Coolier - 新生・東方創想話

忘暇異変録 ~for the girls of leisure

2011/03/22 22:31:30
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[はじめに]
   ・長大になってしまったので連載モノの体裁を取らせていただきます。
   ・不定期更新予定。
   ・できるだけ原作設定準拠で進めておりますが、まれに筆者の独自設定・解釈が描写されていることがあります。あらかじめご注意下さい。
   ・基本的にはバトルモノです。

   以上の点をご了承頂いた上、ぜひ読んでいってください。

    
    前回  E-2 F-2








  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――














   【 C-2 】【 D-2 】



 妹紅と天子が戦った場所から目と鼻の先。彼女たちの決着からは、少し時を遡って、別の場所。
 そこでは、レミリア・スカーレットと西行寺幽々子が火花を散らしていた。

 彼女たちの戦いに、一切の緩手は無い。
 牽制、回避、必殺、相殺を繰り返し、もうすでに、辺りにはその爪あとが深く刻まれている。すぐそこで行われている天子と妹紅の戦いも相まって、妖怪の山が文字通り震撼していた。
 奇しくも二人ともが、紅魔館と白玉楼という、幻想郷のパワーバランスの一翼を担う組織の主という御身であり、互いに繰り出す技の応酬はその肩書きに恥じぬほど、強烈で、容赦なく、そして、美しかった。


 「ねぇ幽々子?」
 レミリアは質問を投げかけつつ、目の前に小さな魔方陣を展開する。

 「結局、紫の目的ってなんだか知ってる?」
 牽制の『サーヴァントフライヤー』が魔法陣から生まれると、そのまま幽々子目がけて牙をむく。
 ひとつひとつの殺傷力は決して高いわけではないが、さながら誘導弾のようにターゲットを目指す蝙蝠を模した無数の弾幕は脅威である。

 「さぁ~?」
 幽々子は眼前に迫ってくる蝙蝠弾に怯むことなく、手に持った扇子を開くと、そのままに体を回転させ、すべての追尾弾を打ち落とす。
 その動きは舞踊を彷彿とさせる雅やかなものであり、彼女が舞った後にはためく桜の花びらが、一層の優雅さを醸し出していた。

 「紫が何考えてんのかなんてわからないわねぇ」
 だが、彼女の周りを飛ぶ花びらは、ただの視覚効果などではない。
 フワフワとその場を舞ったかと思うと、おもむろにその形を丸く変容させてゆく。先ほどまでの儚い美しさを捨て、それぞれがひとつの弾となり、敵の方へと動き出す。

 「あら、あんたも知らないの?」
 レミリアは相手からの反撃を全て紙一重のところで躱し、大きく飛び退くと、再び疑問と一緒にして弾幕を突きつけた。

 「あの胡散臭いのと一番付き合い長いのはあなたでしょう?」
 今度はなんの変哲も無い普通の弾幕。だがそれは、大小織り交ぜた弾に大雑把な相手への指向性を持たせたもので、数多の紅色の弾が群れとなって襲い掛かっていくというタチの悪いものだ。
 弾数は多数、密度は過密。弾の群れを掻き分けて避け過ごすのは無理な話であり、しかし、弾の当たらない場所に避難するには、弾速が速すぎる。

 「確かに、今回萃まった中では一番古くからの友人に当たるわねぇ」
 幽々子は絶望的に見える弾の波を前に悠長にそう語り、おもむろに右手を前に突き出すと、その右手から収束させた魔力を放つ。
 桜色をした魔力の塊は刃のような鋭利さで目の前の弾幕群を切り裂き、突き抜け、進んでいく。

 「まぁ初めて会ったときからなに考えてるかわかんないヤツだったから、今さら多少わけわかんなくても気にならないわ」
 切り裂かれた紅の弾幕は幽々子を避けるかのように彼女の傍を素通りし、『鳳蝶紋の槍』は、そのまま弾幕群の発動者の方へと一直線に向かっていった。

 「え~あんたがわからないんじゃあ、本人以外わからないじゃない」
 紅の弾を切り裂く桜色の槍、それを空に飛び退き回避しながら、


 「でも……なにも知らなくても、今回の目的は見えてるんでしょ?」

 三度目の質問を放つ。


 「あらぁ?なんのことかしら~?」
 三つ目のその質問も軽く受け流す。その表情、佇まい、口調、全てがさっきまでと一緒だったが――違う。
 レミリアの紅い瞳が歪み、そのポーカーフェイスの裏を見通す。

 「どうやら当たりみたいね?」

 レミリアは己のアテが当たったことに満足し、空中で足を止めた。
 空に立ち、その手ごたえを自ら称えるようにしてふふっと鼻を鳴らす。その様子は、どうにも幼かった。
 その幼さ、傲慢さが、彼女の欠点のひとつだった。
 しかし、多くの場合、それは欠点というほどの力を持たない。彼女はその欠点を補って余りある力をもって、万難を排除・駆逐してきたのだから。レミリア自身、この性格に足を引っ張られたことなどほとんど無いはずだ。

