Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王3 『れみりゃのホルスデッキ』

2008/04/24 08:19:53
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注意:前回の続きです。
  
























 レミリア【トラップ山積みホルス】LP8000
  
              VS

              魔理沙【ドラゴン上級軸】LP8000






パチェ「じゃあ、先攻はレミィで」

魔理沙「っておい。勝手に決めるな」

レミ 「それも運命よ。わたしのターン、ドロー」

レミ 「プロミネンス・ドラゴンを攻撃表示で召喚」


《プロミネンス・ドラゴン/Solar Flare Dragon》 †
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1500/守1000
自分フィールド上にこのカード以外の炎族モンスターが存在する場合、
このカードを攻撃する事はできない。
自分のターンのエンドフェイズ時、
このカードは相手ライフに500ポイントダメージを与える。


アリス「毎ターン、バーン効果を持つモンスターね」

霊夢 「先攻でいきなりダメージを与えてくるなんて、エグいことするわ。
    まあレミリアらしいけど」

レミ 「さらにカードを1枚伏せてターンエンド。
    エンドフェイズにプロミネンス・ドラゴンの誘発効果が発動し、魔理沙に500ダメージを与える。
    炎に焼かれるがいいわ」

魔理沙「いきなりご挨拶だな。だが、この程度のくす火なら涼しいもんだぜ」LP8000→7500



レミ  LP8000:手札4:プロミ、伏せ1
魔理沙 LP7500:手札6:無し



魔理沙「わたしのターンだな。ドローするぜ」

アリス「ねえ、霊夢。魔理沙はなんのデッキを使うの?」

霊夢 「まんまよ。
    馬鹿みたいに派手好きだから、馬鹿みたいに攻撃力を求めたドラゴン族デッキ。というか馬鹿」

魔理沙「聞こえてるぜ。わたしに一度も勝てたこと無い奴がよく言うよな。
    それにわたしを侮辱することは、社長への侮辱だ」

魔理沙「さあて……まずはこの辺からいくか。
    アックス・ドラゴニュートを、攻撃表示で召喚」


《アックス・ドラゴニュート/Axe Dragonute》 †
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守1200
このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。


レミ 「あら、あなたもドラゴン族なのね」

魔理沙「伝説の生物であるドラゴンを他において、これを上回る破壊力を持つ種族はいないぜ。
    アックス・ドラゴニュートで、プロミネンス・ドラゴンに攻撃だ!」

レミ 「そんな単純な攻撃が通じると思っているあたり、浅はかと言わざるを得ないわね。
    永続トラップ発動。血の代償よ」


《血の代償/Ultimate Offering》 †
永続罠(制限カード)
500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。
この効果は自分のターンのメインフェイズ及び
相手ターンのバトルフェイズのみ発動する事ができる。


レミ 「500ライフを払って、通常召喚の機会を得る。
    わたしは、手札からもう1体のプロミネンス・ドラゴンを攻撃表示で召喚。
    この意味がわかるわよね?」LP8000→7500

霊夢 「2枚揃えてすごいでしょってことかしら」

パチェ「違うわよ。プロミネンス・ドラゴンは、エンドフェイズにダメージを与える誘発効果と、
    相手の攻撃対象を制限する永続効果を持っている」

アリス「2枚のプロミネンス・ドラゴンはお互いが炎族。
    つまり、どちらも攻撃対象に選択することはできないってことね」

魔理沙「攻撃を封じられたか。厄介だな」

魔理沙「(……血の代償が入っている以上、あいつのデッキをロックバーンと決め付けるのは早計だな)
    カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



レミ  LP7500:手札3:プロミ2、代償
魔理沙 LP7500:手札4:アックス、伏せ1



レミ 「ふふふ、ドローするわ」

レミ 「カードを1枚伏せて、ターンエンド。
    エンドフェイズに、2体分のプロミネンスドラゴンの効果が発動する。
    1000ポイントダメージを受けなさい」

魔理沙「(……ちっ、攻撃は仕掛けて来ないか。
    やはりこちらから崩しにいくしかないな)」LP7500→7000→6500

アリス「何もしなくとも毎ターン1000ライフが削られていく……しかも攻撃はできない。やっぱり強力なコンボだわ」

パチェ「レミィは圧倒的な力で敵を吹き飛ばす戦術を好むけど、
    ああして動けない相手をゆっくりといたぶるのも好きなのよ」

霊夢 「一思いにサクッてのもいいけど、じわりじわりもまたよしってわけね」

アリス「いずれにせよ、サディストなのには変わりないわね」



レミ  LP7500:手札3:プロミ2、代償、伏せ1
魔理沙 LP6500:手札4:アックス、伏せ1



魔理沙「ドローするぜ」

魔理沙「(……よし、ナイスカードだな。これであのロックを崩せる)」

魔理沙「モンスターを裏守備でセット。
    さらにカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



レミ  LP7500:手札3:プロミ2、代償、伏せ1
魔理沙 LP6500:手札3:アックス、裏守備1、伏せ2



レミ 「何もできないのね。初めの威勢はどこへ行ったのやら。ドロー」

魔理沙「何かしてほしいなら、望みどおり実行に移してやるぜ。
    ドローフェイズ終了時にリバースカードオープン。魔のデッキ破壊ウイルスだ」


《魔のデッキ破壊ウイルス/Deck Devastation Virus》 †
通常罠
自分フィールド上の攻撃力2000以上の闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる。
相手のフィールド上モンスターと手札、発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間に
相手がドローしたカードを全て確認し、攻撃力1500以下のモンスターを破壊する。


魔理沙「場のアックス・ドラゴニュートをリリースするぜ。
    このカードの効果により、場のプロミネンス・ドラゴンは全て破壊される。
    さらに、お前の手札を確認させてもらうぞ」

レミ 「狡い真似をしてくれるわね。
    でも惜しむらくは、わたしの手札には攻撃力1500以下のモンスターはいないということだけど」


手札:デビルズ・サンクチュアリ、ホルスの黒炎竜LV4、洗脳、貪欲な壷


魔理沙「…………。
    ああ、そのようだな」

魔理沙「(……レミリアのデッキはお触れホルスか。間違いなさそうだぜ)」

レミ 「地獄の釜の底を覗き込んで、自らの運命が垣間見えたかしら?
    あなたの人生の末路……その先にて待ち受けるはこのモンスターよ。
    手札から、ホルスの黒炎竜LV4を召喚!」


《ホルスの黒炎竜 LV4/Horus the Black Flame Dragon LV4》 †
効果モンスター
星4/炎属性/ドラゴン族/攻1600/守1000
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
コントロールを変更する事はできない。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で 「ホルスの黒炎竜 LV6」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。


アリス「あれは……レベルアップモンスター」

霊夢 「レベル? 何よそれ」

パチェ「そんなことも知らないの? 
    条件を満たせば自動的にレベルが上がり、能力、効果ともに強力になるモンスター達のことよ」

アリス「なんかカードデザインが一際気合入ってたから記憶に残ってるわ。
    特にあのホルスの黒炎竜は、レベルモンスターの中でも一際強力な効果を持っていたはず……」

霊夢 「それってどんな効果なの?」

アリス「あ、いや。そこまでは覚えてないわ」

霊夢 「ですよね……」

レミ 「わたしの高貴なる手札を晒しものにした行いは、万死、いや億死に値する。
    ホルスLV4で裏守備に攻撃!」

魔理沙「こいつは仮面竜だぜ」


《仮面竜(マスクド・ドラゴン)/Masked Dragon》 †
効果モンスター
星3/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、
デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。


魔理沙「破壊され墓地に送られたことで、誘発効果発動。
    デッキから、こいつを攻撃表示で特殊召喚するぜ。
    来い、ダークブレイズドラゴン!」


《ダークブレイズドラゴン/Darkblaze Dragon》 †
効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻1200/守1000
このカードが墓地からの特殊召喚に成功した時、
このカードの元々の攻撃力・守備力は倍になる。
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地に送った時、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。


