――――目の前には何も無い。
何処にでも有る様な土だって。
元気良く青々とした草だって。
吸い込まれてしまいそうな黒色の空だって。
眩しく輝いている星だって。
ガラス細工みたいに綺麗な銀色の月だって。
此処には、何も無い。
目の前には荒涼とした大地すらも無く、ただただ空間だけが在り、それを認めるのに苦労するほどに暗い。
周りには人なんか居ない。
居るのは私だけ。
私は、ひとりぼっちだ。
私しか存在しない景色の中、私は虚空を見ながら泣いていた。
何もないのが悲しすぎて、誰も私に話しかけてこないのが悲しすぎて。
誰か。誰か。誰か。
ここに来て下さい。
私を助けてください。
こんなの、こんなのは、寂し過ぎるから――――――――――
そこで意識はブツリと切れ、意識だけ無理やり引き剥がされて剥離したように現実へと一気に引き戻された。
後ろ向きに思いっきり引っ張られるように景色が進んでいく。
自分から急速に離れていく景色の中、コレは夢なのだと気づけた。
夢の、脳が映し出す情景に私が耐えられなかったのだろうか。
蒸してくる暑さに体が耐え切れなかったのだろうか。
私、フランドール・スカーレットは目を覚ました。
目を覚ましたと言っても、まだベッドに横たわっている状態だが。
動く気もしないし、頭が起きていないので手もあまり力が入ってくれない。
別に起きる気もそこまでそこまで大きくない。
結論として、私の体はベッドの上に横たわったまま。
目には、何故だか涙が溜まっていた。
悲しいような、寂しい様な、なんだか凄く陰鬱な気分だ。
皆、起きた時なんかこうだと思う。
気だるくて、力が入らないし、力を入れる気もない。
薄ぼんやりとした目の前の映像と中途半端に夢へと誘う温度で揺れ動く羽目になる。
まだ寝ていようかと思案している間に何時の間にか目が覚めている。
あるいは、揺れ動いているうちにまた引きずり込まれてその後にだ。
私が変わっている訳ではないと思う。
皆一緒だと・・・思う。
私は、普通だと、思う。
ギリ、と歯が擦れ合う音がした。
無意識の内に手にも力が篭る。
シーツを握り緊める。
あるは握り潰しているのか。
シーツは引き千切れんばかりだ。
私は、普通だ。
普通なのに。
普通なのに!
普通なのにッッッ!!!
アイツは私をこんな所に閉じ込めて!
私を押し込めて何にも私に見せない!
私に何も与えない!
私はアイツのペットなんかじゃないのに!
私は、私は、私はッッ!!
アイツの事を考えれば考えるほど力が篭る。
怒りで体温が上がり、鼓動も呼応するように激しくなっていく。
息遣いすら定まってくれない。
大気が凍ってしまったような静かな部屋の中で、私の感情だけが熱く、高ぶっていた。
更に更にと力が加わる。
力が篭りすぎて、ビリッと音を立ててシーツが破れた。
その事で少しだけ冷静になれたのか、不思議と力は弱まった。
――――――体がばったりと倒れこむ。
全身から力が抜けてしまい、ベッドの上に崩れ落ちた。
空虚感が体を埋め尽くし、力が入らない。
息遣いは荒いまま。
自分で体を支える程気力は続かなかった。
それほど、私のアイツへ対する怒りは強かった。
…全く体が動いてくれない。
数十秒が経過した。
血液が体に浸透するように体に自由が行き渡って行く。
足を試しに動かしてみる。しっかりと、動かしているという確かな実感が私の脳へ伝わった。
体が熱いせいなのか、汗をかいている事に気づいた。
手で顔の汗を拭う。
ぬるり、とした感触が顔に伝わる。
汗のせいだろうと思う。
物の数秒でこんなに興奮していたのか。
再度汗を拭うと、またぬるりとした感触が伝わった。
水っぽい感触が私の顔から払拭されることは無い。
まだ顔は濡れていて、なんとも気分が悪かった。
違和感を感じて自分の手のひらを眺めて見ると、
手のひらが血で紅く染まっていた。
あぁ、とようやく気づいた自分の間抜けさに嘆息し、呆れる。
さっき握り緊めたときに自分の手に爪が食い込んで傷を負っていたのか。
そんな事を意識出来るほど、さっきは余裕が無かった。
爪が深く手のひらに傷を刻み、意識すると、それなりに痛い。
吸血鬼の爪は鋭い。
獲物の肉を裂き、捕らえて捕食するための進化だろう。
もっとも、私は狩りをした事も無いので役に立ったことは一度も無いが。
痛みが脳まで響いてくる。
滑稽な話だろう。自分を傷つけるためにこの爪が有るわけでも無いだろうに。
腕を動かす。
連鎖的にズキンズキンと痛みの波が流れる。
また苛立って、手をベッドの上のシーツに叩き付けた。