 だが、目の前にいる亡霊は、彼女の五百年の生涯にも数えるほどしかいない強敵であることを、彼女は意識から除外してしまっていた。
 ましてや、この幽霊と実際弾を交えたことは今まで無く、その力の程も咲夜からの伝聞に過ぎない。
 しかし眼前の亡霊は、そんなことを言い訳にできるほど甘くもなかった。


 一切の予備動作もなく、殺気をも感じさせず――無音のうちに抜かれる、必殺の一撃。


 いつできたのか、宙に浮かぶレミリアの足下には、膨大な魔力量を持つ“門”が形成されていた。
 レミリアが空気の変化と共に自らの真下の異変にに気づき、一瞬のうちに意識を戦闘用に切り替えるのですら、まだ遅い。
 彼女はひとつ舌打ちをした後、とっさに現在位置の悪さを打開しようと身を翻す。
 だが、やはり。どうしようもなく。その行動は遅すぎた。


 「再迷…………『幻想郷の黄泉還り』」


 幽々子の宣誓とほぼ同時に、足下の孔から噴出す幽霊たち。
 夥しく殺到するその数は、もはや数えるに足らず、無数としか形容できない。
 さながら弾幕のように襲い掛かる幽霊たちは、幽々子の力を上乗せされ、単体をもってしても一撃必殺を可能にするほどの力が込められている。

 それら全てが幽々子の号令とともに、一気呵成に標的に向かい、牙を向く。
 すでに魔力の塊となっている霊魂同士が、レミリアを巻き込んだ先でぶつかり合い――炸裂する。


 大地を裂くような炸裂音とともに、辺りを爆風が包んだ。





  ※





 神社の境内へと至る最短通路、参拝客のために設けられた長い石段の七合目。
 アリス・マーガトロイドと八意永琳の弾幕勝負も、すでに始まっていた。

 「へぇ、前やったときは二対一っていうのがあったからわからなかったけど……なかなかどうして、強いじゃない」
 そう語る永琳は本心から感心しているような声音で、眼前を飛ぶアリスに対する感想を述べた。もちろん、攻撃の手を緩めるような素振りは無い。

 「お褒めいただきどうも。ちなみにあの時は魔理沙に足を引っ張られてただけよ」
 アリスも負けじと弾幕を展開しながら応じる。
 アリスからすれば、賛辞を送ってきた相手がどう見ても本気を出していないのがわかるだけに、いくら褒められていようが嬉しいどころか腹立たしくもあったが、そこは顔には出さずに受け止めておいた。


 今、少しでも表情から情報を与えたくはない。
 戦いはすでに、始まっているのだから。


 弾が舞い、音が散り、空を染め、その中を彼女たちも羽ばたく。この二人の戦いも、今夜行われている他のカードと比べてなんら遜色ない激しさを見せていた。
 だが、それはあくまで傍目から見た感想に過ぎない。現に、大小様々な弾が撃ち出されてはいたが、ここまで互いにスペルカードを使ってはいないのだ。
 相手がどう思っているかまでは知らないが、少なくともアリスには、目の前の相手を打ち倒すことなど頭になかった。いつも以上に力を隠し、いつも以上に接戦しているかのように振舞っている。


 「ところで、あなたは確か紫のトコのチームだったわよね?ってことは、ここに攻めてきたのは紫のチームってことでいいのかしら?」

 アリスはおもむろに話題を変え、切り出した。さっきと変わらずにお互い弾幕は放ったまま。
 しかしこの質問こそが、アリスの中では永琳との戦いにおけるファースト・アタックであった。


 「……いいえ。私のこれはチーム行動じゃないわ。個人的に妖怪の山と、その陣営に興味があってね。ちょっと抜けてきたのよ」

 アリスは先制打の手ごたえに内心で少し驚きながらも、表情には出さず受け止めた。
 この蓬莱人の頭が切れることは折り込み済みだったので、アリスの問答に素直に答えてくれるとは思っていなかったのだ。


 今のアリスのスタンスは真っ向からの弾幕勝負ではなく、収集・解析を主眼においた情報戦であった。
 紫の号令から始まった今回の騒動。多くのことが不透明なままで始まったイベントなだけに、彼女の好奇心は殊更に情報を求めていた。それは理屈を重視する魔法使いならではとも言えたし、彼女の性分であるとも言えた。
 そんなアリスが最初にまみえた相手が、攻めてきた紅魔館の連中ではなく、紫陣営の切れ者であったことは、彼女にとって僥倖であった。確信はないが、彼女なら自分の知りえない情報を持ってるだろう、そう思える相手である。


