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「なんてさせるかド畜生ぉぉぉぉぉ!!!」
しっとパルスィの渾身の右ストレート、
アベックは砕け散った。
「大ちゃーん!!」
「ち、チルノちゃーん!!」
「いいかっ! クリスマスとは家族と共に聖夜を過ごす日!
決していちゃいちゃする日ではないのだ!」
「ひぃ! 何この人怖い!」
夜はまさに聖夜末、淀んだオーラを発しながらパルスィはアベックを襲い続けていた。
「岩山両斬波!!」
「ああっ! 私とナズーリンを繋いでいた手がー!」
「南斗迫破斬!!」
「シャンハーーーイ!!」
「ホラァァァァーーイ!」
「アベぬ! カプらぬ! イチャつかぬーっ!!」
「お、お師さん……もう一度……温もりを……」
「鈴仙ーっ!」
頑張れしっとパルスィ、負けるなしっとパルスィ、
この世からアベックを根絶するその日まで。
「おまわりさん、あそこです」
たとえ捕まったとしても。
「……またあなたなの?」
「はい」
小兎姫は牢屋の中で膝を抱えているしっとパルスィを眺めて呆れていた。
「よくやるわね」
「……はい」
「飽きないの?」
「飽きるとか、飽きないとかじゃないんです、その、見てたらイライラするというか、
重大な使命感に背中を押されてやらざるをえないというか」
「使命感ねぇ」
「というわけでここも爆破しないといけないというか」
「えっ?」
警察署が爆散しました。
「ヒャッハー! 貴様が彼氏持ちだというのは調査済みよぉー!!」
「ぐふぅ……」
「フッフッフ、防衛機構が壊滅した今、私を止められるものは人里にはいない!」
「ほう、いい度胸だ」
「はっ!」
警察がいないなら自警団が守ればいいじゃない、
そういう思考で行動しているのが慧音先生である。
「チェストォ!」
「ふぐっ!!」
頭突き一発。
「それで……また貴様か」
「はい、私めでございます」
「恋人はどうした! 見つけられなかったのか!?」
「……見つかるわけないじゃない!」
「何だと! 私なんかもこたんとずっとラブラブなんだぞ!」
「いきなりのろけんなぁぁぁ!!」
パルスィの目から放たれるしっとの火炎、
しかし慧音からあふれるラブパワーがそれを遮る。
「大体クリスマスならそのもこたんとイチャつきなさいよ! そして私に爆破されなさい!」
「もこたんは今日忙しいから明日会う約束をしてるんだ、ふふ、楽しみだな」
「え、それっておかしくない?」
「何がだ?」
「どうみても暇人なのに今日だけ予定があるって、明らかに二股……」
「……いやいや、それはない」
否定しながらも、顔が青ざめる慧音、
そしてしっとパルスィの目が怪しく光る。
「なぜそう言い切れるのかしら?」
「も、もこたんは私を愛してるんだ!」
「自分だけは大丈夫、自分だけは捨てられない……そう思い込みたいだけじゃないかしら?」
「やめてくれ! 確かに突然掘ったりとか無理矢理掘ったりとか月一で掘ったりはした!
だがそんなことで私と妹紅の愛は揺らぐはずはない! 無いんだ!」
「それどう考えてもアウトだから」
「妹紅ぉぉぉぉー!!」
慧音は駆け出した、壁を突き破り、家屋を破壊し、
竹やぶをなぎ払って一直線に妹紅の家へと、
もちろんしっとパルスィも面白そうなのでついていった。
「妹紅! いるか!」
がらりと戸を開ければ、真っ暗な室内が慧音を出迎えた、
人の気配などどこにもなく、ただ静かに。
「くっ、せめてどこにいるか手がかりだけでも……」
「あ、こんなのあったわよ」
しっとパルスィは目ざとく見つけたのは一枚の便箋、
それの表にはパーティーへの招待状とあり、
慧音はそれを奪いとって中にある手紙に目を通した。
「何々、紅魔館で開かれるクリスマスパーティーにご招待します?」
「悪魔がクリスマスパーティーなんか開いていいのかしら」
「追伸、フランがあなたに会いたがってます、たっぷり愛してあげてねい……だと!?」
「……二股ね」
「ううう嘘だ! 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だーっ!!」
膝を落とし頭を抱えて叫ぶ慧音、ついには泣き始めた彼女に、
しっとパルスィはゆっくりと近づいて一枚のマスクを差し出した。
「さぁ共に行きましょう……紅魔館へ!」
それはしっとハクタク誕生の瞬間であった。
