3久しぶりの味と自分の部屋
夢想現華大学
場所がかわっても、いつもの癖で早く起きてしまった。
「もう少し、寝てても良かったかな?」
周りのベットにお父さんやお母さん、教授と助手が寝ていた。おなかすいたし、昨日帰り際に見つけた、構内にある久しぶりのコンビニへ、ここは大手のチェーンではあるが働いているのは教授や学生が時間を見つけてやっているとのことだ。お母さんの説明によると。
「ありがとうございました~」
コンビニで軽くおにぎりとお茶を買う。まだこちらに居た時読んでいた雑誌を立ち読みしたが、いくつかは連載が終わっていて、まだ続いたのがあってほっとした。
(連載が続いてたり、終わったのがあると確実に時が経っている証拠なのね)
それにしても、漫画雑誌に各分野の専門誌(海外と思われるものも含む)等がしっかり揃っているなんて普通の本屋よりすごいかも。
戻る途中で、調理室を見つけた。しかも、材料の持ち込みと大学でとれた野菜は自由に使っていいとまで書いてあった。
(どれだけ、学部をもっているの!)
仮眠室に戻ると、お父さんが起きて顔を洗い終えてたところだ。
「おはよう、早苗その袋は?」
「おはようお父さん、構内のコンビニに買い物へ」
「コンビニ?・・・ああ学生教授関係なく働いているあそこか」
「そう」
軽く微笑んで答えた。
「そうか、品ぞろえはどうだった?」
「それなりかな、ただ本がすごく多かった、たぶん海外の専門雑誌とかも見かけたかも」
「海外の専門誌、・・・すごいな」
「うん、それで朝ごはんどうする?」
「朝食か?」
「調理室あったし、自由に使える材料も。久しぶりにお父さんのご飯食べたいかな」
ちょっと甘えてみた。
「材料もあるのか、至れり尽くせりだな。よしその調理室に案内して」
「うん」
久しぶりのお父さんのご飯楽しみだな~。
とりあえず、調理室に向かいその中の冷蔵庫の中身を見た。個人の物なのか名前や記号が書き込まれていた。
「夏野菜はそろっているか、あと昨日のクーラーボックスにウィンナーが残っていたはずだ。・・・米と味噌はご自由にか」
こういう時のお父さんの目って結構きつくなるのよね、まるで必殺仕事人風とでも。
「どうかしたか?」
「うんうん、なにも」
何時もの優しい顔に戻り、
「それじゃあ・・お米といでくれいか2合ほど」
「わかった」
また、料理の時の顔に戻った。お米を研ぐのは、もうお手の物今回はお釜じゃなくて電気釜だからあとはスイッチ一つで勝手にしてくれる。時間できたな~、お父さんの方手伝おうと思っても戦闘モード発動中だし。少し、技を盗もうかな。
朝だからそう凝ったものは作らない、速さ重視って前に言ってたけか。テキパキと作っていく、ほとんど何かを同時に行い、すぐに作っては、片づけを行っている。リズムが一定で私が入ったら崩してしまいそうだ。この一連の流れを見てるうちにご飯は炊けて、料理も完成した。最後に味噌汁の味を見て
「加減良し」
お決まりの台詞で戦闘モードから何時もの顔にもどった。
「お味噌汁の味、みてもいい?」
「どうぞ」
小皿に少し、乗せ軽く飲んでみる。
「久しぶりのお父さんの味、やっぱり美味しい」
「そりゃよかった」
満足げに答えてくれる。この後、寝ている方々を起こして、調理室で朝食を食べた。その中でコンビニの話を聞いたら
「あそこのコンビニは図書館のカウンターも兼ねているのよ」
「そうなの?」
どうやら、人件費削減というわけでもないがコンビニの裏手に図書館がありコンビニで買い物してから勉強に行ったり、本を借りるついでに何か少し買って帰るという仕組みができているそうなのだ。朝食後、少ししてから実家に帰った、明日帰る事を伝えて。そして自分の部屋に向かう。私がこの世界を去った時とまるで変わっていない、そのまま状態で、急に涙が零れだしてきて泣いてしまった。それは、いままで心にとどめていた物が全部まとめて流れ出した。
4初めての空と弾幕、初めまして神様
博麗神社
「よし、終了」
最後の縁側の一列を終え、やっと持ち場の掃除が終わった。そのまま、井戸に向かいきれいな水くみそれで桶と雑巾を洗った。
「おはよう、それとお疲れ様」
「おはようございます、神主、どこかお出かけですか?」
後ろから声をかけられ、振り返るとそこには神主が居た。どうやら出かけるみたいだ。
「少し厄を取ってもらいに、そいう力を持った子が居るから」
「厄を取る力ですか?」
「そう、結構重宝しているものさ、それじゃあ頑張って」
「はい」
そう言い、神主は池の方に行って亀が現れた。
「げんじぃ頼むぞ」
「わかりました神主様」
そう言い、神主が亀に乗り飛んで行った。唖然と見送るしかなった。空飛ぶ亀、ガ0ラかそれと厄、これを聞いて上の温泉の饅頭、厄除け饅頭を思い出した。ぼけ~としてるさなか後ろから声がした
「随分と懐かしい亀だな」
「・・・魅魔さん知っているのですかあの亀の事」
「ああ、あの亀は元々霊夢が空飛べない時期に見つけて使役したからね、遊びの時によくのってたよ。けど魔理沙が無駄に修行させていたから今は飛べるようになったけど」
そうなんですか、・・・・移動は飛行が基本なのか?