パチェ「……いきなりレベル7のモンスターか」

霊夢 「でも、ステータスは大したことないわ。あれじゃすぐやられちゃうわよ」

アリス「あるいは、それも魔理沙の計画の内かもね。
    あのカードは墓地に置いておくことで真価を発揮するカードだし」

レミ 「ふふふ。最上級モンスターを召喚できたのはいいけど、まさか忘れてはいないわよね。
    ホルスの黒炎竜は相手モンスターを戦闘で破壊することで、エンドフェイズにレベルが上昇するのよ」

レミ 「エンド宣言をするわ。
    そしてこの瞬間……場のホルスの黒炎竜LV4を墓地に送り、
    デッキからホルスの黒炎竜LV6を攻撃表示で特殊召喚する!」


《ホルスの黒炎竜 LV6/Horus the Black Flame Dragon LV6》 †
効果モンスター
星6/炎属性/ドラゴン族/攻2300/守1600
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
魔法の効果を受けない。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜 LV8」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。



レミ  LP7500:手札3:ホルスLV6、代償、伏せ1
魔理沙 LP6500:手札3:ダークブレイズ、伏せ1



アリス「レベルが上がったことで、攻撃力が一気に上がったわね」

パチェ「それだけじゃないわ。ホルスを包み込む黒炎は、魔法の力を消滅させる力を持つ。
    レベル6になり、もはや魔法に対する完全な耐性を身につけた。
    こうなれば倒すのは容易ではないわ」

霊夢 「なるほど……。
    それにしても、パチュリーの解説はわかりやすくていいわね。これからも頼むわ」

アリス「まあ、キャラとしてはこれ以上なくうってつけだしね」

パチェ「(キャラって何かしら……)」

魔理沙「わたしのターン、ドロー」

魔理沙「(確かにあのモンスターは厄介だが……
    それでも、ここで倒さなければ、ホルスはさらにレベルを上げてしまう。
    今の状況で最強のレベル8に進化されたら、もうこちらに勝ち目はない。
    なんとしてでも阻止するぜ)」

魔理沙「(問題はあのリバースカードだが…………
    もしあれが王宮のお触れだったら、さっきの魔デッキの発動時にチェーンして無効にしていたはず。
    そうでないとすると、あれは迎撃用に違いない。なら、おそらくは……)」

魔理沙「手札から、巨大化を発動。ダークブレイズドラゴンに装備するぜ」


《巨大化/Megamorph》 †
装備魔法(制限カード)
自分のライフポイントが相手より少ない場合、
装備モンスター1体の元々の攻撃力を倍にする。
自分のライフポイントが相手より多い場合、
装備モンスター1体の元々の攻撃力を半分にする。


魔理沙「ライフポイントはこっちの方が少ない。
    よって、ダークブレイズドラゴンの攻撃力は倍の2400になる。
    いけ、ダークブレイズドラゴン! ホルスLV6に攻撃だ!」

レミ 「甘いわね。ダメージステップに伏せカードオープン。収縮よ。これで返り討ちね」


《収縮/Shrink》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択する。
そのモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。


魔理沙「やはりな、読みどおりだぜ」LP6500→4800

レミ 「何ですって?」

魔理沙「こっちも伏せカードオープンだ。タイム・マシーンを発動!」


《時の機械-タイム・マシーン/Time Machine》 †
通常罠
モンスター1体が戦闘によって墓地に送られた時、
同じ表示形式でそのモンスターをフィールド上に戻してもよい。
(それは召喚扱いではない)


魔理沙「今破壊されたダークブレイズドラゴンを復活させる。
    テキストにはこう書いてあるが、これはれっきとした特殊召喚だぜ。
    よって、ダークブレイズドラゴンの誘発効果が発動。
    元々の攻撃力・守備力が倍になる!」

アリス「やるわね、魔理沙。
    相手のリバースカードを読みきったうえで、最善の手をうつなんて」

パチェ「攻撃力2400……ホルスの攻撃力を上回ったというの」

魔理沙「バトルフェイズに特殊召喚されたこのカードには、当然攻撃する権利が残されている。
    そしてこのカードが相手モンスターを戦闘で破壊して墓地に送った時、
    そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

魔理沙「行くぜ。ダークブレイズドラゴンで、ホルスLV6に攻撃! ゲノサイドブレス!」

レミ 「……やってくれるわね」LP7500→7400→5100

魔理沙「これでライフが並んだな。
    モンスターを裏守備で出して、ターンエンドだ」



レミ  LP5100:手札3:代償
魔理沙 LP4800:手札2:ダークブレイズ、裏守備1



レミ 「ならば、わたしのターンよ。ドローするわ」

魔理沙「魔のデッキ破壊ウイルスの効果は継続中だ。ドローしたカードを確認させてもらうぜ」

レミ 「ふふ、好きにしなさい。もっとも、これは魔法カードだけど」


 つ 平和の使者


魔理沙「(ここであのカードをひくか……運のいいやつだぜ)」

レミ 「気は済んだ? じゃあさっそくこれを発動させてもらうわよ」


《平和の使者/Messenger of Peace》 †
永続魔法
お互いに表側表示の攻撃力1500以上のモンスターは攻撃宣言が行えない。
自分のスタンバイフェイズ毎に100ライフポイントを払う。
払わなければ、このカードを破壊する。


レミ 「このカードがある限り攻撃力1500以上のモンスターは攻撃できない。ターンエンドよ」



レミ  LP5100:手札3:代償、平和
魔理沙 LP4800:手札2:ダークブレイズ、裏守備1



魔理沙「(……ダークブレイズドラゴンの攻撃を封じられたか。
    でも、今手札に魔法破壊のカードはないんだよな)
    ドローするぜ」

アリス「何やってるのよ魔理沙。平和をなんとかしないと、何もできないわよ」

魔理沙「あー、言われなくてもわかってるっての。
    でも何もできない時はできないのが遊戯王なんだよ。このままターンエンドだ」



レミ  LP5100:手札3:代償、平和
魔理沙 LP4800:手札3:ダークブレイズ、裏守備1



レミ 「ふふふ、どうやら魔法除去のカードは無いみたいね。ドロー」

魔理沙「おっと、手札を見せてもらうぜ」


   つ ダンディライオン


魔理沙「(攻撃力1500以下だから破壊される、が……)」

レミ 「ダンディライオンは墓地に送られることで、トークンを生み出す。
    残念だったわね。綿毛トークン2体を召喚」


《ダンディライオン/Dandelion》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/地属性/植物族/攻 300/守 300
このカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上に「綿毛トークン」
(植物族・風・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。
このトークンは特殊召喚されたターン、生け贄召喚のための生け贄にはできない。


レミ 「スタンバイフェイズに、平和の使者のコスト100ポイントを払う。ターンエンドよ」LP5100→5000



レミ  LP5000:手札3:綿毛トークン2、代償、平和
魔理沙 LP4800:手札3:ダークブレイズ、裏守備1



霊夢 「なんか膠着してるわね。まどるっこしいわ」

パチェ「仕方ないわ。平和の使者がある以上魔理沙側は攻撃できないし、
    レミィの方は魔デッキの効果で手札を見られてるから攻めにくい。
    でも逆に言えば、その効果が切れた時がレミィの反撃ののろしとなるわね」

アリス「なるほど。攻撃一辺倒かと思ったら、きちんと状況に基づいたプレイをしているのね。
    凶猛にして狡猾、さすが吸血鬼というだけの事はあるわ。怖くはないけど」

霊夢 「まあ、見た目があれだしね」

レミ 「失敬な。カルシウムぐらい毎日摂ってるわ」

魔理沙「それは関係無いと思うけどな。ドローするぜ」

魔理沙「わたしは手札から2枚目の仮面竜を召喚。
    こいつの攻撃力は1400、平和の使者のロックにはひっかからないぜ。
    綿毛トークンに攻撃」

レミ 「1体ぐらい破壊されてあげるわ」

魔理沙「(ふん、ずいぶんと余裕の表情だな……)ターンエンドだ」



レミ  LP5000:手札3:綿毛トークン、代償、平和
魔理沙 LP4800:手札3:ダークブレイズ、仮面竜、裏守備1


レミ 「わたしのターン、ドロー。
    魔のデッキ破壊ウイルスの効果は前のターンで終わっている。
    もうドローカードを見せる必要もないわね」

レミ 「スタンバイフェイズに平和の使者のコストを払うわ。
    もう必要なさそうだけど、念のために、ね」LP5000→4900

レミ 「いくわよ。場の綿毛トークンを生け贄に、2枚目のホルスの黒炎竜LV6を召喚! 
    仮面竜に攻撃! ダーク・ゲヘナフレイム!」

霊夢 「あれ? 平和の使者があるから、攻撃できないんじゃないの?」

パチェ「ホルスのテキストをよく見なさい。
    ホルスLV6は、全ての魔法の効果を受けない。
    除去魔法はもちろん、光の護封剣などのロック系のカードすら、あのカードには無力なのよ」

