このSSには「博麗霊夢」を「博麗センチメンタルパワーゲイザー」と偽るような嘘が多量に含まれています。
幽々子様の胸のように、ふくよかな心でみまもってください。
東方シリーズ人気投票。
それは、百人を超える個性的なキャラクターたちによる人気コンペティション。
この人気投票で上位になった者には、輝かしい栄光と自機の座が与えられる(かもしれない)。
敗者に敢闘賞は無く、勝者のみが栄光を得る世界。
幻想郷弾幕少女たちの使命はただ一つ――勝利することである。
今年の二月上旬に行われた第七回人気投票は、まだ読者諸兄にとって記憶に明るいであろう。
そこで起きた事件は、幻想郷中の住人に衝撃を与えた。
魔法使いが、近年急速に人気を上げ続けている、守矢神社の巫女に負けてしまったのだ。
この結果により幻想郷のパワーバランスは崩れ、幻想郷は世紀末に突入した。
魔法使いは巫女二人を倒すために、敗北の悲しみを乗り越えて、今立ち上がるッ……!
時は戦国。
「くそ……マスタースパークを弾くだと……! プラトニックフレンチラブ……!」
「ふっ、ドロワーズを穿かなくても四位だったこの私が、今回ドロワーズを穿いた。
これでギャザリングマイソロジーさんが私に勝てる要素は無くなったのです!」
御幣を手に高笑いする、東風谷プラトニックフレンチラブ。
唇から血を流し歯軋りする、霧雨ギャザリングマイソロジー。
第6回人気投票では、プラトニックフレンチラブは4位だった。
抜群の安定感を誇る博麗センチメンタルパワーゲイザーと
霧雨ギャザリングマイソロジーの二人には、どうしても勝てなかった。
地霊殿でも出場したのに一体なぜなのかと、プラトニックフレンチラブは悩んだ。
3カ月もの間悩み抜き、とうとう彼女はひとつの結論に思い至った。
それは、「ドロワーズを穿いていない」というものだった。
彼女は世界の真理に気付いてしまった。
『ドロワーズを穿く者がドロワーズを制す』。
そこからの彼女の進化はめざましかった。
とにかく、ドロワーズを穿いていることを周囲にアピールしまくった。
人里に行けば、奇跡で起こした風でセルフパンチラならぬセルフドロチラ。
香霖堂に行けば、計算され尽くしたドジッ娘っぷりを発揮し、何も無いところでつまずいてドロチラ。
弾幕勝負では、被弾時に派手に転倒して、ドロチラと言うかモロ出し。
もちろんスカートはそれに合わせ、膝上50cmのものにチェンジしてある。
人気のためになら、プラトニックフレンチラブは犠牲をいとわなかった。
「恥」という概念は、現実のみならず、幻想郷でも亡き物になったようであった。
プラトニックフレンチラブの血のにじむような努力の結果、
彼女は第7回人気投票で、ついに2位の栄冠を勝ち取った。
それまで2位の座にあったギャザリングマイソロジーは凋落し、失脚した。
一押し数では紅魔館のメイド長にすら劣り、ポイント数では四位とわずか三ポイント差。
二位のプラトニックフレンチラブには約五百票差をつけられ、一位のセンチメンタルパワーゲイザーには千票もの差をつけられてしまった。
個人的な恨みを晴らすために、わざわざ守矢神社に訪れて弾幕勝負を申し込んだ霧雨ギャザリングマイソロジーであったが、ドロワーズを穿いて益々力をつけたプラトニックフレンチラブには敵わなかった。
「まさかマスタースパークをケツで受け止めるとは……」
「どうですか、ドロワーズの力を思い知りましたか!」
「ああ、私じゃ絶対に勝てないぜ」
「ふ、ついに諦めましたか」
魔女帽子を脱ぎ、それをそっと地面に置くギャザリングマイソロジー。
プラトニックフレンチラブは嘲るように笑いながら、帽子を置いたギャザリングマイソロジーを見下した。
だが次の瞬間、得体の知れない悪寒がプラトニックフレンチラブを襲った。
「確かに私じゃお前に勝てない……今までの私なら、な!」
「なん……だと……!?」
悪寒の正体は、劣性であるはずなのになお輝いているギャザリングマイソロジーの瞳であった。
必殺のマスタースパークは敗れ、こちらが圧倒的に押しているはずなのに――早苗はゴクリと唾を飲み込む。
なぜ目の前の彼女がここまで自信満々であるのか判らず、早苗は思わずたじろいだ。
「お前がドロワーズを穿くと言うのなら」
何か来るッ! 早苗は肌で感じた恐怖で、目を大きく見開いた。
すると魔理沙は自分のスカートの中のドロワーズに手を掛け――
「私は、ドロワーズを被るッ!」
――一気にドロワーズを脱ぎ、ほかほかしたそれを、帽子のない頭に装着した!
