「ねぇお燐、私ね、好きな人が出来たの」
それが最初の言葉でした。あたいは最初、お空の事だからいつもの冗談だと思ってました……、ってこんなんでホントに報酬出してくれるんですか?え、猫缶?……まぁいいでしょう、えーっとどこまで話したんだっけ。あーそうそう、お空の言った言葉の事でしたっけ。最初は信じませんでした。
「むー。信じて無いんだ」
あたり前田のクラッカー、……え?なんだその言葉?知らないんですか、新聞記者なのに。続けろ?はいはい、えーっとそりゃ何年も生活してれば互いの事くらい信じる事ができますよ。けれど、いきなりそんなこと言われたら驚きますよ。それまで色恋沙汰なんかこれっぽっちもかすりもしない娘が突然そんな事言われた、あなたはどうします?
『うっそだぁー、って言いますね』
でしょ?あたいもそんな感じでしたもん。けれど、説明がへたくそなのに言いたいことは何故かはっきりとわかっちゃうんですよね。あの娘は本気なんだ、って。
『幻想郷の地下世界では、とても珍しい恋愛台風が発生しているようで、地霊殿を中心に桃色の風にあてられる被害が増えています。被害者のpルスィさんは、妬ましい、の一言を残し気絶してしまいました。ではここで、地霊殿の主にして、地獄ペットのトップブリーダーである古明地さとりさんにインタビューを行いました』
あら、お空がそう申したんですか。そう、あの子もやっと発情期がきたのね。それじゃあお祝いしなきゃね。
『やはり地霊殿のトップブリーダーは格が違いました。あの後、延々ペットの自慢話が続いてしまい、後日特別番組でお送りいたします。それでは、お燐さんのインタビューの続きをご覧ください』
「ねぇお燐、今度お燐にも紹介してあげるね。きっと、彼はみんなと仲良くなるから」
親友の仲をガイアクラッシャーで見事に真っ二つにしそうな告白を受けてから一週間くらいたったかな。お空の彼氏?についての話を彼女からこれでもかと聞かせれてましたよ、ええ。朝昼晩におやつの時間や入浴タイムにすら話を聞かされたらさすがにうんざりしてきました。いくら辛抱強いあたいでも、さすがに耐えられなかったですね。ですからあたいは言いましたよ、そんなにベラベラ言うんだったらあたいにその彼を紹介しなさい!って。そしたら、
「うん!」
……満面の笑みでそう言いました。
『お空さんが言う素敵な彼氏さんは一体どのような人物なのでしょうか?真実が語られる前に、いったんコマーシャルでーす』
あらゆるものはにとりにおまかせ☆ にとり印のアイテム
初詣・お祓い・厄払いは守矢神社で
『おまたせ致しました。お空さんの彼氏はどのような人物なのでしょう、続きをご覧ください』
お空の彼氏?と会う日の当日、待ち合わせは何故か灼熱地獄でした。しかも、迎えに行ってくるね、って言ってあたいは待ちぼうけをくらいましたよ。それからしばらくしたら、二人が来ました。
「紹介するね、これが私の彼氏よ☆」
…………。あたいはかなり思い込みをしていたんです。幻想郷に来てしまう外来人とのいけないラブロマンスを考えていたんです。けれど、現実は甘く無かった。…………お空が連れてきたのは彼女と同じ地獄鴉、しかも彼女曰く、
「どお?イケメンでしょ?」
……分かるかよ!どれも同じじゃい!……でも二人の手前、そのような事は言える訳でもなくただ、そうだね、としか言えませんでした。
『……いかがでしたでしょうか。お空さんの初ロマンスは同種族だったんですねぇ~。それにしても、お燐さんも苦労しているんですねぇ。……え?まいて次回予告?え、えーっと次回はまだ未定です!それでは、射命丸の証言者、次回もお楽しみに~』
訳が分からないのは覚悟で書いてしまったため、こうなってしまいました
これに反省し、続きを書いていきますので、どうぞぬるい目で見てください
これではどこがオチかわからない