 しかし、情報戦であっても……いや、情報戦であるからこそ、目の前の敵は強敵だと言わざるをえない。


 月の頭脳、蓬莱の薬を精製した天才、永遠の才知――頭脳戦を仕掛けるとすれば、今回召集されたメンツの中でも指折りの難敵である。
 そう覚悟したアリスの言葉の先制攻撃は、しかし、容易く相手から言葉を引き出した。永琳ほどの相手なら、初撃で相手の意図に気づき、言葉をはぐらかすなり、沈黙を選択するなりとあっただろうが、そうはならなかった。
 容易に引き出せた言葉は嘘かもしれない。しかし、それでもアリスは構わなかった。沈黙を決められるくらいなら嘘でも言葉を得られた方が利は大きい。言葉にはさまざまな情報が含まれる。
 ――たとえ、それが真だろうが偽だろうが、得られるものはあるわ。


 「団体行動のできないヤツね。永遠亭の頭脳がそれじゃマズいんじゃない?あそこの姫様も、なんだか頼りなさそうだし」

 相手の真意はわかりかねるが、元より退く気はなかったアリスは、当初の予定通り、一度他愛も無い質問を放って間を取る。
 そんな彼女の言葉を受け、永琳はくすっと小さく零していた。


「あら、そんなことないわよ。ああ見えて輝夜はお姫様だからね。地上に来てからは私も多少は楽させてもらってるわ。今もどうにか無事にチームを動かしてるんじゃないかしら。……それが八雲紫の思惑通りと知りながらも、ね」

 そう答えた永琳は、口元に小さな笑みを浮かべる。
 それは柔らかく小さな微笑。しかし、射抜くような意地の悪い微笑み。
 それを受け止めて、アリスは改めて相手が悪かったことを心から悟った。


 ――コイツ、こっちの意図が解ってる上で……っ!


 永琳はアリスの放つ第一打から相手の意図するところを敏感に感じ取っていた。相手の戦略を把握した上で、その言葉に乗り、“情報を引き出させているだけ”であったのだ。
 この一合で、相手にこちらの思惑がバレていることを悟ったアリスも傍から見れば充分頭の切れる部類であるかもしれない。
 だが、それでも彼女は、一瞬でも裏をかいたとつけあがっていた自分に苛立ちと、完全に上をいかれたことに若干の敬意を感じざるを得なかった。

 そしてアリスは腹を括った。
 それはもうほとんど開き直ったに近い。


 「……じゃあぜひお聞かせ願いたいわね。今回の紫の考えってヤツを」

 そう言って挑発的な目線を正面から永琳にぶつける。もはや戦略もなにもあったものではない。情報戦と勇んで挑んだにも関わらず、結局はなんの捻りもなく疑問をぶつけるのに終わってしまったことが悔しくて、思わず吐き出す言葉にも力が込もる。

 その様子がお気に召したようで、月が誇る天才は、口だけではなく顔全体で微笑んだ。


 そしておもむろに口を開く――――





  ※





 轟々と立ち上る煙の中、幽々子は佇み、自らの放ったスペルの爆心地をまっすぐ見据えていた。
 その顔には先ほどまでの柔和な微笑みは無く、ただ静かに煙の中を見通さんと目を細めている。

 冥界との門を一時的に開き、幽霊たちを殺到させる大技は、幽々子のスペルの中で屈指の威力を誇り、さらに今回はご丁寧に、召還する魂に幽々子の魔力を上乗せする形で強化を施しているため、まさしく“必殺”の攻撃力を持っていた。
 これほどの大スペルを、タイムラグもほとんど無しに宣誓するあたり、さすが冥界の管理者、白玉楼の主であると言えよう。

 だが、彼女はそのことに慢心するでもなく、ただただ煙の中に目をやる。
 あれほどの一撃である。もはや幽霊たちの通った後に、人の形を留めているモノがいるとは、思えない。


 だが――土煙の中、紅の光が煌くのを幽々子は知覚する。


 その光は亡霊の網膜に焼きついたその瞬間から、文字通り、瞬くほどの間にこちらへ飛来した。
 その速度はまさしく神速の域であり、絶えず煙中に目を凝らしていた幽々子ですら、とっさに躱した右手を強く掠めた。トドメはいらぬと慢心し背を向けた者だったなら、もれなく半身ごと心臓を持っていかれただろう。
 神槍が放たれた地点、さきほどまで土煙で覆われたその場所は紅の槍で穿たれ、投手から標的までの視界をクリアにしていた。


 そこに立っているのは、紅い少女。

 「ケホッケホ……ちょっと!言い当てたことが不愉快にしても随分やってくれたじゃない」

 土煙に塗れた、夜の王の姿があった。


 「あーもうっ!ドロドロ!今メイドが他所行っちゃってるんだからあまり服汚さないでくれないかしら!?」
 レミリアは相変わらずの様子で忌々しげに喚き、服に被さった土埃をハタキ落としていた。
 薄桃色の大きなスカートが全体的に土気色になっていた。土砂汚れに煙っているだけでなく、ボロボロにほつれている所も見受けられる。
 だが、彼女自体には大きな怪我は無いようだった。

