東方ぽくない部分は多く見苦しいと感じる方も多いかもしれませんが、これからもうpしていこうと思うのでよろしくお願いしますm(_ _)m




<以下コメントの返信>

>誤字
 指摘どうもです。修正しました。

>誤字二回目
 修正しました。間違い多くて申し訳ないです。
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
アリスと橙のバトル前の藍と橙とのやりとりで、ときどき橙の名前が“燈”に……
2.名前が無い程度の能力削除
最後の方のアリスの言葉でとにかうってあるけどとにかくの間違い?
3.名前が無い程度の能力削除
結構、複雑化してきましたねぇ。。 



気になったところといえば、『』の前に名前は、必要ないかと思われます。