その本は、現世に収まらぬ不浄を抱え、本棚に収まっていた――
――◇――
本、本、本。見渡す限りの書籍と、それが収まった本棚。
こう表現すると雑然としたイメージが先行するが、本棚はきちんと列を成し、本は芸術的とも言える入れ方で隙間なくシリーズ毎に集められて、棚に並ぶ。
これがワンフロア程度の部屋にゆったり配置されているのなら現実味がある。
しかし地平が霞む広大な空間に、件の本棚が整然と先が見えない長さになってなお鎮座している光景は、行儀のいい樹海といっても差し支えはないだろう。
紅魔館 大図書館。
図書館と名は付いているが、地下にあり日の光は一切入らず、空気は澱んで爽やかな印象は見受けられない。
むしろ図書館の本を保管する書庫といった方がしっくりくる。
だが利用する者、この本棚の海中で椅子に腰掛け本を読む者が一人でもいるから、図書館と冠されている。
そう、これはたった一人のための超巨大図書館。
この知識の砦の利用者にして生粋の魔法使い、パチュリー・ノーレッジの書斎なのだ。
さて、この図書館には管理者が存在する。
前述のパチュリーではない。彼女は日がな一日本を読めれば後の事はどうでもよく、身の回りのことでさえ無頓着だ。
実質的な管理は頭に羽を付けた赤毛の少女、小悪魔が行っている。
そんな彼女は今、湯気の立つ紅茶を載せた盆を手に薄暗い図書館内を歩いていた。
ぶらぶらと無作為にではなく、明確な目標が分かっていてそこに向かう真っ直ぐな足取りだ。
やがて目的の物を見つけ、小悪魔は小走りでそちらに行く。
そこは長テーブルと、その長さに合った数の椅子のセットが並ぶ閲覧席であった。
テーブルの上に、魔法で作った淡く青白い明かりが煌々と灯る。
その下では、パチュリーが今日も眠たそうに見えるトロンとした目で、飽きることも終わることもない読書に耽っていた。
周りのテーブルは上下とも本がうず高く積み上げられ、パチュリーを覆い隠さんばかりだ。
(! 昨日より席ひとつ分だけ移動している)
滅多に見られない貴重な光景に、小悪魔は目を輝かせる。
しかし主の凄まじい横着を観察しにきたわけではない。
「パチュリー様、お茶をお持ちしました」
小悪魔がそう声をかけると、パチュリーはこれでもかと緩慢な動きで本から顔を上げる。
「ん」と「む」の間のような発音で返事をして、本の山の一部をズズズと押し込みテーブルの面を少し露呈させた。
ここに置け、ということらしい。
小悪魔は乱暴な音を立てないよう慎重にカップを置く。
パチュリーはカップを手に取り一口すする。
それっきり、無言。
カップを戻すと同時に本に視線を戻してしまい、小悪魔は盆を抱えて立ち尽くす。
小悪魔は痺れを切らしたように、自ら静寂を破る。
「あの……その紅茶、茶葉を変えてみたんです。
パチュリー様に喜んでいただきたくて、それで咲夜さんに絶妙な淹れ方を教えて貰って、多分美味しく淹れられたと思うのですが……」
「そう、ありがと」
そつも素っ気もない、ページを捲りながらの言葉だった。
(……お邪魔、だったかな……)
そう考えた小悪魔は苦笑いで顔を曇らせると、そっとその場から立ち去った。
――◇――
(ちょっとくらい、感想が欲しかったなぁ……)
本を山積みにした台車を押しながら、小悪魔は拍子抜けしたように軽くため息をつく。
そうは思っても仕事は怠慢せずに、台車の本をあるべき棚に戻して行ゆく。
そして魔道書の棚に差し掛かった時、その本を見つけた。
『小悪魔の話』
古ぼけた革の背表紙に、所々剥げた金字でそう刻まれている。
たった今仕舞った魔道書の隣にあったため、目を引いた。
それにしても気になる題名だ。小悪魔は興味を持った。
悪魔族関係の蔵書はこの図書館にもあるが、この本は見たことがない。
もしかしたら、同族の誰かの伝記だろうか。
小悪魔は本を抜き出す。やけにひんやりと冷たい手触りだった。
表紙にはやはり『小悪魔の話』という金字のタイトル。だが著者名は見当たらない。
小悪魔は硬い表紙を捲り、軽く立ち読みするつもりで現れた文章を目で追い始めた。
『小悪魔について、ここに記す。
ここ幻想郷の大図書館では、事務員服を着た一人の少女が司書として働いている。
名は小悪魔、と呼ばれている。彼女は見かけとは裏腹に実は悪魔、時に魔法使いや吸血鬼と比肩する種族の一員である。
しかし同じ種族の中では力が弱いので、小悪魔なのだ。
小悪魔の仕事は膨大な数の蔵書整理と維持。
そしていつも館の仕事で忙しいメイド長である咲夜の補助程度に、パチュリーの世話係も仰せつかっている。
小悪魔はパチュリーに喚起されこの地に来たが、ファーストコンタクトは中々辛辣なものだった。
魔法陣の中で第一印象を良くしようとニコニコしていた小悪魔を、じっと見つめたパチュリーは一言。
「……間違えた。帰って」
どうやらもっと高位の悪魔を呼び出したかったらしいが、呪文の途中で咳をして少し手違いが起きたらしい。
小悪魔は、怒った。
仮にも力が弱いとはいえ、人間より寿命や特殊能力といった点で比較できないくらい優れている悪魔の一員を、その辺の雑魚扱いである。
小悪魔はとりあえず、ちょいと魔弾と飛槍でひねってやり、屈服したところでゆっくり命乞いの言葉を聞いてやろうと思った。
しかし、この時まで小悪魔は目の前の病弱なモヤシっ子が種族人間でないこと、小悪魔の数十倍は老獪であること、そして弾幕の扱いに長け容赦が無いことを知らなかった。
結果、小悪魔はちょいとひねられ、屈服した姿勢でゆっくり命乞いをした。
「もういいから。帰って」
もう興味さえ無くしたような物言いに、ついに小悪魔の大事な何かが壊れた。
「いやだいやだ! 使ってくれなきゃやだー!!
