Coolier - 新生・東方創想話

さとりさんの「さ」は搾乳のさ

2014/11/14 22:24:17
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独自解釈、独自設定、オリキャラ、キャラと微エロ、エロが微小、オリキャラとの恋愛
上記の物が苦手な方はブラウザバック推奨です





















いいのね?












「はぁ…」

ため息を一つ、ついてしまう、
自分の心を読めたなら、ひとつの真実を映し出すだろう私の第三の眼を静かに撫でた、

「はぁ…」

突然だが聞いて欲しい、私はいま恋をしている、
嫌われ者の妖怪が恋をするのかと罵倒する輩がいるかもしれないが、
そこは置いておこう、ともかく私は恋をしている、それも現在進行形で、

それはもやもやとした感情から始まった、

そのもやもやのせいで、
仕事が手につかないほど思いつめた私は、
すこし休暇をとることにした、

久しぶりに夜更かしをし、久しぶりに寝坊した、
ご飯だってお燐に作ってもらったし、ベッドメイクもしてもらった、

だが、頭のなかは彼のことでいっぱいだった、もう呆けてしまうほど、

恥ずかしながらそこで私は明確な恋心に気づいた、とも注釈しておく、

誰かに相談したかったが、もともと嫌われ者の私は友達といえる者がいない、
ペットは多少妖怪になり知識を得た者も居たが、
未だに未熟者ばかり、恋という高度な感情を相談するに至るものはいないと言っていい、

「はぁ…」

正直に言って万事休すだった

その時、コンコン、コンコン、と4回扉がノックされる、

珍しい、鬼や幽霊ですらこの館を避けるというのに、
客人が来たようだ、誰だかは知らないが、そいつに相談するのもいいだろう、
「どうぞ」

と声をかけると、扉が開かれた、
途端に心臓の音が耳に響き、顔が真っ赤に上気する、
手が落ち着かなく空をさまよい、脚は内股気味になった、

私の愛しい愛しい彼が来たからだ、

彼は大して力がある人間ではない、
空も飛べず弾幕ごっこもできないだろう、
ふらりとどこからか現れた彼は地底の鬼たちと意気投合して
アルコール度数の高い妖怪用の酒すら飲める酒豪として名を馳せた、
そんなただの酒飲みだ、

彼との出会いはそんな鬼たちと飲んでいた時に、
地霊殿チキチキ チキンレースと称して地霊殿にどこまで侵入できるかなどと
まるで子供のような遊びをしていた時だった、
止める鬼も意に介せず、地霊殿に分け入っていく彼は
一直線に私の部屋に入ってきた、

驚いた私の眼前に経つと、盃をわたして、
「一緒に呑まないか?」
そう言い放ったのだ、
心が読めるわたしに対して、心から飲みたいと楽しく飲みたいと、
ただそれだけのために恐れられ嫌われているわたしのところへ、彼は来てくれた、

一目惚れだった、

そんな彼が訪れて当然とアポイントメントもなしに突然現れたのだ、
私が緊張するのも分けないことだとどうにか納得してもらいたい、
とりあえず、心を読む、すると、最悪の真実が読み取れた、

「恋愛相談・・・?」

相手は竹林に澄んでいる藤原妹紅という女性らしかった、
幸いにも面識はないので当り障りのないアドバイスをして、
帰ってもらうことにした、だが、彼の心のなかを覗くと、

(よし、明日告白しよう)

手遅れだった、彼はもう二度と、私の物にはならなくなってしまった、
もう、私は彼のものになれない、
だが私は最後に声をかけようとした、ひとこと、私は貴方が好きです、と、

だけどそこでも私の第三の眼は邪魔をした、
彼の恋心の硬さ、そして深さを私に見せたのだから、

いえなかった、

彼が帰った後、ベッドにダイブした、
そしてゴロリと回って天井をみると、目元からこめかみ辺りにひやっとした感触があった、
指でそこら辺を撫でて、少し弄んだ後、最後に口に入れた、

「しょっぱい」

その味まで感じて初めて涙だと認識した、
だが全てどうでも良かった、

2時間すると、お燐がご飯に呼びに来た、
私はやさしくあとで食べるわと言った、

それからまた2時間すると、
お燐が入室を求めてきた、だが、私は誰とも会いたくなかった、
彼以外、誰とも、
そうだ、夢だ、夢ならば、彼に会える、私をものにできる、
そう思って目をつぶったが、瞼の裏に映るのはのは彼の思い
固い固い、藤原妹紅への好意だった、

「はぁ…」

またため息が漏れる、
気が付くと、日付が変わっていた、
だめだ、立ち上がる気力がない、もう潰れてしまいそう、
一目惚れしたのが悪いと言われればそれまでだが。

いったい私はどこまで彼に入れ込んだのだろう、
そうおもうと、全く彼との接点が見当たらない、

「ふふっ」

嘲笑が漏れた、なんだ、全く彼に好きになってもらう努力などしていないじゃないか、
それじゃあ当たり前だ、彼の想い人になれなくて、当たり前だ、

もう…、ずっと眠っていてしまいたい…、

そうだ、お酒……お酒を飲むと嫌なことを忘れられると亡霊に聞いたことがある、

ふらりと立ち上がって、財布の入ったバッグをもって外にでる、
外にでると、沢山の妖怪が私を見る、
視界には極力入れないようにしていたが、やはりそういう目で見てくる輩もいた、
5分半歩いたところに、目的の酒場を見つける、
ここは星熊勇儀の行きつけの店だ、あの快活な彼女なら私の思いをどうにかしてくれるかもしれない、そんな淡い期待とともにのれんをくぐった。

