「もう飲めねぇって‼︎」 無理やり酒を飲ませて来る霊夢に向かって言った。やはりこいつは酒癖が悪い。今日はとびきり悪い。これは空気でわかる。完全に私を潰しにきていた。
意識が朦朧としてくる。
「だいじょうぶ〜?」
どうやら私は倒れたらしい。周りを見ると霊夢の家だった。
「やっと起きた」
アリスもお見舞いにきてくれていた。いつものクッキーがテーブルに置かれていた。私はもぞもぞと布団から出て、椅子に座る。
「それより霊夢は?」
「霊夢なら外に行ったはず。申し訳ないからお菓子でも買って渡そうだって」
「そうゆう所はちゃんとしてるんだよな。あいつ」
「私もう帰るね」
「おっけー」
それから15分ぐらい待つと、何か言いたげな顔で霊夢が戻って来た。
私を見るなり
「ごめん‼︎」
と謝ってきた。霊夢の顔は半泣きだった。酒に酔って倒れただけなのにそこまで心配してくれるのは、やはり霊夢の優しさなのだろう。
「全然気にしてないぜ」
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魔理沙はいつもそうだ。私のことを全部わかってる。1番申し訳なさそうな顔してたのは魔理沙なのに。アリスに嘘ついてもらったことも知ってるくせに。本当は、外で泣いていた。魔理沙がお酒で酔って倒れたのは知っていたけど、もう起きないと自分の頭が信じ始めると止まらなかった。
まだ目に涙が残っている。勇気を出して言った一言も、魔理沙の優しさで包まれた。
「散歩にでも行こうか」
正直、意外だった。でも、自然と返事が出た。
「うん!」
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霊夢と二人で歩くのは久しぶりだった。手を繋ぎたいが、そんな空気ではなかった。
「手、繋いでいい?」
エスパーかよ。
「もちろん!」
霊夢の手。暖かい手。優しい手。 できるだけこのままでいたかった。しばらく手を繋いで歩いた。
「魔理沙」
「何?」
「なんか、ごめんね」
「なんだ、そんなことか。 別になんも思ってないぜ。いつもの事だし。」
「私も言いたい事があるんだぜ」
「なに? 魔理沙」
「そんな優しい霊夢が大好きだぜ」
霊夢の顔が赤くなる。
「私だって好きだよ。魔理沙の事」
まだ涙目の霊夢が笑って言った。
「霊夢、目瞑れ」
「うん」
霊夢とキスをした。桜の木の下で。
「じゃあ、帰ろっか」
「そうだな」
終わり
直球ストレートでとてもよかったです
アリスもナイスアシストでした