アリス「ロックカードを展開して、自分だけ攻撃を仕掛ける……これまたやっかいな戦術ね」

魔理沙「くっ……仮面竜の誘発効果発動!
    デッキから、3枚目の仮面竜を守備表示で特殊召喚!」LP4800→3900

レミ 「ふふふ。かろうじてモンスターを場に留めたみたいだけど、無駄よ。       相手モンスターを戦闘で破壊したことで、ホルスは最強形態に移行する……」

パチェ「どうやら……くるわよ、レミィの主力カードが」

レミ 「エンドフェイズにLV6を墓地に送り…………ホルスの黒炎竜、LV8!
    攻撃表示で特殊召喚よ!!」


《ホルスの黒炎竜 LV8/Horus the Black Flame Dragon LV8》 †
効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードは通常召喚できない。
「ホルスの黒炎竜 LV6」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
魔法の発動と効果を無効にし破壊することができる。


霊夢 「攻撃力3000ですって!?」

アリス「いや、問題はそれよりもあのカードが持つ効果……」

パチェ「そう。進化したLV8は、全ての魔法を無力化する。
    しかも無効にする効果はあくまで任意効果であるから、
    レミィは自分の魔法カードは普通に使うことができる。
    つまり、魔法を封じられたのは魔理沙のみ。
    これで魔理沙がこれから引いてくる魔法カード、及び今手札にある魔法カードは、
    全て紙くずも同然になったということよ」

霊夢 「そんな……反則じゃない」

アリス「デュエルを成り立たせている要素の一つ、魔法カード。
    それそのものを封じられるとなれば、魔理沙にとってはゲームの根本を覆す事態……」

アリス「(魔理沙は一体どう切り抜けるのかしら……)」

レミ 「もうこれで、あなたは羽をもがれた鳥も同然ね。ターンエンド」



レミ  LP4900:手札3:ホルスLV8、代償、平和
魔理沙 LP3900:手札3:ダークブレイズ、仮面竜、裏守備1



魔理沙「わたしのターンだ。ドロー」

魔理沙「(……引いたのは…………ミラーフォースか)」

霊夢 「魔理沙、悩んでるわね」

アリス「さすがにね。でもLV8は確かに強力だけど、何も手がないわけじゃないはずよ。
    魔法が駄目なら、戦闘、トラップ、モンスター効果のいずれかで対処すればいい」

パチェ「そうは言うけど、攻撃力3000の怪物を、収縮も装備魔法も使わずに戦闘で破壊するのは困難。
    となれば、残るは罠かモンスター効果だけ。
    しかしレミィのデッキには、いずれも対策は十分できている」

霊夢 「それがわかっているからこそ、魔理沙も動きづらくなってるってことかしら」

アリス「ふん、怖気づくなんてらしくないわね。
    魔理沙なら遠くからチョン避けなんかしないで、
    再接近して集中砲火、速攻撃破が信条じゃなかったの?」

魔理沙「ったく、言いたい事ばかり言ってくれるぜ。
    まあ、確かに考えてばかりでも仕方ないな。
    ダークブレイズドラゴンを守備表示に変更。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」



レミ  LP4900:手札3:ホルスLV8、代償、平和
魔理沙 LP3900:手札3:ダークブレイズ、仮面竜、裏守備1、伏せ1



レミ 「ようやく横に曲げたわね。ドロー」

レミ 「ふふふ、いいカードを引いたわ。
    まずはスタンバイフェイズに平和の使者を破壊。
    そしてメインフェイズで、手札からデビルズ・サンクチュアリを発動」


《デビルズ・サンクチュアリ/Fiend's Sanctuary》 †
通常魔法
「メタルデビル・トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を
自分のフィールド上に1体特殊召喚する。
このトークンは攻撃する事ができない。
「メタルデビル・トークン」の戦闘によるコントローラーへの超過ダメージは、
かわりに相手プレイヤーが受ける。
自分のスタンバイフェイズ毎に1000ライフポイントを払う。
払わなければ、「メタルデビル・トークン」を破壊する。


レミ 「わたしの場に、メタルデビル・トークンを特殊召喚。
    そしてこのトークンをリリースし、サイコ・ショッカーを攻撃表示で召喚するわ」


《人造人間-サイコ・ショッカー/Jinzo》 †
効果モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り罠カードは発動できず、
全てのフィールド上罠カードの効果は無効になる。


魔理沙「(……しまったぜ。ミラフォが……)」

アリス「魔法に続いて、罠まで封じられるなんて……」

パチェ「あれこそがレミィのデュエルよ。
    魔法、トラップと相手の行動を制限し、逃げ場を無くした所で圧倒的な攻撃力のモンスターを使いトドメを差す。
    相手は圧倒的な無力感と絶望感に苛まれ、最終的に肉体とともに精神も服従を余儀なくされる……」

アリス「徹底的に相手を支配しないと気が済まないってわけか……やはり根は邪悪ね。
    それでこそ吸血鬼、うん」

霊夢 「うん、じゃないわよ! これじゃ本当に身動きとれないじゃない。
    動けない魔理沙なんて、ナパームぐらいしか能が無くなるわよ」

魔理沙「まだマスパぶっぱがあるぜ。デュエルには関係ないが」

レミ 「さあ、奈落は目の前よ。一思いに、一気に底まで突き落としてあげる!
    まずは、サイコ・ショッカーでダークブレイズドラゴンに攻撃。
    サイバー・エナジー・ショック!」

魔理沙「くっ、ダークブレイズが……」

レミ 「そして、次はいよいよホルスの出番よ。ホルスの黒炎竜LV8で仮面竜に攻撃!
    スカーレット・メギトフレイム!!」

魔理沙「仮面竜は破壊される。仮面竜の誘発効果発動!
    デコイドラゴンを守備で特殊召喚するぜ!」


《デコイドラゴン/Decoy Dragon》 †
効果モンスター
星2/炎属性/ドラゴン族/攻 300/守 200
このカードが相手モンスターの攻撃対象になった時、
自分の墓地からレベル7以上のドラゴン族モンスター1体を選択して
自分フィールド上に特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替える。


レミ 「(……!? 最上級モンスターを蘇生させるカードか。
    でも魔理沙の墓地の蘇生可能なモンスターはダークブレイズドラゴンだけ。
    ホルスの前では特殊召喚しても壁にしかならない)」

レミ 「(ふっ……ならばどうということはない。時間稼ぎなのが見え見えね)
    ターンエンドよ」



レミ  LP4900:手札2:ホルスLV8、ショッカー、代償、
魔理沙 LP3900:手札3:デコイ、裏守備1、伏せ1



魔理沙「(デコイドラゴンだけじゃそう長くもたないぜ。やはりホルスをなんとかしないと……)」

魔理沙「ドローするぜ」

魔理沙「(このカードは…………よし、いける!)」

魔理沙「裏守備の神竜ラグナロクを生け贄にささげて、こいつを召喚だ!
    現れろ! ホワイト・ホーンズ・ドラゴン!」


《ホワイト・ホーンズ・ドラゴン/White-Horned Dragon》 †
効果モンスター
星6/闇属性/ドラゴン族/攻2200/守1400
このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、
相手の墓地から魔法カードを5枚まで選択しゲームから除外する。
この効果で除外したカード1枚につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。


