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季節は夏。人里にも衣替えの兆しが見え始め、呉服屋の商才が試される時期である。太陽の日差しは人妖平等に降り注ぎ、熱を与える代わりに活力を奪っていく。自然の権化の妖精達でさえ、無気力になる者もいるくらいだ。
里の通りにも往来が出来上がってきた朝。その一角の花屋から、一人の少女が姿を見せた。花屋に似付かわしい淡色な花柄の和服を着て、どこか物憂げな表情で通りを進んで行く。
通りの向こう側から一人の少年が歩いて来た。少女と同じくらいの年頃で、少年は早くも夏に備えた清涼な服装を身に着けていた。
「あ、夢太君。お早う」
「おう」
少女の友達なのだろうか、夢太と呼ばれた少年が軽く手を上げる。「今朝は早いね」と話す少女に対し、少年は少し疲れた表情を見せる。
「朝っぱらから屋根の上で妖精が暴れてなあ、棟梁の家に大工道具を借りに行こうと思って」
「あはは、大変だね」
「そっちこそ、店の手伝い頑張ってな」
それじゃ、と少年は言うも短く、少女の今来た道を歩いて行った。
友人と話したおかげか少女は少しは表情を和らげるものの、その足取りはやや重い。
少女は今朝から逡巡していた、本当は二三日前から思い惑っていた行動を、ようやく昨夜に決断成し得たのである。踏みしめた固い地面が、己の意思に反発するかのように思えた。
しかし少女はゆっくりと歩を進める。今から何かを成す為に。
「………うん」
目指す先には、寺子屋が見えた。
「───事情は分かった。しかし、済まないが私では助けになれそうにない」
申し訳なさそうに頭を下げるのは、少女の教師である上白沢慧音だ。
「そうですか………」少女は小さな溜息を吐いて、「けど、先生以外に誰に相談すればいいのかな。あんまり寺子屋の友達に言える事じゃないから………」
「ふむ。ならば稗田阿求はどうだ?」
「阿求ちゃん?」
慧音が挙げた人物に、少女は意外な顔を見せる。
「ああ。寺子屋の生徒ではないし、歳も近い。何よりお前の友達だろう」
「それもそうなんですけど、友達だから言いにくいというか、うーん………」
「躊躇う事じゃない。それにこの前教えただろう、『善は急げ』と」
少女は考え込んだ。ここまで来たなら進むのみ、自分を足で運んだ推進力が彼女の背中を押した。
「………そうですね、思い切って相談してみます」
ようやく重い腰を上げた少女に力を貸すように、「何、私も付いて行くさ」と慧音の右手が肩に置かれた。
少女達が稗田家に着くと、丁度朝の腹を満たしたらしい阿求が二人を迎えた。
すんなりと客間に通される少女と慧音。出された茶を飲み挨拶もそこそこにして、やっとの事で少女は相談する旨を伝える。
「阿求、私からも頼む。この子の相談に乗ってやってくれないか?」
「阿求ちゃんくらいしか、頼る人がいないから」
「相談って、何かあったの?」
阿求は友達とその教師が揃って自分の家に訪ねて来た事に首を傾げているようだ。自分用の紅茶に口を付けつつ、少女の言葉を待っている。
「えっと、あの、夢太君のね、その………」
夢太とは先程の少年の事だ。それは少女にとって余程言い出し辛い事なのだろうか、最後まで言葉を繋げられず俯いてしまった。
「夢太君って、寺子屋の夢太君?」
「そうだ、私の生徒のな。この子はその夢太に惚れている」
「まあ」
「せ、先生!」
少女の秘め事をさらりと言い切った慧音に、少女は赤面して声を上げる。狼狽する友の様子を眺めながら、阿求は目尻を下げて頷いた。生温かい目で少女を見据えるその顔は、世話好きな老婆のそれである。
「ふむふむ。それで私は告白の手伝いか何かすればいいの?」
「そうじゃないんだけど、何と言うか………」
