この物語は作品集54の『信仰は儚き人間の為に、恋愛は愛しき同性の為に? 』の設定を使っています。
読んで無くても大丈夫とは思いますが、過去作を読んでいるとカップリング等が分かりやすいかもしれません。
色々ありまして慧音が紅魔館に居候、アリスが美鈴と仲良くなってます。
「今日は紅魔館の外…というより人里に出かけてみようと思うんです。
という訳でお嬢様に今日は外出許可を頂こうと思いまして」
きっかけは美鈴さんのそんな何気ない一言だった気がします。でも、そうじゃなかった気もします。
すいません、少し記憶が曖昧なんです…ええ?大丈夫ですよ。別に病気とかそういうのではありません。
ですから精密検査とかそういうのは勘弁して下さい…パチュリー様、どうしてそこで目を輝かせるんですかああ…
その後に色々とありまして…あ、はい。話の続きですね。そうです、美鈴さんがお茶会の席でそんなことを口にしたんです。
「許可を出すのは構わないけれど、随分急ね。
何か人里に用でもあるの?もし何かあるのなら慧音にでも頼んだ方が早いのではなくて?」
いちばん最初に反応したのは確かお嬢様でした。はい、それは間違いないです。
お嬢様のその言葉に、慧音さんが『お前は私を従者かなんかと勘違いしてないか』とお嬢様に突っ込んでましたから。
それで、お嬢様の質問に美鈴さんが確か…
「はい。実は最近、服のサイズが少し合わなくなってきまして…それで、人里に服を買いに行こうかと」
そうです。美鈴さんのその一言で場の皆さんの空気が変わったんです。
具体的に言うとお嬢様と咲夜さんとアリスさん、その三人方の空気だけなんですが。
妹様は話に耳を傾けるより、お菓子に夢中でしたし、慧音さんは普通の日常会話って感じで相槌を打ってる感じでした。
…え?どんな風に空気が変わったか、ですか?えっと…言葉にすると凄く難しいのですが…何て言いましょう。
こう、お嬢様と咲夜さんは微笑んでるんです。微笑んでおられるんですが、凄く重圧が感じられたと言うか、
何というか…えう、すみません。本当、言葉にし難いのですが、とにかく空気というか気圧が急に落ちたというか。
お二人とは対照的にアリスさんは分かりやすかったですね。思いっきり眉を顰めて、咲夜さんとお嬢様の方を
これでもかってくらい睨みつけてました。えっと、睨みつけるというのは言い過ぎかもしれませんが、
とにかく二人に視線を送ってましたね。本人には絶対言えないのですが…その、少し怖かったです。
それでですね、美鈴さんの言葉に次に反応したのは慧音さんでした。
「ふむ…確かに門番で常時馬車馬のように働いていた頃に比べると、
運動不足になるのは仕方が無いかも知れんな。まずは食生活から改めてみるのはどうだ?」
「へ?運動不足に食生活ですか?…………あ!?
ちちち、違いますよ!!?そういう意味で服のサイズが合わなくなってる訳じゃありません!!