レミ 「そんな貧相な竜がなんだというのかしら」

魔理沙「その余裕もすぐに吹き飛ばしてやるぜ。ホワイト・ホーンズ・ドラゴンの誘発効果発動!
    お前の墓地の収縮、デビルズ・サンクチュアリ、平和の使者を除外する!」

レミ 「……除外ですって?」

魔理沙「除外された魔法力をホワイト・ホーンズ・ドラゴンのツノが吸収するぜ。
    3枚除外したことで、このカードの攻撃力は900ポイントアップ。
    よって攻撃力は3100だ!」

アリス「すごいわ! 生け贄1体でホルスの攻撃力を上回った」

魔理沙「バトルフェイズだ。ホワイト・ホーンズ・ドラゴンでホルスLV8を攻撃!
    光のルミネス・ストライク!」

レミ 「ぐっ……! おのれ、わたしのホルスを……」LP4900→4800

霊夢 「やった! LV8を倒したわ!」

パチェ「そんな、まさか……レミィのLV8がやられるなんて」

魔理沙「カードを1枚伏せて、ターンエンドだぜ」



レミ  LP4800:手札2:ショッカー、代償、
魔理沙 LP3900:手札2:ホワイトホーンズ、デコイ、伏せ2



レミ 「……人間風情が過ぎた真似を。今のターンは高くつくわよ。ドロー」

レミ 「手札から、貪欲な壷を発動。
    墓地のホルスLV4、LV6、プロミネンスドラゴン2枚、
    ダンディライオンをデッキに戻し、さらにデッキから二枚ドロー」


《貪欲(どんよく)な壺/Pot of Avarice》 †
通常魔法(準制限カード)
自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。


魔理沙「(そういや手札にあったな。アドバンテージを戻されたぜ)」

レミ 「さらに、洗脳を発動よ」


《洗脳-ブレインコントロール/Brain Control》 †
通常魔法(制限カード)
800ライフポイント払う。
相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。
発動ターンのエンドフェイズまで、選択したカードのコントロールを得る。


魔理沙「……むっ! 洗脳だと?」

レミ 「ホワイト・ホーンズ・ドラゴンをいただくわ」LP4800→4000

魔理沙「(これを通したらやばい、か……。なら、ここはこれを……)
    リバースカードオープン! 速攻魔法だ。月の書!」


《月の書/Book of Moon》 †
速攻魔法(制限カード)
表側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を裏側守備表示にする。


魔理沙「ホワイトホーンズを裏守備に変更する。洗脳の効果は無効だぜ」

アリス「洗脳は表側表示のモンスターしか対象にできない。
    無理やり裏守備にすることで、コントロールを奪われるのを防いだのね。
    魔理沙ったら、弾幕に似合わずテクい真似するわ」

魔理沙「十分似合ってるから放っておいてほしいぜ」

レミ 「ふふふ、でも守備表示になっちゃサイコショッカーの攻撃には耐えられないわね。
    ショッカーで裏守備に攻撃! サイバー・エナジー・ショック!」

魔理沙「くっ……ホワイトホーンズが」

レミ 「カードをモンスターを裏守備で出してターンエンドよ」



レミ  LP4000:手札2:ショッカー、裏守備、代償、
魔理沙 LP3900:手札2:デコイ、伏せ1



霊夢 「それにしても、お互い拮抗してるわね。
    ライフポイントもなかなか減らないし……」

アリス「魔理沙の方に流れが傾きかけたかと思ったら、すぐに盛り返されたしね。
    でも、苦しいのはお互いのはずよ」

魔理沙「わたしのターンだ。ドロー」

魔理沙「よし、わたしも貪欲な壷を使わせてもらうぜ。
    墓地のアックス・ドラゴニュート、神竜ラグナロク、仮面竜3枚をデッキに戻し、カードを二枚ドロー!」

魔理沙「モンスターを裏守備でセット。さらにカードを1枚伏せてターンエンドだ」



レミ  LP4000:手札2:ショッカー、裏守備、代償、
魔理沙 LP3900:手札2:デコイ、裏守備、伏せ2



レミ 「わたしのターン、ドロー」

レミ 「(……墓地にダークブレイズドラゴンがいる以上、デコイドラゴンに攻撃はできないわね)」

レミ 「となると、あの裏守備だけど…………おそらくはまた仮面竜あたりかしら。
    なら一応攻撃しておくべきか)」

レミ 「ショッカーで裏守備に攻撃よ。サイバー・エナジー・ショック!」

魔理沙「仮面竜だぜ。誘発効果発動!
    お前がホルスなら、わたしはこいつを呼ばせてもらう。
    来い、アームド・ドラゴンLV3!」


《アームド・ドラゴン LV3/Armed Dragon LV3》 †
効果モンスター
星3/風属性/ドラゴン族/攻1200/守 900
自分のターンのスタンバイフェイズ時、表側表示のこのカードを墓地に送る事で
「アームド・ドラゴン LV5」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。


アリス「あれは……魔理沙もレベルアップモンスターをいれてたのね」

レミ 「ふふ、まさかわたしのホルスに正面から張り合おうなんて。
    人間っておもしろいわね。ターンエンドよ」



レミ  LP4000:手札3:ショッカー、裏守備、代償
魔理沙 LP3900:手札2:アームドLV3、デコイ、伏せ2



魔理沙「余裕ぶっていられるのも今のうちだぜ。ドロー!」

魔理沙「スタンバイフェイズに、アームド・ドラゴンLV3の効果発動だ。
    アームドドラゴンLV3の成長条件は、わたしのターンのスタンバイフェイズに表側表示で存在すること。
    LV3を墓地に送り、デッキからアームド・ドラゴンLV5を攻撃表示で特殊召喚するぜ!」


《アームド・ドラゴン LV5/Armed Dragon LV5》 †
効果モンスター
星5/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1700
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスター1体を破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で「アームド・ドラゴン LV7」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。


霊夢 「ショッカーと攻撃力が並んだわ! これで相打ちに持ち込めるわね」

魔理沙「そんなこともったいない事をするつもりはないぜ。アームドドラゴンLV5の、起動効果発動!
    手札にモンスターカードを墓地に送ることで、そのカードの攻撃力以下のモンスターを破壊する!
    わたしが墓地に送るのはヘルカイザー・ドラゴン。攻撃力は2400だ。
    よってサイコ・ショッカーを破壊!」

レミ 「チィ、そんな効果があったとはね」

魔理沙「サイコ・ショッカーが消え去ったことで、罠カードが使えるな。
    リバースカードオープン! 正統なる血統だ!」


《正統なる血統/Birthright》 †
永続罠
自分の墓地から通常モンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターがフィールド上に存在しなくなった時、このカードを破壊する。


霊夢 「通常モンスター専用の蘇生カード……でも、魔理沙の墓地に通常モンスターなんていたっけ?」

アリス「あなたの目は背中にでもついているの?
    たった今ヘルカイザードラゴンを墓地に送ったじゃない」

魔理沙「そういうことだぜ。ヘルカイザー・ドラゴンはデュアルモンスター。
    墓地にいるときは通常モンスターとして扱う。攻撃表示で特殊召喚するぜ」


《ヘルカイザー・ドラゴン/Chthonian Emperor Dragon》 †
デュアルモンスター
星6/炎属性/ドラゴン族/攻2400/守1500
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、
通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。


パチェ「次々と強力なモンスターを…………ドラゴンデッキは重いけど、回れば恐ろしいわね」

魔理沙「まだだぜ。わたしはまだ召喚権を使っていない。
    デュアルモンスターは、召喚権を使ってもう一度召喚することで、新たな効果を得る。
    わたしはヘルカイザー・ドラゴンを再度召喚! これでこのカードは二回攻撃が可能になったぜ」

霊夢 「攻撃力2400で二回攻撃ですって!?」

魔理沙「このターンで終わらせてやる! アームドLV5で裏守備に攻撃!
    スターダスト・アームド・ストライク!」

レミ 「言っとくけど、これはマシュマロンよ」


《マシュマロン/Marshmallon》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/光属性/天使族/攻 300/守 500
裏側表示のこのカードを攻撃したモンスターのコントローラーは、
ダメージ計算後に1000ポイントダメージを受ける。
このカードは戦闘によっては破壊されない。(ダメージ計算は適用する)