役立たずなんかじゃないもん! 私もやればできる子なのー!
私と契約してくれるまで帰らない!!!」
どうやら小悪魔は、過去に何度も喚起されては不用品扱いで魔界に返品されるといった、悪魔にとって並々ならぬトラウマを抱えていたらしい。
四肢をじたばたと床に叩きつけ、完全なる駄々っ子状態で懇願する小悪魔。
初めは無視していたパチュリーもついに根負け。小悪魔はパチュリーにこう言わせることに成功した。
「……わかったわよ。ここの司書に任命するわ。急を要するけど、誰もやりたがらない仕事よ。
それでもいいなら、即刻ホコリが立ちまくる様な荒っぽい交渉は控えてちょうだい」
「あ、ありがとうございます! がんばります!」
パチュリーはその立ち直りの速さにため息をつきつつ、呆れ顔でこう尋ねる。
「ところで、あなたの名前は何ていうの?」』
小悪魔は動悸が速くなっていた。
そこに書かれているのは、間違いなく自分の過去だったからだ。
ありえない。しかし、覚えがある。
小悪魔は気味が悪くなり本を荒々しく閉じた。
改めて本を眺めるも、やはり『小悪魔の話』と題名が書かれているだけで著者名はない。
小悪魔は考える。どうして私のことが書いてあるのだろうと。
悪戯にしては手が込んでいる。まるで自分のこれまでを隅々まで調べ上げたように、細部まできちんと状況が再現されていた。
これはパチュリー様と出会った時から、その目で確認していないと無理だろう。
そう考えた途端、小悪魔は背後にねっとりとした視線を感じた。
あわてて振り返るも、そこには本棚があるだけ。
気のせいだ、私を監視する者なんていない、と言い切れない程の悪寒が小悪魔の肌を粟立たせる。
小悪魔は本を速やかに書棚に戻し、この事を忘れようとして、ふと不安感に捕らわれる。
この本は、過去から『どこまで』書いてあるのだろう。
小悪魔の本能は危険信号を発し続けて、この本とこれ以上関与するのを拒否している。
しかし、好奇心が猫を殺すように、小悪魔も抗えない興味に捕まった。
気が付くと、本を広げて先ほどの続きを目で追い始めた。
『その日から小悪魔とパチュリーの生活が始まった。
とは言っても、パチュリーは小悪魔に何もしなかった。
正確に表現すると、パチュリーは最初に図書館の構造と蔵書目録、管理の仕方、そしてここ紅魔館の情報を記した分厚い本を渡して、後は完全に無視。
それを読んでやることをやれ、という無言の命令に小悪魔は感じた。
些か横柄に感じたが、使われる身では仕方ない。
小悪魔は悪魔らしからぬ真面目な性格を生かして、マニュアルを熟読。すぐに仕事を覚えて器用にふるまった。
すると、パチュリーの小悪魔に対する見方が変わった。
初対面のレミリアや咲夜に「私の眷属よ」と紹介して、積極的に身の回りの仕事も与え始めた。
小悪魔は生きがいというものを感じだした。仕事を精力的にこなすのが楽しかった。
同時に、小悪魔はパチュリーの観察を始める。
主のことを細かく知ることで、もっと役に立ちたいと思ったからだ。
それが、パチュリーに今現在まで抱いている切ない感情。恋心が生まれるきっかけであった。
パチュリーは第一印象こそ根暗で無愛想だったが、その姿も見慣れると静かな海の様に穏やかな深窓の少女を連想させ、小悪魔の気を惹いた。
半眼の瞼や小さく閉じられた唇も、実は感情の機微を端々に映し出し、仕事を褒める際の微笑を発見した小悪魔は胸が高鳴った。
ずっと彼女に仕えたい。ずっと彼女を眺めていたい。
小悪魔は、完全にパチュリーの虜だった。』
にへら、と小悪魔の顔が緩む。
これもやはり過去とぴったり符合しているエピソードだったが、小悪魔の嫌悪感は薄れていた。
むしろ、自分の秘めた感情を再認識してしまい、誰も来ない本棚の間隙で一人照れまくってしまう。
不思議と、客観的視点で書かれた文章は自分を肯定し応援している様にも解釈でき、小悪魔はますます読書にのめりこむ。
この時すでに、小悪魔はこの本に対する警戒心も徐々に無くしてしまった。
ページをめくる速度で、小悪魔の来歴が更新される。
毎日の図書館業務。パチュリーの世話。
彼女が咳き込む度に胸が締め付けられる思いで背中をさすり、ありがとうと言われると胸がぽかぽかと暖かくなった甘酸っぱい日々。
この館の当主やメイド長との交流の記録。
小悪魔も精一杯弾幕を張った紅魔異変。
妖精メイドと一緒にロープを引っ張り、天井を開けた月ロケットの発射。
小悪魔はまるで、アルバムを開いて懐かしむような感慨深い笑みを浮かべて、先を進める。