「事がそう単純じゃなくてな。その夢太にも片思いの女性がいるんだ」
「あらあらまあ」
「せんせぇ!」
何かと口籠もる調子に付き合い切れず、反駁する少女を余所に慧音は淡々と会話を進めて行く。
「うーん、それじゃあ彼を振り向かせたいとか、そういう事?」
「いや、どちらかと言えば私は夢太に諦めてもらう方が良いと思っている」
この言葉に、阿求は眼を丸くして、
「生徒の恋心を無下にするだなんて、それ程までに切羽詰った事情が?」
「ああ、これは並々ならぬ問題だ。心して聞いて欲しい」
「お聞きします」
寺子屋の生徒達に見せる顔とは違う神妙な面持ち。そんな慧音の様子につられて少女も暗い顔を見せる。
「実は………」と漏らす口調も固い。事態の深刻さを感じ取ったのか阿求が、おもむろに姿勢を正した。
「………実は?」
幻想郷の知恵袋、稗田阿求が眼差しを研ぐ。
突き刺さる慧音は静かに言葉を繋いだ。
「夢太の惚れた女性と言うのが………風見幽香らしい」
「………」
「………」
「………………うわあ」
「うわあとは何だうわあとは」
「気でも狂ったんじゃないですか」
「ふんっ!」
「痛っ! 頭突きは勘弁して下さい」
「蓼食う虫も好き好きと言うだろうが!」
「自分だって蓼って言ってるじゃないですか………しかし、風見幽香ですか」
風見幽香。
幻想郷の古参大妖怪。四季のフラワーマスター。
花を操る程度の能力しか持たず、弱い者にも紳士的に振舞う妖怪。
しかしその実、彼女は純粋な妖力と身体能力だけで他の有象無象を圧倒し、多少力のある者なら人妖問わず折に触れて神経を逆撫でして回るという、人間的危険度極高の人外である。
そんな妖怪を好きになるなど、物好きこそあれ気狂いと言われても仕様がない。
「私だって、邪魔をしたい訳じゃないんだけど………」
口を噤む少女を、「分かっている」と慧音が制する。阿求もその言わんとする事を斟酌してか、天を仰いで押し黙った。
今でも少女に迷いは残っていた。それは負い目とも言うべきか、果たして自分は想い人をどうしたいのだろうと。
「この子の事も勿論なのだが、私もそれよりも夢太の方をどうにかせねばなるまいと思っている」
あの花の妖怪が只の人間の相手をするはずがない。況して恋仲になりたいなどと、それこそ枯れ木に花を咲かせるようなものだ。このまま病を患わせているよりは、痛みが少ない早期治療が望ましい。もし少年が変な気を起こしてあの妖怪の怒りを買いでもしたならば、目も当てられない事態になる。両者とも、この意見には相違なかった。
「だが阿求、どうすればいいと思う? 何分私はこういう情事には疎くてな」
「最早これはそういうレベルじゃないと思うんですが………。それに、私も懸想なんてした事ありません」
ただでさえ他人と縁が少ない御阿礼の子だ。知識は余るが経験は足りぬ、重ねて他人の仲を上手く取り持ってやるというのは無理な話だった。
そういえば、と慧音が思い付いたかのように零して、
「詳しくは聞いていなかったが、そもそもどうして夢太は風見幽香何ぞ好きになったんだ?」
「私もそれには興味ありますね。何か契機でも?」
不意に話を振られた少女は少し戸惑いを見せたが、やがて思い起こすかのようにぽつぽつと語り始めた。
「多分、夢太君の一目惚れだと思う」
「それは大変です。今すぐ眼のお医者様を」
「ふんぬっ!」
「痛っ!」
「………ちょっと前に夢太君がうちの店に遊びに来た時に、幽香さんが買い物に来てたの。
私達に、こんにちはって笑顔で挨拶してくれて、植木鉢を買って帰って行ったの。
今日も綺麗だなあって思ってたら、夢太君がぼうっとしてたから、どうしたのって言ったら、あの人何て名前なの、だって。
それで風見幽香さんだよって教えてあげたら、名前まで綺麗な人、なんだなって。
