今のままでは駄目だ、と雲山は考えた。
彼は入道雲であるから言葉を持っていない。
正確には持っているのだが、一輪以外誰も彼の言葉を理解できない。
そうすると一輪が近くにいない限り雲山は他者とコミニュケーションを取りにくい。
それをどうにかしようと彼は悩んでいた。
『いつも一輪のそばにいるのだから問題ないのでは?』と思う方もいるだろうが
この前、その一輪が熱を出して寝込んだ事があった。
妖怪である一輪が寝込む程の病気だったため、皆が心配した。
しかもその日は檀家が訪問する日であったため聖や星はどうしてもそちらの対応をするしかなく
ナズーリン、村紗、ぬえの三人で不慣れながら一輪の看病を行なっていた。
そんな中自分も何か出来ないものかと考えていたのだが肝心の一輪が寝込んでしまっていたため
誰にも自分の意思を上手く伝える事が出来ずに情けない思いをした。
熱がひいた後、一輪は『しょうがない事だから、そんな事気にしないでいい』と言ってはくれた。
しかし、もしもあの時自分に何か手伝える事があったのなら皆の負担は多少なりとも軽くなったはずだ。
力仕事くらいしか出来ないかもしれないが、その時の事を思うとどうしても自分が情けなくなってしまう。
だから、どうにかして一輪がいなくても自分の意思を伝える方法を考えよう、と彼は思った。
それから暫く雲山は自分の可能性にチャレンジしてみた。
――
最近雲山の様子が少しおかしい。
あの時、自分が寝込んだ時から雲山は考え事をしている事が多くなった。
あの時は仕方がなかったのだ、自分以外彼の言葉を理解できる者はいない。
気にする事はない、と言ったのだが、あの時の雲山は酷くガッカリしていた。
「……まったく」
気にしなくていいのに、変に真面目と言うか何て言うか……
一輪は溜息を吐きながら、それが彼の良い所かもしれないとも思った。
それからしばらくしてから一輪は雲山に呼び出された。
――
「え?私がいなくても他の人とコミニュケーションを取る方法を考えたって?」
雲山はコクコクと頷く。
あの時言葉が通じない事を気にして、彼なりに悩みぬいたのだろう。
そんな彼の優しさが嬉しいと同時にどうするのか興味があった。
「……まだ、簡単な挨拶を考えた程度なのね?ちょっと見せてもらってもいい?」
『(>▽<)b』
「……っ!?」
一輪は一瞬我が目を疑った。
今見てはいけないものを見た気がした。
今まで見た事がない程とてつもなくフランクな雲山を見た気がした。
だが、きっと気のせいだ。
見間違いに違いない。
一輪は今見た物を一度忘れる事にして、心を静めた。
そして、思いつく簡単な挨拶を口にする。
「……おはよう」
『 ̄O ̄)ノ』
「……こんにちは」
『v( ̄∇ ̄)v』
「……ありがとう」
『d(⌒O⌒)b』
「……ごめんなさい」
『m(_ _;)m』
「……おめでとう」
『(* ̄∇ ̄)/゚・:*【祝】*:・゚\( ̄∇ ̄*)』
「……驚いた」
『( Д ) ゚ ゚』
「……雲山?」
『???(・x・)???』
一輪は迷った。
この一言を言うべきかどうか本気で迷った。
これは結果はどうであれ雲山が悩んで考えた上での結果だ
彼なりに頑張った事だろう。
だが、言っておいた方がいいだろう。
もしもほおって置いたのならこれから先の彼のコミニュケーション相手が同じ事を
思ってしまうだろうから、だから今のうちにハッキリと言う事にした。
「キモイ」
『Σ(T□T)』
彼は入道雲であるから言葉を持っていない。
正確には持っているのだが、一輪以外誰も彼の言葉を理解できない。
そうすると一輪が近くにいない限り雲山は他者とコミニュケーションを取りにくい。
それをどうにかしようと彼は悩んでいた。