ばふっ、と気の抜けた音が返ってくる。
苛立ちが収まらないので。
もう2,3回手を叩きつける。
ばふっ、ばふっ、ばふっ
その度に気の抜けた音が鳴った。
当然、叩いたおかげでシーツは血で汚れてしまっている。
全く、朝から最悪の気分だ。
暑いし、痛いし、苛々する。
本当に。
全部アイツのせいだ。
そうに、決まっているよ。
私がこんな所にいなければ、少しはマシな朝だっただろうに。
アイツが、私をこんな所に閉じ込めてさえいなければ。
そう頭から決め付けてアイツの事を私の中でだけ否定してやる。
否定された部屋の中でだ。これぐらいは許してくれないと全く割に合わない。
自分の頭をガリガリと引っ掻き、シャワーでも浴びようかと私の部屋の浴室へと向かう。
見飽きた映像。
ベッド。
本棚。
寝室の中身も浴室の中身も。
何も変わっていない。
狭い世界の中で私と一緒に死んだように変わることを拒み続けている。
それこそ、495年もの間。
拒んでいるのではなく、むしろ拒絶されて、禁止されているだけかもしれない。
無論、アイツにだ。
忌々しげに舌打ちをしながら、浴室の戸を閉める。
必要以上に力が篭り、バタン、と音がした後、寝室には静寂だけが残る。
ベッドの上。
紅に染まったシーツだけが、部屋の中で嫌に目立ったまま放置されていた。
「失礼します」
紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が私の部屋へ来た。
朝食を届けに来たからだろう。おそらくは、の話だが。
もしかすると昼食、または夕食かもしれない。
なにしろこの部屋には光がさすような窓もない。
掛け時計も無ければ、上の階にあるんだろう大時計の音も聞こえない。
ずっと前にパチュリーから貰った懐中時計も壊れてしまった。
そうでなくとも部屋に閉じ込められている以上単調な生活が続いているというのに。
そんな条件が重なり、私の時間の感覚は全て壊れてしまった。
メニューはスープ一品。
毒々しいまでに紅く染まった血のスープ。
メニューの軽さを考えると多分今は朝なのだろう。
それでどうした、と言われるとそこまでなのだが。
健康的な時間に起きていて世間的には良かったといったところだろうか。
もちろん私は世間、要するに外など見た事も無ければ、なんなのかも良く判らない。
極々一般的な物言いをしてみたに過ぎない。
………しかしよく考えてみれば。
私は吸血鬼なのだ。
朝に起きていると言うのはおかしな事だろう。
アイツに言われてみれば、どうせ吸血鬼らしくないとでも抜かすのだろうか。
あはは……と自嘲じみた乾いた笑いが出る。
コレだけ嫌いなのに、アイツの反応ぐらいしか想像もできない。
アイツは今起きているのだろうか。起きているとしたらもしかして上で私のことを嘲笑っているのかもしれない。
私の口からも同じように、自らを蔑むような嘲笑しか出てこなかった。
これだけアイツが嫌いなのにアイツにとことんまでがんじがらめにされて縛り付けられている。
全く滑稽で情けない話だ。
けらけら、あるいはかたかたと乾いたどこか壊れている笑い声を上げていた私を訝しんでか、
「どうされたのですか?」
と咲夜は声をかけて来た。
「なんでもないよ」
と私が微笑みながら答える。
どうせ私の笑顔も錆付いたような笑顔なのだろう。
無理やり理性の上に貼り付けられたこの笑顔はギシギシとでも鳴りそうだ。
「そうですか」
と咲夜は答える。
こちらは満面の笑顔。
営業スマイルとやらだろうか。
そうだとしても、見ていて気分が良くなるような笑顔だ。
にこにこ、と音を付けてあげても別に違和感が無い。
……私も外で生活できれば。
こんな風に笑えるのだろうか。
自分は普通だと信じたいが、やはり笑顔も作れない普通などは有り得ないのだろうか。
―――――ソレは、有り得ないのだろうな。
もう一度自嘲するように口元が歪む。
頭の中で自分が壊れているという証明を終わらせてから、目の前に置かれたスープを口にした。
壊れた私でも、味覚だけはまともなのだろうか。
咲夜が作ってくれたんだろうスープは、とても美味しく感じられた。
「妹様、どこか具合でも悪いのですか?」
咲夜が心底心配そうな顔で私に話しかけてくる。
「…?そんな風に見えた?」
にへら、と腑抜けた笑みをしてみせる。
身体相応の子供らしい、悪く言えば馬鹿らしい笑みが出来上がっていたと思う。
ただ、垢抜けた雰囲気が足りなかったのか、咲夜は私から目線を外してくれなかった。
