少し昔、あたいは革命家に出くわした事がある。霧の湖での話だ。
そいつは湖岸に腰掛け足で水を揺らしていたあたいを見つけると、親しげに話しかけてきたのだった。
その日のことを、何故かよく覚えている。
「やあチルノ、何しているの」
「暇してんのよ。何もすることが無くて」
メディスンは鈴蘭の香りを漂わせながら、柔らかく地面に降り立った。
スカートがふわりと揺れて、その小さな風があたいの髪を揺らした。
「それは良くないわね。暇しているならとっても忙しい私の話を聞かないかしら」
「どーぞ暇つぶししていけばいいじゃない」
「暇つぶしじゃなくて戦士の休息よ」
メディスンは靴を脱いで湖岸に腰掛けると、あたいと同じように足を水に浸した。
今思い返してみても、人形の関節に水が入っては駄目なのではないか思う。でもメディスン本人が平気に水に漬けているのだから、大丈夫なのだろう。
「今日はね、アリスの拠点を徹底的に叩いたわ」
「拠点ってなによ」
メディスンは得意げに笑いながら、大きく膨らんだポケットからリンゴを取り出した。
「果樹園と畑。リンゴ食べる?」
「只の畑荒らしじゃん。食べるけど」
「知らないの?兵糧攻めよ」
受け取ってもあたいはすぐには食べなかった。確かそうだった。
なにせ魔法使いのリンゴだ。どんな罠が仕掛けられているか分からない。だからあたいは、ふんふんとリンゴの匂いを嗅いだ。でも良い香りしかしなかった。
湖にリンゴを突っ込んで洗い、水気をジャンパースカートで拭ってリンゴに齧り付く。
きっと、皮も薄く、芳醇な味がしたと思う。そもそも、アリスがリンゴに毒を仕込むようなことをするとは元から思っていない。
だから、別に安堵も何もしなかった。
「これでアリスもお腹が空いて、いつもの指導力を発揮できなくなって、多くの人形たちが見限ることでしょうよ」
「ふうん。そんなに畑を荒らしたんだ」
「まあね、こんなに強奪してやったわ」
そう言ってメディスンは肩に下げた鞄の留め具を外した。中ではザクロやリンゴがわずかにころころと転がっていた。
「それだけ?」
「これだけ」
アリスの畑がどの程度広いのか知らないけども、その程度でアリスが腹を空かせるとは到底思えない。
「もっと盗まなかったの?」
「知らないの?食べ物を粗末にしたら駄目なのよ」
「知ってる」
そこで会話は途切れて、二人してリンゴをぼんやりと齧った。
秋の水はメディスンにとって冷たくないのだろうか。ちゃぷちゃぷと水に浸したメディスンの足を横目に思った。
人形は寒暖を感じるのかどうかは、今も知らない。
リンゴの芯があらわになったころだったか、あたいはメディスンに聞きたいことが出てきた。
メディスンはリンゴの芯の何処まで食べられるのか思案するように、目の上に芯をぶら下げ見上げている。
キラキラと、傾きかけた日に照らされて、メディスンの綺麗な目が光った。
「メディスンは、どうしてメランコリーなの?」
メディスンは目だけこちらに寄越して、不思議そうな顔をした。
「え?なんとなく決めただけだけど」
「ふうん。家族も居ないのにファミリーネーム?」
なぜ、メディスンはファミリーネームを持っているのだろう。そういう疑問を持ったのだった。
「それも……なんとなく語呂が良かったから。それに、神経を操る毒と、毒が引き起こすメランコリー。ね、私らしいでしょ」
「それはよく分かんないけど」
メディスンは得意げに笑うが、言っている意味が本当に分からなかった。
そこでまた会話は途切れ、メディスンはあたいから芯だけのリンゴに目を戻す。
メディスンはぷらぷらと軸を摘まみ、口を上に開けて芯を少し下から齧った。
「美味しくない」
メディスンはそう言って、湖から足を抜き膝を抱えた。
「ねえ、何でそんな事私に聞いたの?」
なんでだろう、あたいはその時そう思った。でも答えはすぐに見つかった。
「あんたが生まれたのが結構最近だって聞いたから、自分の名前をどうして決めたのか覚えてるって思って」
「うへ、じゃあ、チルノは自分の名前をどうして決めたのか覚えてないの?」
「うん。あんまりにも昔過ぎて、ぜんぜん覚えてないや」