もう、本を閉じるという選択肢は消えていた。
時系列はどんどん近年に近づき、ついに現在へと追いつく。
『「パチュリー様、お茶をお持ちしました」
小悪魔がそう声をかけると、パチュリーはこれでもかと緩慢な動きで本から顔を上げる。
「ん」と「む」の間のような発音で返事をして、本の山の一部をズズズと押し込みテーブルの面を少し露呈させた。
ここに置け、ということらしい。
小悪魔は乱暴な音を立てないよう慎重にカップを置く。
パチュリーはカップを手に取り一口すする。
それっきり、無言。
カップを戻すと同時に本に視線を戻してしまい、小悪魔は盆を抱えて立ち尽くす。
小悪魔は痺れを切らしたように、自ら静寂を破る。
「あの……その紅茶、茶葉を変えてみたんです。
パチュリー様に喜んでいただきたくて、それで咲夜さんに絶妙な淹れ方を教えて貰って、多分美味しく淹れられたと思うのですが……」
「そう、ありがと」
そつも素っ気もない、ページを捲りながらの言葉だった。
(……お邪魔、だったかな……)
そう考えた小悪魔は苦笑いで顔を曇らせると、そっとその場から立ち去った。
その小悪魔の判断は賢明だった。
パチュリーは実際、小悪魔があまりそばに居てほしくなかったからだ。』
「……え?」
その一文で、小悪魔の顔からすうっと青ざめる様に笑みが消えた。
『ここからは、パチュリーの心境を付記する。
第一、パチュリーは小悪魔を本当に欲して喚起した訳ではない。前述した通り、間違いで呼び出しただけだ。
だがあまりに使え使えとしつこいので、パチュリーは適当に仕事を与えればそのうち飽きて帰るだろうと雑務をさせたのだ。
だが、予想に反して小悪魔は優秀だった。無論、本来の戦闘技術ではなく雑務一般に、という意味だったが。
パチュリーは、これは使えると思った。故に手元に置いておくことにした。
しかし、パチュリーはその選択を後悔し始めた。
最近やたらと構ってくるのだ。話しかけたり、さりげなく体に触ってきたり、なにかと理由をつけてパチュリーとコミュニケーションを図ろうとする。
それはパチュリーにとって神聖な時間、読書中もおかまいなしだ。
はっきり言って、うざったい。ただの一使い魔が、なぜこんなにべたべたと私生活に介入してくるのか理解ができない。
故に、今日は小悪魔があっさりと身を引き、ほっとしていたのだ。』
「……なに、これ」
がたがたと震える小悪魔の唇から、呻くような声が漏れる。
心拍は急上昇し、自分の立っている地面が崩落したかの様な感覚に襲われる。
それほど、この文章は衝撃的だった。
普通ならここで不快をもよおし、本を投げ捨てさっさと仕事に戻るはずだった。
しかし、寸分違わぬ過去を書き綴った本に書かれているそれは、小悪魔にとって真実に等しい信憑性を持つ。
まるで毒薬の様に文言の羅列が小悪魔の心に深く染み込み、その副作用は小悪魔にページを操り人形のごとく捲らせた。
『さりとて、聡明なパチュリーがこの現状を完全に理解できないわけがない。
薄々ではあるが、感づいてはいた。
そう、小悪魔は自分に恋慕の情を抱いているということを、である。
しかし、この推定を導いたとき、パチュリーは発想の陳腐さに自嘲と自戒の笑みが出てきた。
まったく、眷属の分際で主に恋をするとは、どこの売れない戯曲なのだ。思い上がりも甚だしい。
むしろ、決して実らぬ恋に奔走する哀れな道化の喜劇だ。
だいたい、パチュリーには衆道の気はない。悪魔に雌雄の別があるかはさておき、パチュリーは小悪魔を女性と認識している。
そんな小悪魔に性的な意味で好かれたとは、背中に怖気が走るほど気持ちが悪い。反吐が出る。』
「いや……もういや……」
小悪魔は悲壮な呟きで懇願する。
その顔色はどんどん蒼白くなり、小悪魔の心は引き裂かれんばかりに悲鳴をあげる。
小悪魔は吐き気をもよおすほどに、身体的にも限界を感じた。
だが、ページは進む。残酷な言葉に向かって文の濁流は止まらない。
『ここにはっきりと記す。
パチュリーは小悪魔が思う様な感情は一切抱いていない。
むしろ小悪魔のことを嫌悪し、気色の悪い存在だと感じている。
そばに寄られたくないのだ。生理的に駄目なのだ。煙の様に消えて欲しいのだ。
そう、パチュリーにとって小悪魔はいない方が幸せな存在なのだ。』
「いやあああぁぁぁ!!」
小悪魔は絶叫した。
それは驚きでも恐怖でもなく、千々に打ち砕かれた魂の断末魔だった。
耐えがたい悲しみが、喪失感が、怒りが、諦念が、そして非情な宣告が小悪魔を蹂躙する。
