今日も今日とて迷いの竹林上空にて、弾幕の光が放たれている。赤、青、黄、様々な弾幕やレーザーが光っている。
「だからふざけんな! こっちが当たり前だろ!」
白く長い髪を振り回しながら弾幕を放っているのは藤原妹紅。
「何を言っているのかしら。私の方が当たり前でしょう」
黒く長い髪をなびかせながら華麗に避けるのは蓬莱山輝夜。
そこらにいる妖精達を二人の流れ弾で殺しつつ、竹林を駆けている。妹紅は炎を纏いつつ輝夜に諸共、自爆していく。飛び散る肉は瞬く間に戻っていく。
輝夜はレーザーを放ち妹紅を貫いていく。妹紅の腹に風穴を開けてくすくすと笑っている。輝夜が放ったレーザーは運悪くも今泉影狼の家に被弾する。ぐうすか寝ていた影狼は飛び起きて崩れそうな家の中で叫んでいた。
音で気がついてはいたが、そんなことは素知らぬ顔で二人は戦い続ける。
竹林の奥から声がした。
~*~*~
「姫様〜姫様〜! お昼ご飯ですよ〜姫様〜!」
お師匠様に姫様を呼んでこいと言われて大声を出しながら私は歩く。私の話を聞かないとばかりに空で色とりどりの弾幕が飛んでいる。わー綺麗だなーと思いながら当たらない程度のところまで近寄る。
「姫様! 帰ってきてくださいよー!」
出せる精一杯の大声を響かせる。姫様を見ているとチラリとこちらを見たような気がしたけれど、まだ戦っている。いつも思うんだけれども、姫様も妹紅さんも飽きずに戦うよなあって。今回の戦いは何が原因か分からないけれども、とりあえず終わって欲しい。
改めて空を見上げると竹の葉から見える二人は何かを大声で言い合っているらしい。特に何も聞く意味も無いからいいんだけども。あー、帰ってきてくれないと暇……ぼーっと私は輝く光を座って見ていた。
~*~*~
妹紅とお昼ご飯を食べようと言っていたので家でおにぎりを作ったあとに竹林に向かっていると空が弾幕で光っているのを見た。またあの二人は戦っているのか……?
私は顔をしかめてしまう。あの二人は戦うのはいいのだが時々周りに被害を出す時がある。そればかりはやめて欲しいのだが、夢中になっているので気が付かないんだろう。竹林の入口に着いた頃には終わっているかと思えばそうでも無いらしい。今回は何で揉めているのやら。
少し、里の方に近づいてきているのが気になった。時々大きく光るのを横目に見ながら永遠亭の方に歩いていく。その間にも光の移動が里の方にどんどん近づいているので私は走り出す。
何やってるんだあいつらは! 里の方に行くんじゃないぞ!
ガサガサと大きな音が鳴りながら走る。途中で煩わしくなったので竹に当たらないように空を飛んだ。
~*~*~
うとうとと寝かけていた所をてゐの部下たちに起こされた。因幡様が面白いものが見れるはずだから起きてくださいって。
「……いきなりなに?」
いいから空を見てください……と言われて上を見ると姫様と妹紅さんが戦っているのが見える。いつも通りだ。
「なにかあるの?」
もう少しです、と部下たちはせっつく。
疑問に思いながら戦う二人を見ている。何回死んだんだろうな。チラチラ見える二人の服はお腹や裾なんかが破れてしまっている。
弾幕を放つ二人を見ているといきなりガクンと動きが止まり、墜落した。
ガサガサガサ! ドスン!
竹の葉が二人の身体を包んで大きな音を鳴らす。私は駆け出していた。
えっ!? なに!? なんで墜落してるの!