体重は全然変わってません!本当なんです!!」
「なんだ、違うのか。それは失礼した。となると、縦の方向か」
「えっと…そっちの方でもなくて、その…」
顔を赤らめて口篭る美鈴さんに、慧音さんは首を捻ってまして。勿論私も同じでした。
その時は美鈴さんが何を言おうとしていたのか、全然分からなくて。
太ったわけでも背が伸びた訳でも無し、それなら一体どうして服のサイズが合わなくなったんだろうって。
…お願いですからそこで笑わないで下さい。うう…私だってこれからなんです。未来があるんです。
いつの日か大悪魔になったら、もっと美鈴さんや慧音さんのようにばいんばいんな女性に…あ、すみません。話が逸れてしまいました。
それで、美鈴さんが口を開く前に、お嬢様と咲夜さんが口を揃えて同じ言葉を言ったんですよ。
「「胸ね」」
いや、本当にびっくりしました。もう凄くびっくりしました。
何がびっくりって…いえ、確かに未だに美鈴さんの胸が大きくなっているのにもびっくりしたんですが、
その時驚いたのはお嬢様と咲夜さんが本当に息ピッタリで同じ台詞を言ったんですよ。
なんていうか、これが真の主従なんだなあって思いました。それで、私だけじゃなくて美鈴さんも驚いたみたいでして。
「ど、どうして分かったんですか!?」
「愚問ね。美鈴の事で分からない事など何一つ存在しないわ。
その気になれば貴女のスリーサイズの変動から平均入浴時間、身体を何処から洗う事が多いか、
下着を何枚所有しているか、寝言で一日平均何回『お嬢様愛しています』と呟いたかまで諳んじる事だって出来るもの」
「相変わらず鬼神の如き変態ぶりだな。あと最後のヤツはどう考えてもお前の捏造だろう」
「お嬢様、美鈴の基礎体温周期が抜けていますわ。
それと下着はブラとショーツをしっかり分けて数えている事も進言させて頂きます」
「お前も少しは自重という言葉を覚えろ、この変態駄メイド長」
お嬢様や咲夜さんに慧音さんが色々と言っているのを、美鈴さんは苦笑して見ていましたね。
でも、慧音さんって凄いです。お嬢様や咲夜さんにあんな言葉を平然とぶつけられる人なんてそうそういませんよ。
というか、慧音さんも紅魔館に住まれるようになって結構経ちますよね。
家が直ったら、やっぱり人里に戻ってしまわれるのでしょうか…少しだけ、寂しいです。折角お知り合いになれたのに。
…あ、す、すみません。話がまた逸れてしまいました。えっと、それで…次に確か咲夜さんが。
「服なら買いに行かずとも用意するわよ。
…というか、以前からずっとそうしてるじゃない。貴女、人里で服なんて今まで一度も買ったことないでしょ」
「買ったことがないというより、買えなかったの間違いでしょ。
貴女達が美鈴を年中無休の給料無し、なんて巫山戯た条件で働かせてたからでしょう」
そうそう、確かそのときアリスさんがようやく口を開いたんです。
ふえ?あ、別に話を止めた意味は無いんですが…えっと、話を続けますね。えっと…
「五月蝿いわね。今は反省してちゃんと労働環境も改善したから問題ないでしょう。
それで美鈴、どうして急に自分で服を買いに行くなんて言いだしたの?もしかして、私が買ってくる服が嫌だった?」
「ち、違いますよ!咲夜さんの買ってきてくれる服は凄く大好きです!大切に着させて頂いてますよ!
…あ、でも、その、手作りで露出度の高い服はちょっと許して欲しいかな~、なんて…」
「何を言ってるのよ!!むしろそっちを喜んで着なさいよ!!
あれは全部貴女の為だけに私が精魂込めて作った世界に一つだけの衣服なのよ!?
いわばナンバーワンよりオンリーワン、世界で一番輝きたい想いはナンバーワンスターな美鈴の為だけの衣服なのよ!?」
「ナンバーワンなのかオンリーワンなのか一体どっちなんだお前は。
それで美鈴、話を聞く限りでは今まで衣服は全て咲夜に任せていたんだろう?
それをどうして急に自分で買いに行きたいと言い出したんだ?」
「えっと…そ、その…あの、凄くお恥ずかしいお話なのですが、笑わないで聞いて頂けますか?
服のサイズがきつくなったのも理由の一つではあるんですが、実は一番の理由は別なんです」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら話す美鈴さん、なんだか凄く可愛かったです。
…えええ!?ちちち、違いますよ!!全然そういうつもりで言ったんじゃありませんよ!?
ただ、その、なんていうか、子供の可愛さといいますか、もじもじしてる姿が母性心をくすぐる表情と言いますか…
ううう…お願いですからそんな風に笑わないで下さいよ。でも、本当にその時の美鈴さんは可愛らしかったんですよ。
現にお嬢様や咲夜さんは…すみません、何でもありません。えっと、とにかく感動してました。お二人は鼻血とか出してません。全然出してませんでした。
あと慧音さんが必死に妹紅さんの名前を何度も呟いてました。理由は分かりません。一体どうしたんでしょうか。
それで、少し躊躇った後に、美鈴さんが事情を話しだしまして。
「えっとですね…咲夜さん、一週間ほど前に一緒に人里に行ったのを憶えてますか?」
「ええ、勿論よ。確か買出しに付き合ってくれた時の事よね。
妖精メイド達だけじゃ人手が足りなかったから、あの時は凄く助かったわ」
「ちょ、ちょっと咲夜!?私、その話は聞いてないわよ!?