髭を蓄えたマスターにこの店で一番強い酒を頼むと、
すぐさま酒が運ばれてくる、匂いを楽しんでから口に含むと
驚いたことに酒は甘かった
当然私が頼んだ辛口の酒ではない、店主に文句を言おうとすると、

「こちらの方からです」

と手で奥の座敷を示された、

ちらりと盗み見ると
そこには驚いたことに彼が泣きながら強い酒を煽っていた、
それを取り巻くように鬼たちが口々に慰めの言葉を言っている、

心を読むまでもなかった、
振られたのだ、彼は、

私はチャンスだと思った、
彼の傷跡をうまく扱えば、きっと彼は私のものになってくれる、
そういうほの暗い感情が鎌首をもたげる、

行動に移すまでにためらった時間は一瞬だった、

席を立って近づくと鬼たちがぎょっとして道を開ける、
そこに私は分け入って、彼の頬をぱちんと叩いた、
彼は驚いて私を見つめる、

「そんな顔しないでくれる?」
「っ・・!」

彼は怒りの感情を爆発させる、
そこから読み取れたことは、藤原妹紅に思いを伝えたものの、
鼻で笑われて、その恥ずかしさに耐え切れず逃げ出した、という一部始終だった、

「どうせ俺なんか、誰にも必要とされねぇ」
「そんなことないわ」
「お前に何がわかる…、嫌われ者の覚り妖怪に」

もう一度ぱちんと頬を叩いた、
そこからは罵倒のしあいが始まった、

彼女への思い、妖怪と親しいせいでのけものにされる辛さ、
親からの勘当、生きるすべを探しだしてくれた彼女への恋心、
様々なことが彼の口から吐き出される、

最後に、彼は
「俺は誰にも必要とされない」
と言った、

そこで頭にきた私は、彼の飲んでいたアルコール度60%の
ウォッカと呼ばれる酒を奪い取りぐいっと一気飲みする、
そして口に残っている酒と唾液を混ぜて
彼の頭を手で固定し、

キスをした、

とてもじゃないがロマンチックじゃない、
お世辞にもうまいとはいえないキスだったが、効果はあった、

「私で忘れなさい」
「……」

彼は少し押し黙った後、

「オレのこと好きでもねぇ奴のお情けで抱いても嬉しかねぇや」

彼の頬をまた叩いた、
既に彼の頬は真っ赤になっていたが、
私の頬も真っ赤になっていた、

いってやる、いってやる、いってやる、

三回心のなかで唱えてから、
私は思いの丈を口に出した、

「わからないの?私は貴方が好きなのよ」

とても陳腐な言葉だ、

「貴方が恋愛相談に来たとき、もうダメだって思ったわ」

とても卑怯な思いだ

「でも諦めきれないの、どうしても好きな気持が溢れてくるのよ!」

だが率直で素直で、私のココロにも彼の心にも響いた、

私なんかに告白されて、彼の心は揺れ動いている、
それも嬉しい、とか、そういうプラスの気持ちになってくれた、
後ひと押しだ、ひと押しで彼をものに出来る、
卑怯者でもいい、彼のそばにいたい、

「だめだな、今オレは傷心中だ、そんなこと言われたら、俺は…」
「それが狙いよ、何が何でも私は、貴方と一緒にいたい、貴方が好きなの」
それから大きく息を吸い込んで

「わたしと一緒にお酒を呑みましょう?貴方が死ぬまで」

それからのことはあまり覚えていない、
鬼たちがどんちゃん騒ぎして、酒場の酒が全部なくなって、
彼と一緒に手をつないで地霊殿に帰った、

今となっては笑い話だ、
私と彼の十八番の笑い話になっている、

ちなみに彼とはよく旧都に「でぇと」しにいく仲になった、
彼は今でも藤原妹紅のことが忘れられないみたい、
だが同じくらい私の存在が彼の心の中を占めている、
鬼たちの間では、覚り妖怪を射止めた物好きとして、
いまでも語りぐさになっているらしい、

そんなこんなでそろそろお時間が来たようだ、
私の物語はこれでおしまい、というわけではないけれど、
ひとまず幕は閉じられる、
次に貴方と会うときはもしかしたら彼と子供ができているかもしれないし、
もしかすると彼は死んでいるかもしれない、
それでも私の今は、とても幸せだ。
読了感謝の極み、

コメで指摘されたので続編はなしとさせていただきます、
しかし、更に良い作品をまたいつか作り投稿したいと思っておるので、期待している方はそちらでまたお会いしましょう。
校長
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コメント



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2.60大根屋削除
うーむ、面白い。勢いで一気に読ませられました。オリキャラに対するさとりさんの心情は上手く書けていると思います。
ですが……句点で終わるところをほとんど読点にしてあるのは、これはむしろわざとなのでしょうか? 凄まじく気になって仕方なかったんですが。
このような粗は、内容が面白いとより一層目立ちます。これが残念で仕方ないです。
3.90名前が無い程度の能力削除
こういうさとりんもいいなあ
4.90名前が無い程度の能力削除
続編楽しみ!
6.70奇声を発する程度の能力削除
勢いは良かったです
7.90名前が無い程度の能力削除
好きなキャラが幸せになるのは好きです
9.無評価名前が無い程度の能力削除
冒頭で予防線が張られているのを見た時に感じた「ああまたこういうの来ちゃったかー」という印象通りの作品でした。
正直続編をほのめかされても楽しい予感はしません。
句読点がおかしいのか改行がおかしいのか、どうにも文の違和感が凄いこともありますが、何より冒頭の予防線は最高に印象が悪いです。もし深く考えずに付けているのでしたらやめた方がよいと思います。
書いておけば批判や低評価を拒否する正当性を担保できると思い込んでいる不逞の輩の常套句ですから。