Coolier - 新生・東方創想話

第一回レミリア大好き選手権‼

2020/10/10 14:30:47
最終更新
サイズ
6.91KB
ページ数
1
閲覧数
1459
評価数
13/16
POINT
1300
Rate
15.59

分類タグ

「えー...本日はお集まりいただきありがとうございます。お馴染み清く正しい射命丸です。これより第一回レミリア大好き選手権を開催したいと思いまーす❗」
「....は?」

レミリアは思わずティーカップを落とす。すぐにメイド長が受け止めたので被害はなかったが。
現在時刻は午後3時、世間一般的におやつの時間だ。レミリアも例外ではなく愛する妹フランと一緒に部屋のテラスでお茶会を開いていた。
最初は穏やかなお茶会だったはずなのだが、30分を過ぎると何故か庭園が騒がしくなってきた。レミリアは『また泥棒魔法使いが侵入してきたんだろう。』と思い気にもしなかった。フランが何故かそわそわしながらちらちらと庭園を見ていたがフランは魔理沙に比較的よくなついているので反応してるんだろうと思っていた。そしてレミリアが優雅なお茶会に戻ろうとした瞬間、烏天狗の宣言が聞こえてきて今に至るというわけだ。
「ほんともうどういうことよ....」
お茶会を邪魔されたレミリアは怒りを込めて椅子から立ち上がった。が
「きゃっ‼」
転んでしまった。まぁ理由はわかりきっている。今のレミリアはいつもの服ではなく秋用のふわふわドレスを着ているからだ。咲夜お手製だが幸か不幸か咲夜はフリルやレースたっぷりのドレスが好きだった。今回のドレスは力作でレミリアは動きづらいと思いながらも渋々着ていた。で、ひらひらのレースを椅子に引っ掻けてしまいものの見事に転んでしまったわけだ。
「白だわ....」
「光栄の極み....‼」
なんかが聞こえたがレミリアは無視を選んだ。
「あっ!お姉様私もういかなきゃ‼後でねー。」
「ちょ...ちょっとフラン⁉」
「私もいかなくては。それでは失礼します。」
「咲夜ぁぁぁぁぁ⁉」
急に我にかえった妹とメイドはテラスから飛び降り庭園にいる天狗のところに向かっていった。
「なんなのよもう!」
放置されたレミリアはふてくされたように椅子に座り込む。何気なく騒がしい庭園を見ると、

『第一回レミリア大好き選手権‼』

という横断幕が風になびいており館の無駄に広い庭園にはたくさんの人妖が集まっていた。
レミリアはもはや何も語らない。前回にたような大会があったからね。
もうなんかいろいろ諦めたレミリアは観察することにした。ティーカップ片手に庭園を見下ろす姿はまさにカリスマ。
レミリアが悟りを開いてすぐにまた天狗のこえがきこえてきた。
「えーこの選手権では一人ずつレミリア・スカーレットの魅力、好きなところ、意気込み、告白などをいってもらいます‼一番レミリア・スカーレットを愛しているものが優勝で優勝者にはウェディングドレスをきたレミリア・スカーレットと結婚式ごっこをするという権利が与えられまーーーす‼」
「はぁぁぁぁぁぁぁ⁉ふざけんなこの馬鹿天狗ーーーー‼」
大声に反応した庭園の人妖が声が聞こえた方角のテラスを見る。そこには真っ赤な顔で手すりから身を乗り出した優勝商品であるレミリア・スカーレットがいた。
司会者の天狗はそんなレミリアを気にせず選手権のスタート合図を出す。
参加者が動き始めた。レミリアはジリジリと後退する。ドアまでたどり着き日傘にてを伸ばした瞬間、
「ダメよレミィ‼」
「パチェェェェェ⁉」
まさかの親友の裏切りに絶叫するレミリア。急に部屋に光が溢れガシャンッというおとが響く。
「捕獲..完了。」
「な..なによこれーー⁉」
音と光が消えた部屋にあるのは金色の綺麗な鳥籠。そしてそのなかに閉じ込められているレミリアだった。真っ白なウェディングドレスを着て綺麗な薔薇の花で縁取ってあるヴェールとふわりとカールしている青い髪がぴったりとあっている。パチュリーは呆然としてる親友を見て満足そうにうなずく。そしてぱちんっと軽く指を鳴らすと鳥籠はふわりとうき上がり空中で止まった。しかも庭園の真上だ。参加者も観客も閉じ込められているレミリアを見上げその美しさにため息をつく。レミリアは何故か全くの無表情で前を向いていた。目に光がなくさながら囚われのお姫様のようだ。だが彼女の心境を考えれば当然かもしれない。







ところかわって庭園では早速選手権が始まっていたトップバッターは霊夢だ。霊夢は今まで見たことがないほど真剣な顔をしていた。異変の時もそのぐらいキリッとしてくれればいいのにと嘆く隙間妖怪もいたが。霊夢はすうっと一息つくと
「レミリア‼大好きよー!愛してるわ‼」
とマイクに向かって叫ぶ。
「おおっと‼いきなりストレートな告白だぁぁぁ‼これはポイント高いぞーー‼まさに告白‼まさに愛情‼いやぁ最高の叫びでしたねもみじさん。」
「ハイソウデスネ」
どうやら白狼天狗はあまり乗り気じゃないようだ。同情の視線をひたすら鳥籠のなかのレミリアに向けている。烏天狗は見なかったことにして次にうつった。