どうして私に黙って美鈴とデートしてるのよ!?そういう時は私も誘うように言っておいた筈じゃない!?」
「お嬢様、デートではありません。ただの買出しです。
そのような雑務に対し、お嬢様にお付き合いして頂く訳にはまいりません」
「そう…デートじゃないのね。買出しなら仕方が無いわ。許してあげる。
確かに紅魔館の主たる者が、一々従者の買出しに付き合うのもどうかと言うもの。
それでは美鈴、続きを話しなさいな」
「あ、はい。その時、咲夜さんはメイド服じゃなくて私服だったじゃないですか。
あの時は面と向かって言うのが恥ずかしくて口に出来なかったんですが、その、凄く格好良くて」
「そう?ありがとう、そう言って貰えると前夜に二時間悩んで服を選び抜いた甲斐があったわ。
折角美鈴との久しぶりのデートですものね。生半可な服装じゃ貴女の前に出られないもの」
「で、デートって言った!!今確実にデートって言ったわ!!
というか私服で美鈴と二人きりで外出してる時点でデート確定じゃないの!!何その羨ましいシチュエーションは!?
どういう事よ咲夜!私に内緒で美鈴とデートなんて絶対に許せないわ!!どうして私も誘わないのよ!?
私だって美鈴と外でイチャイチャしたいのよ!人里で『ごめんね、待った?』なんて言われてみたいのよ!
攻略サイトを横目にどれも同じような内容の三択選択肢を選んでは美鈴の好感度を上げたいのよ!!
そして三年後には伝説の樹の下で美鈴に呼び出されて告白されたいのよ!!」
「違いますわお嬢様。私と美鈴が人里で行ったのは買出し。
あくまで買出しです。ええ、デートと言うのは形だけで買出しですわ」
「…そう。買出しなら仕方が無いわね」
「…あのな、レミリア。頼むから少し黙っててくれ。それと頼むから誰にでも分かるような幻想郷共通語を話せ。
お前が一々横槍を入れるから美鈴の話が先ほどから全然進んでないだろう」
慧音さんに指摘されて、お嬢様は不満そうでしたけど、渋々押し黙ってました。
慧音さんの仰っていた言葉通りなんですが、私もお嬢様の仰ってた言葉の意味がよく分かりませんでした…
あ、はい。話を続けますね。それでえっと…
「そ、その…本当に分不相応な考えとは分かっているのですが、あの、本当に凄く格好良いなと憧れてしまいまして。
咲夜さんみたいには似合わないかもしれませんが、私もあんな風になってみたいなって…」
「要するに自分も咲夜のように自分で服を買ってオシャレをしてみたい、と。
別に笑うような事ではないだろう。女ならば誰しも必ずそう思うものだ。むしろ良いことじゃないか」
「そうね、私も慧音の考えに賛成だわ。
前から少し考えていたんだけど、美鈴はオシャレに関して少し無頓着過ぎる気がしていたの。
折角元が良いのに、それは凄く勿体無い事よ。その容姿で着飾ろうとしないのはむしろ罪ね」
「あ、え、えっと…あ、ありがとうございます…」
慧音さんとアリスさんの言葉に私も同意です。
美鈴さんは元が凄い美人さんなのにオシャレしないなんて勿体無いですよね。
…えええ!?で、ですからそういうのじゃ全然ありませんってば!!あくまで一般論ですよ!
もう!お願いですからからかわないで下さいよ~!パチュリー様は本当にイジワルです!
あ、その時の咲夜さんなんですが、何ていうか完全に固まってましたよ。
理由は分かりませんが…美鈴さんから褒められた後、まるで時間でも止まったかのようにビシって感じで。
逆にお嬢様は…なんていうか、この世の終わりが来たみたいな感じで机に突っ伏されてました。
いや、本当にそんな感じだったんですよ。あんなに落ち込んだお嬢様を見たのは初めてかもしれません。
咲夜さんは固まってはいたんですが…何ていうか、幸福に満ち溢れた表情でしたね。まさに『我が生涯に一片の悔い無し』って感じでした。
鼻血…出てません、出てませんよ全然。咲夜さんの鼻血なんて私は全然見てません、はい。
「という訳で、私も自分のお給金で自分の服を買ってみたく思いまして」
「うむ、それは確かに良い事だが、今から一人で人里へ向かうのか?