目からぼろぼろと涙が溢れ、嵐の海の様に荒れる自分の感情が制御できない。
だが、それでも小悪魔は本を取り落さなかった。
まるで接着剤で張り付いているかの様に、本が手から離れない。
ここでようやく、小悪魔は異変に気づいた。
『小悪魔は絶叫した。
それは驚きでも恐怖でもなく、千々に打ち砕かれた魂の断末魔だった。
耐えがたい悲しみが、喪失感が、怒りが、諦念が、そして非情な宣告が小悪魔を蹂躙する。
目からぼろぼろと涙が溢れ、嵐の海の様に荒れる自分の感情が制御できない。
だが、それでも小悪魔は本を取り落さなかった。
まるで接着剤で張り付いているかの様に、本が手から離れない。
ここでようやく、小悪魔は異変に気づいた。
私は、自分の意志で本を読んでいない、と。
そう、まるで誰かに体を押さえつけられて、無理矢理段落をなぞらされている様な感覚だ。
ようやく小悪魔は気づく。
この本はおかしい。まるで……妖怪だ。
小悪魔は本を放り投げようとした。
しかし、頭で必死に命令しても、腕は決して動かない。ただ、ページを捲るのみだ。
その姿は、異常。
目はくぼみ、頬はこけ、まるで幽鬼か死人の様な風体だ。
しかし、その手は忙しなくページをつまみ送り続け、光を失いかけた視線は文章を隅から隅まで追いかける。
もう遅い。小悪魔はこの私の術中に、完全に嵌ったのだ。
もはや小悪魔の魂はこの私のものなのだ。
あと数十行でこの私に喰われるのだ。
ああ、悪魔族の魂とは、どんなに甘美な味がするのだろう。
今更助けを求めようと無駄だ。声ひとつ出せない状況で、誰が助けに来る。
パチュリー? それは一番ありえない。
多分真横まで来ても、小悪魔の最後をせせら笑っているに決まっている。
さぁ、物語も大詰めだ。ラストは近い。
あと数行でいいのだ。
あと数行で、この私が小悪魔の魂を食すことができる。
このまま何事もなく数行が過ぎれば、小悪魔の命運は尽きる。
さぁあと数行、あと数行でこの』
「小悪魔!」
小悪魔は肩を揺すぶられた衝撃で、視線を本より上に外した。
その目に映ったのは、まず本棚とそれに収まった本。
次にゆっくりと首を横に向けると、薄紫色のローブに身を包んだパチュリーが目を見開いて、小悪魔の肩を鷲掴みにしていた。
彼女にしては珍しく、運動した後の様に少し呼吸が荒い。
小悪魔は悟った。パチュリーは異常事態を感知し、ここまで駆け足で来てくれたのだと。
「……パチュリー……さ、ま――」
ここまで呟いて、満身創痍だった小悪魔の意識は闇に呑まれた。
――◇――
小悪魔は暖かく包まれ、癒される香りで目を覚ました。
ゆるゆると瞼を開けると、ベッドの天蓋が見えた。
ここは、パチュリーの寝室だ。どうやら、気を失ってここに寝かせられたらしい。
小悪魔はまだぼんやりとする頭で状況を整理し、胸いっぱいにベッドや毛布に染み込んだ主の香りを吸う。
その瞬間、小悪魔は初めて救われたと感じた。
だが同時に、あの本に書かれていた最後の文章が去来し、小悪魔の精神に黒いインクを垂らしていく。
「――気づいたみたいね」
「……パチュリー様」
脇のストールからパチュリーの声がした。小悪魔が覚醒するまでずっとそばに座っていた様だ。
小悪魔はそれだけで息が詰まりそうな幸福を感じたが、先程の本の言葉が重石となり、パチュリーと視線さえ合わせられない。
故に小悪魔は目線を下に反らし、パチュリーの腕に抱かれた革張りの本を視認してしまった。
小悪魔は「ヒッ」と体を硬直させ、恐ろしいものを見た様に毛布で自分を防御する。
「大丈夫。これはただの本。
開きさえしなければ、人を啓蒙することもできない。おとなしいものよ」
パチュリーはいつもの冷たい印象をもたせる説明口調だったが、小悪魔を安心させる様ゆっくりと喋っていた。
だが小悪魔は、怯えた声音で恐る恐るパチュリーに尋ねた。
「これ……一体、何なのですか?」
小悪魔は、この本が『何』と形容されるほど異形の物体であることが骨身に沁みていた。
パチュリーは冷静な口調で正体を断じる。
「……本魔、よ。
元来、モノは長年が経過したたけで妖怪化し付喪神となる。
そのほとんどは人畜無害でひょうきんな性格、場合によっては神格化されて祀られることもある。
でも、それなら逆もまた然り。
邪悪な精神を構築して、まさしく魔物になるモノだって存在する」
パチュリーはここまで一気に喋ると、一息つく。
「この本はどうやら、空腹を感じた獣が餌を喰らう様に、読んでいる人間の魂を喰って今まで生きてきたみたい。