あたいは何となく、足で水を掻いた。アメンボが慌てて逃げて行った。
「欲しいな」
あたいの口が無意識に動いて、ぽつりと言葉になった。そんな感じだった。
メディスンが片膝を抱いて、不思議そうにこっちを見ている。
「何が」
「名字。欲しいなって思った」
「付ければいいんじゃない?自分で」
だったらとっくの昔に付けている。
「自分で付けるのは、なんかヤダ」
「じゃあ私の名字あげよっか?それか、私が決めてあげるっていう手も有るよ」
「ファミリーネームはそういうもんじゃないと思う。私は」
メディスンは意地の悪そうに片頬を吊り上げた。
「じゃあ、家族が欲しいって事?」
「そうなるのかなぁ」
「無理でしょ、妖精じゃ」
「出来るわよ。妖精でも」
あたいは少しムカっと来て、自然と唇がとんがった。
「ふうん。旦那さん、出来るんだ」
メディスンはあたいをからかう事を決めたらしく、いっそう意地の悪い顔になった。
あたいのほっぺたが熱くなって、背中からじっとりと汗が出た。スカートを掴みさえした。
「そ、そういうのじゃなくってもさ。有るじゃない、養子とか、義兄弟とか」
「……まあ、有るね」
メディスンは急に真顔になって、ごろんと草地に寝転んだ。
メディスンの澄んだ青い目に、青空が写っていっそう青く、綺麗だった。
ちょっと黙ってから、またメディスンが口を開いた。
「付けようかな、メランコリーって名字」
「え?」
「人形の仲間ができたら、付けようかなって」
――――あたいだったら、謂れもないのにメランコリーなんて名字、やだな。
ただ単純にその時のあたいはそう思った。失礼な話だけど、今でもそう思う。
『憂鬱』なんて名字は。
メディスンは話を続けた。
「メランコリーなんて名字嫌かもしれないけど、一体感を持つには良いアイディアじゃないかしら」
メディスンにも自覚は有ったようだった。
やめたほうがいいんじゃないかって思ったけど、あたいは「かもね」とだけ言った。
人の名前を否定したらかわいそうだし、本当にそういう名前の方が一体感が出てくるかもしれないと思ったから。
「出来たら良いね、仲間」
「そっちも出来たらいいね」
――――家族。
あたいは家族という事に思いを馳せた。きっと、毎日笑い合って暮らすのだろう。助けあうのだろう。ケンカするのだろう。
やっぱり欲しいなって、その時本当に思った。
メディスンがむっくりと起き上がった。リボンに切れた草がくっついている。
あたいは、取ってあげようと手を伸ばしたけども、何を思ったのかメディスンはリンゴの芯をパクパクと食べ始めた。
見る見るうちにリンゴは削れていき、あっという間に茶色い軸だけになった。
「美味しくなかったんじゃないの?」
「不味くはないわ。それに、美味しくないものを食べちゃ駄目って決まりはないでしょ」
そうだけど、と言ってあたいはメディスンのリボンに付いた草を取ってあげた。
メディスンはありがと、とだけ言ってあたいの膝に乗ったリンゴの芯を見た。
「それ、頂戴」
メディスンはリンゴの芯を指さして言った。あたいは別にいらないから軸を摘まんでメディスンに突き出す。
「もっと上げて」
メディスンに従って腕を上げると、メディスンは身を乗り出してあたいのリンゴの芯を下から齧りだした。
犬に餌をあげているような体勢だった。
メディスンの小さな口が、ぱくぱくとリンゴの芯を齧っていく。
でもやっぱり、人に持ってもらって食べるのは難しいらしく、ちょっと時間がかかった。
それでも割とすぐに、メディスンの唇があたいの指先に触れた。
メディスンはシャリシャリだのポリポリだの芯を咀嚼して、ごくりと飲み込み、あたいを見て笑った。
なんとなく、メディスンはリンゴの芯を食べられる自分を誇っているのだろうと思った。本当になんとなくなのだけども。
ただ自分の食べたリンゴの芯を食べさせるのは、少し恥ずかしかった事を覚えている。
その日はやっぱり、ちょっとばかり昔の話。
だから今はちょっとばかり時間が経ってしまったという事。
それでも今も、メランコリーを冠する人物は一人しか知らないし、あたいも相変わらず独り身だ。
メディスンは相変わらずアリスにケンカを吹っかけて、勝ったり負けたりしている。