 「……あれだけやって無事だなんて、吸血鬼って頑丈なのねぇ」
 そんな彼女の様子を、幽々子はしげしげと見つめていた。相変わらずのおっとりとした驚きだったが、彼女の胸中は穏やかではなかった。
 レミリアの外見からは確かに先ほどのスペルのダメージがチラホラと見て取れる。
 だがしかし、先刻幽々子が放ったスペルは“傷を負いました”で済む威力ではない。それは当の術者である幽々子が一番わかっている。
 虎の子の一つにあたる大スペル――それにさらに自身の魔力を上乗せした致死の一撃。小望月の恩恵を受けている吸血鬼と言えど、しばらく戦闘不能になっていてもおかしくはないはずである。


 回避は不可能、防壁を張るような余裕は与えていない。
 ――と、すれば答えはひとつ、ね。


 「……これにはあなたも予想外だったようね?」
 不意に正面からの声に我に帰る。
 声の主は相変わらず土埃でドロドロになりながらも、その眼光は衰えを見せず、底意地の悪い笑顔でこちらを見据えていた。

 「さっきのスペル、いくら私でももっと致命的なダメージを喰らっててもおかしくない一撃だった。込められた力の具合でわかるわ。それが被弾する瞬間、不自然なほど威力が下がった。もはや放たれた後の弾……あなたが威力を殺したわけじゃないわよね?」

 レミリアの不敵な笑みを真っ直ぐ見据え、幽々子は静かに目を閉じ、頷く。
 彼女の考えも同じ所に行き着いていた。


 要するに、これが今回の舞台装置のひとつなのだ、と。


 「――そうね。どうやら紫は今回、私の能力を使わせる気はないようね」
 その一言だけを言い、幽々子は目を開けて顔を上げる。


 木々の間から見える月を、じっと見つめるように。





  ※





 「――ま、私はなーんにも知らないんだけどね」
 「なっ!!」
 あまりに予想外な答えに、アリスは思わず絶句した。

 確かに、相手の意図が情報を引き出すことと判りきった上で、わざわざ喋ってやる必要は無い。少し冷静になれば誰でも想像がつく。
 だが、永琳のこちらを小馬鹿にする態度から、期待する言葉が返ってくると思っていたアリスは思わず驚きの声を上げてしまっていた。そして一瞬後に、自らの醜態に恥じ入って二の句が継げなかった。


 その様子が面白くて仕方がないと言わんばかりに、永琳は目を細めて楽しそうに微笑んでいた。


 「いやぁまだ若いわねぇ。筋は良いわよ?」
 「……余計なお世話よ」
 心底楽しそうな永琳に、合わす顔が無いというように顔を背けたアリスは、自ら設定した土俵で完全に負けたことの悔しさから顔を赤くして目を逸らす。
 言葉を失い、黙すアリスとは裏腹に、

 「そうねぇ。意地悪してるばかりも可哀想だし……あなたの考えを聞かせてくれるかしら?」
 永琳は柔らかい笑みのまま、未だ宙に浮いたままのアリスへと語りかけた。

 「私の……考え?」
 「そう、あなたの。こっちに吹っかけるくらいだから、多少の仮定くらいは組んでるんでしょう?せっかくだから聞かせて頂戴な」

 いつの間にか二人は弾幕を展開することを止めていた。永琳は最初と変わらず石段の上に立ち、宙に陣取るアリスを首をもたげ見据えている。
 そんな彼女の視線を受けながら、アリスは多少考える時間を使い、頭の中の情報を統合・分析していく。
 彼女からすれば、今回の永琳との戦闘で得た情報を基にして話をまとめていくつもりだっただけに、まだ材料不足感が否めないが、ここで自分を完全に負かした相手の提案を突っぱねるわけにもいかず、手持ちだけでどうにか考えを形にしてゆく。


 「そう、ね……現段階では大したことは言えないわ。いくらなんでも手札が少なすぎる。でも、確実に言えることは――――」
 そこで一拍、言葉を区切る。


 「これは明確な勝者を出すようなゲームじゃない。ルールが曖昧過ぎる。……そう……ね、なにかを試している……とかそんな印象の方が近いわ」


 自分の中にある少ない手材料をどうにか調合し、現段階で語りうるところまでの答えを導いてみせる。
 それを受けた永琳は、アリスからの言葉を丁寧に咀嚼するように聞き、そして、


 「うーん、二十点てトコね」
 即採点した。しかも辛口。


 「ぐっ!言ってくれるじゃない……あんただって答えは知らないんじゃないの?」
 二割しか真実に近づいていないと言い切られたアリスは、皮肉半分に突っかかる。

 「えぇ、さっきも言った通り。私も正解は知らないわ。だって首謀者じゃないし」
 ふふふっと笑いながら、彼女は軽く受け流す。
 そして、急にその笑みを消すと、真面目な顔で答えた。