他にも色々聞かれて………最後に、あの人、また来るかなあ、だなんて」
「なんとまあ古典的な」
「それから………家に遊びに来る度に、ずっと、幽香さん今日は来るのかな、って………
あの、ちょっと前に、幽香さんが来た時は、すごく………嬉しそうに、笑ってて………その………」
「もういいぞ、十二分に聞かせてもらった」
訥々と話す様子を見兼ねて、慧音が話を遮った。側で甘い紅茶を飲む阿求も、苦々しい顔つきで押し黙っている。
全員が空気の重さを感じた。沈思黙考する慧音に、俯く少女、侍女に紅茶をお代わりする阿求。そこには三者三様の思いが錯綜している。
しかし堰は切られた。それまでむずかしい顔をしていた慧音が、決然とした様子で「よし」と腰を上げた。「やはり本人に当たるしかない」
「つまり彼を直接説得して諦めさせる、と?」
「諦めさせるのは最後だ。取り敢えずは風見幽香の本性を知ってもらう必要がある」
「私には幽香さんが怖い人………じゃなくて怖い妖怪さんには見えないんだけど、本当にそうなのかな」
「幻想郷縁起にはちゃんと記載したはずなんですがね。まだまだ子供には普及していないのでしょうか」
「ここで話していても仕方がない。とにかくあの子の家に行こう」
有無を言わせぬ慧音の言葉に押され、少女はようやく大きく頷けた。
歩き出した事態に続く為、少年の心を確かめる為。
その決意が鈍る前に。
稗田の屋敷から歩く事数分、花屋に程近い場所に夢太と呼ばれる少年の家はあった。丁度家の前に出ていた少年に、少女が声を掛ける。
「夢太君」
「ん、どうし………ってあれ、先生? それに阿求まで」
やはり意外そうな顔を見せる少年。女友達二人と自分の教師が訪ねて不思議がるのも無理はない。
「夢太、少しお前に聞きたい事があってな」
「聞きたい事って、俺に?」
「ああ、大切な話だ」
「それじゃ、私達は花屋にでも行って………」
「お前は風見幽香が好きなのか?」
「せんせえぇぇ!」
慧音の突然に不意打ちに、「なっ……はあ!?」と目に見えて狼狽える少年。対面するは同じように度を失う少女に素知らぬ慧音、呆れ果てる阿求の一団だった。
先生に任せたのは失敗だったかもしれない、少女の頭に一瞬だけ頭にそう過ぎった。
自分の心を見透かされたのが余程衝撃だったのか、少年は色と共に言葉も失っている。「どうなんだ」と追い打ちを掛ける慧音に、ようやく少年の口が開いた。
「べ、別に好きとかそんなんじゃ………大体何でそんな事!」
「むっ………それはだな」
「花屋のおじさんから聞きましたよ? 貴方が風見幽香に首ったけなのだと」
流石にここで言い淀んだ慧音に対し、いけしゃあしゃあと阿求が手を貸す。
「そう、そういう事だ」
「………だったら何なんですか」
「お前には分からないかもしれないが、、風見幽香は恐ろしい妖怪なんだ」
少年は、僅かに顔を下げた。
「相手が妖怪だから駄目だという訳ではないし、高嶺の花だからという訳でもない。しかし、風見幽香は色んな意味で手を出してはいけない存在なんだ」
「……」
「恋する事は悪ではない。悪ではないが………やはり物事には限度というものがあってだな」
「………」
「その、何だ………あの妖怪は花以外に慈悲を掛けるようなヤツではなくて、他人に容赦がないと言うか………」
「……………」
「つまり、あれだ………何と言うか………は、花になるしかない!」
「落ち着いて下さい意味不明です」と諭す阿求。どうやら真っ当な答えが出てこなかったらしい。思い悩む生徒に対して漫然とした警告しか出せずに、教師である慧音は言葉に詰まる。
「───そんなことない!」
突然声を荒げた少年を見て、少女は思わず目を見張った。
それが無知か狂信なのかは彼女には分からなかったが、その時の少年の眼には確固たる想いが宿っていた。
