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「どうもー! 八雲たこりでーす!」
一瞬、八雲邸を静寂が支配した、
藍は手に持っていた洗濯物を構えたまま、
視線の先にあるたこのような生物と見つめ合っていた。
「いやん、そんなに見つめられると照れちゃう」
二頭身ほどの大きさのたこのような生物が顔を赤らめると、
藍は洗濯物を洗濯籠にしまい、つかつかとたこに歩み寄る。
「てい」
「あっ、乱暴にしないでね」
そしてその頭を鷲掴みにして主の元へ向かった。
「紫様、こんなものがうろついてました」
「あら何かし……」
紫は固まった、さすがに彼女の想定外の物だったようだ。
「目と目があう~その瞬間~」
「歌うな」
当のたこは固まるどころか歌う程である。
「藍」
「何でしょうか?」
「下ろしてあげなさい」
「三枚にですか?」
「いやん! 酢漬けでお願い!」
「……下によ」
紫の命で藍はしぶしぶたこを畳の上におろした、
するとたこは紫に近寄り、ぱちんとウインクをする。
「ありがとっ!」
紫は表情を崩さない、藍も表情を崩さない、
ただ部屋の中央でたこが感謝の舞を披露するだけであった。
「藍、これ何かわかる?」
「本たこ曰く、八雲たこり、だそうです」
「……そう」
くるくると回るたこを見つめて、二人は何を思うのか。
「八雲たこりでーす! たこりんって呼んでね!」
「茹でましょうか?」
「きゃー! 怖いー!」
「……やめてあげなさい」
「ありがとー!」
藍が下げて、紫がすくい上げる、
たこりは二人の間で涙目になったり笑顔になったり。
「あなたは命の恩妖ね! 名前は?」
「八雲紫よ」
「八雲紫? あなたも八雲なのね!」
「ええ」
「じゃあ私の妹みたいなものね!」
「刺身にいたしましょうか?」
「やめて! わさびが染みちゃう!」
藍は相変わらず冷徹であった、
むしろ如何にしてたこりを調理するかに固執しており、
その辺りから微妙に冷静ではないことが分かる。
「駄目よ」
しかし紫はそれを制し、そっと手を伸ばしてたこりの頭を撫でる。
「…………」
「…………」
その状態のまま、紫とたこりは見つめ合っていた、
一分か、それとも二分か、時が過ぎた後、紫は口を開く。
「たこ焼きにしましょう」
「かしこまりました」
「ですよねー!」
藍の手がたこりを逆さに持ち上げる、
さらばたこり、さらば紫、もう食卓でしかあうことはないのだろう。
「せめて……大きめに切ってね?」
「やかまし」
食べられるならせめて歯ごたえよく、運ばれるさなかたこりはそう懇願した、
ああ、彼女の目の前にはぐつぐつと沸き立つ熱湯の海。
「地獄の予行演習といきましょうか」
「静かに、すぐに楽にしてやる」
「いいや、このたこり! 生命の還流に帰るのに人の力など借りぬ!」
「なっ!? ま、待て!」
「アイキャンオクトパス!!」
たこりは目をつむり、勢いよく飛んだ、自らの意思で沸き立つ水面へと、
たこにはたこの、たこなりの意地がある、それを守るために。
「来世では大王たこになるんだ……」
「…………」
「立派な大王たこに……あれ?」
しかし、何時まで経っても灼熱の地獄は訪れない、
恐る恐る目を開けたたこりが見たのは、自分を救いあげる藍の手であった。
「ちっ」
「ど、どうして?」
「黙れ、手が火傷したわ」
藍はそうつぶやきながらたこりを近くの台の上に置くと、
どこからか取り出した生きのいいタコをお湯の中に放り込む。
「……ありがとう」
「……う、うるさい」
結局、たこりが調理されることはなかった、
彼女は今、夜明けを背に立ったまま、藍を見上げていた。
「いいの? 本当にいいの?」
「私は何も見ていないし何も聞いていない、たこ焼きを作っただけよ」
「あなたいい妖怪ね……私の式にならない?」
「えーと、唐揚げも美味しかったような」
「冗談だってばぁー」
たこりは少し頬を赤らめて藍に微笑みかける、
藍は少し顔を背けて溜息をつくと、出ていくように片手を振る。
「ありがとう、本当にありがとう」
「……ふん」
「ありがとうねー」
「いいからさっさと行きなさい」
「ありがとー!」
「はやく行け!」
たこりは森に向かって数歩歩いては振り返り、
何度も何度も藍にお辞儀をして、やがて森の中に消えていった。
「……まったく、変な事もあるものね」
「サーンキュゥー!」
「やかましい!」
姿が見えなくなっても御礼の言葉を言うたこりに、
藍は怒り、そして笑っていた。
「さて、洗濯物をたたまないと」
それはとても奇妙な、小さな小さな出会いだったとさ。
「藍様! へんなの捕まえました!」
「ハーイ! 八雲たこりデース!」
「またお前か!!」
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たこりかわいいよたこりwww
(性的な意味で)
でもわろたwww
タコかー。
こりゃ、確かにたこ焼き食べたくなる……のか?
まったくw
1等身のキュートなたこだろうと思ったら・・・あれ?www
それを理解していないとただのチラシの裏なのでこの点数で。
タグに書いたらネタばれになりますかね・・・?それすら私にはわかりません。
「なんだ、また意味不明な2ちゃんネタか。これだからちゃんねらーは道理が通用しない」としか思えない。
ナカーマ
たこわさたべたい
とりあえずいつもの幻想と空想の混ぜ人さんだなぁと思った。
ある意味安心した。
同志よww
如何突っ込んで良いか分かんないww
又、たこりんの設定も公式とは異なるものであることを述べさせて頂きます。
友よ・・・
でも、意味がわからない。
でも。あとがきのAAはいらなかったかなぁと思います。