つい昨日も戦利品のガラス細工を貰ったところだ。
アリスにはちょっと悪いと思うけど、貰ったものは返すつもりは無い。あたいも、そこそこあくどいのである。
まあ、このガラス細工がそんな高級品には見えないってのもあるし、そんなに大事な物をメディスンが盗まないことを知っているからということもある。
そもそもあの革命家が、本当に人形の開放を目指しているとは思えない。
そんなの必要ないって十分知ってて、でもアリスと喧嘩がしたいから、未だにこんな事をしているのだとあたいは思っている。
あたいはあたいで、誰かの養子になるつもりなんてさらさら無いし、誰かと義兄弟の杯を交わすような熱い状況にもならなかった。
誰かの嫁になることをたまに夢見たりもするが、育ちもしない体で一体だれの嫁になるのかと、自らにツッコミを入れる日々が続いている。
あたい達は、相変わらずである。
人間たちは何度も入れ替わり、友人になったと思えば、あっという間に大人になっていったけども、あたい達はほとんど変わらなかった。
ちょっと成長したと思うこともあるけど、それだけだ。
あたいは今、草っぱらに寝転んでいる。風がそよいで気持が良い。
スズランのガラス細工を指にぶら下げて、青空に透かして見ている。
「家族ってこういう事なのかも知れないな」
なんとなく、でも心から、あたいはそうつぶやく。
青くて澄んでて、綺麗だった。
そいつは湖岸に腰掛け足で水を揺らしていたあたいを見つけると、親しげに話しかけてきたのだった。
その日のことを、何故かよく覚えている。
「やあチルノ、何しているの」
「暇してんのよ。何もすることが無くて」
メディスンは鈴蘭の香りを漂わせながら、柔らかく地面に降り立った。
スカートがふわりと揺れて、その小さな風があたいの髪を揺らした。
「それは良くないわね。暇しているならとっても忙しい私の話を聞かないかしら」
「どーぞ暇つぶししていけばいいじゃない」
「暇つぶしじゃなくて戦士の休息よ」
メディスンは靴を脱いで湖岸に腰掛けると、あたいと同じように足を水に浸した。
今思い返してみても、人形の関節に水が入っては駄目なのではないか思う。でもメディスン本人が平気に水に漬けているのだから、大丈夫なのだろう。
「今日はね、アリスの拠点を徹底的に叩いたわ」
「拠点ってなによ」
メディスンは得意げに笑いながら、大きく膨らんだポケットからリンゴを取り出した。
「果樹園と畑。リンゴ食べる?」
「只の畑荒らしじゃん。食べるけど」
「知らないの?兵糧攻めよ」
受け取ってもあたいはすぐには食べなかった。確かそうだった。
なにせ魔法使いのリンゴだ。どんな罠が仕掛けられているか分からない。だからあたいは、ふんふんとリンゴの匂いを嗅いだ。でも良い香りしかしなかった。
湖にリンゴを突っ込んで洗い、水気をジャンパースカートで拭ってリンゴに齧り付く。
きっと、皮も薄く、芳醇な味がしたと思う。そもそも、アリスがリンゴに毒を仕込むようなことをするとは元から思っていない。
だから、別に安堵も何もしなかった。
「これでアリスもお腹が空いて、いつもの指導力を発揮できなくなって、多くの人形たちが見限ることでしょうよ」
「ふうん。そんなに畑を荒らしたんだ」
「まあね、こんなに強奪してやったわ」
そう言ってメディスンは肩に下げた鞄の留め具を外した。中ではザクロやリンゴがわずかにころころと転がっていた。
「それだけ?」
「これだけ」
アリスの畑がどの程度広いのか知らないけども、その程度でアリスが腹を空かせるとは到底思えない。
「もっと盗まなかったの?」
「知らないの?食べ物を粗末にしたら駄目なのよ」
「知ってる」
そこで会話は途切れて、二人してリンゴをぼんやりと齧った。
秋の水はメディスンにとって冷たくないのだろうか。ちゃぷちゃぷと水に浸したメディスンの足を横目に思った。
人形は寒暖を感じるのかどうかは、今も知らない。
リンゴの芯があらわになったころだったか、あたいはメディスンに聞きたいことが出てきた。
メディスンはリンゴの芯の何処まで食べられるのか思案するように、目の上に芯をぶら下げ見上げている。
