某日。
私の従者である咲夜が、弾幕ごっこで手斧をブン投げていた。
「メイド秘技 『殺人トマホーク』!!」
……咲夜、それ改名した方がいいわよ。リアルすぎて怖いわ。
――◇――
「咲夜」
「ハイ、お嬢様」
「最近どう? 変わったこととか、悩んでいるとかない?」
「いいえ、お嬢様。ありがたきお言葉ですが、特にございませんわ」
「そう」
私はティーカップを傾けながら問うが、咲夜は浅く一礼してそう答えた。
紅魔館の瀟洒なメイド長。十六夜 咲夜は今日も完璧で隙がなかった。
紅茶は美味しいし、立ち振る舞いも申し分ない。
ただ、何でそのお腹の上で清楚に組んだ手に、手斧をブラブラ携えているのか理解に苦しむ。
刃渡りは私の顔ほどもあり、重量だって落としただけで指の2~3本は軽く持っていかれそうな感じだ。
それがピカピカに研いであって、側面は鏡みたい。まぁ私の姿は映らないんだけど、とにかく切れ味は抜群だろう。
そんな物騒な得物を小枝の様に平然と構えて、たまーに刃をひっくり返しながらにこやかに私と談笑し、お茶を注ぐ。
はっきり言って、くつろげない。
油断したら、咲夜が笑顔のままそれを投げつけてきそうだ。そんな図の想像ができすぎて、自分の家なのにもう帰りたい。
私は、迷う。
ツッこむべきか、否か。
いや、別に手斧を持つなと言いたい訳じゃない。
日常生活でも手斧は使い勝手が良さそうだし、弾幕を張るときに咲夜が苦手な重くパワーのある一撃を織り交ぜることができる。
現に、この前はそうやって弾幕を張って、あの魔理沙に勝利していた。
ただ何百何千という手斧が激しく回転しながら襲いかかる光景には、私も久方ぶりに戦慄した。
魔理沙も大層驚愕していた。と言うかビビって腰が引けていた。
そう、咲夜はここ最近ナイフを使っていない。
私が初めて異変に気づいた時は、出刃包丁を飛ばしていた。
その後、ダガー、匕首、クナイ、手裏剣、チャクラムと続き、果てにはブーメランや鎖鎌まで試す様に投擲していた。
結局、最もしっくりきたのが手斧だったらしく、釘やガラス片に手を出す前に武具陳列ショーの事態は収拾した。
私には彼女の変節が理解できなかった。
咲夜のトレードマークといっていい最強の銀ナイフを、戦いの中心から遠ざけた真意が読めない。
だが、部下の心変わり等の機微に対応するのも主の役目だろう。
私は下手に刺激しないようさりげなく語りかける。
「咲夜、素敵な斧ね。力を誇示するのにもうってつけだけど、お茶の席での装飾品としては不釣合いよ」
「……これは失礼しました」
咲夜は手を後ろに組んで手斧を隠す。
普段ナイフならふとももに巻いた皮製の鞘に収めているが、どうやら手斧はその鞘に入らなかったらしい。
よしんば入っても、刃が不自然にスカートをずり上げてしまうだろう。
何でそんな苦心してまで手斧に武器チェンジしたがるのか。
「それにしても、いつものナイフはどうしたの。あっちの方が上品で咲夜に似合っているわよ」
その瞬間、咲夜のまとう空気がガラリと変わった。
本人は一生懸命微笑を貫いているが、顔色は真っ白で冷や汗が一筋。手斧も取り落としそうで危ない。
私は直感した。
「……あなた私に隠し事してる?」
「ギクッ!! い、いえ。そんなお嬢様に恐れ多くてそんな恐縮ですハイ」
ギクッ!! の辺りで直感は確信に格上げされた。喋り方も挙動不審だし。
「咲夜、私は悲しい。従順で信頼できると思ってあなたを傍に置いたのに、隠し事とは頂けないわ。
しかも、事はあなたの戦闘能力や館の防衛にまで関わりそうじゃない。
元首に報告なしに、軍備を勝手に変更する宰相がいると思って?」
「そ、それは……」
明らかにうろたえ、葛藤する咲夜。よほど重大なことを隠していたと見える。
私は手を組んでテーブルに置き、話すまで態度を硬直させる意思を示す。
露骨とはいかないまでの私の所作を忖度したのか、咲夜はやや逡巡したが、ついに重い口を開いた。
「……申し訳ありません、お嬢様。実は武器庫の管理でミスを犯してしまいました」
――◇――
紅魔館の奥まった所にある部屋。
薄暗い廊下の先の角部屋、用が無ければ誰も行かない様な場所に、武器を大量に仕舞う武器庫がある。
とは言っても、門番である美鈴を含め館の守備要員はあまり武器を用いないため、実質的には咲夜のあり余るナイフの保管庫となっている。
まさに咲夜の攻撃の要にして生命線を飲み込んでいる部屋なのだ。
