名も無き丘で
花を愛でよう
名も知らぬ里で
生を愛でよう
子供を寝かしつけ
愛用の傘を持って
日の光が注ぐ中を
静かに力強く
どこか悲しそうに
思い出に浸りながら
さあ出かけよう
私の想う場所へ…
了
東方葬送花…これにて了と相成りました。
最後までお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
気付いたときにもう一度お読みいただければ、
また違った想いが生まれるのではないか?
そのように思っております。
何せ
本作品におけるメインキャラクター、
風見幽香と立花万の気持ちを
あまりはっきりとは示していないからです。
もちろん他のキャラクターの気持ちもです。
私にとっても…皆様にとっても…
程好い「謎」に幻想を感じる…
そんな作品に仕上がっていたなら幸いです。
さて、前回に告知したとおり、本作品におけるちょっとしたネタバレを…
つまり
本作品の主題、全てを通して
いかなる花がモチーフとなったか…
花言葉は『記憶』、『追憶』、『思い出』、『私を思って』
…そして『静かな力強さ』…
…ローズマリーです。
そして立花万の万とは、この花の和名『万年蝋』よりつけさせていただきました。
また立花は橘、鍔木は椿、菫は言わずもがな…
オリキャラの名前は全て植物、花の名前で統一されています。
他にも、万が亡くなった4月の終わりは、4月23日
その日の誕生花はローズマリーだそうです。
最後に万が亡くなった時に触れた花、魔理沙が万を送るために幽香と持っていった花…
それもローズマリーです。
これらを聴いて、また違った感慨を抱かれた方がいらっしゃいましたら、
時々この作品を思い出してやってください。
長々と失礼いたしました。
それではまた、読者様方にお会いできることを楽しみにしております。
E-
もう1度読み直してこようかと
また会えることを楽しみにしてします
立花万という人物の死を通じ、人生とは何か、人生の絶頂とは何かについて考えさせる佳作でした。職人として愛され惜しまれる万翁が、たった一つ知った美しさ。その象徴として描かれたその「花」という存在。人生のもろさとでも言うのでしょうか、作品の根底にある「喪失」という「力」に涙を止められません。美しき「喪失」の扱いに、心の底にあった感動を揺さぶられました。
そしてまた、良い意味で「東方」的でない事も、作品を美しく・幻想的に際だたせている。美しき花が、楽園と題される幻想郷の向こう側にあった事や、楽園の基点である博麗神社が、老人の静かなる死と相反する、うら若き少女達の遊惰な喧噪に包まれている事など。「楽園」の意義に対する鋭い考察に基づき、作中の随所にちりばめられたこのような対立軸が、作品の重厚な雰囲気を見事に彩っています。作中に散見される「東方」的記述の拙さが、違和感として浮き出る事もなく、換骨奪胎の名作でしょう。
これゆえ、批評はなかなか厳しい物ですが、上を目指すというのならこの点だけははずせないと思います。「東方」的要素をむやみに増やせばバランスが崩れて、作品の空気が台無しになってしまう。ですから、「東方」的対立軸についての考察を深めてみてはどうでしょうか。たとえば、「妖怪―人間」軸に基づき、風見幽香が己の喪失について独奏する場面を加えるとか、妖怪性の喪失について別の視点から光を当てるなどといった風にですね。元々が、かなり洗練された文章ですから、難しいと思いますが、上には上があるはずです。
総じて、非常に重厚で洗練された良作でした。このような作品に出会えた事に感動を覚えずにはいられません。
ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。また会いましょう。では。
そしてありがとうございます。
実を言いますと…、万は老人ではなく、白髪が目立つだけの三十代という設定なんです。つまり中年です。
幽香の捉え方は間違っていませんし、小町も「意外と短命」と言ってましたし…
さて、話題を変えまして
興味深くコメントを読ませていただきました。
重ねてありがとうございます。
東方的でないとしても、違和感を感じない作品にできて、またそう捉えていただけてよかったです。
ただ面白いことに、読者様と私の本作品に対する捉え方というものはやはり違ったものになりました。
十人十色とはこのことですね。
この場で私の捉え方を開示することは、読者様の本作品に対する想像に傷を入れてしまうと思われますので、
差し控えさせていただきます。
ご了承ください。
次回作ももしかしたらこんな形になるかも知れませんが、
精進していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
そう見せれるような人に、自分もなりたい
最終章を読んだとき少し温かい気持ちになれました。
次回作も期待してます。
シリーズお疲れ様でした。それぞれの話で、主体となるキャラが変わっていき、それぞれの胸中を丁寧に描いた物語は本当に面白かったです。
またこのように練りこんだ作品を読みたいです。とにかく、ありがとうございました。