服を自分だけで選ぶのも悪くは無いが、誰かに付き添ってもらって気に入った服が似合っているかを
判断してもらうのも良いと私は思うぞ。自分の目と他人の目は少し見栄えが変わる場合があるからな。
無論、自分の気に入った服を買うのが一番だが、どうせ買うなら他人に見てもらって似合うと言われる服が良いだろう」
「うーん、そうですね…正直、服が欲しいとは思うものの、
どうすれば咲夜さんみたいに格好よくなれるかは全然分かりませんし…
もしよろしければ、誰かに付き合って頂けると嬉しいのですが…」
うーん…私は美鈴さんは何を着ても絶対に似合うと思うんですけど、そういうものなんでしょうか。
それでですね、美鈴さんがそう言った瞬間、お嬢様と咲夜さんとアリスさんが一緒に声を上げまして。
ええ、本当にタイミングを見計らったかのようでした。お三方の声が本当に重なり揃って聴こえましたし。
「仕方ないわね…大切な従者の服を見繕ってあげるのも主の役目だわ。
他ならぬ美鈴の為だもの。私が直々に人里まで付き合ってあげるわ」
「そうね、美鈴をその気にさせてしまったのは他ならぬ私だもの。
私が責任を取って服が似合うかを判断してあげる。何より、買出しに付き合ってくれた事へのお礼がまだだしね」
「私が付き合うわ。折角美鈴がオシャレに目覚めようとしてるんだもの。
分からないところは私が全てエスコートしてあげるし、貴女の意見をしっかり取り入れた服を見繕ってあげるわ」
いや、もう本当に怖かったです。何が怖かったって、お三方のこの後の会話がですよ。
皆さん、他のお二人が美鈴さんの買い物に立候補した事に気付くや否や、もう物凄く敵意剥き出して他の方を睨みつけてましたし。
…いえ、それだけなら良かったんですよ。ですから、先ほども言いましたように、会話が怖かったんですってば。
こうやって言ってるだけでは恐怖が伝わらないかもしれませんが、本当にもう恐怖で涙が出そうでした。
ですから笑い事じゃありませんってば!パチュリー様はあの場にいらっしゃらなかったから笑っていられるんですよ!
だって、お三方みんな顔は笑ってるんですよ?顔は笑ってるのに目が全然笑ってないんですよ!
空気も凄く重たくて、一気に気圧どころか温度まで下がったような感じで…
か、会話内容ですか?えう…えっと…口にするのもあれなんですが…
「あら。咲夜、貴女はこの後メイド長としての仕事がまだ残っているでしょう?
仕事を残して美鈴に付き添おうだなんて感心しないわね」
「いえ、今日の分の仕事なら『つい先ほど』既に全て終えていますわ。
夕食の準備も終了しましたし、美鈴に付き合う位の余裕はありますから。
それよりアリス、貴女はお客様でしょう?折角のお客様に、従者の買出しに付き合わせる訳にはいかないわ」
「別に紅魔館の従者の買出しに付き合うつもりなんてないわ。
私はアリス・マーガトロイドの友人である紅美鈴の買い物に付き合おうとしているだけだもの。
それよりレミリア、こんな昼間から吸血鬼が人里にわざわざ『従者』の買い物に付き合おうだなんて、
紅魔館の主様って随分暇な職業なのね」
「時間は生まれるものではなく作るものよ。
多忙の中、愛しい美鈴の為に時間を作り、美鈴の為に使ってあげようという主の心遣いが分からないなんて
田舎人形遣いの感性も随分錆び付いてるのね。そんな風だから貴女友達が少ないのよ」
「あら、私の友達の多寡はこの話に関係あるのかしら?
それに私が美鈴の買い物に付き合ってあげると言ったのは、他ならぬ美鈴の為でもあるのよ?
どうせ貴女達は自分の趣味を美鈴に押し付けて、またコスプレみたいな服を美鈴に着せるつもりでしょう」
「失礼な事を言ってくれる。私をお嬢様と一緒にしないで頂戴。
私は従者として美鈴と同じ目線、同じ立場で十数年を共にしてきた仲なのよ?
