東方証言者　　氷の苦笑

これは「東方証言者」の続きです。ゆっくり読んでいってね！



　そりゃあ私はあいつと一緒にバカ騒ぎをしたわよ。けれど、あんなに「ぱわーあっぷ」するなんて聞いていないわ。

『こんばんは、射命丸の証言者のお時間です。前回は驚愕の視聴率４％でしたが、がんばって放送していきたいと思います。……泣いてなんかいないですよ。さて、今回は氷精についての調査報告でございます、もうすでに皆さんご存じだとお思いですが、氷精は妖精の中ではかなりの力の持ち主であるといわれています。しかし、その氷精にある変化が起きたという事です。では、その出来事を体験した方にインタビューを行いましたのでどーぞ』

『Ｒ夢さん、今日はよろしくお願いしますね』

　ちゃんと謝礼は払ってくれるんでしょうね？……３千円、いいわそれで手をうつわよ。で、何を話せばいいわけ。⑨について？そこはフルネームでも……、え？隠した方が受けがいい？……あんたそれでいいわけ？

『そ、そんなことはいいですから、インタビューをお願いします』

　そうね、おとといもウチに来たけれど別に変った所なんて無かったわ。いつものようにやってきて、いつものように氷を出したりして私たちを楽しませたりしてたわ。そしていつものセリフを言ってたわ。

「あたいってばさいきょーね！」

　って。けれど私にとって聞き飽きたんだけどね。けれど、昨日はウチに来なかったのよ。あいつが来ないなんてよくあることだし、たぶん別の誰かと遊んでいたんじゃないかしら。魔理沙からある事を聞くまではね。

『そうですか。では次はＭ理沙さんに聞いてみましょう』

　おう、まかしとけ。ちゃんと報酬は払ってもらうからなー。で、なにから話すんだ？⑨の変化から？オーケー、あれは昨日の事で、私は珍しく湖の方へ散歩しに行ったんだ。霧が濃くて遠くが見えづらかったけど、あいつの特徴のある羽が見えて、声をかけたんだ。おーい、って。すると、

「あら、魔理沙さん」

　……最初は何かの聞き間違いだと思ったんだ。あいつは人さまを呼び捨てするのに、何故か丁寧に私の名前を言ってきたから。だからこっちも聞き返したんだ、どちら様ですか？って。そしたら、

「……私を忘れてしまったんですか？若年性健忘症の疑いがあるんじゃないですか？」

　まったくの見ず知らずにそこまで言われるとはいままでないことだったぜ。え？続けろ？分かったよ。そいつはそう言った後にこうも言った。

「私はこう見えても最強なんですよ？」

『まさか、それって』

　ああそうだよ、霧が晴れて見えた姿は、成長したチルノだったんだ。

『なんと、氷精が変化したという話は成長していた⑨さんのことだったんです。しかし、なぜそのような事になったのか、またその後どうなったのか。続きを放送する前に、コマーシャルをどうぞ』

なんでもかんでもにとりにおまかせ　にとり印の○○
初詣・お祓い・厄払い・おみくじは守矢神社で
不思議アイテムの香霖堂
皆で南無三☆命蓮寺


『お待たせしました、それではインタビューの続きをどうぞ』

　霧の湖でみたあいつはいつものあいつじゃなかった。背丈は霊夢並で、片手にはなにか本を持っていたんだ。一人称は、あたい、じゃなく、私、だったし。茫然と見ていたら、

「どうしたんですか？蛇ににらまれたカエルのような顔して」

　バカのかけらもない。むしろ大妖精みたいな口調で私に話しかけてくるんだ。

「驚くのも無理ないですね。私は生まれ変わったんです、もう昔のようにバカだとか⑨だとか言わせませんよ」

　その後はあんま覚えてない。あいつの口調にイラッときたのかマスパ（マスタースパーク）を放ったんだ、けれど気がついたら博麗神社で看病されていたんだ。

『繋がりましたね』

　それで、私は魔理沙の言ったことが本当なのか確かめに行ったんだけど、そこにはいつものあいつがいて、

「あたいってばさいきょーね！」

　って言っていたわ……。

『……いかがでしたでしょうか。魔理沙さんが手も足も出なかった相手は本当に⑨さんだったのでしょうか？我々取材班（仮）は真実を知るべく調査を続行していきます。それでは次回の放送を……ちょっと今本番中なのよ、え何、クレーム？放送の？ちょっとまって、私聞いていなあｑｗｓでｒｆｔｇひゅじｋ』

（何かクラシックっぽい音楽が流れて）しばらくお待ち下さい……。

その日を最期にあるラジオ番組が打ち切られた。

射命丸日記
　△月□日
　もうラジオなんてやらない。だってこんｎ
（日記はここで途切れている……）



アークナイトⅡです。……勢いって怖いね。一応これで完結です、このシリーズ。厳しい評価に大ダメージをくらいながらも書きました。マスパを撃たれる覚悟で書いて……撃つなよ、マスパ撃つなよ？←フラグ

次は真面目な物を書きます。読んでいただきありがとうございました。