それを裏付けるかの様に、ドアには真鍮色のごつい南京錠が外側にぶら下がっていて、不法侵入者を追い返す役目を果たしている。
「――で、その鍵を失くして、自分も武器庫に入れなくなっちゃったと」
「…………ハイ」
咲夜は叱られた子供の様に小さな声で、両手で顔を覆いながら答えた。
私は握りこぶし二つ分はあろうかという大きく頑健な作りの錠前を目にして、やれやれとため息をつく。
自他共に認める完璧なメイド長。それが咲夜のアイデンティティだ。
そんな彼女がこんな初歩的なポカをやらかして、さぞ焦ったことだろう。
決して誰にも知られず対処したかったらしいが、武器の不足を補うためにあんな万国武器博覧会まがいのことをやっていたら、そこらの妖精メイドだって気が付くというものだ。
「ふーん。事情はわかったけど、由々しき状況には変わりないわ。
くどいようだけど、本当に失くした鍵に心当たりはないの? ちゃんと探した?」
「ハイ。それはもう念入りに、館の隅々まで探しましたわ。……今も探し続けているのですが、見つからなくて途方に暮れています」
「もう、そもそもどうして失くしたのよ。あなたそこの所はしっかりしているでしょう」
私の呆れた口調に咲夜はうっ、と言葉に詰まる。だが、俯きつつ失敗の内容を説明する。
「……以前は普通の鍵をかけていたのですが、防犯能力に不安を感じまして、パチュリー様にこの錠前の製作を依頼しました。
つい先日その錠前が完成して、早速取り付けました。同時に鍵も頂いて自室の引き出しに保管していましたわ。
……でもフト、特別製の鍵にしても、この保管法では無用心で危ない気がして、あちこち隠し場所をとっかえひっかえしているうちに」
「最後の隠し場所がわからなくなっちゃったのね」
もはや恥かしすぎて返事をする気力もないらしい。隠した本人も見つけられないなんて、うまく隠したものだ。
時たま咲夜はこんな抜けた行動を取ることがある。すぐに自らフォローするから大事に至らないのだが、そこに人間らしさを感じて和む。
だがほのぼのしている場合じゃない。このままではシャイニング咲夜とか致命的なあだ名を付けられそうだ。
私は錠前とにらめっこして最善策を考える。
「ちょっと待って。これパチェの仕事だったら、パチェに頼めば開けてくれるんじゃない?」
「それが、この錠前には特殊な魔法がかけられているそうです。
魔術コードがランダムに毎日変換していて、そのコードに同期する鍵じゃないと開かない。しかしコードを追いかけて鍵を複製する間に、またコードが変わる。
つまり、たとえパチュリー様が何年かけても開錠は無理、だそうです。
ちなみに、スペアキーの製作はトラブルにならないよう私からお断りしました。絶対失くさないから問題ないと思っていたんです……」
「パチェ……いい仕事しすぎよ」
「さらにもう一仕事して頂きました。
錠前はもちろん、この部屋の壁、天井、床、扉にいたるまで魔力を吸収する素材で覆ってあります。
どんな攻撃も通用しませんわ」
「あなたどれだけ警戒すれば気が済むの……」
もう開き直って八方塞がりな現状を淡々と説明する咲夜。
さてどうするかなぁ、と思案していたその時、ある噂が頭をよぎった。
「そうだ。咲夜、この問題解決にうってつけの人材、いや妖材がいたわ」
――◇――
「これはこれは、吸血鬼の姫君にはご機嫌麗しゅう。お目通りできて光栄です」
急遽使いを出して呼び出したにも関わらず、相手は応接間に入った私に対し、立ち上がって恭しく丸い耳を生やした頭を下げる。
小柄な体に理知的な雰囲気を持ち合わせた彼女の名は、ナズーリン。
小さな大将と二つ名で呼ばれる生粋のダウザーは、確かに切れ者らしく礼節をわきまえていた。
「いえ、楽にしていいわ。呼びつけたのはこっちだし」
「そうか。いや助かる。堅苦しいのは苦手なんだ」
そうフランクな口調になるやいなや、私が座る真向かいのソファーへ「どっこいせ」と着席してしまう。
「……あなた大物ね。私が言ったところで即座にリラックスする者なんて滅多にいないわよ」
「ネズミは普段コソコソ隠れていても、相手に敵意がないとわかれば手に乗って懐くものさ。
それが強力なカリスマを持つ紅魔館のご当主なら、なおさらね。
私としては貴重な機会だ。夜を統べる女王様とゆっくりお話したい所だが、急ぎの用向きがあるんじゃないのかい?」
さすが賢将、話が早い。私は神妙な面持ちでこう告げる。
「あなたの能力に関係することよ」
そう、私はナズーリンの探し物を探し当てる能力に定評があることを聞き及んでいた。