美鈴の好みなんて今更把握しなおすまでも無いわ。私が着る服選ぶ服、それは即ち美鈴の喜ぶ服なのよ」
「ちょっと待ちなさい、咲夜。今のは聞き捨てならないわ。
美鈴と貴女の服を一緒に考えてどうするのよ。大体貴女と美鈴は決定的に胸のサイズが違うでしょう。
貴女が普段着ているような服を買っても、美鈴は胸がきつくて着れる訳ないじゃない。美鈴は巨乳、貴女は貧乳でしょ」
「…お嬢様、そのお言葉には少々異を唱えさせて頂きます。
確かに美鈴のバストサイズは幻想郷随一、八雲の狐と同等かそれ以上とも思える素晴らしき豊乳です。
ですが、私の胸のサイズが小さく思えるのは常にその美鈴と行動するが故。
常識サイズで考えれば、私は平均以上のサイズを充分有していると自負していますが」
「貴女の胸の話なんか今はどうでもいいのよ。大体レミリアは人里で買い物なんてしたことないんでしょう。
それなのに美鈴にアドバイスを送れる訳がないじゃない。行くだけ時間の無駄だわ」
「それは貴女だって変わらないでしょう。引き篭もり人形遣い風情がよくもまあ言ってくれる。
貴女が人里で買い物をするとき、村人とコミュニケートを取っている姿が全然想像出来ないんだけど」
「哀れね、想像力が欠如している人って。自分の偏見と妄想でしか物事を捉えられないのね。
まあ所詮緋色なんて一色。七色から見れば一割四分七里に過ぎないから仕方ないのだけれど」
「まあ、正論ではありますね。お嬢様が美鈴の買い物に付き合ったところで、何が出来るという訳でもありません。
かと言ってアリスみたいな万年孤独魔法使いが行ったところでどうなるものでもないでしょう。
餅は餅屋、従者に関する事は従者が何より心得ているの。いいから貴女も引っ込んでなさい」
「引っ込めないわよ。貴女達みたいな変態に美鈴の大事な服選びを任せられないわ。
今美鈴は女の子として大事な時期なのよ。そんな心の成長期に、貴女達に好き勝手させる訳にはいかないの」
「いいからその辺で魔理沙とでも乳繰り合ってなさいよこのモンスターペアレント」
分かりますか、この恐怖が。今のを全て皆さん笑顔で会話してらっしゃったんですよ?笑顔ですよ?
笑顔なのに凄く怖くて。もう本当に怖くて。あの時、泣き出さなかった自分を褒めてあげたいくらいです。
もう本当にいつ爆発してもおかしくない状態で…何が爆発するかですか?勿論、お三方の我慢の限界がですよ。
いつ弾幕が目の前を通過しても全然おかしくない、そんな雰囲気が部屋中を包み込んでたんですよ。
美鈴さんは何が起こってるのか理解出来ていなかったみたいで、不思議そうにお三方の方に視線を向けてましたし、
慧音さんに至っては凄く呆れたような顔をして『私は知らん』って感じで紅茶を飲んでいましたし…
もう本当に一触即発の状態で『もう駄目だ』って思いながらも必死に神様に祈ってたんです…
そんな時、私の声を聞き届けてくれたかのように、部屋の空気をあの方が変えて下さったんですよ!
「ねー、めーりん。退屈だから私も一緒に行っていい?
私も新しい服が欲しいの。めーりん、服買って」
「え?あ、勿論全然構いませんよ。妹様さえよろしければ、ご一緒して頂けますか?」
「うんっ!私、めーりんとお揃いの服が良い!
それじゃ早く行こっ!めーりんとお揃いの服を着て橙に自慢しに行くのっ!」
「へ?今すぐですか!?ちょ、ちょっと妹様!?お願いですから引っ張らないで…そ、それじゃ行ってきます~!」
美鈴さんの手を握り締めたまま、妹様が美鈴さんを引っ張ってそのまま部屋の外に出て行っちゃったんですね。
本当、妹様が神様に見えました。あの場の凍てついた空気を簡単に壊して下さったんですから。
流石は妹様です。『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』の所有者です。空気ブレイカー万歳です。
こうして、美鈴さんの外出の件は終わったんですよ。いやいや、本当に一件落着です。本当に良かったです。
…へ?本当にそのまま何事も無く終わったのか、ですか?
勿論ですよ。確かあの後、妹様と美鈴さんが出て行った後、何事も無くお茶会を終えたような…
…そういえば、どうしてこの部屋はこんなにボロボロなんでしょう?あれ?どうして慧音さんは気絶してらっしゃるんですか?