落ちたと思われる場所に着くと声が聞こえた。
「いた……なんだよこの矢は! ガハッ……」
「あらあら……ゴフッ……これは……」
姫様と妹紅さんが話している。倒れた原因の物を見つけた。二人の胸、心臓辺りを的確に貫いている矢があった。あれって……
「あ、無理だわ妹紅、一緒に死にましょ」
「は、なんだよかぐ……や」
姫様は妹紅さんを巻き込むように大きく弾幕を放った。しかも逃げ道すらない高密度な弾幕。私は姫様が発言したと同時に逃げていた。早く逃げられるように空を飛んでいた。当たりそうになったけれど上手く逃げきれて良かった。
下を見ると姫様の弾幕が妹紅さんと竹を巻き込んで壊していた。無事じゃないだろうなあと他人事のように思った。
弾幕が収まるのを見計らって私はもう一度降りる。すると左から歩いてくる音が聞こえた。
「酷いことなってるな」
そう言ったのは慧音さんだった。隣にお師匠様とてゐもいる。
「姫様、自爆してましたもん。それでお師匠様……なんで二人を殺したんです?」
歩いてきた時から呆れたような顔をしているお師匠さんに聞く。
「慧音がね。この二人を止めてくれって言うのよ。里に被害が行って欲しくないとかでね」
「でも永琳。二人とも殺すとか思ってなかったぞ」
はあ、とお師匠はひとつ大きくため息をついた。
「姫様と妹紅が言葉で止まるならそうしています。そうじゃないなら落とせばいいでしょう。止めるだけなら殺せばいいのです」
お師匠様の倫理の飛び。分かりたくないけれどあの二人を止めるためにはわかってしまうのが嫌かな。うん。
「やぁやぁ姫様、何を話してたのさ」
てゐが楽しそうに話している。
「コフッ、少し揉めてただけよ……ガハッ」
あ、姫様が泡吹いて死んだ。
「ああ、忘れてた、その矢に猛毒を塗ってあった……」
うわ。お師匠様めちゃくちゃ酷いことしてる……
お師匠様は姫様と妹紅さんの毒矢をひっこ抜いた。二人はまた泡吹いて死んでいた。
***
「……で。何で揉めていたのかしら」
お師匠様の前で二人が正座して説教を食らった後に聞かれる。姫様と妹紅さんはワタワタしたような感じで、暴れかけている。
「ほら言いなさい……」
「こいつがお酒の持ち方を左って言うんだ!」「あんたがお酒の持ち方を右って言うから!」
私はずっこけた。それはもう盛大に。
「なんなんだお前たちは……」
お師匠様と、慧音先生、私は呆れに呆れてしまった。てゐはくすくすと笑っていた。
「だからふざけんな! こっちが当たり前だろ!」
白く長い髪を振り回しながら弾幕を放っているのは藤原妹紅。
「何を言っているのかしら。私の方が当たり前でしょう」
黒く長い髪をなびかせながら華麗に避けるのは蓬莱山輝夜。
そこらにいる妖精達を二人の流れ弾で殺しつつ、竹林を駆けている。妹紅は炎を纏いつつ輝夜に諸共、自爆していく。飛び散る肉は瞬く間に戻っていく。
輝夜はレーザーを放ち妹紅を貫いていく。妹紅の腹に風穴を開けてくすくすと笑っている。輝夜が放ったレーザーは運悪くも今泉影狼の家に被弾する。ぐうすか寝ていた影狼は飛び起きて崩れそうな家の中で叫んでいた。
音で気がついてはいたが、そんなことは素知らぬ顔で二人は戦い続ける。
竹林の奥から声がした。
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「姫様〜姫様〜! お昼ご飯ですよ〜姫様〜!」
お師匠様に姫様を呼んでこいと言われて大声を出しながら私は歩く。私の話を聞かないとばかりに空で色とりどりの弾幕が飛んでいる。わー綺麗だなーと思いながら当たらない程度のところまで近寄る。
「姫様! 帰ってきてくださいよー!」
出せる精一杯の大声を響かせる。姫様を見ているとチラリとこちらを見たような気がしたけれど、まだ戦っている。いつも思うんだけれども、姫様も妹紅さんも飽きずに戦うよなあって。今回の戦いは何が原因か分からないけれども、とりあえず終わって欲しい。
改めて空を見上げると竹の葉から見える二人は何かを大声で言い合っているらしい。特に何も聞く意味も無いからいいんだけども。あー、帰ってきてくれないと暇……ぼーっと私は輝く光を座って見ていた。
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妹紅とお昼ご飯を食べようと言っていたので家でおにぎりを作ったあとに竹林に向かっていると空が弾幕で光っているのを見た。またあの二人は戦っているのか……?