どんな物でもダウジングでたちどころに見つけ出してしまうらしい。
「おやまあ、失い物か。相当希少な品なんだろうね」
「私じゃなくてこっちよ」
そう言って隣に立つ咲夜を見やる。ナズーリンはへぇ、と珍しい物を見るような表情だ。
どうやら、咲夜の完全無欠ぶりは人里まで知れ渡っているらしい。
私はそこでニッと子悪魔的な笑みを浮かべ、ナズーリンを呼び出すまでの経緯をわざと事細かに説明する。
その間咲夜は冷静なフリをしているが、顔は耳まで真っ赤だ。
不始末をした従者へのちょっとした罰である。
「なーるほど。今、メイドさんも人間なんだと思ったよ」
全てを把握したナズーリンはニヤニヤしながら咲夜を眺める。咲夜はもう好きにしてくださいと背筋を伸ばしていた。
「ま、ともかくその鍵が見つかれば万事解決だね。しかし、ナズーリンの鍵屋はお代が高いよ」
「その辺はぬかりなく」
私は片手をさっと挙げる。
すると先程まで何もなかったテーブルに、包みが一瞬で出現した。
「すごい。手品みたいだ」
「でも、種も仕掛けもございません」
咲夜はそう言いながら包みをはがして中身を紹介する。
「私が瞬間熟成させた3年物のチェダーチーズですわ。これにぴったり合う赤ワインも一緒にどうぞ」
「よし、乗った」
「契約成立ね」
私と握手を交わすと、ナズーリンは嬉々として尻尾の籠に臨時収入を詰め込む。
するとナズーリンは自慢のロッドを構えるのかと思いきや、ソファーに座ったまま滔々と喋り始めた。
「さて、私は今まで色々な物を探し当ててきた。
最近はご主人の私物が大半だけど……それでもある程度失い物がある場所の目星はつけられる様になっているんだ。
さぁお立会い、さっきの手品のお礼にこちらも一芸をご覧に入れましょう。
私は今回このロッドを使わずに、失い物を探し当てようと思う」
意外すぎる宣言に私と咲夜は顔を見合わせる。
その反応を楽しむようにして、ナズーリンは続ける。
「失くした物は鍵。聞けばメイドさんは自分でくまなく館中を探し回っているそうだね。また錠前の大きさからして、鍵もそんなに小さな物じゃないだろう。
ただ失くしただけなら、探した時見つかりそうなものだ。それでも見つからない。
つまり、鍵は失くした後、人為的に移動させられているんだ」
「ええっ!?」
私たちは思わず周りを見回す。
頭をよぎるのはイタズラ好きの妖精の仕業。はたまた誰かの嫌がらせか。
そんなキナ臭い予想をする私たちだったが、ナズーリンは自信満々に謎解きの決まり文句を発する。
「私が思うに、鍵を動かしているのは、あなただ!」
ナズーリンはビシリとある人物を指差す。その指の先は
「わ、私ですか?」
「そう、メイドさん。あなたが鍵がなかなか見つからない原因だよ」
なんと鍵を失くした当人が、鍵が見つからない様動かしていると言い放った。まるで謎かけだ。
私たちは小さな安楽椅子探偵に、焦らさないで解説をしてくれと目で訴える。
ナズーリンは満足そうに頷き、続ける。
「メイドさん。あなたは几帳面で心配性な完璧主義者だ。鍵を様々な所に隠しては変えをしていたのもそんな気質からだろう。
さて、そんな人間は大事な物をどこに置いたら安心だと考えるか。
答えは簡単。
四六時中身に着けていられる場所さ。例えばエプロンのポケットとか――」
「そうだ! 確かにポケットに……」
ナズーリンの例を聞いた咲夜は暫く無表情で記憶を巡らせて、突如スイッチが入った様に両のポケットをごそごそ検める。
だが、その顔に困惑の色が浮かぶ。
「やっぱり。多分そんな安直な所にはないよ。
一旦ポケットに入れてはみたものの、ポケットは頻繁に物が出し入れされるから、落とす可能性が高く危険だと思って変更したんだ。
次に考え付くのは、おそらく鍵にヒモを結んで――」
「そうそう! ネックレスみたいに首にぶら下げれば安心だと……思って……」
ここで咲夜の歯切れが悪くなる。理由は私もわかる。
咲夜の首には何もぶら下がってなどいない。
「思ったが、いかんせん鍵は薄手のメイド服じゃ上にかけても下に入れても目立つ。
首から鍵を垂らしていたら、エレガントさに欠けると感じてここも却下。
その後も髪の中に仕込む、ほっぺに詰め込む、とても口に出せない様な箇所に挿しとく等々いろいろ考案しては、やむなく変更し続けたんじゃないかい?」
咲夜を見ると、まるで慧眼の士に教えを頂いた様に、うんうんと頷いていた。
咲夜……論理的な思考をしていると思ったら、そんな破天荒なこと実行に移そうとしてたの……