何だか私も頭がさっきからズキズキしますし…わっ!?今気付いたんですが、私の頭にたんこぶが出来てますよ!?
あれえ…一体何があったんでしょう。そう言えばパチュリー様、私、どうしてこの部屋で寝てたんでしょう?
あと、外から激しい爆発音が…ちょ、ちょっとパチュリー様、どうして窓のカーテンを閉めるんですか!?外で一体何が起こってるんですか!?
どう考えても外から弾幕勝負してるような音が…弾幕?弾幕…ううん、何か引っかかるような…えっと、すみません…ちょっと頑張って思い出してみます。
ええとですね、美鈴さんと妹様が部屋を出て行った後…確かその後、お嬢様が咲夜さんのせいだと声を大にしてまして。
そして咲夜さんはアリスさんのせいだと訴えまして…それでアリスさんはお嬢様のせいだと声を荒げまして。
それでえっと、怒ったお嬢様が魔力を机に叩きつけて…ああああああああああああああああ!!!!!!?
おおおおお思い出しましたああああああ!!!!!!完全に思い出しちゃいましたあああああああ!!!!!
それでアリスさんも魔道書と人形を取り出して、咲夜さんもナイフを構えて、それから…こ、こああああー!!こああああーー!!!
「さっさと落ちなさい!!!このぼっち魔法使いが!!!!」
「しつこいのよ変態メイドが!!!」
「変態って言うな!!変態という名の淑女と言いなさい!!!」
「今日も紅魔館は日々是異常無し…と。平和なのは良い事だわ」
「こあーーー!!!こあーーーー!!!こあーーーーーーー!!!!!」
アリスさん魔理沙はほったらかしですか
親バカと言う名の遺伝子を。
そしてフラ様超GJです。
こあーーー!!!こあーーーー!!! の違いkwsk
いやー ほのぼのしていて和みました~。
え?弾幕が飛び交っている?
それを含めて「いつも通りの平和な紅魔館」で和みましたよw
がんばれっ めーりん! がんばれっ こあー!! ガンバレw けーねw
しかも何気に変体全開ですね。
ニヤニヤしながら読みました。
しかし美鈴・・・・君はまだ成長してるんだね?
何センt(弾幕の嵐
脱字の報告です。
>服のサイズが少し合わなくきてまして~
服のサイズが合わなくなってきまして~ですよね。
そういえば幻想入りしてそうだよな、伝説の樹…ところで美鈴が大陸風着衣を脱いだら中国じゃなくなるのか?
・妹様が美鈴みたいな下着を着ようとする
・妹様が自分の趣味の下着を美鈴に着せようとする
どっちなんだ?
こええ こええよ
あの中でパチュリーは無傷だったのかkwsk
いや、うん幸せそうで何よりです。
こああああー!!
そしてこああああああーーー!!
いつも通りの紅魔館はほのぼのしますね(何か変なこと言ったか?)
小悪魔のこああああー!! いいね。いいね。
投稿が約一ヶ月ぶりくらいだったので、お恥ずかしい話なのですが凄くドキドキしながら投稿してました。
今回はこれまでの投稿作に比べてかなり短めなお話なのですが、感想を頂けて凄く嬉しかったです。
次の長編もまた皆様からお言葉を頂けるよう、しっかりと頑張ろうと思います。本当にありがとうございました!