 「でも……限りなく正解に近いであろう解答の目途は立っているわ」


 誇るでも驕るでもなく、ただありのままをという風に、ぽつぽつと語る。
 解答自体は実にファジーなものであったにもかかわらず、彼女の口調には、それがまるで真実であるかのような力が込められていた。

 「……人の考えを聞いた挙句に採点までして下さったんだから、その模範解答とやらを聞かせて頂けるんでしょうね?」
 「ふふ、最初っからそうやって素直に聞けばいいのに」
 「うるさい。聞いても答えなそうだから色々考えたんでしょ」
 「あら、そんな意地悪しないわよ?」
 「言ってなさい」

 「まったく捻くれた子ね。――いいわ、答えを教えてあげる。八雲紫が催した今回の騒ぎ。その目的はね――――」





  ※





 「やっぱりそういうこと、ね」
 得心がいったという風に頷くレミリアに、幽々子は何も言わないでいた。
 レミリアは今回のこの騒動の目的に行き着いてた。いや、初めからその答えに似たようなものはわかっていた。
 だがまさか、紫が“こんなに本格的にやる”、とは思っていもいなかっただけに、確信は持てていなかったのだ。

 自らの答えに確信が得られ、上機嫌なレミリアはひとり、誰に言うでもなく語りだす。

 「私も半信半疑だったんだけどね。とにかく合点がいったわ。あのスキマ妖怪がわざわざ、こんなメンド臭いことしてまで達成しようとしてる今回の目的、それは――――」




 「「有力な妖怪・人間諸々を萃めた、盛大な“暇つぶし”よ。それ以上でもそれ以下でもないわ」」





  ※





 その言葉にアリスは「なっ!?」と悲鳴めいた驚きの声を上げ、





  ※





 幽々子は静かに、小さく頷いた。












   【 C-3 】



 空の端が明るさを増してゆく。夜の闇が、日の光で中和されてゆく。
 一応道として整備されていた神社の石段は、月明かりの光の恩恵を十二分に受けられていたが、間もなくその月も見えなくなるだろう。
 次にここを明るく照らすのは、燦々と照る太陽。夏も終わりに差し掛かったこの時期、一度日が昇りだせば、あとはもうすぐだ。


 「……明るくなってきたわね。時間が経つのは本当に早いわ」

 永琳はもたげていた首にさらに角度を加えて、真っ直ぐ真上、空を見上げた。
 明るくなりだした空には弱々しくも光を放つ月があり、それに付き従うような星々も、まだまちまちと残っている。

 じっと目を凝らす。
 三十八万キロメートル離れた物体よりも、もっと手前――数十メートル上空に浮かんでいた影を探して。

 「さすがにそんなに暇じゃない……か」
 自分で何気なく呟いた科白が、思ったより皮肉が利いていて、思わず小さく笑ってしまった。
 暇つぶしを楽しむ暇も無い、だなんてね。

 「……なにがそんなに可笑しいのよ?」
 アリスが訝しげに、永琳へと視線を送る。

 「ん?あぁ、ゴメンなさいね。こっちのことよ」
 「お月様にそんなに楽しげなものでも映ってたかしら?」
 「まぁそんな所よ。それより、私はそんなに楽しそうだったかしら?」
 「――?まぁ、普段をよく知ってるわけじゃないけど、それなりには…………」
 アリスには永琳の質問の意図が推し量れなかったため、思わず素で返してしまう。

 「ふふ……そう。じゃあ私も十分、“あてられてる”のかしらね」
 永琳はそのことが大層満足だったようで、再び楽しげに微笑んでいた。彼女が楽しがる理由を、アリスは知らない。


 「ねぇ、永琳。お願いがあるわ」
 その様子を見ていたアリスはスルスルと高度を下げながら、おもむろに切り出した。
 「何かしら?」
 定型通り尋ね返してはいたが――永琳には何を尋ねてこられるのかの想像はついていた。
 まぁ、まず間違いなく…………


 「今回のことであなたの知っていること……それを全て教えてちょうだい」
 ――でしょうね。


 アリスは地面に降り立ち、階下から見上げるようにして永琳を見据えていた。
 どこかから吹く涼しい風が、ゆるやかに彼女の金髪を揺らす。すでに弾の幕のカケラも無いそこは、夜明けを待つ静けさに満ちていた。

 「随分素直になったわね」
 永琳は楽しそうにコロコロと笑ったままだ。
 「えぇえぇ、お手上げよ。残念だけど腹の黒さと探り合いじゃあなたに敵わない、ってのがよーく分かったわ」
 だからこうして素直に聞いているのよ、などと言いながら、アリスは顔をしかめていた。
 それはどこからどう見ても、教えを請う者の姿勢には見えない。不承不承という本心が透けて見えるようである。もっとも、アリスとしてもそれを隠すつもりもなかったが。