私が身近な人間の深すぎるポテンシャルに引く一方、ナズーリンはわが意を得たりと部屋を無意味にゆっくり徘徊し、推理も大詰めを迎える。
「さて、最終的にメイドさんはある場所を思いつく。
いつも身に着けていて、仕舞っていても目立たなく、鍵みたいに長いけど平たい物を収納するのに最適な場所さ。
おそらく、鍵は今もそこにあると思うよ」
そう言って、ナズーリンは足元を尻尾でチョイチョイと指し示す。
私は何のことかわからない。
だが、咲夜が「あああ~っ!!」と全ての糸が一本に繋がった様な、渾身の一声を放つ。
すると咲夜はやおら右のローファーを脱ぐ。
それをひっくり返して、咲夜はかかとの部分に手をかけ靴底全体を縦にスライドさせる。
そして靴底という蓋を外すと、本底の肉厚分ポッカリ空間が空いていた。
その秘密すぎて本人も忘れていた小物入れの中に、黄銅の鍵が納まっていたのだった。
――◇――
かくして、灯台下暗し事件は解決した。
これにて武器庫もめでたく開放され、咲夜も武器をナイフに戻した。
当分あの賢いネズミには頭が上がらないことだろう。
そう回想してみたのは、さっきから回想の張本人である咲夜がどこにも見当たらないからだ。
呼んでも待っても姿を現さない。美鈴や妖精メイド聞いても心配そうに首をかしげるばかり。
心当たりを思い出していた刹那、私は運命が見えたのと遜色ないほど確信めいたイヤな予感が思い浮かぶ。
私はまさかね、と軽い気持ちであの場所に向かう。
「誰かー! 助けて! お嬢様~、ヘルプミー!」
ドンドンとドアを叩く音、わかりやすく救助を求める咲夜の声が聞こえる。
具体的には、南京錠のがっつり掛かった武器庫の中から、悲痛に響いていた。
「……咲夜」
「あっ! その声はお嬢様。助けてください!
中でナイフの手入れをしていたら、多分妖精のイタズラで錠を掛けられてしまったんです」
「見れば大体わかるわ。お約束すぎて見たくなかったけど。それで、鍵は?」
「も、もちろん……肌身離さずこの手にしっかりとありますわ……」
「……あー、咲夜。暫くはパンケーキとベーコン、そらから皿に入れたミルクで我慢して」
「……どういうことです?」
「だって、ドアの隙間から入りそうな食事って、これぐらいしか」
「メーデーメーデー! ここから出してぇ!!」
私のジョークに咲夜は半狂乱になる。もう冷静になりなさい。
そんな隙間もない完全密室よ、ここは……
今日も紅魔館では愉快なトラブルが絶えない。
それを華麗に解決するのも主の嗜みだろう。
私はそう前向きに捉えて、『メイド長咲夜 奇跡の脱出ショー!』の種を考えるのであった。
【終】
私の従者である咲夜が、弾幕ごっこで手斧をブン投げていた。
「メイド秘技 『殺人トマホーク』!!」
……咲夜、それ改名した方がいいわよ。リアルすぎて怖いわ。
――◇――
「咲夜」
「ハイ、お嬢様」
「最近どう? 変わったこととか、悩んでいるとかない?」
「いいえ、お嬢様。ありがたきお言葉ですが、特にございませんわ」
「そう」
私はティーカップを傾けながら問うが、咲夜は浅く一礼してそう答えた。
紅魔館の瀟洒なメイド長。十六夜 咲夜は今日も完璧で隙がなかった。
紅茶は美味しいし、立ち振る舞いも申し分ない。
ただ、何でそのお腹の上で清楚に組んだ手に、手斧をブラブラ携えているのか理解に苦しむ。
刃渡りは私の顔ほどもあり、重量だって落としただけで指の2~3本は軽く持っていかれそうな感じだ。
それがピカピカに研いであって、側面は鏡みたい。まぁ私の姿は映らないんだけど、とにかく切れ味は抜群だろう。
そんな物騒な得物を小枝の様に平然と構えて、たまーに刃をひっくり返しながらにこやかに私と談笑し、お茶を注ぐ。
はっきり言って、くつろげない。
油断したら、咲夜が笑顔のままそれを投げつけてきそうだ。そんな図の想像ができすぎて、自分の家なのにもう帰りたい。
私は、迷う。
ツッこむべきか、否か。
いや、別に手斧を持つなと言いたい訳じゃない。
日常生活でも手斧は使い勝手が良さそうだし、弾幕を張るときに咲夜が苦手な重くパワーのある一撃を織り交ぜることができる。
現に、この前はそうやって弾幕を張って、あの魔理沙に勝利していた。
ただ何百何千という手斧が激しく回転しながら襲いかかる光景には、私も久方ぶりに戦慄した。
魔理沙も大層驚愕していた。と言うかビビって腰が引けていた。
そう、咲夜はここ最近ナイフを使っていない。
