忘れられがちな話になるが、幻想郷のある場所は実は日本だったりするのである。そんなわけで、本日は神社を筆頭にちょっとしたお祭りが催されていた。とは言え、毎度の如く妖怪の集まる博麗神社はすっかり妖怪専用の宴会場になっていたのだが。
「ったく…せっかく神が人間の長になった日だっていうのに。妖怪が祝うんじゃ何の意味もないわ。」
神社の巫女、霊夢が溜め息を吐いた。神の座である神社がこの有り様では祝われる方も報われまい。何せ自らの治めた人間が1人もいないのである。むしろここに居るのは人間の敵だというのだから。
「大体あんた、西洋の妖怪なんだから関係ないじゃないの。」
霊夢が指差したのは、西洋妖怪代表、幻想郷では新人に分類される吸血鬼、レミリア・スカーレットである。レミリアは持ち込んだワインを嗜みながらしれっとして言ってのけた。
「私は西洋だ東洋だと差別するつもりはないよ。ちゃんとどちらも祝ってあげるわ。寛大だからね。」
「神をちゃんと祝う妖怪なんて聞いたことないんだけど。」
「イエス・キリストが私に何を出来たというのかしら?偶には優しくしてやらないと可哀想よ。」
「祝うべき相手は神の子というより現人神よ。キリストよりは早苗の方が近いわ。」
「…大した相手を祝っているわけではないのね。」
「ちょっとそれ、聞き捨てならない発言ですよ!」
レミリアの言葉に反応して、守矢神社の風祝、東風谷 早苗が立ち上がる。そのままぎゃあわあと始まった乱戦から離れた霊夢は縁側に腰を下ろした。
「妖怪の耳に念仏だったわね…まあ今更だろうけど。」
「念仏は仏教ですよ、霊夢。」
「…そしてあんたは妖怪ね、紫。」
声のした方向。霊夢が顔を向けると、ぱくりと割れた隙間から八雲 紫が姿を現した。
「起源節。神武の即位を祝う祭ですか。」
「まあね。神社としてはなかなか無視出来ない日だし。」
「でも、外の世界ではもはや幻。」
霊夢が紫の方へ視線を投げる。紫がにこりと笑った。
「同じ幻想になった者同士、祝ってはいけないかしら?」
「…こっちはこっちで楽しくやろうってわけ。私の職業は妖怪退治なんだけどね。」
「妖怪は神の零落した姿に等しい。貴女はもっと勉強するべきね、霊夢。」
霊夢は何かを言おうとして、しかし発声はせずに口を閉じた。元よりこの馬鹿馬鹿しいくらい長生きの妖怪に口で勝てるとも思っていない。
「ま、勝手にしなさいよ。今日くらいは休業してあげるから。」
「ええ、そうしますわ。」
「ったく…せっかく神が人間の長になった日だっていうのに。妖怪が祝うんじゃ何の意味もないわ。」
神社の巫女、霊夢が溜め息を吐いた。神の座である神社がこの有り様では祝われる方も報われまい。何せ自らの治めた人間が1人もいないのである。むしろここに居るのは人間の敵だというのだから。
「大体あんた、西洋の妖怪なんだから関係ないじゃないの。」
霊夢が指差したのは、西洋妖怪代表、幻想郷では新人に分類される吸血鬼、レミリア・スカーレットである。レミリアは持ち込んだワインを嗜みながらしれっとして言ってのけた。
「私は西洋だ東洋だと差別するつもりはないよ。ちゃんとどちらも祝ってあげるわ。寛大だからね。」
「神をちゃんと祝う妖怪なんて聞いたことないんだけど。」
「イエス・キリストが私に何を出来たというのかしら?偶には優しくしてやらないと可哀想よ。」
「祝うべき相手は神の子というより現人神よ。キリストよりは早苗の方が近いわ。」
「…大した相手を祝っているわけではないのね。」
「ちょっとそれ、聞き捨てならない発言ですよ!」
レミリアの言葉に反応して、守矢神社の風祝、東風谷 早苗が立ち上がる。そのままぎゃあわあと始まった乱戦から離れた霊夢は縁側に腰を下ろした。
「妖怪の耳に念仏だったわね…まあ今更だろうけど。」
「念仏は仏教ですよ、霊夢。」
「…そしてあんたは妖怪ね、紫。」
声のした方向。霊夢が顔を向けると、ぱくりと割れた隙間から八雲 紫が姿を現した。
「起源節。神武の即位を祝う祭ですか。」
「まあね。神社としてはなかなか無視出来ない日だし。」
「でも、外の世界ではもはや幻。」
霊夢が紫の方へ視線を投げる。紫がにこりと笑った。
「同じ幻想になった者同士、祝ってはいけないかしら?」
「…こっちはこっちで楽しくやろうってわけ。私の職業は妖怪退治なんだけどね。」
「妖怪は神の零落した姿に等しい。貴女はもっと勉強するべきね、霊夢。」
霊夢は何かを言おうとして、しかし発声はせずに口を閉じた。元よりこの馬鹿馬鹿しいくらい長生きの妖怪に口で勝てるとも思っていない。
「ま、勝手にしなさいよ。今日くらいは休業してあげるから。」
「ええ、そうしますわ。」
結界を張られた時期を考えると、認識くらいはされてるかもしれないけど、幻想郷の存在を考えるたら、そういう認識はないのかも?
まあ、難しいこと考えて、それに囚われないほうがいいですね。
あ、お話はまあなかなか。
ちょっと長い話読んで見たい気がします。