ラブレターは一晩寝かせてからでないと出してはいけないと昔国語の先生から聞いたことがあります。
たしか、ラブレターとは想い人にその気持ちを伝えるためのものであるから、結構恥ずかしいことを書いていることがあるので、
書いた後一晩経ってから読み返し、推敲したり変なことを書いてしまっていたら削ったりしないといけない、とかそんな意味だったと想います。
まあ、それはラブレターに限った話ではないのですが。
なぜいきなりこんな話を始めたかというと、私、小悪魔は、つい先日ラブレターを書き上げて、
まだ冷めない興奮により眠れぬ夜を強引に眠り、そして一晩寝かせたラブレターをチェックする段階に入ったところなのです。
もちろん、その相手はパチュリー様。
ずっと前から想っていたのですが、このたびとうとう想いを伝えようと決意しました。
そんなわけで、先生の教えに従いラブレターを一晩寝かせてみたのですが、どうやらそれは正解のようでした。
いま少し思い返した分だけでも、すごい恥ずかしい文章なのです。
さて、いよいよです。
やはり、緊張します。
……渡すのが本番だってのに、そのはるか以前で緊張してどうすんだって気がしたので、
机においていたラブレターを一気に開いて読んでみます。
…………
……………・…
…・……・……・……・…orz
…・……・…書き直そうかな、これ。
すごい恥ずかしい。
ロープって倉庫かどこかに仕舞ってなかったっけ?と一瞬思ったけど、
死んでどうする、パチュリー様に思いを伝えるんだろう?と思い直し、書き直すことを決意します。
でも、まあ折角書いたものだし、一応最後まで読み返してみることにします。
…・……・……・……・…
…・……・……・……・……・…
…・……・……・……・……・……・…
正直、自殺するまでもなく死にそうです。
そもそも、手段自体に問題があったのかもしれません。
やはり口頭で伝えるべきか、と想ったとき、私はラブレターの最後のほうに、少々違和感を覚えました。
明らかに私のものではない文字が、最下段に書かれているのです。
このラブレターは最後を『大好きです、パチュリー様。』という文章で締めくくっているのですが、
まるでそれに応えるかのように、
『私もよ』
……と書かれていたのです。
私は、最初目を疑いました。
次に、精神を疑いました。
最後に、記憶を疑いました。
とりあえず、周囲を見回してみればいつもと同じ私の部屋なので、目に異常はないようです。
いくら恥ずかしい文章を読んでしまったからといって、それでとち狂ってしまうほどやわな精神ではないつもりです。
そして、昨日の晩の記憶をたどってみましたが、やはり私は最後のあの一文を書いたところで終えて、その後すぐに寝ています。
もう一度筆跡を確かめてみますが、やっぱり私のものではありません。
しかしこの筆跡には見覚えがあります。
というか、ぶっちゃけパチュリー様のです。
……とりあえず、細かいことを考えてしまうと頭がおかしくなりそうなので、まずは何も考えず図書館へ向かいました。
そこには、いつもと変わらぬパチュリー様の姿が。
「あっ、あの、パチュリー様!」
着いて早々、私はパチュリー様に声をかけました。
「なあに、小悪魔?」
その言葉も、口調もいつも通りでしたが、表情は思いっきりにやけていました。
「……読みましたか?」
「読んだわよ」
何を、とは言っていないのに即答したので、そろそろ本格的に確信してもよさそうです。
「な、なんで・……」
読んだりしたんですか、と続けたかったのですが、その口から出た音はもはや言葉と呼べるものではありませんでした。
あれを、読まれたんですか……
そう考えた私は、ロープは確か第一倉庫の入ってすぐ右の棚の一番上に入っていたな、ということを思い出していました。
「……だってね、小悪魔」
パチュリー様は、手紙を私に突きつけて言いました。
どうやら、いつの間にか複製までされているようです。
「推敲なんかしちゃったら、あなたの本当の気持ちが分からなくなっちゃうじゃない」
……私は何をしていたんだろう。
確かに、恥ずかしがってちゃ、想いなんてろくに伝わりゃしない。
推敲した手紙で伝えられるのは、加工された想いだっていうのに。
「あなたの文章は、確かにちょっとこっちまで恥ずかしくなってくるほどだったけど……
それだけ、私を想ってくれているのが伝わってきたわ」
そして、パチュリー様は私を抱きしめて言いました。
「……私も、あなたのことをずっと想っていたわ。もう、手紙には書いちゃったけど」
さらに、私にキスをして、
「……大好きよ、小悪魔」
耳元で、ささやきました。
……やっぱり、かないません。この人には。
何につけても、パチュリー様のほうが一枚上手です。
……あれ。
見えていたはずの景色は、まったく違うものに。
そう、これじゃまるで……
「うん、夢オチなんだ、すまない」
その声にがばっと身を起こしてみると、そこにはパチュリー様。
「でも、この夢を見たとき、あなたは、きっと言葉では言い表せない
『ときめき』みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。
そう思って、この夢を見せたのよ。」
それを聞いた私の体は、そのまま前に倒れこんでいました。
……どこまで凝った悪戯をするんだ、この人は。
悪魔にもなかなかいませんよ、こんな悪戯する人。
「さて、小悪魔……これがなんだか分かるかしら?」
そういってパチュリー様が取り出したそれを見て、私の体は硬直しました。
まごうことなき、私のラブレターです。
「チャンスがあればすかさず行動、ぱちゅっと解決ノーレッジ、ってね」
パクリはやめてください、頼むから。
「弱みを握られたあなたは、その一生を私の嫁として過ごすことになるわ」
言われなくてもそうするつもりです。
「私を捨てるようなことがあったら、これをばら撒くからね」
万に一つも、そんなことはありません。
「幸せにしてくれなかったら、人里で大声で朗読してやるわ」
……がんばります。
「よろしい、ならば結婚だ」
……幸せに、なりましょうね。
と言いたいところだけど、片一方は告白が済んでないんだよなあ~
まあ、現状も幸せならゆっくりでもいいですね。けど、ふじわらさんひどっ
ふじわらさんひどいぜ!
↓
砂どころか砂糖吐いた
なんかいーちゃんを思い出しましたね、これは
小悪魔さん、ロープは止めときな、縛りフラグ立てるだけだからw
お二人ともお幸せに。
…そして…ぜひともおまけの二人で、こんなラブラブ話を読みたいと心の底から思ったぜ…
ま、それはともかく良い二段オチでした。
そいえば輝夜と妹紅って黒ヤギさんと白ヤギさんでそのままイメージ作れそうですな~。いやその……髪の色とか。
テンポの良さにメロメロです
悶えた!あまりのかわいさに悶えましたぞ!
ニヤニヤニヤ。
あーかわいいー。
ほうらいさんたらはしたない。