私が初めて異変に気づいた時は、出刃包丁を飛ばしていた。
その後、ダガー、匕首、クナイ、手裏剣、チャクラムと続き、果てにはブーメランや鎖鎌まで試す様に投擲していた。
結局、最もしっくりきたのが手斧だったらしく、釘やガラス片に手を出す前に武具陳列ショーの事態は収拾した。
私には彼女の変節が理解できなかった。
咲夜のトレードマークといっていい最強の銀ナイフを、戦いの中心から遠ざけた真意が読めない。
だが、部下の心変わり等の機微に対応するのも主の役目だろう。
私は下手に刺激しないようさりげなく語りかける。
「咲夜、素敵な斧ね。力を誇示するのにもうってつけだけど、お茶の席での装飾品としては不釣合いよ」
「……これは失礼しました」
咲夜は手を後ろに組んで手斧を隠す。
普段ナイフならふとももに巻いた皮製の鞘に収めているが、どうやら手斧はその鞘に入らなかったらしい。
よしんば入っても、刃が不自然にスカートをずり上げてしまうだろう。
何でそんな苦心してまで手斧に武器チェンジしたがるのか。
「それにしても、いつものナイフはどうしたの。あっちの方が上品で咲夜に似合っているわよ」
その瞬間、咲夜のまとう空気がガラリと変わった。
本人は一生懸命微笑を貫いているが、顔色は真っ白で冷や汗が一筋。手斧も取り落としそうで危ない。
私は直感した。
「……あなた私に隠し事してる?」
「ギクッ!! い、いえ。そんなお嬢様に恐れ多くてそんな恐縮ですハイ」
ギクッ!! の辺りで直感は確信に格上げされた。喋り方も挙動不審だし。
「咲夜、私は悲しい。従順で信頼できると思ってあなたを傍に置いたのに、隠し事とは頂けないわ。
しかも、事はあなたの戦闘能力や館の防衛にまで関わりそうじゃない。
元首に報告なしに、軍備を勝手に変更する宰相がいると思って?」
「そ、それは……」
明らかにうろたえ、葛藤する咲夜。よほど重大なことを隠していたと見える。
私は手を組んでテーブルに置き、話すまで態度を硬直させる意思を示す。
露骨とはいかないまでの私の所作を忖度したのか、咲夜はやや逡巡したが、ついに重い口を開いた。
「……申し訳ありません、お嬢様。実は武器庫の管理でミスを犯してしまいました」
――◇――
紅魔館の奥まった所にある部屋。
薄暗い廊下の先の角部屋、用が無ければ誰も行かない様な場所に、武器を大量に仕舞う武器庫がある。
とは言っても、門番である美鈴を含め館の守備要員はあまり武器を用いないため、実質的には咲夜のあり余るナイフの保管庫となっている。
まさに咲夜の攻撃の要にして生命線を飲み込んでいる部屋なのだ。
それを裏付けるかの様に、ドアには真鍮色のごつい南京錠が外側にぶら下がっていて、不法侵入者を追い返す役目を果たしている。
「――で、その鍵を失くして、自分も武器庫に入れなくなっちゃったと」
「…………ハイ」
咲夜は叱られた子供の様に小さな声で、両手で顔を覆いながら答えた。
私は握りこぶし二つ分はあろうかという大きく頑健な作りの錠前を目にして、やれやれとため息をつく。
自他共に認める完璧なメイド長。それが咲夜のアイデンティティだ。
そんな彼女がこんな初歩的なポカをやらかして、さぞ焦ったことだろう。
決して誰にも知られず対処したかったらしいが、武器の不足を補うためにあんな万国武器博覧会まがいのことをやっていたら、そこらの妖精メイドだって気が付くというものだ。
「ふーん。事情はわかったけど、由々しき状況には変わりないわ。
くどいようだけど、本当に失くした鍵に心当たりはないの? ちゃんと探した?」
「ハイ。それはもう念入りに、館の隅々まで探しましたわ。……今も探し続けているのですが、見つからなくて途方に暮れています」
「もう、そもそもどうして失くしたのよ。あなたそこの所はしっかりしているでしょう」
私の呆れた口調に咲夜はうっ、と言葉に詰まる。だが、俯きつつ失敗の内容を説明する。
「……以前は普通の鍵をかけていたのですが、防犯能力に不安を感じまして、パチュリー様にこの錠前の製作を依頼しました。
つい先日その錠前が完成して、早速取り付けました。同時に鍵も頂いて自室の引き出しに保管していましたわ。
……でもフト、特別製の鍵にしても、この保管法では無用心で危ない気がして、あちこち隠し場所をとっかえひっかえしているうちに」
「最後の隠し場所がわからなくなっちゃったのね」
もはや恥かしすぎて返事をする気力もないらしい。隠した本人も見つけられないなんて、うまく隠したものだ。