魔理沙「って……うわああ! やる気が跳ね返ってきたぜ……」LP3900→2900

パチェ「戦闘破壊されないモンスターなら、二回攻撃も無意味ね。
    しかも、ここにきて1000ダメージは痛いわ」

霊夢 「今のは精神的にも挫かれた感じがするわね。
    まあ魔理沙は馬鹿だから、すぐ立ち直ってくれそうだけど」

魔理沙「なんでお前がさっきから勝手なキャラづけをしようとしてるのかはわからんが、
    わたしの心はこの程度で折れはしないぜ。メインフェイズ2に移行する」

魔理沙「戦闘では倒せなくとも効果ならOKだな。再びアームドLV5の起動効果発動だ。
    手札のタイラント・ドラゴンを墓地に送る。マシュマロンを破壊して、ターンエンドだ」



レミ  LP4000:手札3:代償
魔理沙 LP2900:手札1:アームドLV5、デコイ、ヘルカイザー、血統、伏せ1



レミ 「(相手の場には上級モンスターが2体。それも片方は二回攻撃つき……
    気に食わないけど、押されているのは認めるしかないみたいね)」

レミ 「わたしのターン、ドロー」

レミ 「カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



レミ  LP4000:手札2:代償、伏せ2
魔理沙 LP2900:手札1:アームドLV5、デコイ、ヘルカイザー、血統、伏せ1



魔理沙「(よーし……ここは攻め時だな)ドローするぜ」

魔理沙「ヘルカイザー・ドラゴンで、レミリアにダイレクトアタックだ!」

レミ 「残念ね。速攻魔法発動、スケープゴート。
    羊トークンを4体特殊召喚するわ」


《スケープ・ゴート/Scapegoat》 †
速攻魔法(制限カード)
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を
4体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)


魔理沙「ちっ、スケゴだったか。
    ヘルカイザー・ドラゴンとアームド・ドラゴンでトークン3体を破壊するぜ」

霊夢 「惜しかったわね。ヘルカイザー・ドラゴンの二回攻撃が通れば魔理沙の勝ちだったけど」

アリス「(さすがにそう簡単にはいかなかった、か。
    でも、まだ魔理沙の方がはるかに有利な事に変わりは無いはず……)」

魔理沙「それでもわたしは油断するつもりはないけどな。
    アームドドラゴンLV5の効果を忘れてもらっちゃ困るぜ。
    相手モンスターを戦闘で破壊したことで、アームドドラゴンLV5はLV7に進化する!」

魔理沙「今こそ現れろ! アームド・ドラゴンLV7!」


《アームド・ドラゴン LV7/Armed Dragon LV7》 †
効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
「アームド・ドラゴン LV5」の効果でのみ特殊召喚できる。
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスターを全て破壊する。


パチェ「(LV7……! ステータスだけならレミィのホルスに匹敵する!)」

魔理沙「ふふん、これでわたしの布陣は完璧だぜ。ターンエン……」

レミ 「待ちなさい。あなたがアームドドラゴンを進化させることはわかっていたわ。
    特殊召喚にチェーンして、リバースカードオープン。奈落の落とし穴よ」


《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》 †
通常罠
相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時、
そのモンスターを破壊しゲームから除外する。


魔理沙「(д ) ゚ ゚」

霊夢 「あらら」

アリス「意気揚々と出して3秒で返り討ち……不憫ね」

パチェ「さすがレミィ、レベルアップモンスターの弱点をついた見事な読みだわ」

レミ 「ふふん。やっぱり奈落を入れといて正解だったわね」

魔理沙「さすがにこれは、精神的に効いたぜ…………ターンエンド」



レミ  LP4000:手札2:羊トークン、代償
魔理沙 LP2900:手札1:デコイ、ヘルカイザー、血統、伏せ1



レミ 「わたしのターン。……ふふふ、いいカードを引いたわ」

レミ 「手札から速攻魔法発動。エネミーコントローラー」


《エネミーコントローラー/Enemy Controller》 †
速攻魔法
次の効果から1つを選択して発動する。
●相手フィールド上の表側表示モンスター1体の表示形式を変更する。
●自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。
相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。
発動ターンのエンドフェイズまで、選択したカードのコントロールを得る。


レミ 「わたしは下の効果を選択。場の羊トークンをリリースし、
    ヘルカイザー・ドラゴンのコントロールを得る!」

魔理沙「くっ、これはまずいぜ」

レミ 「さらに、手札から幻銃士を召喚」


《幻銃士/Phantom Skyblaster》 †
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1100/守800
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、
自分フィールド上に存在するモンスターの数まで
「銃士トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守500)を特殊召喚する事ができる。
自分のスタンバイフェイズ毎に自分フィールド上に表側表示で存在する
「銃士」と名のついたモンスター1体につき300ポイントダメージを
相手ライフに与える事ができる。
この効果を発動する場合、このターン自分フィールド上に存在する
「銃士」と名のついたモンスターは攻撃宣言する事ができない。


アリス「鬱陶しいわね。またトークン生成カードか」

レミ 「幻銃士が召喚されたことで誘発効果発動。
    わたしの場には幻銃士とヘルカイザー・ドラゴンの2体モンスターがいる。
    よって、銃士トークン2体を守備表示で特殊召喚」

レミ 「場が揃ったところで、バトルフェイズといくわよ。
    ヘルカイザー・ドラゴンで、デコイドラゴンを攻撃!」

魔理沙「(ここは……使っておくしかないか)
    トラップ発動! ミラーフォースだ!」


《聖なるバリア-ミラーフォース-/Mirror Force》 †
通常罠(制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊する。


魔理沙「幻銃士とヘルカイザーは破壊されるぜ」

レミ 「ふふふ。エンドフェイズになったらヘルカイザー・ドラゴンはあなたの場に戻ったというのに。
    もったいないことをしたわね」

魔理沙「ふん。どうせデコイドラゴンの効果を発動したところで、蘇生できるのはダークブレイズドラゴンだけ。
    攻撃表示でだしたら相打ちになるし、守備にだしても破壊される。
    それに、お前の場にはそのカードがある」

レミ 「ご明察、とだけ言っておくわ。場の血の代償の効果発動!」

アリス「(なるほど。初めから生け贄にするつもりだったのか。
    でも、だとしたら出てくるのは……)」

レミ 「場の銃士トークン1体をリリースし……三たびその姿を現しなさい。
    ホルスの黒炎竜LV6!」LP4000→3500

霊夢 「ま、またあのやっかいなカードがでてきたわ。
    レベル8にでも進化されたら……」

レミ 「くすくす。せいぜい足掻いて見せなさい。ターンエンド」



レミ  LP3500:手札0:ホルスLV6、銃士トークン、代償
魔理沙 LP2900:手札1:デコイ



魔理沙「わたしのターン……ドロー」

魔理沙「(…………くっ、駄目だ。この手札じゃ何もできない)」

魔理沙「このままターンエンドだ」



レミ  LP4000:手札0:ホルスLV6、銃士トークン、代償
魔理沙 LP2900:手札2:デコイ



霊夢 「やはりそうそう動けないみたいね」

パチェ「当然よ。迂闊に低級モンスターを出そうものなら、
    戦闘破壊されてまたLV8に進化されるだけだもの」

アリス「(魔理沙の場にデコイドラゴンがいる以上、攻撃できないのはレミリアも同じだけど……
    状況は圧倒的に偏ってるってことか。うーん、奥が深いわ)」

レミ 「あらあら、やはり何もできないみたいね。無力過ぎて可哀想になってくるわ。
    もうすぐトドメを刺してあげるから、今の内に家族に手紙でも書いておくのね。
    ドローしてターンエンド」



レミ  LP4000:手札1:ホルスLV6、銃士トークン、代償
魔理沙 LP2900:手札2:デコイ



魔理沙「ドローするぜ」

魔理沙「(よし、これで打開に繋がるか……)
    手札から、トレード・インを発動!」


《トレード・イン/Trade In》 †
通常魔法
手札からレベル8のモンスターカードを1枚捨てる。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。