「…何か悩み事なのでしょうか?私では力不足かも知れませんが話していただけないでしょうか?」
「……咲夜には隠し事出来ないなぁ・・・」
「妹様が下手なんですよ」
「…あははは」
何度目になるのかもかも判らない笑いを浮かべながら、私は咲夜に打ち明け始めた。
あぁ、話題はこれしかないのだろうか。
私は内側にしか居られず、彼女は外側に居るのだから仕方がないといえばそうなのだろう。
話題はお互いが見知った、あるいは聞きかじった事のあるものにしかない。
私が感じるのは、アイツが話題にのぼってしまう事へのもやもやとした気分だけだった。
「お姉さまは…私の事どう思っているんだろう」
「お嬢様が…ですか」
「うん、何で私をこんな所に押し込めるんだろう?」
「そうですね…」
咲夜の言葉が詰まる。
難しい顔をしながら言葉を考える咲夜。
横顔は端麗だ。
たまに来てくれる他のメイドとかパチュリーとかが話を聞くに随分とアイツは咲夜の事を気に入っているみたいだが、納得できる気がした。
「正直な話、私はお嬢様から妹様の事を深くは聞かされていません」
と、咲夜。
あぁ、そうだろうなと同意する。
外側から遠ざけるために私をここに置いているのに外側の話題に上ってしまっては意味が無い。
きっとアイツは私を見たくなくて、聞きたくなくて。
私の発する情報がアイツの五感に訴えかけることを拒んでいるのだろうから。
頭の中で毒を吐く私をよそにそのまま言葉を繋げる。
「けれど、お嬢様が妹様を嫌っているとは思えません」
「…?どうして?」
本当だろうか。
アイツは私が嫌いで仕方なくて、押し込めているのではないのか?
数秒間の空白の後、咲夜はまた口を開いた。
「お嬢様が妹様の話をされる時、決してお嬢様は嫌な顔をされません。」
「パチュリー様とよく昔話をされながら食事をされていますが、お嬢様は妹様の事を話す時に必ず笑顔なのです。」
「嫌いな事を話す時に笑顔の方など居ないのではないでしょうか?少なくとも、私はそう思います」
満面の笑みを付け加えて咲夜はそう言い切った。
やたらと眩しい笑み。
パチュリーから幾度と無く発せられた慰めの言葉。
私の怒りを静めるために何回だって聞かされていた。
アイツは、私のことが嫌いで閉じ込めているんじゃない。
たった今咲夜の口から発せられた同じ言い訳だ。
それこそ、会うたびに聞いていた様な都合の良い言い訳。
私は、ソレを聞き過ごして同意して。
自分を押し込めて置けるほど大人ではない。
「嘘だ」
だからって。
危ないからって。
閉じ込められている私は納得なんか出来ない。
息が荒くなる。
体温が上がり、頭に血が上るのが意識を巡らせるでもなく自分から判った。
そんな事は構わず私は叫ぶ。
「嘘だよそんなの!」
「咲夜は……咲夜はこんな所に閉じ込められてないからそんな事言えるんだ!」
「私の事が大事だったなら、大事だったなら!こんな所に閉じ込めておくもんか!」
「お姉さまは…アイツは自分の事しか考えてないんだ!私なんかどうでも良いんだ!」
「あんなヤツ………ッ!」
「大嫌いだッ!!」
言い放った後に、きっと睨み付ける。
意外にも咲夜は別に私に臆するでも無く献身的な、本当に心配していそうな仕草で私に近寄ろうとした。
咲夜が口を開く。
「妹様、そんな事はありません」
「違わないよ!」
頭の中が支離滅裂な衝動でいっぱいになって、一心不乱に叫んだ。
しかし、咲夜はそのまま私に近づいてくる。
咲夜が手を伸ばし、私に触れようとした。
瞬間、私の中の破壊衝動に火が灯った。
表現は…正しくないかも知れない。
私は怖かったのかもしれない。
優しさから手を伸ばされることに慣れていなくて。
人の優しさが私を捕らえる事が怖すぎて。
私の壊れた感情は軋んだ様な悲鳴を上げた。
火薬が爆発でもしたように、私の感情の温度は一気に上がって。
私は本当に咲夜にそうしたかったかも判らないうちに。
気づいたら、私の手は咲夜の頬を思い切り叩いていた。
パァン、という乾いた音が鳴ったと気付けたのは数秒後。
理性がようやく戻ってきて、叩いたことによる手の痺れを実感できた後だった。
咲夜は目線を少しだけずらして、儚い悲しそうな目を少しだけした後、特に何も無かったかの様に私に近づき、頭を撫でた。
怒るでもなく、子供をあやす様に。
――大丈夫ですよ。皆フラン様の事は大好きですから。
と、耳元で囁いた。
そのまま、咲夜は私を抱きしめる。
体と体が密着する。
髪の毛のニオイが判るほどの距離。