 永琳はそのちぐはぐな態度に笑みをこぼす。
 月で暮らしていた時、輝夜の家庭教師をやる片手間に弟子を何人か取っていたが、こうも嫌々教えを請うものはいなかった。永琳からすれば、この魔法使いを見ているだけで十分に暇潰しにはなっていたと言える。


 「そうねぇ……じゃあ特別に二つだけ教えてあげるわ」
 「……全部って言ったんだけど?」
 不満が露骨に声に込もる。

 「さっき二十点しか取れなかったからね。出来の悪い生徒にそんなにご褒美はあげられないわねぇ」
 「――って、さっきの採点だってアンタの匙加減じゃないっ!!」
 「あら、じゃあご褒美はいいのかしら?せっかく二十点取れたんだからってその分教えてあげるのに」

 アリスは、ぐぅ、と小さく悲鳴を上げて、
 「……で、その二つって何よ?」
 とだけ言った。瞳は相変わらず反抗的なままだった。永琳も思わず笑いながら肩を竦める。

 「ホントにからかい甲斐のある子ねぇ」
 ふふふ、と意地の悪い声が聞こえる。もうアリスは顔を背けてしまっていた。


 「まぁ意地悪ばかりしてても可哀想かしらね。じゃあ、まず一つ目……ルールの曖昧さは仕様、よ」
 その言葉に、アリスの視線が再び永琳に戻る。

 「……仕様?じゃあ何?わざと曖昧にすることで、なにかメリットがあるって言うの?」
 「さぁ?これについてはこれだけね。あとは自分で考えなさい」

 永琳の発言はあやふやなままだ。具体的なことは何一つ喋ってはいない。だが、アリスは、与えられた抽象的な情報に抗議するでもなく、聞かされた言葉を頭の中で反芻していた。
 彼女自身、抽象論を具体化させる作業は嫌いではない。その点、アリスは魔術師としての素質に優れ、月にいた永琳の弟子たちよりも優秀だったと言える。

 優秀な者ほど課題・難題を吹っかけたくなる、永琳の嗜虐心に再び火が着きそうになる。
 そんな自分を客観視して思った。
 自分にもまだこんなに大人げない部分が残っていたとは、と。
 これも今回の影響かしら、ということだけが、頭に浮かんでいた。


 「はいはい、考えるのは後。二つ目いくわよ?――せっかくだから、ちょっとコアな話をしてあげましょうか」

 アリスが黙ってこちらを見る。その瞳からは、さきほどの拗ねた様子は見えず、たゆまぬ知識欲が窺えた。
 やっぱりこの子は優秀ね。面白い子だわ。緩む口許を意識的に引き締める。


 「今回のこのイベントは、あなたが思っているより大掛かりよ。……とりあえず参加人数の多さは疑問に思ったかしら?」
 永琳の問いかけにアリスは答える。
 「……そりゃまぁ、ね。いくらなんでもこんな萃まりに参加しないようなヤツが多すぎる。どれほどみんなしてヒマだったとしても、不自然よ」
 「いい所には気づいているわね。まぁそっちの話したら二十点超えちゃいそうだから、とりあえず置いといて……これだけのメンツを萃めて、曖昧な仕様のルールで戦わせる……これだけでもかなり危ないイベントだ、ってことは理解しているかしら?」

 永琳の重々しい口調に首を傾げながら、
 「って言っても、どうせ基本は弾幕ごっこだろうし…………」
 アリスは間髪入れずにそう答えていた。今の幻想郷では、それ以外に勝負をつける方法は、基本的には無い。

 が――――


 「それは明確に定義されていないわ。それすらも曖昧なルールの内よ。そして明確に定義されていない以上、なにも真っ当な弾幕勝負に拘る必要はないわ」


 そこまで聞かされたところでアリスは気づき、同時に愕然とした。
 最初に紅魔館に萃められ、説明をされる。
 その時、確かに、あの式神は言っていた。


 『どのような方法で戦っていただくかと言うと……命に関わらない程度でしたら、基本的に方法は自由です。まぁ幻想郷の慣例として『弾幕ごっこ』であることが一番好ましいですかね』
 そしてこう続くのだ。

 『しかし、繰り返し申し上げますが、戦い方は自由です。各々、また、チームの方針から決めていただいて結構です』
 と。


 今の幻想郷の決闘方式は“スペルカードルール”が主流だ。
 ほんの数年程度前に制定された決闘方法だが、種族の枠を超え瞬く間に広がり、すでに決闘の常識をして定着している。