魔理沙「手札のタイラント・ドラゴンを墓地に送り、二枚ドローするぜ」

霊夢 「手札入れ替えの魔法ね。これで引けるかしら」

魔理沙「(……駄目か。だが、このトラップは伏せておくべきだな)」

魔理沙「カードを1枚伏せてエンドだ」

レミ 「わたしのターン、ドロー」

レミ 「わたしも1枚伏せて、エンド……」



レミ  LP4000:手札1:ホルスLV6、銃士トークン、代償、伏せ1
魔理沙 LP2900:手札2:デコイ、伏せ1



アリス「また膠着ね。そろそろどちらか動いてもよさそうだけど。
    というか魔理沙、とっとと動きなさいよ。紅茶が冷めるわ」

魔理沙「紅茶なんてどこにも無いだろ。ドローするぜ」

魔理沙「よし! 早すぎた埋葬を発動するぜ」


《早すぎた埋葬/Premature Burial》 †
装備魔法(制限カード)
800ライフポイントを払う。
自分の墓地からモンスターカードを1体選択して攻撃表示で
フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターを破壊する。


魔理沙「再びダークブレイズドラゴンを蘇生する。
    ダークブレイズドラゴンで、ホルスの黒炎竜を攻撃だ!」LP2900→2100

レミ 「通さないわよ。トラップ発動、次元幽閉。
    ダークブレイズドラゴンを除外!」


《次元幽閉/Dimensional Prison》 †
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
その攻撃モンスター1体をゲームから除外する。


魔理沙「破壊じゃなくて除外か……強力だな」

霊夢 「うーん、これでダークブレイズの蘇生はできなくなったわね」

パチェ「魔理沙の墓地のレベル7以上のモンスターは、まだタイラント・ドラゴンがいる。
    でも、タイラント・ドラゴンは墓地から蘇生するとき生け贄を必要とするから……微妙ね」

霊夢 「それってどういうこと?」

パチェ「これよ。テキストをよく見なさい」


《タイラント・ドラゴン/Tyrant Dragon》 †
効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻2900/守2500
相手フィールドにモンスターが存在する場合のみ、
バトルフェイズ中にもう一度だけ攻撃する事ができる。
また、このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。
他のカードの効果によってこのカードが墓地から特殊召喚される場合、
自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体を生け贄に捧げなければならない。


アリス「つまり、デコイドラゴンの効果で蘇生しても、デコイドラゴンは生け贄に捧げなければならないわけね」

パチェ「ええ。タイラント・ドラゴンはたしかに強いけど、
    攻撃力はホルスLV8の方が上だし、レミリアが収縮でもひいたらあっさりやられてしまう。
    そうなれば魔理沙は切り札と防衛線を失った上に、LV8に進化もされてしまう。
    だからあれを召喚するのはかなりリスキーなのよ」

魔理沙「(……パチュリーの言う通りだ。だが、まだわたしの手札には可能性が残されている。
    こうなったら、それに賭けてみるしかないか)」

魔理沙「メインフェイズ2で、デビルズ・サンクチュアリを発動!
    メタルデビル・トークンを召喚する」

パチェ「メタルデビル・トークン? 
    あれは悪魔族だからタイラント・ドラゴンの生け贄にはできないわよ」

レミ 「見苦しいわね。この期に及んで、時間稼ぎの壁しか出せないなんて」

魔理沙「そんなこと誰も言ってないぜ。わたしは行く道は、常に勝ちへの最短ルートさ。
    場のメタルデビル・トークンとデコイドラゴンをリリースし…………来い! フェルグラントドラゴン!!」


《フェルグラントドラゴン/Felgrand Dragon》 †
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守2800
このカードはフィールド上から墓地に送られた場合のみ特殊召喚する事が可能になる。
このカードが墓地からの特殊召喚に成功した時、
自分の墓地に存在するモンスター1体を選択する。
このカードの攻撃力は、選択したモンスターのレベル×200ポイントアップする。


霊夢 「あのカードは……魔理沙の切り札モンスター」

アリス「賭けにでたわね。次のターンレミリアが何もしてこなければ、LV6を倒せるけど……」



レミ  LP4000:手札1:ホルスLV6、銃士トークン、代償、
魔理沙 LP2100:手札0:フェルグラント、伏せ1



レミ 「(チッ、まさかデコイドラゴンを生け贄にしてまで最上級を出してくるなんて……)」

レミ 「わたしのターンでいいようね。ドロー」

レミ 「…………アッハハハハハ! これであなたの運命は決したわ!」

レミ 「手札から、レベルアップを発動!」


《レベルアップ!/Level Up!》 †
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つ
モンスター1体を墓地へ送り発動する。
そのカードに記されているモンスターを、
召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する。


魔理沙「なんだと!?」

レミ 「このカードの効果で場のLV6を墓地に送ることで、無条件で進化体にレベルアップすることができる。
    現れなさい、ホルスの黒炎竜、LV8!!」


ホルスの黒炎竜LV8    攻撃力3000


霊夢 「うわ……でちゃったわね」

パチェ「攻撃力はLV8の方が上……そのうえ魔法まで封じられたら、もう為す術無いでしょうね」

アリス「(ただ一つ可能性があるとしたら、あの魔理沙のリバースカードだけど……」

レミ 「(ククク……ミラフォはもう使ってくれたのだし、恐れる必要などないわ)」

レミ 「いくわよ。ホルスLV8でフェルグラントドラゴンに攻撃!
    スカーレット・メギトフレイム!!」

魔理沙「ぐ、あああっ!!」LP2100→1900

レミ 「万策尽きたわね。カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



レミ  LP4000:手札0:ホルスLV8、銃士トークン、代償、伏せ1
魔理沙 LP1900:手札0:伏せ1



魔理沙「……わたしのターン、ドローするぜ」

レミ 「あら、何を固まっているのかしら?
    サレンダーなら早く済ませてほしんだけど?」

魔理沙「サレンダー? そんなつもりは初めからないぜ。
    逆転の布石はすでに配置済みだ! リバースカードオープン!」

パチェ「リバースカードですって!? あれはブラフじゃなかったというの」

魔理沙「リビングデッドの呼び声を発動!
    墓地より、フェルグラントドラゴンを蘇生する!」


《リビングデッドの呼び声/Call of the Haunted》 †
永続罠(本当は禁止カード)
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


レミ 「(リビデですって!? 今の今まで温存していたなんて……)」

魔理沙「そして、この瞬間フェルグラントドラゴンの誘発効果発動だ!
    このカードは、墓地から特殊召喚した時、墓地のモンスターカード1枚を選択し、
    そのモンスターのレベル×200ポイント攻撃力がアップする!」

魔理沙「わたしはレベル8のタイラント・ドラゴンを選択。
    よって、フェルグラントドラゴンの攻撃力は……」


    フェルグラントドラゴン   攻撃力4400


レミ 「(4400……!!)」

アリス「なんて攻撃力……これが狙いだったのね」

魔理沙「いくぜ! フェルグラントドラゴンでホルスLV8に攻撃!
    エターナル・ブレス!!」

レミ 「……ぐ、うぅっ……!」LP4000→2600

霊夢 「さすが魔理沙ね! 
    この土壇場で攻撃力4400のモンスターを召喚するなんて」

魔理沙「はっは、当然だぜ。ブイ♪」

霊夢 「ブ……ブイって。ハハハ……」

パチェ「……まったく、調子乗りすぎね。
    ひょっとして、もう勝ったと勘違いしてるんじゃないかしら」

アリス「それっぽいわね。あいつは興奮すると、周りが見えなくなるから」

霊夢 「まあ普段からあんまり見えて無さそうだけどね。
    あの大きすぎる帽子じゃ視界も狭くて当然だわ」

魔理沙「実際わたしはどのシリーズでも最強なんだから問題無いぜ。ターンエンド」



レミ  LP2600:手札0:銃士トークン、代償、伏せ1
魔理沙 LP1900:手札1:フェルグラント、リビデ



魔理沙「さあ、とっととドローするんだな! 冥土への最後のカードを!」

パチェ「……あいつはもう駄目ね。もう何になりきってるのかすらわからないし」

霊夢 「でも、確かにこの状況じゃレミリアに勝ち目なんてほとんどないわよ」

アリス「(そうなんだけど…………でも、あの残っているトークンが気になるのよね……)」

レミ 「……わたしのターン、ドローするわ」

レミ 「…………ふふ、残念だったわね。
    これが最後のドローじゃなかったみたいよ」

魔理沙「何?」

レミ 「リバースカードオープン、闇霊術-欲」


《闇霊術(やみれいじゅつ)-「欲(よく)」/Dark Spirit Art - Greed》 †
通常罠
自分フィールド上に存在する闇属性モンスター1体を生け贄に捧げて発動する。
相手は手札から魔法カード1枚を見せる事でこの効果を無効にする事ができる。
見せなかった場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。