時たま咲夜はこんな抜けた行動を取ることがある。すぐに自らフォローするから大事に至らないのだが、そこに人間らしさを感じて和む。
だがほのぼのしている場合じゃない。このままではシャイニング咲夜とか致命的なあだ名を付けられそうだ。
私は錠前とにらめっこして最善策を考える。
「ちょっと待って。これパチェの仕事だったら、パチェに頼めば開けてくれるんじゃない?」
「それが、この錠前には特殊な魔法がかけられているそうです。
魔術コードがランダムに毎日変換していて、そのコードに同期する鍵じゃないと開かない。しかしコードを追いかけて鍵を複製する間に、またコードが変わる。
つまり、たとえパチュリー様が何年かけても開錠は無理、だそうです。
ちなみに、スペアキーの製作はトラブルにならないよう私からお断りしました。絶対失くさないから問題ないと思っていたんです……」
「パチェ……いい仕事しすぎよ」
「さらにもう一仕事して頂きました。
錠前はもちろん、この部屋の壁、天井、床、扉にいたるまで魔力を吸収する素材で覆ってあります。
どんな攻撃も通用しませんわ」
「あなたどれだけ警戒すれば気が済むの……」
もう開き直って八方塞がりな現状を淡々と説明する咲夜。
さてどうするかなぁ、と思案していたその時、ある噂が頭をよぎった。
「そうだ。咲夜、この問題解決にうってつけの人材、いや妖材がいたわ」
――◇――
「これはこれは、吸血鬼の姫君にはご機嫌麗しゅう。お目通りできて光栄です」
急遽使いを出して呼び出したにも関わらず、相手は応接間に入った私に対し、立ち上がって恭しく丸い耳を生やした頭を下げる。
小柄な体に理知的な雰囲気を持ち合わせた彼女の名は、ナズーリン。
小さな大将と二つ名で呼ばれる生粋のダウザーは、確かに切れ者らしく礼節をわきまえていた。
「いえ、楽にしていいわ。呼びつけたのはこっちだし」
「そうか。いや助かる。堅苦しいのは苦手なんだ」
そうフランクな口調になるやいなや、私が座る真向かいのソファーへ「どっこいせ」と着席してしまう。
「……あなた大物ね。私が言ったところで即座にリラックスする者なんて滅多にいないわよ」
「ネズミは普段コソコソ隠れていても、相手に敵意がないとわかれば手に乗って懐くものさ。
それが強力なカリスマを持つ紅魔館のご当主なら、なおさらね。
私としては貴重な機会だ。夜を統べる女王様とゆっくりお話したい所だが、急ぎの用向きがあるんじゃないのかい?」
さすが賢将、話が早い。私は神妙な面持ちでこう告げる。
「あなたの能力に関係することよ」
そう、私はナズーリンの探し物を探し当てる能力に定評があることを聞き及んでいた。
どんな物でもダウジングでたちどころに見つけ出してしまうらしい。
「おやまあ、失い物か。相当希少な品なんだろうね」
「私じゃなくてこっちよ」
そう言って隣に立つ咲夜を見やる。ナズーリンはへぇ、と珍しい物を見るような表情だ。
どうやら、咲夜の完全無欠ぶりは人里まで知れ渡っているらしい。
私はそこでニッと子悪魔的な笑みを浮かべ、ナズーリンを呼び出すまでの経緯をわざと事細かに説明する。
その間咲夜は冷静なフリをしているが、顔は耳まで真っ赤だ。
不始末をした従者へのちょっとした罰である。
「なーるほど。今、メイドさんも人間なんだと思ったよ」
全てを把握したナズーリンはニヤニヤしながら咲夜を眺める。咲夜はもう好きにしてくださいと背筋を伸ばしていた。
「ま、ともかくその鍵が見つかれば万事解決だね。しかし、ナズーリンの鍵屋はお代が高いよ」
「その辺はぬかりなく」
私は片手をさっと挙げる。
すると先程まで何もなかったテーブルに、包みが一瞬で出現した。
「すごい。手品みたいだ」
「でも、種も仕掛けもございません」
咲夜はそう言いながら包みをはがして中身を紹介する。
「私が瞬間熟成させた3年物のチェダーチーズですわ。これにぴったり合う赤ワインも一緒にどうぞ」
「よし、乗った」
「契約成立ね」
私と握手を交わすと、ナズーリンは嬉々として尻尾の籠に臨時収入を詰め込む。
するとナズーリンは自慢のロッドを構えるのかと思いきや、ソファーに座ったまま滔々と喋り始めた。
「さて、私は今まで色々な物を探し当ててきた。
最近はご主人の私物が大半だけど……それでもある程度失い物がある場所の目星はつけられる様になっているんだ。
さぁお立会い、さっきの手品のお礼にこちらも一芸をご覧に入れましょう。
私は今回このロッドを使わずに、失い物を探し当てようと思う」