 スペルカードルールの流行にはいくつか理由がある。

 ひとつは、見た目の派手さ。
 展開される弾幕の美しさに比重が置かれるこのルールは、派手好きの妖怪たちには恰好の遊びだった。

 そしてもうひとつ。安全性だ。
 スペルカードルール――通称“弾幕ごっこ”は、言ってしまえば所詮“ごっこ遊び”に過ぎない。遊びであるが故に、そこに命の危険は無い。もともと“スポーツ感覚に近い決闘”を目指したものであるため、危険なようには設計されていないのだ。
 魔力で弾を成している以上、人間だと当たり所が悪いと大怪我くらいはする可能性があるが、妖怪たちとまともに拳を交えるよりは、リスクとしては少ない。
 さらに、このルールで決闘するとなると、相手との身体的な能力の差は大きく影響しない。これによって、たとえ他種族に比べて非力な人間だとしても、吸血鬼や、亡霊や、蓬莱人や、神様を倒すことすらも可能になっている。
 こちらの理由はもちろん、基本的には非力な人間たちや、高い戦闘能力の無い妖精、妖怪たちの中では下級程度の力しか持たない者に好まれた。


 だが今回、その安全性が明確には保証されていない。
 いや、仕様であるならば、意図的にリミッターが外されている、と考えたほうがいい。

 そうなると萃まったメンツは――危険な者ばかりだった。

 “弾幕ごっこ”という暗黙の了解のリミッターを外し、その力を目一杯振るった場合、洒落にならないような面々ばかりである。
 吸血鬼、亡霊、蓬莱人、神、鬼、天狗、魔法使い、天人、そして妖怪……それぞれがそれぞれ、他とは隔絶した能力を持っている。
 普段の生活では発揮されないその能力たちを戦闘で有効に使った場合――その力は、“程度”で済まないものばかりである。


 「気づいたかしら?今回のイベントの危険性に。私たちはなんとなく“弾幕ごっこ”という手段を使って戦ったわけだけど……例えば、この山で行われた他の妖怪たちの争いも“そう”であったとは限らないわ」


 アリスは青ざめると同時に、ある友人の顔が脳裏に浮かんだ。
 非力な種族の、人間の、魔法使い。
 ――あいつは……魔理沙は……無事かしら――――

 もはやこの騒ぎは走り出している。もう彼女には、祈ることしかできない。

 「まぁ、そう心配することもないわよ。スペルカードルールを使わなくてもいい、とは言われたけど、使っちゃいけない、って言われた訳じゃないわ。おそらく多くは慣例になってる弾幕ごっこか、精々それに近いことをやってるわよ。歴史があるってわけでもないのにこれだけ幻想郷に根付くとは……いいルールを作ったものよね」

 そう、確かにいいルールだ。
 ルール自体も画期的かつ親しみやすいものではあるが、それでもここまで定着するとは作成者も思っていないだろう。
 そこまで考えた時、アリスの中でカチリ、と音が響いた。パズルのピースがはまる音。歯車の歯が噛み合った音かもしれない。

 ――待て。そうだ。このルールの発案者。“そいつ”は今回のイベントをどう思っている?自分の作った、今や誰もが使うこの“遊び”を否定するようなルールに何を感じている?
 そいつは今、どこで何をしている?

 アリスの思考はある名前を導き出す。
 よく知る、あの少女の名前。
 いつもの気だるそうでつまらなそうな顔が、脳裏をよぎる。


 「――博麗……霊夢……――――」


 アリスの呟きに、永琳が瞼を閉じ、静かに頷く。
 「そう。表立って出てきてはいないけど……スペルカードルールの制定者であり、幻想郷の守護者であるあの子は――間違いなく、今回の騒ぎの中心にいる」


 夏の終わりの風が吹きぬける。山の風はやや冷たく、辺りに生い茂る木々の葉を等しく揺らしてゆく。石段に立ち、向かい合う二人の少女の髪をも冷たく撫でていった。

 アリスは思い出していた。
 魔理沙と一緒に博霊神社に行った時、彼女はすでに出かけていた。
 結局紅魔館に行っても、彼女がどこにいたのかわからないままだった。
 そうしていつの間にか一緒のチームになっていて、
 いつの間にか守矢の神社にいて、
 ひとり、つまらなそうな――どこか悲しげとも取れる表情をしていた。


 「……ありがとう、永琳。結局ほとんど何もわからなかったけど、収穫はあったわ」
 手に入れた指針の確かな手ごたえに、アリスは小さく拳を握った。
 その瞳は、好奇心と、他の何かで輝いている。

 「どういたしまして。こっちとしては喋りすぎたと思ってるくらいよ」
 アリスのリアクションに、永琳も素直に笑顔で謝辞を受け取る。その笑みが、嬉しかったからなのかは、解らない。

 「これからどうするつもり、人形遣いさん?」
 「そうね……とりあえず、今日のところはこれでお終いね。もう夜も明けてきたし、また自分なりに色々考えてみるわ」
 「そう。まぁ、頑張ってちょうだい」
 それだけを答えた永琳だったが、ここまでを聞いたアリスが次にどうするか、彼女には手に取るようにわかっていた。