私は顔をしかめてしまう。あの二人は戦うのはいいのだが時々周りに被害を出す時がある。そればかりはやめて欲しいのだが、夢中になっているので気が付かないんだろう。竹林の入口に着いた頃には終わっているかと思えばそうでも無いらしい。今回は何で揉めているのやら。
少し、里の方に近づいてきているのが気になった。時々大きく光るのを横目に見ながら永遠亭の方に歩いていく。その間にも光の移動が里の方にどんどん近づいているので私は走り出す。
何やってるんだあいつらは! 里の方に行くんじゃないぞ!
ガサガサと大きな音が鳴りながら走る。途中で煩わしくなったので竹に当たらないように空を飛んだ。
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うとうとと寝かけていた所をてゐの部下たちに起こされた。因幡様が面白いものが見れるはずだから起きてくださいって。
「……いきなりなに?」
いいから空を見てください……と言われて上を見ると姫様と妹紅さんが戦っているのが見える。いつも通りだ。
「なにかあるの?」
もう少しです、と部下たちはせっつく。
疑問に思いながら戦う二人を見ている。何回死んだんだろうな。チラチラ見える二人の服はお腹や裾なんかが破れてしまっている。
弾幕を放つ二人を見ているといきなりガクンと動きが止まり、墜落した。
ガサガサガサ! ドスン!
竹の葉が二人の身体を包んで大きな音を鳴らす。私は駆け出していた。
えっ!? なに!? なんで墜落してるの!
落ちたと思われる場所に着くと声が聞こえた。
「いた……なんだよこの矢は! ガハッ……」
「あらあら……ゴフッ……これは……」
姫様と妹紅さんが話している。倒れた原因の物を見つけた。二人の胸、心臓辺りを的確に貫いている矢があった。あれって……
「あ、無理だわ妹紅、一緒に死にましょ」
「は、なんだよかぐ……や」
姫様は妹紅さんを巻き込むように大きく弾幕を放った。しかも逃げ道すらない高密度な弾幕。私は姫様が発言したと同時に逃げていた。早く逃げられるように空を飛んでいた。当たりそうになったけれど上手く逃げきれて良かった。
下を見ると姫様の弾幕が妹紅さんと竹を巻き込んで壊していた。無事じゃないだろうなあと他人事のように思った。
弾幕が収まるのを見計らって私はもう一度降りる。すると左から歩いてくる音が聞こえた。
「酷いことなってるな」
そう言ったのは慧音さんだった。隣にお師匠様とてゐもいる。
「姫様、自爆してましたもん。それでお師匠様……なんで二人を殺したんです?」
歩いてきた時から呆れたような顔をしているお師匠さんに聞く。
「慧音がね。この二人を止めてくれって言うのよ。里に被害が行って欲しくないとかでね」
「でも永琳。二人とも殺すとか思ってなかったぞ」
はあ、とお師匠はひとつ大きくため息をついた。
「姫様と妹紅が言葉で止まるならそうしています。そうじゃないなら落とせばいいでしょう。止めるだけなら殺せばいいのです」
お師匠様の倫理の飛び。分かりたくないけれどあの二人を止めるためにはわかってしまうのが嫌かな。うん。
「やぁやぁ姫様、何を話してたのさ」
てゐが楽しそうに話している。
「コフッ、少し揉めてただけよ……ガハッ」
あ、姫様が泡吹いて死んだ。
「ああ、忘れてた、その矢に猛毒を塗ってあった……」
うわ。お師匠様めちゃくちゃ酷いことしてる……
お師匠様は姫様と妹紅さんの毒矢をひっこ抜いた。二人はまた泡吹いて死んでいた。
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「……で。何で揉めていたのかしら」
お師匠様の前で二人が正座して説教を食らった後に聞かれる。姫様と妹紅さんはワタワタしたような感じで、暴れかけている。
「ほら言いなさい……」
「こいつがお酒の持ち方を左って言うんだ!」「あんたがお酒の持ち方を右って言うから!」
私はずっこけた。それはもう盛大に。
「なんなんだお前たちは……」
お師匠様と、慧音先生、私は呆れに呆れてしまった。てゐはくすくすと笑っていた。
里に被害が言って欲しくないとかでね→行ってほしくないとかでね
ですかね?