意外すぎる宣言に私と咲夜は顔を見合わせる。
その反応を楽しむようにして、ナズーリンは続ける。
「失くした物は鍵。聞けばメイドさんは自分でくまなく館中を探し回っているそうだね。また錠前の大きさからして、鍵もそんなに小さな物じゃないだろう。
ただ失くしただけなら、探した時見つかりそうなものだ。それでも見つからない。
つまり、鍵は失くした後、人為的に移動させられているんだ」
「ええっ!?」
私たちは思わず周りを見回す。
頭をよぎるのはイタズラ好きの妖精の仕業。はたまた誰かの嫌がらせか。
そんなキナ臭い予想をする私たちだったが、ナズーリンは自信満々に謎解きの決まり文句を発する。
「私が思うに、鍵を動かしているのは、あなただ!」
ナズーリンはビシリとある人物を指差す。その指の先は
「わ、私ですか?」
「そう、メイドさん。あなたが鍵がなかなか見つからない原因だよ」
なんと鍵を失くした当人が、鍵が見つからない様動かしていると言い放った。まるで謎かけだ。
私たちは小さな安楽椅子探偵に、焦らさないで解説をしてくれと目で訴える。
ナズーリンは満足そうに頷き、続ける。
「メイドさん。あなたは几帳面で心配性な完璧主義者だ。鍵を様々な所に隠しては変えをしていたのもそんな気質からだろう。
さて、そんな人間は大事な物をどこに置いたら安心だと考えるか。
答えは簡単。
四六時中身に着けていられる場所さ。例えばエプロンのポケットとか――」
「そうだ! 確かにポケットに……」
ナズーリンの例を聞いた咲夜は暫く無表情で記憶を巡らせて、突如スイッチが入った様に両のポケットをごそごそ検める。
だが、その顔に困惑の色が浮かぶ。
「やっぱり。多分そんな安直な所にはないよ。
一旦ポケットに入れてはみたものの、ポケットは頻繁に物が出し入れされるから、落とす可能性が高く危険だと思って変更したんだ。
次に考え付くのは、おそらく鍵にヒモを結んで――」
「そうそう! ネックレスみたいに首にぶら下げれば安心だと……思って……」
ここで咲夜の歯切れが悪くなる。理由は私もわかる。
咲夜の首には何もぶら下がってなどいない。
「思ったが、いかんせん鍵は薄手のメイド服じゃ上にかけても下に入れても目立つ。
首から鍵を垂らしていたら、エレガントさに欠けると感じてここも却下。
その後も髪の中に仕込む、ほっぺに詰め込む、とても口に出せない様な箇所に挿しとく等々いろいろ考案しては、やむなく変更し続けたんじゃないかい?」
咲夜を見ると、まるで慧眼の士に教えを頂いた様に、うんうんと頷いていた。
咲夜……論理的な思考をしていると思ったら、そんな破天荒なこと実行に移そうとしてたの……
私が身近な人間の深すぎるポテンシャルに引く一方、ナズーリンはわが意を得たりと部屋を無意味にゆっくり徘徊し、推理も大詰めを迎える。
「さて、最終的にメイドさんはある場所を思いつく。
いつも身に着けていて、仕舞っていても目立たなく、鍵みたいに長いけど平たい物を収納するのに最適な場所さ。
おそらく、鍵は今もそこにあると思うよ」
そう言って、ナズーリンは足元を尻尾でチョイチョイと指し示す。
私は何のことかわからない。
だが、咲夜が「あああ~っ!!」と全ての糸が一本に繋がった様な、渾身の一声を放つ。
すると咲夜はやおら右のローファーを脱ぐ。
それをひっくり返して、咲夜はかかとの部分に手をかけ靴底全体を縦にスライドさせる。
そして靴底という蓋を外すと、本底の肉厚分ポッカリ空間が空いていた。
その秘密すぎて本人も忘れていた小物入れの中に、黄銅の鍵が納まっていたのだった。
――◇――
かくして、灯台下暗し事件は解決した。
これにて武器庫もめでたく開放され、咲夜も武器をナイフに戻した。
当分あの賢いネズミには頭が上がらないことだろう。
そう回想してみたのは、さっきから回想の張本人である咲夜がどこにも見当たらないからだ。
呼んでも待っても姿を現さない。美鈴や妖精メイド聞いても心配そうに首をかしげるばかり。
心当たりを思い出していた刹那、私は運命が見えたのと遜色ないほど確信めいたイヤな予感が思い浮かぶ。
私はまさかね、と軽い気持ちであの場所に向かう。
「誰かー! 助けて! お嬢様~、ヘルプミー!」
ドンドンとドアを叩く音、わかりやすく救助を求める咲夜の声が聞こえる。
具体的には、南京錠のがっつり掛かった武器庫の中から、悲痛に響いていた。
「……咲夜」
「あっ! その声はお嬢様。助けてください!