キラキラと、傾きかけた日に照らされて、メディスンの綺麗な目が光った。
「メディスンは、どうしてメランコリーなの?」
メディスンは目だけこちらに寄越して、不思議そうな顔をした。
「え?なんとなく決めただけだけど」
「ふうん。家族も居ないのにファミリーネーム?」
なぜ、メディスンはファミリーネームを持っているのだろう。そういう疑問を持ったのだった。
「それも……なんとなく語呂が良かったから。それに、神経を操る毒と、毒が引き起こすメランコリー。ね、私らしいでしょ」
「それはよく分かんないけど」
メディスンは得意げに笑うが、言っている意味が本当に分からなかった。
そこでまた会話は途切れ、メディスンはあたいから芯だけのリンゴに目を戻す。
メディスンはぷらぷらと軸を摘まみ、口を上に開けて芯を少し下から齧った。
「美味しくない」
メディスンはそう言って、湖から足を抜き膝を抱えた。
「ねえ、何でそんな事私に聞いたの?」
なんでだろう、あたいはその時そう思った。でも答えはすぐに見つかった。
「あんたが生まれたのが結構最近だって聞いたから、自分の名前をどうして決めたのか覚えてるって思って」
「うへ、じゃあ、チルノは自分の名前をどうして決めたのか覚えてないの?」
「うん。あんまりにも昔過ぎて、ぜんぜん覚えてないや」
あたいは何となく、足で水を掻いた。アメンボが慌てて逃げて行った。
「欲しいな」
あたいの口が無意識に動いて、ぽつりと言葉になった。そんな感じだった。
メディスンが片膝を抱いて、不思議そうにこっちを見ている。
「何が」
「名字。欲しいなって思った」
「付ければいいんじゃない?自分で」
だったらとっくの昔に付けている。
「自分で付けるのは、なんかヤダ」
「じゃあ私の名字あげよっか?それか、私が決めてあげるっていう手も有るよ」
「ファミリーネームはそういうもんじゃないと思う。私は」
メディスンは意地の悪そうに片頬を吊り上げた。
「じゃあ、家族が欲しいって事?」
「そうなるのかなぁ」
「無理でしょ、妖精じゃ」
「出来るわよ。妖精でも」
あたいは少しムカっと来て、自然と唇がとんがった。
「ふうん。旦那さん、出来るんだ」
メディスンはあたいをからかう事を決めたらしく、いっそう意地の悪い顔になった。
あたいのほっぺたが熱くなって、背中からじっとりと汗が出た。スカートを掴みさえした。
「そ、そういうのじゃなくってもさ。有るじゃない、養子とか、義兄弟とか」
「……まあ、有るね」
メディスンは急に真顔になって、ごろんと草地に寝転んだ。
メディスンの澄んだ青い目に、青空が写っていっそう青く、綺麗だった。
ちょっと黙ってから、またメディスンが口を開いた。
「付けようかな、メランコリーって名字」
「え?」
「人形の仲間ができたら、付けようかなって」
――――あたいだったら、謂れもないのにメランコリーなんて名字、やだな。
ただ単純にその時のあたいはそう思った。失礼な話だけど、今でもそう思う。
『憂鬱』なんて名字は。
メディスンは話を続けた。
「メランコリーなんて名字嫌かもしれないけど、一体感を持つには良いアイディアじゃないかしら」
メディスンにも自覚は有ったようだった。
やめたほうがいいんじゃないかって思ったけど、あたいは「かもね」とだけ言った。
人の名前を否定したらかわいそうだし、本当にそういう名前の方が一体感が出てくるかもしれないと思ったから。
「出来たら良いね、仲間」
「そっちも出来たらいいね」
――――家族。
あたいは家族という事に思いを馳せた。きっと、毎日笑い合って暮らすのだろう。助けあうのだろう。ケンカするのだろう。
やっぱり欲しいなって、その時本当に思った。
メディスンがむっくりと起き上がった。リボンに切れた草がくっついている。
あたいは、取ってあげようと手を伸ばしたけども、何を思ったのかメディスンはリンゴの芯をパクパクと食べ始めた。
見る見るうちにリンゴは削れていき、あっという間に茶色い軸だけになった。
「美味しくなかったんじゃないの?」
「不味くはないわ。それに、美味しくないものを食べちゃ駄目って決まりはないでしょ」
そうだけど、と言ってあたいはメディスンのリボンに付いた草を取ってあげた。