『いつも一輪のそばにいるのだから問題ないのでは?』と思う方もいるだろうが
この前、その一輪が熱を出して寝込んだ事があった。
妖怪である一輪が寝込む程の病気だったため、皆が心配した。
しかもその日は檀家が訪問する日であったため聖や星はどうしてもそちらの対応をするしかなく
ナズーリン、村紗、ぬえの三人で不慣れながら一輪の看病を行なっていた。
そんな中自分も何か出来ないものかと考えていたのだが肝心の一輪が寝込んでしまっていたため
誰にも自分の意思を上手く伝える事が出来ずに情けない思いをした。
熱がひいた後、一輪は『しょうがない事だから、そんな事気にしないでいい』と言ってはくれた。
しかし、もしもあの時自分に何か手伝える事があったのなら皆の負担は多少なりとも軽くなったはずだ。
力仕事くらいしか出来ないかもしれないが、その時の事を思うとどうしても自分が情けなくなってしまう。
だから、どうにかして一輪がいなくても自分の意思を伝える方法を考えよう、と彼は思った。
それから暫く雲山は自分の可能性にチャレンジしてみた。
――
最近雲山の様子が少しおかしい。
あの時、自分が寝込んだ時から雲山は考え事をしている事が多くなった。
あの時は仕方がなかったのだ、自分以外彼の言葉を理解できる者はいない。
気にする事はない、と言ったのだが、あの時の雲山は酷くガッカリしていた。
「……まったく」
気にしなくていいのに、変に真面目と言うか何て言うか……
一輪は溜息を吐きながら、それが彼の良い所かもしれないとも思った。
それからしばらくしてから一輪は雲山に呼び出された。
――
「え?私がいなくても他の人とコミニュケーションを取る方法を考えたって?」
雲山はコクコクと頷く。
あの時言葉が通じない事を気にして、彼なりに悩みぬいたのだろう。
そんな彼の優しさが嬉しいと同時にどうするのか興味があった。
「……まだ、簡単な挨拶を考えた程度なのね?ちょっと見せてもらってもいい?」
『(>▽<)b』
「……っ!?」
一輪は一瞬我が目を疑った。
今見てはいけないものを見た気がした。
今まで見た事がない程とてつもなくフランクな雲山を見た気がした。
だが、きっと気のせいだ。
見間違いに違いない。
一輪は今見た物を一度忘れる事にして、心を静めた。
そして、思いつく簡単な挨拶を口にする。
「……おはよう」
『 ̄O ̄)ノ』
「……こんにちは」
『v( ̄∇ ̄)v』
「……ありがとう」
『d(⌒O⌒)b』
「……ごめんなさい」
『m(_ _;)m』
「……おめでとう」
『(* ̄∇ ̄)/゚・:*【祝】*:・゚\( ̄∇ ̄*)』
「……驚いた」
『( Д ) ゚ ゚』
「……雲山?」
『???(・x・)???』
一輪は迷った。
この一言を言うべきかどうか本気で迷った。
これは結果はどうであれ雲山が悩んで考えた上での結果だ
彼なりに頑張った事だろう。
だが、言っておいた方がいいだろう。
もしもほおって置いたのならこれから先の彼のコミニュケーション相手が同じ事を
思ってしまうだろうから、だから今のうちにハッキリと言う事にした。
「キモイ」
『Σ(T□T)』
顔文字弾幕がそのうち出るかも…
ていうかそんなことできるなら普通に文字に変形して意思疎通しろよww
でも『(>▽<)b』な雲山はちょっと見たいかもw
それにしても、きっとスペカの名称も雲山自身が考えているんだろうなぁ。
鉄拳『入道にょき』とか心の中で叫ぶ雲山、やっぱりちょっとカワイイ。
なんとかコミニュケーションを取ろうと考えたこととか面白かったです。
雲山はキモくないよおおおおおおおおっ!!
ほら、全然キモくないよ?(・ε・)
次に見た時から胸の高鳴りを感じた。
こ、これはまさか春ッ……!?