何人もの人間を死に追いやり、地道に妖力を蓄えて、ついにはこんな知恵まで使う様になったのね」
パチュリーは手にした本を掲げ、題名を小悪魔に見せる。
小悪魔は息を呑んだ。
『パチュリー・ノーレッジの話』
金字のタイトルは、そう刷新されていた。
「考えたものね。これを手にした大抵の人間は、十中八九この自分の名前が書かれたタイトルに踊らされて本を開いてしまう。
それが罠の入り口とも知らずに、ね」
小悪魔は説明を聞き、そら恐ろしくなってぶるりと身を震わせた。
こんな狡猾な本魔が図書館で、息をじっとひそめて獲物がかかるのを蜘蛛の様に虎視眈眈と狙っていたのだ。
「こんな本……早く焼き捨ててください!」
小悪魔はひどく取り乱した口調でパチュリーに懇願する。
だがパチュリーは首を横に振る。
小悪魔が「でもっ」と反駁しようとするのを、パチュリーは手で制して、こう言った。
「それより、もっといい処分法があるわ」
まるで粗大ゴミを捨てる方法を話し合う様な、淡々とした提案。
しかし、小悪魔の背中にぞくりと冷たい線が走った。
いつもそばに控える小悪魔だからわかる。がらりと、パチュリーの微表情と雰囲気が変わった。
こわい。
パチュリー様……怒っている。
小悪魔が戦慄していると、パチュリーは人差し指を誘う様に振った。
すると、ふよふよと大きな姿見が浮遊してやってきた。
パチュリーの魔法道具のひとつで、縁にはおどろおどろしい彫刻が施され、鏡面がぬらりと薄紫色に輝く。
「この鏡に光の位相を逆にする魔法をかけたわ。
つまりこの鏡は、左右が反転しない真実の姿を映し出す。
さて、事情聴取も兼ねて、この本には自分で蒔いた種を刈り取ってもらうことにするわ」
そう言うやいなや、パチュリーの手にあった本が浮かび上がり、鏡の前に移動する。
鏡と正対した本が、ゆっくりと開かれる。
鏡に映った文字は、こちらから見ても確かに反転しておらず、きちんと読めた。
そう。この本は初めて、自分の文章を自分自身で『読む』こととなる。
すると、表紙の題名がいつの間にか刷新されていた。
とても、皮肉な題名に。
『本の話』
ページがゆっくりと捲られる。鏡の中では、本の来歴が語られ始めた。
『この私について、ここに記す。
私がいつからこんな生活をしているのかは不明だが、多分遠い昔からこんなおぞましい行為を繰り返してきたのだろう。
私は魂を喰らって生きている。これは本能の様なものだ。
魂を喰らう方法は簡単だ。本を最後まで読ませればいい。
だが、それを実行させるには工夫がいる。
まず手に取った者の名前を冠した題名で興味を惹き、本を開かせる。
次に、その者の過去を描写してみせ、その者の興味を維持しつつ警戒心を解かせ、最後まで読ませる。
手に取った時点で少しずつ生命力を削りながら魂を籠絡し、最後の行を読ませてしまえば、その者の魂は完全に我が物である。
大抵は、この方法でうまく魂を喰うことに成功した。長年の知識と経験の賜物である。
また大部分を読ませることができれば、己の意思で本を閉じることは難しくなる。
魂という深層意識を乗っ取るのだ。外部からの干渉がない限り、抵抗などできるはずがない。
私の狩場は書棚の隅や薄暗い書庫の奥。人気がなく、静かな殺人は発覚することでさえ稀であった。』
「一度落ちれば、もがいても無駄。まるで蟻地獄ね」
パチュリーは的確な例えを口にする。だが、その目は限界まできつく細められている。
まるで、醜悪な生き物を見る様な目つきだった。
その後、本は自分が喰らった魂の全てを列記していた。読んでいるモノの過去を見せるというプログラムに従って。それは膨大な数だった。
小悪魔は現世の罪がすべて映るという閻魔が持つ鏡を覗いている気分になり、この本に対する恐怖と怒りがこみ上げた。
その後本はどこへともなく流れ続け、無辜の魂を餌食として書架という書架を変遷していったらしい。
だが、革張りで分厚い本はそれだけで人に敬遠され、忘れられた本となって幻想郷随一の本棚へと収まった。
そしてついに、ページは小悪魔について言及し始めた。
『最後に喰らおうとしたのが、小悪魔の魂である。
いつもの様に題名と過去の罠をかけたが、一筋縄ではいかなかった。
小悪魔の魂は人と違い、複雑でガードが堅かった。
そこで、私は揺さぶりをかけた。』
「揺さぶり?」
小悪魔が疑問符を浮かべる。その謎の答えを、本は文面で語る。
『私が小悪魔の魂に付け入るには、隙が必要だった。
そこで私は、心を限界まで乱される様な衝撃の事実を突きつけることにした。