メディスンはありがと、とだけ言ってあたいの膝に乗ったリンゴの芯を見た。
「それ、頂戴」
メディスンはリンゴの芯を指さして言った。あたいは別にいらないから軸を摘まんでメディスンに突き出す。
「もっと上げて」
メディスンに従って腕を上げると、メディスンは身を乗り出してあたいのリンゴの芯を下から齧りだした。
犬に餌をあげているような体勢だった。
メディスンの小さな口が、ぱくぱくとリンゴの芯を齧っていく。
でもやっぱり、人に持ってもらって食べるのは難しいらしく、ちょっと時間がかかった。
それでも割とすぐに、メディスンの唇があたいの指先に触れた。
メディスンはシャリシャリだのポリポリだの芯を咀嚼して、ごくりと飲み込み、あたいを見て笑った。
なんとなく、メディスンはリンゴの芯を食べられる自分を誇っているのだろうと思った。本当になんとなくなのだけども。
ただ自分の食べたリンゴの芯を食べさせるのは、少し恥ずかしかった事を覚えている。
その日はやっぱり、ちょっとばかり昔の話。
だから今はちょっとばかり時間が経ってしまったという事。
それでも今も、メランコリーを冠する人物は一人しか知らないし、あたいも相変わらず独り身だ。
メディスンは相変わらずアリスにケンカを吹っかけて、勝ったり負けたりしている。
つい昨日も戦利品のガラス細工を貰ったところだ。
アリスにはちょっと悪いと思うけど、貰ったものは返すつもりは無い。あたいも、そこそこあくどいのである。
まあ、このガラス細工がそんな高級品には見えないってのもあるし、そんなに大事な物をメディスンが盗まないことを知っているからということもある。
そもそもあの革命家が、本当に人形の開放を目指しているとは思えない。
そんなの必要ないって十分知ってて、でもアリスと喧嘩がしたいから、未だにこんな事をしているのだとあたいは思っている。
あたいはあたいで、誰かの養子になるつもりなんてさらさら無いし、誰かと義兄弟の杯を交わすような熱い状況にもならなかった。
誰かの嫁になることをたまに夢見たりもするが、育ちもしない体で一体だれの嫁になるのかと、自らにツッコミを入れる日々が続いている。
あたい達は、相変わらずである。
人間たちは何度も入れ替わり、友人になったと思えば、あっという間に大人になっていったけども、あたい達はほとんど変わらなかった。
ちょっと成長したと思うこともあるけど、それだけだ。
あたいは今、草っぱらに寝転んでいる。風がそよいで気持が良い。
スズランのガラス細工を指にぶら下げて、青空に透かして見ている。
「家族ってこういう事なのかも知れないな」
なんとなく、でも心から、あたいはそうつぶやく。
青くて澄んでて、綺麗だった。
大好きです。
こんな雰囲気が作れる人好きです。
パルスィのロケランが気になりすぎる件について
余韻はバッチリ。二作目、三作目にも期待大だ。
と、言うわけで初投稿おめでとうございます。
林檎食べさせてるとこが妙にエロいのもとてもいい(笑)
ちゃんとチェックしたつもりなのに脱字が残っちゃってました……
あと、表現のほうも勉強になりました。どうもです。
同じ単語が二度連続するのは確かに違和感ありますね。書いてる時には気づけなかったので、ありがたいです。
名前しか出てないけどきっとアリスも楽しくやっているんだろうなぁ。
今後の作品も楽しみにしています。
こんなチルノなら旦那さんになってあげたヒィッ!!
次回作も期待期待
晴れ渡る青空と広々とした草原を思い浮かべるような爽やかな気分に浸れました。次回作もとても楽しみ。
タノモウスさんは作品の雰囲気が非常にいいですね。
あくまで雰囲気なので具体的にどうこういえないんですけど。
これもいい雰囲気の作品だ・・・
パルスィがロケランをぶっ放す話を読める日を待ってますw
まさしく私が思い描くチルノのイメージぴったりぽんですわ
妖精なのに家族を欲しがるチルノ、かわいいですね
けれどなんだか妙に大人びていて切なくもあります。花映塚のエンディングを思い出しました
メディスンとのこの関係がいつまでも続くことを祈っております
非常に魅力的なふたりでした