魔理沙「(闇霊術!?
    くっ……わたしの今の手札にはモンスターカードしか……)」

レミ 「場の銃士トークンをリリースし、、カードを2枚ドローする。
    もしあなたの手札に魔法カードがあれば、この効果は無効にすることができるわ。
    まあ、わたしの読みじゃあ、それはまずあり得ないことだけど」

アリス「(この終盤で2枚ものドロー……これはわからなくなってきたのかしら)」

レミ 「返事が無いみたいだからドローさせてもらうわよ。ふふふ」

魔理沙「ま、まさかここで都合よくいいカードがひけるわけがないよな」

レミ 「ひけるわけがない。実に人間らしい希望的な観測ね。
    でも残念だけど、今度こそあなたの運命は決したみたい……」

レミ 「手札から、レベル調整を発動!」


《レベル調整/Level Modulation》 †
通常魔法
相手はカードを2枚ドローする。
自分の墓地に存在する「LV」を持つモンスター1体を、
召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できず、
効果を発動及び適用する事もできない。


アリス「……レベルモンスター専用の蘇生カード!」

レミ 「相手に二枚ドローさせるリスクがあるけど、このターンで終わらせれば問題は無いわ。
    墓地より、ホルスの黒炎竜LV8を三度召喚!
    現れなさい、ホルスの黒炎竜!!」

霊夢 「そんな……! またLV8が……」

魔理沙「くっ、しつこい奴だぜ。でも、攻撃力じゃフェルグラントドラゴンには到底及ばない!」

レミ 「威勢はよくても、本能の方ではそうもいかないみたいね。声が震えてるわよ?
    わたしは手札から、装備魔法を発動するわ。レインボー・ヴェール!」


《レインボー・ヴェール/Rainbow Veil》 †
装備魔法
装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、
バトルフェイズの間だけその相手モンスターの効果は無効化される。


魔理沙「そのカードは……」

レミ 「ホルスLV8に装備させる。テキストを見ればわかるわよね?」

霊夢 「相手のモンスターの効果が無効化されるってことは…………つまり」

パチェ「当然、フェルグラントドラゴンの永続効果も無効になる。よって、フェルグラントドラゴンの攻撃力は元に戻るわ」 

アリス「って、駄目じゃない魔理沙」

レミ 「ホルスの黒炎竜! あのドラゴンを焼き払いなさい! スカーレット・メギトフレイム!!」

魔理沙「うああっ! ……だが、まだライフは残ってるぜ。
    手札の補充はできているし、次のターンさえくれば……」LP1900→1700

レミ 「言ったはずよ。このターンで終われば問題は無いとね」

レミ 「これが最後の1枚よ。速攻魔法発動! レベルダウン!」


《レベルダウン!?/Level Down!?》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つモンスター1体を選択して発動する。
選択したカードを元々の持ち主のデッキに戻し、
持ち主の墓地からそのカードより「LV」の低い同名モンスター1体を
召喚条件を無視して持ち主のフィールド上に特殊召喚する。


アリス「レベル……ダウン!?」

霊夢 「いったいどういうことになるの?」

パチェ「あのカードは、レベルモンスターのレベルを下げる。
    つまり、レミィのホルスLV8は、LV6に退化する……」

レミ 「そう。ホルスの黒炎竜LV8をデッキに戻して、ホルスの黒炎竜LV6を特殊召喚するわ。でも……」

魔理沙「バトルフェイズ中に新たに特殊召喚されたカードは、攻撃する権利が残されている……」

レミ 「そういうこと。どうやら、自身の身をもって人間の脆さを体現することとなったようね」

レミ 「心に刻み込んだまま逝きなさい! 
    ホルスの黒炎竜LV6で、魔理沙にダイレクトアタック! ダーク・ゲヘナフレイム!!」

魔理沙「う、わあああああぁーっ!!」LP1700→0



    *



レミ 「あ~、最高♪ やっぱりデュエルは勝って終わるのが一番ね」

パチェ「お疲れ。レミィったら、よっぽど楽しかったのね。えらい肌がツヤツヤになってるわよ」

魔理沙「くっそー、負けたぜ……」

アリス「まったく。最後はあんなにノリノリだったのに、みっともないったらないわね」

霊夢 「でも、気持ちはわからなくもないわ。
    ほら、勝ちが決定した瞬間よりも、自分が勝ってる時の方が楽しいって気にならない?」

パチェ「勝利と優勢は、似ているようで全く別物だからね。
    でもだからこそ、最後まで油断してはならない。
    どれだけ自分が勝ちに近い位置にいようと、確定していない限り運命はたゆたっている。
    あなたは不覚にもそれを忘れていたのよ」

魔理沙「確かにその通りだが、同じ負け犬に説教されるいわれはないぜ」

レミ 「でもあなた、なかなか悪くないデュエルだったわよ。褒めてあげてもいいわ。
    大会では、せいぜいわたしのところまで勝ちあがってくることね」

アリス「そっか、本番はまだ先だったわね。あまりに二人がノリノリだったから忘れてたわ」

パチェ「まあ今回のことで、お互いデッキの調整点がわかったでしょう。
    当日は今日みたいにはいかないわよ」

霊夢 「望むところよ」

魔理沙「お前は何もやってないだろ」

霊夢 「でも、わたしも大会でたいわよぅ」

レミ 「咲夜とでも組む? ルール知らないけど」

咲夜 「お嬢様、お呼びでしょうか?
    ……ああ、どうやら終わったようですね。みなさんの紅茶をお持ちしましょうか?」

魔理沙「かたじけないぜ」

咲夜 「あなたにはきいてないわ」

レミ 「そうね。今日は一人パートナーのいない霊夢にちなんで、
    オリエンタルビューティーにしてちょうだい」

アリス「どうちなんでるかはわからないけど、まあたまには青茶もいいかもね」

咲夜 「かしこまりました。用意致しますわ」

パチェ「それはそうと、レミィもデッキ組みなおさないと駄目よ。
    今日はうまくまわったからよかったものの、お触れもショッカーも入ってるのにトラップ入れすぎなのよ」

レミ 「まあいいじゃないの。わたしの能力で運命を操れば、手札事故なんて関係ないわ」

魔理沙「お前の能力ほど胡散臭いものもないけどな」

レミ 「おだまり、負け犬」

魔理沙「あー、犬は勘弁してくれ」

霊夢 「……あ~あ、グレちゃおうかな~」

アリス「滅多なこと言うもんじゃないの。たかが知られるわよ」

レミ 「勝手知ったるなんとやら。
    巫女はいつの時代も結局は二色。知られるなというのが無理というものね」

魔理沙「いずれにせよ、勝てばいいのは今日じゃなくて大会当日だ。
    とりあえずは、お前の祝杯に付き合ってやるよ」

パチェ「敗者が勝者と杯を酌み交わせると思っているのかしら。
    負け犬なら犬らしく、ミルクで我慢しなさい」

魔理沙「だからお前もだろ。負けたのは」

パチェ「わたしはいいのよ。ねぇ、レミィ」

レミ 「ええ。もちろん」

咲夜 「そういうと思って、紅茶5人分とミルク1人分を用意しました」

アリス「5人? ちょうどいいじゃないの」

咲夜 「もちろんわたしも紅茶をいただきます」

魔理沙「まあいいか。霊夢のやつをもらうぜ」

霊夢 「……ちっともよくないっ!」



    *







  ______その頃、幻想郷の境界



藍  「♪~」

藍  「(いい香りだ。やはり竹の子は、土から顔を出す前が一番だな)」

藍  「(これだけ芳醇なものなら、余計な手を加えるよりそのまま刺身にした方が活かせるだろう。
    今日は朝からご馳走だ………………ん?)」

紫  「藍。朝食の時間にはまだ早いわよ。どういうつもりかしら?」

藍  「(紫様…………早いな、もう起きてたのか)」

藍  「いえ、別に理由もありませんが……いけなかったでしょうか?
    遅れるのはまだしも、食事の用意を早目に整えて悪い事は無いと思いますが」

紫  「わかってないわね。あなたはわたしの何? 
    式神でしょう。わたしの言う事だけをこなしてればいいの。得られる成果に以下も以上も必要無い。
    わたしの思い描いた結果に、0.1ミリの誤差もあってはならない。
    だから作る料理の出来も、わたしの想像と寸分の違いも無いものでなければならないの。
    まあ刺身にするには、竹の若さはちょうどいいみたいだけどね」