「その姿はッ……まさか伝説の……ドロワーマン……!?」
早苗は身震いしながら、絶望の言葉を吐いた。
まだ人気投票が片手で数えられる回数しか行っていなかった時代、主人公である博麗センチメンタルパワーゲイザーを押さえ、一位の座を勝ち取った漢女が居た。
それこそが、今まさに早苗の目の前に居る――
「――ドロワーマン……参上」
一気に早苗の全身の毛が逆立つ。
まさかここにきて、こんな奥の手を出してくるとは思わなかったからだ。
「あなたが……ドロワーマンだったとは……!」
「センチメンタルパワーゲイザーが鼻水と涙を撒き散らしながら『もう6位はいやなのおおおおおおおおお!』って泣きついてきてから、この姿は封印していたんだがな……」
「く……しかし私は貴女をも、そして一位のセンチメンタルパワーゲイザーさんをも倒し、幻想郷で人気No.1の座に輝く野望がある! そのために……」
来る、と肌で感じたドロワーマンことギャザリングマイソロジー。
「貴女には、ここで倒れてもらいますッ!」
轟! という音と共に、早苗の右ストレートがギャザリングマイソロジーへと迫り来る。
ギャザリングマイソロジーも拳を繰り出す姿勢を取り、プラトニックフレンチラブへと向かって拳を一気に振り抜いた!
二人の影が、一瞬のうちに交錯する。
最後に立っていたのは――ドロワーマンこと、ギャザリングマイソロジーだった。
「こ、のわ、たし、が……」
「ドロワーズの可能性を断ち、穿くことに溺れたこと……それがお前の敗因だ……」
ドロワーズを頭に被ったまま、ギャザリングマイソロジーは空を見上げた。
ノーパンで見る幻想郷の景色は、いつもより少し輝いて見えた。
プラトニックフレンチラブは、あらかじめ用意していたトマトケチャップを口に含むと、
それを口から撒き散らしながらバタリと倒れ伏し、気絶した。
「東風谷プラトニックフレンチラブ、手ごわい敵だったぜ……」
小さく呟いた声が、一陣の風に乗って消えて行った。
砂上のように脆い静寂と、言い様のない深い悲しみがその場を包み込んでいた。
ギャザリングマイソロジーは箒に跨ると、博麗神社を目指して空へと姿を消した。
友人のひとりを打ち倒した彼女の瞳から零れた光の粒が、幻想のようにキラリと光った――。
「ついに、ここまで来たな……」
ギャザリングマイソロジーは、博麗神社へと続く階段の前に降り立った。
博麗神社には、神社をすっぽり囲うように結界が施されており、鳥居の部分から以外は入れないようになっていたためだ。
右手に箒を、左手にミニ八卦炉を握りしめ、階段の先にある神社に居るだろう博麗センチメンタルパワーゲイザーのことを考える。
奴は強い。
ドロワーズだけでなく、サラシという意味不明だが強力な武器を持っている。
ブラジャーでは力を発揮しないこの幻想郷に置いて、ドロワーズとサラシを纏った巫女の戦闘力は第2段階のフリーザ様を軽く凌ぐほどのものだった。
これから博麗神社に着いてから始まるであろう戦いを前に、魔理沙は自分の体が武者震いするのを感じた。
伝説のドロワーマンとなった魔理沙ですら、今の博麗センチメンタルパワーゲイザーに打ち勝つことは難しいかもしれない。
「だが、勝つのは私だ……!」
拳を握りしめ、魔理沙はウオオオオオ!と叫びながら、階段を勢いよく登りはじめた。
彼女は語る。
わたしはようやくのぼりはじめたばかりだからな……
このはてしなく遠い博麗神社の階段をよ……!
未完
ご愛読ありがとうございました!
「ハッ・・・ドリームか・・・・・・」
霊夢は起き上がって、洗面所へ向かった。
そして、顔を洗おうとして驚愕した。
なぜなら洗面所の鏡に映っていた自分の姿は、一枚の純白のドロワーズであったのだから……。
そういう訳で、博麗神社は爆発した。
<終わっちまえ!>
でも、この壊れっぷりは面白い!!
今度は雛様を出してやってくださいw
そそわ民の見破り力に感嘆した。
俺もまだまだ未熟か
ほら、Takuさん。サナエトリウムから出てはいけませんよ。帰りましょうね。