更に私を抱きしめると、鼓動が伝わりあう程の距離になった。
咲夜の鼓動。
――――どくん、どくん、どくん。
規則正しい、音。
体が動いてくれない。
他ならないこの私が、この瞬間を、もっと感じていたいからだろうか。
指一本すら動かせない中。
確かにそこにある他人の生命の音を感じられた。
…初めて、感じることが出来た気がする。
今までこんな触れ合いは有っただろうか?この数百年、冷たい部屋は私に温もりを与えてくれただろうか。
壊れてしまった筈の私の心は何故だか、少しだけ気持ちをまとも感じることが出来た。
暖かさに満ち溢れた、温もりが一杯つまった優しさを。
咲夜は気恥ずかしそうに、
「出すぎた真似をしてしまいましたね、申し訳ありません」
と言う。
私から撫でていた手を離す。
白い、女性らしい細い指だと思った。
普通なのか、私には判らない。
咲夜の顔の、私が叩いたところが赤くなっていた。
私のベッドに近づくと、さっき血で塗れたシーツを持ち上げる。
「食器、お下げしますね」
さっき飲み干したスープの器とスプーンを持つ。
そうすると、その2点を持って元来た出口へと歩みを進めた。
どこか、つかつかと進んでいく咲夜はどこか悲しそうな気がした。
いや、事実悲しかったのだろう。
私に優しく接するつもりが跳ね除けられて。
あげくの果てに暴力を振るわれたのだから。
少なくとも、嫌な気持ちにはなった筈だ。
待って、と言おうとしたが言葉にはならなかった。
喉に詰まった言葉のやり場が見つからず、手を前に伸ばすが届くわけがない。
咲夜が出て行って、扉がバタンと音を立てて閉まると私の喉から嗚咽が漏れる。
私の目から伝うは。
ひとすじの、涙。
なぜ、私はあんなことをしてしまったのだろうか。
なぜ、素直に甘えられなかったのだろうか。
―――私が求めていたことは、そういう物だったのに。
そういう、暖かい。
こんな部屋の冷たい空気なんかじゃなくて。
本当は誰かに優しく手を差し伸べて欲しかったのに。
そう、夢にまで見るほどに。
恋焦がれるほどに欲しい。
ずっと、求めていたものだったのに。
なぜ、どうして。
あそこで叩いてしまったのだろう?
どれだけ後悔しても足りなかった。
いっそ壊れた感情と一緒に私ごと壊して欲しかった。
ひとすじだけでは堪えられなかった涙がぽたぽたと涙が床に落ちる音がする。
堤が切れたようにあふれ出して来る涙は止まってくれなかった。
静か過ぎるこの部屋には。
一人だけのこの部屋に響き渡るには十分すぎた大きさの音。
力が抜けてかくり、と膝が地につく。
立つ気にも成れない。そのまま尻が床につき、両手で顔を覆った。
自分で自分を思い切り罵倒する。
自分で判っていたはずのこと。
小賢しく内面で毒を吐く自分は、ただ構ってもらえないことに駄々をこね続けているただの少女だということ。
優しさに触れたくて仕方がなくて、ばたばたと足掻いているだけなのだということ。
絶望が私の頭の中を埋め尽くして、何も出来なかった。
指で拭うことも忘れて、ただただ私は誰にも見られる訳が無いのに誰にも見られたくなくて。
顔を覆ったまま涙を流し続けた。
「寂しい…よぉ…」
誰にも届かないと判っていながらの声。
届かないのが判っていながら、誰かに届いて欲しいという期待を捨てずにはいられなかった。
「もうやだよっ…おねぇ…さま…ぁ…」
それは、聞き取れないほどに小さい孤独な少女の嘆き。
―――――――嫌というほど味わって慣れた筈の冷たいこの部屋の空気がいつもよりずっと冷たく感じられた。
そうでないなら、愚見ですがタイトルは読者が1番最初に触れる、
いわば作品の顔ともいえるものですのでもう少し工夫した方がよろしいかと。
的外れな指摘ならすみません。
改めて言うと、悪くないと思います。テーマも伝わりやすく、終始暗闇を扱っており、冷たさや寂しさと暖かさとの表現も悪くないと思います。ただ、後書きの「話の設定ですら語りきれていない点」とはいかなものでしょうか。もっと言いたい事があったのなら付け足すべきでしょうし、現状で十分と感じるならこの部分は蛇足でしょう。作品は悪くないと思うんですけど、暇つぶしで終わってる気がしてちょっと残念です。もう少しかける物があったなら、まとめて付け足すなり、別の作品にするなりして下さると、少し楽しみになります。
ともあれ、興味深い作品でした。また会いましょう。では。
根本にある理由を伝えないレミリアが悪い、とも言い切れない所が難しい。
口で言ってわかる程、フランは大人ではないですもんね。