しかし、小悪魔の過去や対人関係等にそうそう都合のいい情報は無かった。
そのために私は、小悪魔はパチュリーに嫌われているという嘘を並べ立てたのだ。』
(えっ……じゃあ、最後の内容は)
小悪魔は口に手を当て、驚きの表情を浮かべる。
すると傍でチッ、と小鳥が短く囀った様な音が聞こえた。
でも、実際はそんな生易しい音ではない。
それは小悪魔も初めて聞く、パチュリーの舌打ちの音だった。
『結果は、成功した。
先程までの複雑な魂の構成があっけなく瓦解し、私はどっぷりと小悪魔の魂にかぶりつくことができたのだ。
これは僥倖である。私はまた学んだ。次回よりこの方法を用いれば、もっと簡単に、短時間で魂を手に入れることができると。
だが、私に次回はない。
その利用したパチュリーによって制裁され、これまでの悪行が曝された。
そして今、私は自分を自身で喰うというまさしく矛盾の境地に追い込まれた。
無念である。まったく無念である。
こんな終わり方をすると知っていたのなら、小悪魔の甘美な魂の一端だけでも食しておきたかった。』
「……ゲスが」
ぞわりと、小悪魔の背中が総毛立つ。
冷静沈着でドライな物言いをするパチュリーが、触れれば火傷しそうなカンカンに熱い怒気を孕ませて、ひどい罵り言葉を呟く。
自分に向けられた言葉ではないのに、寒気が止まらず足がすくむ。
動かない魔女をここまで豹変させた本にも、ついに最終章が近づいてきた。
『どうやら動かない魔女をここまで豹変させた私にも、ついに最終章が近づいてきた様だ。
あと数行で、私は死ぬ。この場合は消滅とでも言うべきか。
ああ、あと数行で、この私が。このわたしの能力でしぬのだ。
なぜだ。なぜ こんなことになった。
もは 思考のうりょ が かいむ。 さい後 が ない
いや だ 消え く ない し にたく ない』
「因果応報。いままで喰われた者達の恨みを思い知りなさい」
パチュリーが非情な最終宣告を下し、物語はついに終焉となる。
『 やだ え た ない たす け て
さい ご わ た し
ほ とう の たいと る は
む う 』
そんな静かな、あまりに静かな断末魔を最期に、以降のページは全て白紙が続いていく。
ふ、とパチュリーは指を横に振った。
すると本は力を失って床にぱたんと落ちて行った。
パチュリーは鏡を元の位置に戻し、本を拾い上げる。
そしてその本をパラパラと捲り、二度ほど頷いてからベッドの小悪魔へと渡す。
小悪魔は恐る恐る表紙を見る。
表紙には、何も書かれていない。
中身も捲ってみたが、分厚い紙束の全てがまっさらな白紙に戻っていた。
「この本が言っていた本当のタイトル……『ウロボロスの本』っていうのはどうかしら」
ようやくパチュリーは、ジョークさえ淡々と喋るいつもの調子に戻った。
小悪魔は全てに決着がついたことを実感し、パチュリーに頭を下げる。
「パチュリー様……ありがとうございました……
でも、ごめんなさい。私、一瞬でもあんな奴の嘘を真に受けて……それで……」
ここまで独白の様に言葉を吐露して、小悪魔は目を伏せた。
たとえ嘘の情報だったとしても、それに踊らされたのは事実。
パチュリーに全幅の信頼を置いていながら、少し突かれたくらいで簡単に主が信じられなくなったという体験が、小悪魔を苦しめている。
だがパチュリーは緩慢な動きでベッドに近づき、小悪魔の肩を優しく抱いて体を横たえさせる。
「いいのよ。今はゆっくりと休みなさい。
そして傷が癒えたら、また業務に戻ってちょうだい。私には貴方が必要なのよ」
「…………はい。ありがとうございます」
パチュリーの労わりと優しさが入り混じった言葉に、小悪魔は目じりに涙をためて頷く。
小悪魔には分かった。パチュリーの微表情は、全て本当のことを言っている時の顔であった。
そう、他人には分からないこういう事でパチュリーを信頼し、仕事を頑張って尽くせばいい。
小悪魔はそう改めて思った。
毛布をかぶりゆっくり呼吸を整え始めた小悪魔に安心したのか、パチュリーは部屋を出ていく。
きっと本を読みに行くのだろう。相変わらずマイペースだな、と小悪魔は心の中で苦笑した。
「……あ、そうそう」
扉を開ける直前、パチュリーは小悪魔の方を振り返ってこう言った。
「あの紅茶は中々私の好みに合っていたわ。あなたが出てこられるようになったら、真っ先に淹れてちょうだい。ね?」
そう言って、口角をうっすら持ち上げるパチュリー。
小悪魔には見えていた。それがパチュリーの柔和で満面の笑みに。
(覚えていてくれた……覚えていてくれたんだ!)