「夢太」
「あんなに嬉しそうに花を見てる幽香さんが、怖い妖怪なわけない!」
「………夢太君」
「昨日だって大事そうに重い植木鉢を抱えて行って、花の為に、あんなに細い腕なのに………」
「手遅れですね。どこかに幽閉しましょう」
「ふんがっ!」
「痛ッ、死!?」
「それに俺は幽香さんが戦ってる所なんて見たことない! きっと皆は最近よく見る唐傘お化けと間違えてるんだ!」
気迫に押され、少女達は反駁する心機を失った。少年の双眸はどこまでも真っ直ぐだった。それは文字通り、疑う事を知らない眼で。
「加筆しなければ………」と暗い顔をして言う阿求の足を、慧音は黙って踏んだ。
「先生はこの前言ったじゃないか! 今の幻想郷は平和だって、もう人と妖怪は殺し合わずに、楽しく遊べる時代なんだって!」
その眼は、どこまでも前を見ていて、
「あのお寺の人も言ってた! 人と妖怪は分かり合えるって、一緒に手を取って生きる事ができるって!」
その芽は、どこまでも上を見ていた。
「───っ」
少女はもう何も言えなかった。
自分は彼を止めるべきなのか。それとも、彼に酷い事をしている自分を止めるべきなのだろうかと。
例え彼は、風見幽香の内側を覗き込んだとしても進むのだろうか。そうだとしたら、もう自分に止める権利などない。
心の中で天秤が揺れる。
慧音と阿求も同じ考えに満たされていた。だからこそ、このような半端な位置から動くことが出来無いのだ。
「………しかしだな夢太、本当の事なんだ」
慧音が掛ける声に、既に力は込められていない。
「違う!」
「違わない、せめて風見幽香がどういう妖怪かくらいは知って」
「先生の嘘つき! 幽香さんは、本当は───」
「人の名前を連呼して、一体何が楽しいのかしら」
四人に同時に、その声を聞いた。
「えっ………」
愕然と少女が振り返った、その目の先には、
「風見幽香」
「何度言えば気が済むの? 私には理解できない遊びね」
風見幽香は花のような日傘をくるくる回し、花のような笑顔をひらひらと舞わす。
彼女を見た少年が次々と顔色を変え再び息を呑んだ。少女達でさえ、その顔に驚きの色を隠し切れていない。
花屋での買い物の後なのだろうか、日傘を持つ反対の手には、小さな籠に入った植木鉢が見えた。
「貴方、夢太って言ったかしら?」
「ッ! は、はい!」
不意に声を掛けられて、少年は咄嗟に声を上げる。先程までの悄然は何処へか、希望が注がれた少年の顔を見て、少女は忸怩たる思いに囚われた。
花顔柳腰を見に纏い、百合の花のように歩く幽香は、静かに少年に語り掛ける。
「人と妖怪が助け合って生きていく………か。優しい子なのね、貴方」
「あ、ありがとうございます!」
少年の顔に歓喜と高揚の花が咲く。
そして幽香は、花の微笑みを浮かべながら、
「虫酸が走るわ」
「─────えっ」
その驚嘆は、他でもなく少女の口から零れた。
「愚鈍にも程が有るわね。何時から人間はそこまで偉くなったのかしら」
冷水を浴びせられた様な顔をする少年に対し、幽香は決して微笑みを絶やさない。
「たかだか十やそこらの年月しか数えていない貴方が、妖怪は弱い? 妖怪を守る? 妖怪と生きる?」
傍らの慧音や阿求でさえ、言葉が体の芯に突き刺さるような感覚を得る。
「馬鹿馬鹿しい。私は畏れ憧れられても、舐めたり馴れられたりする気にはなれないわ」
おもむろに、植木鉢を手に取る幽香。
「花が生きるのには土だけで足りる。植木鉢なんて必要ないの、ただ便利だから利用しているだけよ」
片手で鉢を持つと、少年の眼前に突き出して、
「なのに鉢にしてみたら守っている気になっているみたいね。花が必要だから生かされているだけに過ぎないのに」
片手で、粉々に握り潰した。