「しっとの心はぁぁーー!!」
「父心ぉーー!!」
しっとの戦士は降りしきる雪をしっとの炎で溶かしつつ突き進む、
凍った湖を越え、道中で暖を取っていただけの秋姉妹を殴り飛ばし、
開かれていた門をわざわざ一度閉じて強引に蹴り開けて紅魔館へと乗り込んだ。
「うおおお! 今行くぞ妹紅ー!!」
「あっ! 待ちなさい、ここは慎重に――あらら」
引き止めるしっとパルスィを無視して館内に突撃するしっとハクタク、
しっとパルスィは頭を掻きながらも、冷静に窓から侵入を試みた。
「まあいいわ、あの様子なら何人かは仕留めてくれるはず」
そしてしっとパルスィは生き残った者をじっくり仕留めあげるべく、
しっとハクタクの通った後を確かめつつ、慎重に館内を進んだ。
「……あれ?」
しかしどうも館内の様子がおかしい。
「しっとハクタクの様子からすれば、戦闘の一つや二つ起きてもいいはずなのに……」
館内は静まり返っていた、弾幕の音も、人の声も聞こえない。
「なにか怖いわね」
しっとパルスィは警戒しながら館の奥へと進むが、
それをあざ笑うかのように、何も起きはしなかった。
「レミリアの部屋……しっとハクタクのしっとオーラはここに繋がっているようだけど」
しっとパルスィは仰々しいその扉をゆっくりと開いて、慎重に中をのぞき込む。
「あっ……ダメだ、妹紅……!」
「駄目だよ慧音、ここに来ちゃった以上は一緒に……ね?」
「パチェ、もっと媚薬を持ってきなさい、お客様を楽しませなきゃ」
そして閉じた。
「え、何あれ、クリスマスパーティーどころかサバト……」
しっとパルスィの目に映ったのは、どう見ても世間一般的なクリスマスではなく、
ベッドの上で行われている(幻想郷倫理委員会によって削除されました)である。
「……何も見なかったことにして帰りましょ」
「紅魔館へようこそ、お客様」
「(遅かったー!!)」
振り返ればメイド長、しかも服装が色々と妖しい、
すでにその顔は紅潮しており、吐息も荒れている。
「お嬢様、またお一人お連れしましたわ」
「あらいらっしゃい、今宵限りの桃魔館へようこそ」
「違うの! 私は違うのー!!」
悪魔はやはり悪魔であった、まともに聖夜を祝うわけがないのだ、
ベッドまであと数メートルと言うところまで連れてこられるしっとパルスィ、
しかし彼女は懐から法螺貝を取り出すと、それを高らかに鳴らす。
「助けてアネキーッ!!」
妹分に危機が迫ったとき、彼女はどこからでも現れる、
岩盤を砕き、土を掻き分け、全ての障害物をその身体で排除して。
「星熊勇儀! 参上!!」
「アネキッ!!」
突然の乱入者に呆然とする他の者達を差し置いて、
しっとパルスィはマスクを脱ぎ捨て一目散にアネキへと抱きついた。
「うわぁーん、怖かったよアネキー!」
「ははは、私が来たからにはもう大丈夫さ」
「あ、あいつらを早く何とかしてほしいの!」
「ん? どれどれ……?」
アネキは部屋を見渡し、ベッドの上に注目すると、二度三度とうなずいた。
「ああ成程、そういうことかい」
「うん、そういうことなのよ!」
「私としかやってなかったから、3(ピー)以上のやり方を知らなくて困ってたんだね!」
「えっ」
アネキの右腕がパルスィを軽々と持ち上げる。
「大丈夫、私が手取り足取りじっくりと教えてあげるさぁー!」
「ち、違う! 違うのよ!」
「しかしこんなに大人数でやるなんて何ヶ月ぶりかなぁ、お姉ちゃん燃えてきちゃったぞー」
「いやぁぁぁぁーーーーー!!」
こうして、水橋パルスィは今年のクリスマスを幸せに過ごしたとか過ごさなかったとか。
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お前は、私を裏切った!
うさばらしにとうまかんに『エグゼ粒子爆弾』がしかけられたそうですまる
あとがきも含めて面白かったです。
Google先生がまた悪さしてますよ
妬ましい。ああ、妬ましい。
隠せてねぇwwwwww
パルスィや、ちょっと懐探らs
クソッ世界は楽しそうだなぁ!
それにしてもこの桃魔館カオスすぐるwwwww
クリスマス!ざけんな!
パルスィ結局勇儀のアネキとちゅっちゅしてんじゃねえかよ!!!
お前なんかにしっとパルスィを名乗る資格はねえ!!!!
あねきいいいいいい!!!どちくしょおおお!!!!
あ、めっちゃ面白かったです。紅魔館の中で行われたことをkwsk