「魅魔さん、すいませんここの移動は基本飛行なのですか」
「いや、そうでもないけど、この神社周辺は徒歩だと妖怪に対する撃退できる攻撃力か逃げ足それと早めに察知し隠れる力がないと難しいぞ」
うわ~全部ないから無理だ、紫さんから何か借りて対処しようかな、狐の小説みたいに。
「あら、ちょうどいい所に」
「あっ紫さん、どうかされたのですか」
「今日あなたが泊まる、所に連れて行こうと思ってね」
「わかりました。準備しま・・・その前に紫さん何か身につけている物を貸してもらいませんでしょうか?」
ふと気付いたので聞いてみる事にした、
「どうかしたの?」
「いえ、何か徒歩移動だと危険が高いみたい聞いた物なので」
「別に歩きじゃなくても良いわよ、私が送り迎えしてあげるし」
「迷惑になりませんか?」
恐る恐る聞いてみた。
「あまり気にならないわ、もしかして気を使ってくれているのかな」
「ええまあ、それとこの大自然の中を歩いてみたいもので」
「そう、ちょっと待ってて」
そう言い、紫さんはスキマから手帳を取り出して読み始めた。少し経つと
「これがいいかしらね」
そう言い、スキマから一つの箱を取り出した。
「紫さんこれは?」
「とりあえず、開けてみたら」
「はい」
開けた中身は、かつて高校の時にアニメではまりついゲームを買ってしまいどういうものなのか分からずクリアできずにいる作品のロボットだった。人を選ぶゲームで難しいがはまるとすごく面白くなるが、ワゴンセールや中古屋で安く売られているだろう。
「希望号ですか?」
「たしかそんな名前だったかしら」
やっぱり、本来だったらもっと大きく乗るタイプだが、着こめるように改造されてあるみたいだ。けれどこのロボットは水中か宇宙でしか使えな立ったはず。
「紫さん、これ陸上や空中では使えなかったはずですが」
「大丈夫使えるように反重力使えるように改造してあるしコントロール系も、燃料も大気中の色々なエネルギーを取りこんで使えるようになっているから」
どうやら、問題ないらしい。反重力機関どこで開発されたんだ。それと簡易だが結界も展開できるとな、オリジナルのシールドと同じ役割で飛行時(オリジナルは火星のみ使用化ので水中での抵抗をゼロにするが全感覚器官とその他を含めシャットアウトするが物理ダメージは喰らう)の抵抗を軽減させるためにけれども全感覚器官は使える。片腕には魔力式に変更された剣鈴(ビームサーベル見たいのも)にもう片方は弾幕を使えるようにしてある広域から集束型まで扱えるという。
「弾幕は平和的で美しさを争う戦いでスペルカードルールに必要なものだから」
「はあ、」
スペルカードルールについて簡単に説明された。擬似的に命をかけて戦う物で、互いのスペルカードの美しさ等を争い勝敗を決する。負けたとしても妖怪に食べられる事はないとのことだ。
「とりあえず、練習ついでに紅魔館にお皿の残り届けてくれる?」
そう言い、霊夢さんが後ろから現れた。
「良いですが、場所が分からないと配達に行けないんですけど?」
「場所は、霧の湖の畔の真赤な館なんだけど・・・やっぱ私が案内するわ」
どいうわけだが、理解をする前に行くことが決まった。さっき使った部屋で服を着たまま装着を行う、サイズは勝手に合わさってくれると言うので装着後すぐに自分サイズに合わさっていった。
「便利なものだ」
装着終了、バランスを取るのが難しいな下はハイヒールと同じ感じになっている。頭の部分はヘルメットになっているためまだ、被らないでおこう。そのまま、縁側にでた。
「どうかしら、着てみた感想は?」
「立つのがちょっと、大変ですね」
何というか足がハイヒールの同じ形になっているため、慣れていないから辛い。
「そう、とりあえずあなたの荷物は私が預かっておくから霊夢と一緒に山の上の神社にきてね?」
そう言い、スキマに入って行った。
「わかりました、霊夢さんお願いします」
「わかったわ、まず飛ぶというよりも少し浮かぶというイメージをしてみて」
「了解です」
ヘルメットを下げる、中はディスプレイになっており現在の状況とカメラで外の様子が見える。とりあえず、少し浮かぶという意識をしてみる。足からの感覚が消えてだいたい、屋根の辺まで来た。浮かんでいる!