藍  「はい、すみません。
    ……しかし、何で今日の献立まで知ってるんですか?」

紫  「あら、何を不思議がることがあるの。
    わたしにわからないことがあるとしたら、賽の目と最萌の結果ぐらいよ。
    なんなら三年先の夕飯のメニューも当ててみせましょうか?」

藍  「……いえ、結構です」

藍  「(この方の早起き自体、滅多に無い事だが…………それにしても)」

藍  「読書とは、珍しいですね。
    紫様が本を持つ姿を見たのは、何百年ぶりのような気がします」

紫  「あなたの言う通り。わたしの記憶には、幻想郷の全ての理が整然と整列されている。
    書物から得る情報も、わたしにとっては全てが既存のものでしかない。
    全能というのも難儀なものね」

藍  「わたしには、到底思慮の及ばぬ問題です。
    して、その本は一体?」

紫  「これは本じゃないわ。パンフレットよ」

藍  「あ……確かによく見ればそうですね。
    あまりに分厚いので気づきませんでした」

紫  「作った奴が偏屈だからね。関係の無い事がたくさん書いてあるのよ。
    おいしいたくあんの漬け込み方とか」

藍  「パンフレットにそれは……偏屈という度を超えている気が」

紫  「きっとどうせ誰も見ないのだから、何書いてもいいと思っているのね。
    大雑把だこと。くすくす」

藍  「(…………今日はずいぶん様子が変わっていらっしゃるな。
    まあ、わたしにとっては歓迎したくない傾向だが)」

藍  「何についてのパンフレットなのですか?」

紫  「大会よ」

藍  「大会……?」

紫  「以前から話してあったでしょう。アレよ、アレ」

藍  「(…………なるほど、そういうことか)」

藍  「(ついに来たのか。あの日が……)」

藍  「明日、ですか。デュエル大会…………例の日は」

紫  「そういうわけだから、橙にも今の内に準備をさせておきなさい。
    たぶんあの娘は忘れてるだろうしね」

藍  「わかりました」

紫  「デッキの調整は入念にね。
    あと、それと…………ゴニョゴニョ」

藍  「………………は?
    それはまた、何故……」

紫  「藍。さっき言ったでしょう。
    あなたはわたしの言う通りに動いていればいいの。
    それが最も、あなたのためでもあるのだからね」

藍  「……はい」

紫  「後の祭りよりも前の祭り。
    来たるべき最高潮を絶好の舞台に仕上げるためにも、宴は始まる前から楽しんでおかなくてはね。
    よいしょっと」

藍  「(宴……か)」

藍  「って……あれ、お出かけですか? どこに行かれるのですか」

紫  「白玉楼よ。大会に先んじて、幽々子とちょっとした話をしてくるの。
    それくらい少し頭を働かせればわかるでしょう。あなたもまだまだね」

藍  「いえ、そうではなくて……朝食はどうするんですか?」

紫  「帰ってきてからに決まってるじゃない。だから、作るのはまだ早いって言ってるの。
    もし戻る前に勝手に竹に刃を入れたら…………わかってるわね?」

藍  「……は、はあ
   (わかるんだけど…………理屈はわからないな、相変わらず)」

紫  「羽を休めておけということよ。
    なにせ、明日はいつになく永い夜になるのだから」

藍  「永い夜…………ですか」

紫  「ええ。いくら羊を数えても、決して終わることのない夜よ。
    楽しみね。くすくす……」
























                                             ・・・・・・To be continued
第三話です。前回もたくさんのコメントをいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
前回のシーンから繋がっているので、いきなりデュエルシーンからになります。

今回はなんだか余計にデュエルが長くなってしまいました。
ただ戦いが長いと分かりづらくなるだけなので、なるべくデュエルはスパッと簡潔な流れが理想なのですが……勝負がもつれたのは、それだけいい勝負だったからということでorz
それにしても……このお嬢様、ほんとノリノリだなぁ。

次回から大会編に入ります。






<以下コメントの返信>
コメント下さった方々ありがとうございましたm(_ _)m

>改行位置について
セリフ前に名前が入る方式の弊害ですね。確かに読みづらさは否めないかも……次回から改善しようと思います。

>レベル調整について
おっしゃるとおりですorz
実際はホルスLV8は攻撃できません。
初歩的な事ですがこういう何度読み返しても気づかない間違いは多いので、こうして指摘いただけるととても助かります。

>蘇生制限について
最初に正規手順で召喚された方のホルスを蘇生しているので、この場合問題ありません。
クラミ痔あ
コメント



1.名無し妖怪削除
ルールは完全に??ですが、読んでいて楽しいですよ
続きに期待
2.名無し妖怪削除
やめてくれ
3.名無し妖怪削除
改行位置などの理由で文章がとても読み難い
4.名無し妖怪削除
もういいよ
5.名無し妖怪削除
東方で遊戯王なんて…と思ったけど
これは面白いわw
6.名無し妖怪削除
今回は東方の所もあるから良いんじゃないか?
スペルカードルールが遊戯王に変わったってオリ設定だとでも思えば
まぁオリ設定自体アレだが
7.名無し妖怪削除
《レベル調整/Level Modulation》 †
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できず、
効果を発動及び適用する事もできない。
とありますがなぜレミリアのホルス8は攻撃できたのでしょうか?

遊戯王を知っている自分にとっては面白い作品でした
創想話は2次創作の場所なので東方をつぶさない程度なら問題無いかと
続編期待です
8.欠片の屑削除
全然遊戯王の内容を知らない屑でございます。
でも麻雀とかオセロをやってるような感じですね。種類はおんなじボードゲームだし。
何となく真剣に遊んでる(楽しんでる)雰囲気が結構好きです。
9.名無し妖怪削除
毎回楽しみに読ませてもらってます
会話にも東方らしさが出ていいと思います

コメントに第三者がコメントするのはご法度ですが・・・

>レミリアのホルス8は攻撃できたのでしょうか?
ホルスの効果でレベル調整のデメリットが無くなるからではないでしょうか

10.南陽削除
レベル調整は召喚条件は無視できますが蘇生制限は無視できないのでレベルアップで特殊召喚されて墓地にいったホルス8には使えませんよ。
11.名無し妖怪削除
カードゲームが書きたいのか東方二次創作がしたいのか
実際どっちなの?
12.名無し妖怪削除
遊戯王のルールはまるで知りませんが、解説が上手いのでしっかり楽しめました。
遊戯王面白そうだなあ。

東方らしさも充分出てると思います。他のキャラがどんな闘い方をするのか、次回作が楽しみです。
13.南陽削除
すみません。勘違いしてました。貪欲な壷でホルス8は戻してませんね。続き期待してます。
14.名無し妖怪削除
充分東方らしいと思うけどねぇ、話もおもしろいし
次回も期待してます
15.名無し妖怪削除
アリス「つまり、デコイドラゴンの効果で蘇生しても、デコイドラゴンは生け贄に捧げなければならないわけね」
                          ↑タイラント・ドラゴンでは?