「植木鉢は花じゃなくて根を支えるものよ。貴方じゃ、植木鉢にすらならないわ」
落ちた破片がからからと音を立てて、少年の足元に転がった。
目の前の変わり果てた世界に、言葉は無かった。
その中で向きあった二人の姿を、少女は漠然とした気持ちで見つめている。
「……………うっ、くぅ」
「………夢太?」
「─────うわああああぁぁぁ!」
果たして、少年は走り去った。七花八裂したその顔に、溢れ出る感情も拭わずに。
止める者は誰もいない。呆然とする一同の中で、幽香だけがただ笑っていた。
「くっ………風見幽香!」
「あら、何かしら」
「もう少し言い方というものがあるだろう! 相手は子供だぞ!」
悲痛な教え子の様子に、慧音は激昂して喰い掛かる。
「あらあら」幽香は特に気にした様子もなく、「なら蔑まれた私の怒りはどうすれば良かったのかしら?」
「それは………怒って引っ叩く程度にするとか!」
「やめてください、しんでしまいます」
怒りで箍が外れかかっている慧音を、阿求が静かに宥める。そんな二人の様子を見ていても、少女は只々呆然としている。
果たしてこれは自分の望んだ結果だったのか。失敗したと思う一方で、どこかほくそ笑んでいる自分がいるんじゃないかと、少女は後ろめたい気持ちで一杯になった。
「私は、貴方があの子に傾いていると思ったのだけれど」
不意に、幽香が少女の目の前に立つ。
日傘で陰を落とした顔は、やはり花なのだと少女は思った。
「違う?」
「………違いません」
「そう。やっぱり臆病なだけね」
幽香は微笑む。その柔らかな表情に、先程までの妖怪の面影はない。
「そうかも、しれません………」
「責めてる訳じゃないわ。生きるだけなら臆病な方が賢明よ」
ただ、と幽香は続ける。二人の視線が、初めて直線に並んだ。
「貴方も花屋なら分かるでしょう、日陰で蹲っている花は直ぐ枯れる。花はじっとしている様に見えて、少しでも太陽を浴びようと葉を広げ、背を伸ばすものよ」
幽香の言葉が少女の根を揺らす。
想いは鏡花風月ではない。ただ眺めているだけでは手に入らない。
心の中で枯れつつあった何かが、再び天頂を目指して頭を上げる。
少女は顔を上げて、幽香に向かって大きく頷きを見せた。
「流石は幻想郷のフラワーマスターですね」傍らで会話を掠め取っていた阿求が割って入る。「花にだけは優しいという事ですか」
「あら、いつも親切よ」
「ええ、いつも心折です」
嫌味たらしく吐く阿求に対し、言いたい事は全て言ったかのように幽香は踵を返した。
「あの、幽香さん!」
少女が背中に言葉を投げる。幽香は振り向きはせずに足を止める。
「ありがとうございます。私、頑張りますから!」
聞いて、三人には見えぬ日傘の陰の中で、幽香は涼々に笑う。
それは花の妖怪が、久しぶりに心から出た笑みであった。
「睡蓮なんてどうかしら。いや、貴方に合いそうな花を想像していたの」
そう言ってひらひらと手を振りながら、散る桜のように立ち去る風見幽香。
彼女の後ろには、夏の日差しを浴びて笑う花が咲いていた。
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まあそれは置いといて、夢太に向けた拒絶の言葉と花屋の娘に向けた導きの言葉。
いったいどちらが幽香の本音なのでしょうか。いや、彼女にとってはどっちでもいいんだろうけどね。
しかし、ゆうかりんは白蓮さんと相性悪そうですねw
でもいいお話でしたw
阿求はひどいwがんばれ少年少女
花屋の子には優しいあたりに、人間は人間同士でいるのが幸せだと暗に言っている気がしますね。
なんか、こういうの、良いなぁv
少年には気の毒だけど、これが正しい在り方なのよね。
花の入った熟語の使い方も上手でした。