「とりあえず、そこから鳥居まで往復してみて」
「わかりました」
慎重に往復し、そして下りた。
「どう」
「楽しすぎです、もっとスピード出してみたいです」
「そう、なら今度は弾幕ね」
この後、1時間くらい色々とレクチャーを受け飛行の練習をし、1つのスペルカードを作った。名前は希望「剣鈴」通常時よりも出力を上げ相手に寸止めで攻撃を行う、振る時に弾幕も展開される。とりあえず、これ一つで何とかなるそうだ。また、魔理沙や魅魔さんからアドバイスを受け実際にスペルカードの使い方を見せてもらった。
「それじゃ、行きましょうか」
「はい」
「「いってらっしゃい」」
魅魔さんと魔理沙に見送られ霊夢さんの後についていく、ゆっくりとこれが霊夢さんのペースだそうだ。途中で毛玉の大群が現れたが、霊夢さんのサポートもありOックOスター的に広域モードで対処しを行う。弾のカラーは紫色だった。もう少しで、紅魔館と思われる赤い建物が湖の畔に見えた時、
「そこのあんた、このさいきょうのあたいと勝負しろ」
いきなり氷の弾幕がそんな声とともに飛んできた。氷の妖精なのか、水色の服に氷でできた羽(?)をつけていて自信あふれているというかなんというか、小さい自信過剰な子供のようだ。
「断る」
「何でさあ、あっ、もしかしてあたいの強さに怖気着いたとか」
「めんどくさいだけだ」
「むっきー」
言いきってやった、そんでもって霊夢さんの方を向き、次善策を訪ねた。その間も氷の妖精はなんか文句を言っていたが無視。
「霊夢さんどうすればいいでしょうか、この場合」
「チルノは、撃破してわからせた方がいいんじゃないのかしら、頭があれだし」
「了解です、荷物頼みます」
「わかったわ」
荷物を渡しあれな妖精の方を向き
「良いだろう、相手してやる」
「あたいのつよさ見せてあげる」
ヘルメットを下げ、深呼吸を行う。ダメージ軽減のためシールドを円錐形に調整を行い、
「いざ、まいる」
「『凍符「アイジングフォール」』」
相手が弾幕を打って来た、氷色で数が多く、まるであるゲームのチート動画に出てくるミサイルのようだ。空を広く縦横に使い回避を行い、広域と集束をまぜこちらも弾幕を放つ、そのうち相手に当ったのか、弾幕が緩む。チャンスと思いきや
「くっ、くらえ『凍符「マイナスK」』」
「げっ」
インファイトに持ち込もうとしたが、タイミング悪く相手の弾幕のカラフルで一番濃いところにでてしまい、展開しているシールドをかすりながら回避を行う。
「しかたない、『希望「剣鈴」』」
手持ちでたった一つの符を使って相手の弾幕を消し、一気に近づいて集束型の弾幕を叩きこむ。
「うぎゃ~」
撃破なのか?どことなく三三七拍子が頭を通り過ぎる。
「倒したのかな?」
「倒したのよ」
よく理解できてなかったが、霊夢さんの一言で倒した事を自覚した。ギリギリだったか、シールドのデーターを見るとかなりかすりのダメージが蓄積されている。一度シールドをカットして再起動だな。
「それじゃあ、行きましょうかすぐそこだし」
「はい」
ちょっと飛行し、真赤すぎる建物が見えあれが紅魔館(?)なのか。着陸してヘルメットを外してみると門番である、メイリンさんは寝ていたしかも武術の方を取りつつ・・・・・仕事は良いのか?・・・あっもしかして睡拳できるのか
「何時もの事よ」
普段どうり、ただ寝ているだけなのか、回答してくれた霊夢さんが答えはすぐに分かった。
「いた~い」
・・・・・何時の間にやらハリセンを装備して、咲夜さんが現れた、・・・どこから?