小悪魔は小躍りしたいくらいに胸が高鳴った。
想いはちゃんと届いていた。それだけで、心の靄が晴れた。
こうして、小悪魔とパチュリーの物語はまだまだ続く。
しばらく終わりそうにないハッピーエンドに向かって――
――◇――
「……誰もいないなんて、珍しいな」
パチュリーと小悪魔が部屋にいた頃、館の主である吸血鬼レミリア・スカーレットは図書館に降りてきた。
暇つぶしにパチュリーとチェスでもしようと訪れたのだが、いきなり手持無沙汰になってしまった。
レミリアは仕方なく、そばにごまんと積んである書籍の一冊へ無造作に手を伸ばす。
革張りの分厚い本。しかし、金字の題名にレミリアは心を惹かれた。
『レミリア・スカーレットの話』
「これは、私のことよね。ははあ、さてはパチュリーが私の武勇伝をまとめた本かな」
レミリアはふふん、と得意そうな笑みを浮かべてそう推測する。
元々自己顕示欲が強い性格もあり、レミリアはその考えに確信を持っていた。
「しかし……『下巻』か。上巻はどこだろう?」
そう、金字のタイトルは『レミリア・スカーレットの本 下巻』とあった。レミリアは近くを探すが見つからない。
レミリアは知らない。上巻は天誅を受け、今まさに消滅しかかっていることを。
だがレミリアは息をひとつついて、本を片手に閲覧席へ腰を下ろす。そして
「まあいい。半分だけでも、私の八面六臂の大活躍は伝わるだろう。
どれ、本人直々にどんな出来か読んでみるかな」
そう言って、レミリアはなんの躊躇もなく表紙を捲る――
ぺらり
【一巻の終り】
これも1000ページ超になるのではないかと。(儚月にて自称年齢レミリアの倍以上)
制裁方法もウロボロスの本という命名も皮肉が効いていて、実にらしいなと思いました。
小悪魔良かったね!
下巻を手に取ってしまったレミリアがどうなるか
というよりレミリアに手に取られてしまった本の方がどうなるか気になってしまいましたw
・小悪魔の魂のガードさえ正攻法では破れなかったのだからレミリアのガードも破れない
・搦め手で嘘を書いたとしても、レミリアの場合気にくわない内容の本は燃やしてしまいそう
(レミリアクラスだと本の妖怪の魔力程度は自力で突破しそうな気がする)
結果、どう転んでも本の妖怪は得しないw
こういう作品があるからそそわは辞められない。
本を読んでると体に対する意識が薄くなって、精神だけが本の世界を旅してる感覚になりますよね。読ませることによって魂を喰らう本という発想はなるほどなあと思いました。
お嬢は・・・多分大丈夫、でしょ
しかし、チルノの本は4ページなのですか。個人的には9ページくらいあるのではないかと(ry
これで腹筋が崩壊したww最高のエンターテイメントだ!100点持ってって!
というのはさておき、こうやって読んでる間に自分の表情も歪んでいくのが実感できるホラーは大好物でございます。
後書きのお話もかなり妄想が膨らむなあ。そそわにもあるいは……?
面白かった!それにしても読ませ上手ですね!このデビルっ子!
いやぁ、保たれたパチェこあに安堵。そして数十分後にレミィは平然と本を閉じるんでしょうねー
相手の過去を見通せるとは、覚りに近い何かを感じた。
ゆかりんの本は何処に行けば売ってますかね?
図書館にぴったりなホラーだったと感じました
というかお嬢様、運命を読んでーっ
図書館の常連だからなおさら怖い。
そのぶんパチュリーの制裁がなんともスカッとしたといいますか、救われた気分になりました。良いホラーでした。
気が付くと心地よい読了感に包まれていました。
無理強いはしませんが
できれば、この手の話をもう一度書いてほしいですv
というか後書きにちょっと吹いたwえーりんの本なら一体どうなるのか(ry
文章が非常に読みやすくて雰囲気作りも素晴らしかったです
まさか地上三階の図書館の地下が10階もあるとは思わなかったけど。
本棚が整然とずらっと並んでる様子って確かに不気味だな。
文の本は霊夢を基準に、だいたいで設定してしまいました。文の本は2段組みになっているので内容が濃いという後付設定でお願いします(ぺこり)
2番様
それは……悠久のスケールでお伝えしなければいけませんね。
4番様
ご感想ありがとうございます。私は皮肉かつ自戒を促すパチュリーが好きなのです(オイ)。
下巻は……おおむねその結末まで悟ってしまい、冷や汗ダラダラだと思います。
5番様
私もご感想をくださる読者様がいるかぎり、そそわは辞められません。
本の世界にダイブする感覚、私も味わってみたいですね。
6番様
次回もよろしければご覧ください。
7番様
確かに、どちらかといえば後のご感想にもありましたエンタメホラーの部類ですね。でもお気に召されたようでなによりです。
奇声を発する程度の能力様
毎回のご感想ありがとうございます。書庫の独特な雰囲気が出ていたらよかったと思います。
12番様
私も小悪魔の悪口を書いているうちに、ホントに嫌われてないよな!? とついセルフつっこみをいれてしまいました(オイ)
13番様
最上級のお褒めのお言葉、ありがとうございます。
14番様
⑨ページですねわかりまs(ry
下巻……不憫なコ(涙)
17番様
ありがたく頂戴いたします!