 「――随分話し込んじゃったわ。私はそろそろお暇するわね」
 白を増した空を見上げながら、永琳は少し名残惜しそうに呟く。

 「話は聞けたから、さっさと帰っていいわよ」
 「あらあら、冷たいわねぇ」
 「あれだけ上から目線で苛められたんだもの。後ろから刺されないだけマシと思いなさい」
 「まぁそれくらいじゃ死ねないから、気が向いたらどうぞ」

 永琳はクスクス笑いながら石段から足を離し、空へと浮かび上がる。
 黒を薄めた空に、まだ月は輝いている。

 「じゃあね。なかなか楽しかったわ。またお手合わせ願いたいものね」
 「それはそれは。丁重にお断りよ」
 永琳は、くすっ、とひとつ漏らした後、朝焼けの始まる空に消えてゆくように、その場を後にした。

 永琳の影を見送り、アリスは再び長い石段にひとりになった。
 ふぅ、っと深く息を吐く。頭の中をニュートラルに戻す。
 考えることは、山積みだ。


 わざわざルールを曖昧にした訳。
 力のある者を萃めた理由。
 そこに霊夢がどう関わっているのか。
 だが……山積みの疑問は突き詰めればひとつのことに集約する気がした。


 今回のイベントを起こした紫の意図とは?


 永琳は“ただの暇潰し”と言っていたが、その裏になにか別の意図があるのは間違いないだろう。
 山積みの疑問を全て解決すれば紫の意図に近づけるし、紫の意図が解ればこれらの疑問も氷解する、という必要十分条件であるはずだ。


 アリスは一旦考えるのを止め、次は深く息を吸い込む。
 朝の冷たい空気が肺に満ちる。夜の間に綺麗にされた大気が、彼女の体の隅々を清浄にしてゆくようだった。
 大きく伸びをすると、誰に言うでもなく呟いた。


 「――とりあえず、帰りましょうか。……我らがチームのアジトに」


 山は、朝焼けに染まりつつあった。







   to be next resource ...to be next resource ...




 
えーりん!えーりん!
今回だけで6ボス三人も出してみました。ゆゆ様のカリスマをストップ高にしていきたいなー。
バトル物注意と銘打っときながら戦闘描写あっさりしててゴメンなさい。
ダッシュは結構減らしてみました。三点リーダは……まだ結構ありますね。便利なんだもん……。

あと二回でやっとこさ一日目が終わります。アホ長くてゴメンなさい。気長にお付き合い頂けたら幸いです。
また読みづらい等、ご指摘ありましたらぜひお願いします。次回以降の糧にさせていただきます。
それではまた。かしこ。
ケンロク
[email protected]
http://gurasan.kurofuku.com/
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コメント



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4.100愚迂多良童子削除
これは増すところ続きの気になる展開だ。
威力の上限が設定されているのと霊夢の無双は何か関係があるんだろうか。
あと、どうでもいい上に個人的な意見で申し訳ないですが、パズルのピースが嵌まる音はカチンよりカチリのほうがいいと思います。
しかし長い一日だw
6.無評価ケンロク削除
ありがとうございます。
さらに個人的にはパチンとちょっと悩んだり。でもせっかくだからカチリにさせてもらいます。
いやー、長いですねw
しかもこれ、夜中だけの話なんですよねw
7.100名前が無い程度の能力削除
段々相手の思惑が見えてくるのがたまらない
続きwktkしながら待ってます
8.無評価ケンロク削除
ありがとうございます!頑張ります!
9.90名前が無い程度の能力削除
このわくわく感は続き物だからこそでしょうか。次回がすごく楽しみになってきました。
一つ気になるのが会話文行頭にスペースが入ってませんか。多分いらないかと……

これは感想とは関係ないんですけど、昔の作品同士のリンクが機能してません。
おそらくコピペでなさってると思うのですが、アドレス最後のlog=0の部分を作品集の通し番号に変えないと繋がらなくなってしまいます。(log=0は"最新作品集"の通し番号)
10.無評価ケンロク削除
ありがとうございます。
あの……恥ずかしいお話ですが……会話文も漏れなく字下げするものだと思ってました……
ご指摘感謝です!こんなヤツが文を書いててゴメンなさい!

過去のリンクですが、一応把握させていただいています。
でもリンクなんてものを作っておいてアレなんですが……ちょっと投稿分を毎回打ち直しは作業量的に難しいところもございまして……。
お手数ですが、分類の「長編モノ」タグで一覧を別ページに作って頂いて目次とするか(当シリーズしかヒットしませんので)、もしくはサイト立ち上げましたのでそちらでバックナンバーを確認していただくか(こちらはリンクがちゃんと生きてます)となっております。

こちらの至らなさでご迷惑をおかけしますが、上記の方法にて確認いただいた上、今後もご一読いただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
11.100名前が無い程度の能力削除
最近、続き物少ないから期待してる。登場するキャラが多いのも良い。
12.無評価ケンロク削除
ありがとうございます。
緋までなんで地とか星とか出ませんが……それでも多くて大変です。