「まったく、お客様が来ているのだからと気づきなさい」
「すいません、咲夜さん」
その会話のやり取りの後、
「すみませんね、お皿をわざわざ届けに来てくれて、・・・霊夢あなたの場合はお昼ご飯かしら?」
「そんなところかしらね」
はは・・・・、それ目当てもあったか・・・・しかしこの屋敷どうみても紅すぎる。けれど、過去に見たニュースで出てきた建物よりはましなのか、グラサン欲しいかも。
「それでは、お預かりしますね」
「はい、どうぞ」
お皿を渡し、中に案内され、コートかけの所で装備を外し、少し待ってから昼食を頂いた。その間、外の世界でのドラキュラ話をレミリアさんから聞かれたが、あいにくそちらのネタはあまり持ち合わせていないと答えた。レミリアさんからの回答は
「つまらないわね」
「すみません、北欧神話は好きなんですが」
「ならそっちの話も聞きたいわね」
「本を1,2回か読んだ程度なのでむりです」
「あらそう、つまんないわね」
「はは」
笑うしかない、でもドラキュラがドラキュラの話を聞くもんか普通?人間側からの話ばかりなのに、でもこれが幻想郷の当たり前なのか?
「レミリア、あんたの好奇心を満たす事の人間はそうそう居ないわよ」
「そうね、外来人だから何か面白い話でも聞けそうかなと思っただけよ」
「あら、そう」
昼食はデミグラスソースのオムライスで卵はフワトロでケチャップご飯は黒コショウが凄く効いていた。
食後の紅茶をもらい、その後今夜泊まる場所へ向かう。途中でニトリという河童に追いかけられて、装備を分解されそうになり全速力で逃げた霊夢さんを置いて。途中でこの装備が持っている爆雷も投下しつつ妨害、その様子は暇そうにしていた哨戒天狗達が面白がって見ていたようだと後で霊夢さんから聞いた。なんだかんだで成層圏、かつて神々の領域と言われた高度まで上昇し逃げて何とか振り切ったと思った。その途中の雲の中で永江衣玖という人(?お姉さん)に上までいかないほうがいいという事で、引き返すことにした。これ以上上がれば空気がなくなる可能性もある。もちろん、河童のニトリはキラキラとエンジニア(MADであろう)な目で霊夢さんと一緒に待っていた。結局、古い家電を提供するという事で、この装備の分解は免れた。結局守屋神社に着いたのは3時過ぎだった。通常なら飛行で1時間程度着くというのだが
「おっ、来たか」
「なんか、変な恰好だね」
「仕方ないわ、彼は元々向こうの人間、道具がなければ飛ぶこともできない」
遠くに紫さんを確認した、手前には湖があり六角中の柱が大量に立っていてそれはとなりの八剣市の全国的に有名な大社で見た事がある。入口、鳥居の辺を確認すると大社の形そのものである。
「ただいま到着しました」
いの一番に紫さんに報告をした。もちろんヘルメットは外して。
「ごくろうさま、塚越くん。こちらの方が今夜あなたが泊まる神社の神様よ」
「神様?」
紫さんが手を向けた方を見ると明らかに人とは異なる、神というも力だろうかをもっている方がおられた。服装は神様らしくないとい言い方は変であるが、かつて本で見た事のある服装とはかけ離れている物であった。
「私が八坂神奈子よ」
「私は守屋諏訪子」
「塚越琢磨です。本当に失礼な事を聞きますが、本当に神様なんでしょうか?」
「まあ、神様やっているよ」
「もしかして、古事記等の本に出ていた姿とはかなり違っていたとか」
小さい体に大きな目がついた帽子の諏訪子様に、指摘されて納得がいった。
「ええまあ」
「なるほどとりあえず、あの本は人間が書いた本だからあまり絵については参考にしな方がいいよ」
「そうなんですか」
「あくまで、人間が考え出したイメージだし。そういえば、ここ近年で何か美化された神様の紹介本みたいなのがでまわっていると早苗から聞いたのだけど、それほんと?」
「・・・ええまあ、本屋で売られていますね、ネットのサイトでも」
「ほう、どんなふうに」
今度は〆縄を後ろに装備した、神様神奈子様が加わって来た。
「とりあえず、デフォルメにされたり、後は萌化、・・・つまりかなりかわいくされたりとか」
「ほう、それで私達はどのように書かれていたんだ?」
「すみません、立ち読みしたのが世界の神様だったんで、日本のは主要な神様しか載っていませんでした」
「はあ~」
「あ~う~」
あの、ため息つかれてもこまるのですけど。文句言うなら出版社に。
「まあ、とりあえず。幻想郷は向こうの常識は通用しないんだし。深く考えない方が楽だよ」
「そうそう、八百万の神様も結構こっちにきているのだし」
確かに、外で自称神と言う輩は、新興宗教や薬中とかが当てはまるかな。ここは幻想郷だから、なんでもありか神様と固く考えるよりは目上の方と考えれば。
「わかりました、それではよろしくお願いします」
「おう、こちらこそよろしく」
「よろしくね~」
とりあえず、挨拶を終え母屋に向かう事になった。紫さんは何時の間にやら、どっかに去ってしまった、明日の時間の打ち合わせいいのかな?でもあの人は神出鬼没だしなんとかなるかな。