18番様
一巻の終りを思い付いたときは頭に電球が光りました(笑)そそわにも、いるかもしれませんねぇ……用心用心。
25番様
でもチルノならこれくらいかなって! 読ませ上手だけど上巻は退治されちゃったよ! しかも下巻はもっと悲惨な目に遭いそうだよ!
29番様
でも自分が有名人か作家でもないかぎり、その本は読まない方が無難ですね。
31番様
私は逆に、31番様のご感想が嬉しくて眠れなさそうです。
36番様
下巻……平然と閉じられたら、存在意義を見失って自己消滅しちゃうんじゃないかなー(悲)
38番様
ありがとうございます。ご期待に添えて幸いです。
愚迂多良童子様
私もパチュリーは静かに怒るタイプだと感じています。
確かに覚りの様な能力ですね。もしかしてものすごく高位な妖怪だったのかな……
53番様
おそらく……B○○K ○FFの隅っこの方にひっそり……ん、うわなんだこのスキm――
55番様
目には目を、本には本を、ですね。運命を読んでも、下巻の末路しか見えてこない……
白銀狼様
ほら、あなたの隣の人……異様な様相で一心不乱に本を読んでいますよ……なんちて。
57番様
深謀かつ犯した罪の報いを受ける罰は非常に溜飲が下がりますよね。それを思い付くパチュリーまじ賢人。
62番様
文章をお褒め頂くとは、光栄ですが少しむず痒いです(照)
私もこういう話は書いてて楽しかったので、また構想が浮かんだら書きたいなぁ、と思っています。
67番様
ご感想ありがとうございます。
『八意永琳の本』:文章ファイル。外付けHDD20本。
72番様
大学図書館の不気味さは激しく同意できます。本のための空間にいる人間が余所者の様に感じて、圧迫感が半端ないです。
79番様
何かの略語でしょうか。自分にはよくわかりません。
おい、本を舐めるなよ。インクとかホコリ的な意味で。がま口でした。
小悪魔をどう食うのかと思ったらおいおい相手のトラウマを刺激するなんてベタな方法をやっと思いつきやがったのかこの役立たずがお前なんて小悪魔以下だ自分の能力で死んでしまえ
みたいな裏を想像しました
まあどっちにしろ、パチュリーさんの舌打ち最高です
正直内容がかなり被ってる。
とても読みやすい文章で、かつ短い文章でもしっかりキャラが立っていて面白かったです!
失礼しました
割と多いですけど本作はそういう話の中でもかなりの良作でした。
マジギレするパッチェさん良いですね。
その発想は無かった……パッチェさん黒~い(震)普段やりそうにない人がやると、舌打ちも威力倍増ですね。
86番様
ちょっとリアルに嫌われている感を書きすぎましたかね(焦)でもやっぱり二人はパートナーでした。
87番様
そうなのですか。この作品は、自分の名前をネットで検索したら、私生活の隅々まで掲載されていたという都市伝説にちなみました。
幻想様
しかもオチのために、下巻は登場して即deth! 文章を褒められると、気恥ずかしくて照れちゃいます///
92番様
長年そればっかりやってきた奴の貫録ですね。でも奴は報いをうけたので、ホッとされてください。
95番様
「ホチキスで留められているなんて、あたいったらサイキョーね!!」byチルノ
99番様
奴は……きっとあの悲しい星になったんだよ(ホロリ)
103番様
お褒めのお言葉、光栄至極です。パッチェさんは本気で怒ると黙るイメージなので、そこが受け入れられていただくと「……よしっ!」っていう気分になります。
事件の推移が自然だと、厭味がなくていいですよね。
勉強になりました。
ご感想ありがとうございます。誠に恐縮です。こちらこそ、さらに研鑽を積んでまいりたいと思っております。
小悪魔がピュアで、感じやすい性格なのが良いですね。
レミリア相手じゃまさに一巻の終わり、ですねw
実際にありそうだと感じるのが、本の魔力なのでしょうか。
小悪魔はね、ホントは純真で一途な女の子なんですよ! と力説してみる(笑)
114番様
ありがとうございます。私もハッピーエンドが大好きです。
レミィ相手じゃぁどんな本でも……合掌。
嗚呼これぞ一巻の終わり。
hey俺、素晴らしいとか言いながら点数付け忘れるとはいい度胸してるじゃねェか。
ごめんなさい。
いえいえ。ご感想並びに満点をいただき、誠に感謝です。
シメのネタは思い付いたとき「キタっ!!」っと電撃が走った覚えがあるので、そこを称賛されるのは非常に嬉しいです。
面白かったです。オチも最高でした
ご感想ありがとうございます。
そのお言葉が明日への力です。次回も頑張ります。
ご感想ありがとうございます。
パチェさんは感情を大きく出さないだけで、実はとっても小悪魔思いで熱い人だったらいいなぁ、と思いながら書きました。
そしたら、想像以上にかっこよくなりました……びっくり。
とてもいいですぅ…
ご感想、ありがとうございます。
物書きにとって何度も読み返していただけることは、非常に光栄です。
ご感想ありがとうございます。自分も行きたいです! ただし水と食料、キャンプ道具が必要だなぁ……