次はフランドールだ。幻想郷では一二を争うほどのシスコンだと言われている。フランドールはいつもとは違う落ち着いた表情でステージにたつ。そして鳥籠のなかのレミリアにいとおしそうな眼差しを向けるとうっとりした声で喋りだした。
「お姉様...誰よりも何よりも愛していますわ‼だから私と結婚しましょう‼」
霊夢よりは小さな声だったが結果はいかに....
「なんと‼小さな声なのに心に染み渡る純粋な愛....‼これぞ好きな人を思う力‼なんと健気なのでしょう‼ね?もみじ。」
「ハイソウデスネ」
白狼天狗は気づいていた。フランドールは純粋ではなく欲望のかたまりだと。だんだん白狼天狗は病みかけていた。

最後は白玉楼から半人半霊の妖夢だ。あまり知ってる人はいないが妖夢もレミリアのことをそれはそれは愛しているんだということは幽霊たちのなかでは常識だった。妖夢は一度深呼吸をすると精一杯の声で叫んだ。
「レミリアァァ‼愛してるみょーーーん‼」
叫び終わった妖夢は恥ずかしそうに半霊を抱き締めもじもじとしている。
「これは....フランさんに続く純粋な愛‼何て美しいんでしょう‼照れながら叫ぶとはやりますね‼ね?もみじ。」
「ワタシハモミジヨウカイノヤマノケイビヤクー」
「ああっ‼もみじが壊れた‼すぐに永遠亭に‼」
審査員一人退場。







「それでは結果発表です❗優勝は....」
参加者たちが真剣になる。
「やっぱり姉妹が最強‼ということで紅魔館からフランドール・スカーレット‼」
わぁぁぁぁぁぁ‼と歓声が溢れかえる会場。フランドールは嬉しそうに瞳を輝かせる。
「それでは優勝商品のウェディングレミリア・スカーレットです❗式場はすぐにお作りしますので少しお待ちください!観客の皆さんは参列者となりますので残っていってください!。」
文がそういったとたんフランドールの前に鳥籠が降りてくる。なかには勿論ドレスをきたレミリアが。なんとか無感情状態から復活したレミリアは何を吹っ切れたのか優しく微笑みながら鳥籠の外に出る。ほんとに一体空中で何があったのか....
やがて式場の準備ができたと天狗が伝えに来る。フランは黙って微笑んでいるだけのレミリアのてをひき式場に入る。参列者はすでにカーペットをはさんだ両脇の席に座っていた。そのまま姉妹は祭壇へと向かう。祭壇には何故か牧師の格好をした小悪魔がいた。そして姉妹が祭壇にたどり着くと同時に小悪魔が結婚式のお決まりの一節を唱える。
「えぇー...健やかなるときも病めるときもお互いを愛し合い尊重すると誓うか?」
「誓いますっ‼」
「....誓います。」
フランは瞳を輝かせながら宣言する。それにつられレミリアも肯定を示した。ただ感情が抜けたような声だったが。
「それでは..ごっこと言いましてもやっぱ結婚式なので誓いのキスをどうぞ。」
小悪魔に告げられフランはレミリアにキスをする。レミリアは反応しずに黙って受け入れていた。
「それではブーケトスを。」
小悪魔がいうと同時にみんなに背を向けたレミリアは持っていた花束を放る。
果たしてそれを受け取ったものは....
こうしてレミリア大好き選手権は幕を閉じた。







「お姉様お早う‼」
「オハヨウ」
「お姉様どうしたの?」
「ドウモシテナイヨ」
「パチェー‼お姉様がぁーー‼」
それから数日間レミリアは機械みたいに微笑みながら壊れた声ではなし続けていた。
なぜこうなったのか。主に原因はメイド長と紫もやし魔女だったが二人は公表しなかったので結局わからずじまいだった。

もとに戻ったレミリアはこの事をきちんと覚えていたが自身もフランのことが大好きだったので結婚式のことについてはなにも言わず選手権も終わってるので忘れることにした。しかしパチュリーと咲夜への対応は冷たいままだったという。
結局二人が平謝りしてやっと許してもらったとか。
ねこふらんです。
ウェディングドレスレミリアとか絶対かわいいよね。
このレミリア大好き選手権次あったら絶対優勝してやる....
ねこふらん
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.60簡易評価
1.100ふにゃん削除
鳥籠のなかのレミリア姫か....いいですねぇ。
2.90奇声を発する程度の能力削除
可愛らしくて良かったです
3.90名前が無い程度の能力削除
レミリアはウエディングドレスが似合う。聖書にもそうある
4.100終身削除
レミリアの巻き込まれ体質がこの日は全開みたいで不憫だったけど笑いました もみじといいレミリアといい常識人から先に壊れていくんですね…
5.100レミィ好き削除
ウェディングレミリアか...私にください。
8.100ヘンプ削除
椛……椛……ああ脱落!
ぶっ飛び具合めちゃくちゃ好きです。面白かったです。
9.80名前が無い程度の能力削除
タイトルに反してレミリアに一切人権無いのホント草
10.100南条削除
面白かったです
優勝は作者さんでいいと思います。
11.100めそフリーザ削除
フランちゃん優勝おめでとう!!
レミリアにはもっと人権を与えてやってください
12.80名前が無い程度の能力削除
ブッ飛んだレミリアへの容赦の無さ、優勝賞品すらレミリア、それはそうとしてレミリアの容姿の描写がふんだんに盛り込まれていたのが愛でした。愛。何故そこで愛ッ!?
13.100ムック削除
ごっこ遊びでも本気でやるのが幻想郷。特にレミリア嬢なら全力で乗るのがいつもでしょうが、自身が無断でダシにされたとあっては普段通りでは行かなかったご様子ですね。
椛が、椛がいい……。
14.100モブ削除
きっとこんな毎日が続いているのでしょうね。楽しそうでよかったです。ご馳走様でした。
15.100最終鬼畜妹削除
レミリア可愛いだろうねぇ