>1様
これが日常になってる辺り、そろそろ本当にレミィファンの方や咲夜ファンの方に怒られてしまいそうです(今更過ぎる
子供が出来たばかりの母親は子供につきっきりで、夫へはなあなあになるという法則がですね
>12様
アリスと美鈴は原作で接点が全然無いから、会話させていて凄く楽しいです。慧音とレミリアの会話も楽しいです。
今後もアリスは紅魔館のお話に慧音同様準レギュラーとして参加出来そうです。フランちゃんは可愛い、可愛いは正義です。
>16様
こあの言葉はパチェしか理解出来ないので、私如きではとてもとても…
でも、こああああー!!の方が恐怖感の瞬間風速が強く、こあーーー!!!は持続的な恐怖感な感じだって慧音が言ってた(嘘つけ
>ぽてと様
こんな破天荒な紅魔館ですが、こんな変態紅魔館の日常を受け入れて頂けると凄く嬉しいです。
そして先日はご心配をおかけしました。骨折は治りまして、やっとギブス無しで歩けるようになりました。
HPもいい加減更新をしないといけないんですが…それは追々頑張ろうと思います(今頑張れよ
>煉獄様
紅魔館が壊れるのは日常茶飯事みたいです。でも修理係のパチェも『楽しければいいのよ』って魔理沙みたいな台詞を言ってました。
美鈴のおっぱいはみんなのロマンなんです。夢と希望が詰まっているんですよ。そして、誤字のご指摘本当にありがとうございました。
本当、誤字脱字だけは何回見直しても、いつも見落としがありますね…本当、皆様のおかげで凄く助かっています。
>無刃様
私はTOHEARTではなくときめも世代でした。立派なオッサンですね(きいてねえ
そういえば話の中で美鈴を中国と呼ばせてるのは魔理沙だけですね…ううん、何で魔理沙だけに中国と呼ばせてるのやら(憶えてないのか
>35様
美鈴がくまさんパンツをはいたり妹様がアダルティーな下着を着るわけですね。畜生…安西先生、幻想郷に行きたいです…(病気
余談ですが、今まで美鈴が着用してた下着は全て咲夜さんが買ってきたものだったりします。サイズを知ってる理由とかは聞かないで下さい。削除されてしまいます。
>41様
女の戦いとはかくも恐ろしいものなのです。そして当の美鈴は知らぬ存ぜぬ天然娘なのです。
でも修羅場的な意味では妖夢と霊夢の藍争奪戦の方が泥沼化しそうではあります。…いや、そんなの書けませんが。
>43様
最近こあの可愛さに気付き、SSを読み耽る毎日です。こあ可愛いよこあ。
パチェさんはその場にいなかったみたいなので無傷です。いたらいたで美鈴の写真を安全な場所で撮って我関せずだったと思います。
>45様
美鈴とフランの買い物イベントなんて書いたら変態要素が微塵も無いさわやかなお話になってしまうではないですかっ(ええええ
でも、個人的にレミリアと美鈴、藍と紫の会話シーンは全て純愛だと自負しております。…すみません、ちょっと永琳のところで頭診て貰って来ます。
>48様
八雲一家のお話なら妖夢、紅魔館のお話ならフランが清涼剤になってる気がします。
その二人がいない時は確実に話が変態方向に突き進んでしまうのです…んふ、こあったものです。こああああーー!!!
>50様
なんという訓練された変態紅魔館ニスト…ここがバーだったなら五時間ほど紅魔館について熱く共に語り合いたいところです。
妹様の可愛さはルナティックです。そんなに可愛いから私達はコンティニュー出来ないのさっ
>60様
妹様はエクストラですから。こあは何ていうか、いつもパチェにからかわれてそうなイメージです。
そしてそれ以上に心から愛されていそうなイメージです。こあも紅魔館の立派な家族の一員なのです。
慧音先生が妹紅と仲直りできるのを応援してます!!
こあああーーー!!! こあああーーー!!!
あと、大悪魔になったこあの話wktk
紅魔館は変態ファクトリーか!(違
しかし小悪魔の悲鳴がなにやら流行りそうですね。こああああーー!!!
ソンな清々しい空気に居る事に・・・
でも1番美味しい所を全部見てたパチュリーの1人勝ちかwww
今回のお話で『いつも通り』と言って頂けると本当に嬉しく思います。
妹紅のお話を書くためにも慧音先生にはしっかり頑張ってもらおうと思います、はい。
>69様
なんというか、変態もまた純愛の一つの形だと思うのです(全然違う
大悪魔は無理ですが、小悪魔が紅魔館に着た時のお話とか書いてみたいですね。
でも、その前に美鈴とレミィの出会い話を完成させないと…でも、藍とゆかりんの昔話も書きたいし…
本当、まだまだ沢山書きたいことだらけです。
>名前を表示しない程度の能力様
美鈴への愛が育まれる楽園、それが紅魔館なのですよ。
小悪魔の悲鳴は幻想郷中に駆け巡ります。小悪魔可愛いよ小悪魔。こあー!!!!
>時空や空間を翔る程度の能力様
ぱっちゅさんは基本的に美味しいトコ取りですね。
パチェもそうですがレミィといい咲夜といい本当にキャラ崩壊が激しいです。本当、いつ刺されても文句言えないくらいです(全くだ
>75様
れみ☆りあ☆うー!!