中でナイフの手入れをしていたら、多分妖精のイタズラで錠を掛けられてしまったんです」
「見れば大体わかるわ。お約束すぎて見たくなかったけど。それで、鍵は?」
「も、もちろん……肌身離さずこの手にしっかりとありますわ……」
「……あー、咲夜。暫くはパンケーキとベーコン、そらから皿に入れたミルクで我慢して」
「……どういうことです?」
「だって、ドアの隙間から入りそうな食事って、これぐらいしか」
「メーデーメーデー! ここから出してぇ!!」
私のジョークに咲夜は半狂乱になる。もう冷静になりなさい。
そんな隙間もない完全密室よ、ここは……
今日も紅魔館では愉快なトラブルが絶えない。
それを華麗に解決するのも主の嗜みだろう。
私はそう前向きに捉えて、『メイド長咲夜 奇跡の脱出ショー!』の種を考えるのであった。
【終】
組み合わせがユニークで面白かったです。
うっかり咲夜さん可愛いなw
それにしても、ナズーリンの推理が冴えてるなあ。
盲点!
普段絡まないキャラの絡みは良いですね~
ナズーリンかっこいい
これはいいうっかりさくやさん
ついでにナズーリンは寝顔が可愛いと思う。
全編通してノリが良く、面白く読ませてもらいました。
私はシャーペンを始めとした筆記具を失くしますね。使った後そこらへんに適当に置く癖が治らない……。
なのにうっかりカワイイです。
よかったよ・・ヨカッタ・・
お話もおもしろかったよ~ みんながんばってるんだ。
だから私もがんばんるよ! お嬢様
ご無事で何よりです。
作品はシンプルでとても読みやすかったです。こう言う
お話は今読むととても安心します。 冥途蝶
よがっだよ~~!!
これからも健康でがんばって下さい!ずっと応援してます!
超門番
ダメ主従でも可愛いよ
もう半分あきらめています……。中々接点の無い間柄でしたが、楽しんでいただけてよかったです。
奇声を発する程度の能力様
いつもは完璧、たまにドジ。そんな女性、嫌いじゃありません(キリッ)
5番様
だが、それでも構わんッ!(何が)
ワレモノ中尉様
危ない所でした。ナズーリンはさしずめ三毛猫ならぬ寺鼠ホームズといったとこでしょう。
9番様
お嬢様が今度の設計では、そんな隙間を作る様大工に相談したとかしなかったとか。
11番様
知的でクールに決める女性、嫌いじゃありません(キリッ)
19番様
折れた刃先がこめかみをかすめて反対の壁に刺さった時、咲夜さんは鍵の破壊という概念を捨てました。
21番様
そのご意見に関しましては、全く異論が無いものであります。
27番様
結構ありますね。
とーなす様
私は文房具では消しゴムを紛失しちゃいます。そして、決まって新しい奴を下ろした後に出てくるのです(怒涙)
30番様
ありがとうございます。
36番様
ありがとうございますパート2。
38番様
左の靴は通信機になっている。しかし電波が悪いのか靴を耳に当てたままウロウロし、近所で変な噂を立てられた。(阿求宅 ボツと書かれた箱にあったメモより抜粋)
素浪人様
「咲夜、よく見たら隙間もないわ。食事は紙に描いた物を眺めて味を想像してちょうだい」
「まさに絵に描いたモチですね。アハハハハ!」
「咲夜、冗談はもう言わないからその狂った様な怖い高笑いを止めて……」
幻想様
普段とのギャップに、私はグッときちゃうのです。
47番様
ちょ、待、これ回転が速すg(ピチュ-ン)
55番様
想像してみました。違和感がどっか旅に出ました。
60番様
香港編ですね。実は少し意識しています。
61番様
その気持ち、わかります。私、ポケットの携帯電話を探したことがありますから。
お嬢様・冥途蝶・超門番様
ご心配をおかけしました。私は元気です。
いつも変わらぬ応援感謝いたします。これからも力の限りがんばります!
64番様
カッコイイけど、肝心で面白い所が抜けている。そんな主従関係もアリかなと。
66番様
ですよね! ポッケの携帯探しちゃいますよね! あの、探しちゃい、ますよね……
69番様
あれ、ここに私が居る。
70番様
可愛ければオール OK!
71番様
「君、メイドさんの胸囲について言及すると死ぬよ?」
温かいお言葉が今はとてもありがたいがま口でした。
あと、とても口に出せない様な箇所に挿しとくの部分をkwsk!!
ご感想ありがとうございます。
確かに咲夜さんの瀟洒レベルなら、石斧だって優雅に捌けそうですねwww
口に出せない箇所は……まだここに長く居たいので勘弁してください(ペコッ)
拙作が、このサイトで初めてお読みになられた作品ということでしょうか?
だとしたら、とても光栄です。これからも是非、応援してくだされば幸せです。