ちょっと流血表現とかあったりします。
レミリアが頼りない。
その他キャライメージが爆破されている可能性があります。
ダメな方は今すぐブラウザバックで戻って他の素晴らしい作品をお楽しみくださいませ。
それでも読んでくださるという奇特な方がいらっしゃれば、どうぞ下にスクロールして下さいませ。
「か、はっ…。」
肺から空気が追い出されて、変な声が出た。
「霊夢、もう逃げないで、ねえ…?」
「逃げるわよ、戦って見せるわよ、恋人に殺されてたまるか」
私は、ぱす、と土ぼこりを払って立ち上がった。
目の前の幼き吸血鬼の眼は、紅く光っている。
こんなにも、強いのか。
スペルカードに縛られない、本物の吸血鬼は。
強がって見せるもののすでに足はふらつき、少し空を飛んでいないとまっすぐ立っていられなかった。
レミリアもそれはとうの昔にお見通しのようで、笑みが広がっていくのがわかる。
ああ、次の一撃を受けたら、終わりだなあ、なんて。
終わる気配を見せない夜。
そうだった、レミリアは運命を操った。
はじめから、勝ち目なんて、なかったんだ。
いつもどおりにレミリアは神社を訪れた。
何の変哲もない夜だった。
月が昇って、お酒がおいしい。
人間たちはみな家にこもって、妖怪の闊歩する、そんな夜。
レミリアも、そんな妖怪の一匹だったに違いない。
ただ、この日のレミリアは、泣いていて。
悲しいから、とかじゃなくて。
まるで、心をなくしてしまったかのような。
感情のない瞳が、ただ透明な涙だけを流していた。
「レミリア!どうしたのよ!?」
私が駆け寄ると、ぽす、レミリアは私の肩に頭をうずめる。
こんなレミリアは初めてだ。
いつもはこんなことはないのに。
自信たっぷりの顔で笑ってて、お茶して、朝方に帰っていくだけだ。
私はひどく不安になって、レミリアの頭をぎゅっと抱き寄せる。
「レミリア…?」
しかし、その瞬間、なれない感覚が体中を駆け巡った。
燃え上がるように熱い。レミリアの温かみとは別種の――
あわてて飛び退くと、赤色が飛び散った。
月に光って、鮮やかな――
「レミ…リア…?」
「霊夢…」
レミリアは、翼を広げ、牙をむき出しにして。
さみしそうに立っていた。
レミリアの口の端から流れる血が、首筋に触れたときの刺すような痛みが、自らの確信をさらに盤石なものにする。
「なんで…!?」
「愛してる」
レミリアは、泣きながら言った。
「だから、ずっと一緒にいたいのよ…」
「他の人を見ないで」
壁が崩される。
「誰もいつくしんだりしないで」
屋根が崩される。
「私のことだけ、みてて」
足場が崩されて、仕方がなく飛ぶ。
空中戦で勝てるわけがないのもわかっていたけれど。
いや、どこでも勝てるわけがないのも、わかってはいたけれど。
「私だって愛してるわよ!レミリア!」
「わかんないのよ!霊夢は誰にでも、本気になろうとしなくて、いっつも片手間だから!
弾幕ごっこみたいに、私も遊びで済まされちゃんじゃないかって!
巫女であるかぎり、霊夢は、みんなの霊夢だから!
私のものに、なってよ!」
そういうレミリアは、苦しそうで。
私は目を閉じた。
ああ、もう、終わりなのかも知れない。
涙をすする声が、すぐ近くで聞こえた。
レミリアの息が首筋にかかって、温かくて、くすぐったかった。
「あ、ああ、あう…」
目の前の気配が崩れ落ちる感じがした。
うっすら目を開けると、レミリアは足もとにうずくまっていた。
「ご、ごめんなさい」
「謝らなくてもいいわよ」
私は、小さくまるくなったレミリアを抱き上げる。
「今晩はいつもどおりだったの。あったとすれば、私が気付いてなかったことに気付いた、それだけなのよ」
「怖くて、いつか霊夢がいなくなっちゃうんじゃないかって、遠くって!
霊夢が、あ、あう、みんなにやさしくするから、仲良くしてるから…!
私は、霊夢にふさわしくないの…!
妖怪退治の巫女に、ふさわしくあれるわけないの!」
「ふさわしさなんていらないわよ」
私は、いささか明るすぎる月を見る。
「そんなことを言ったら、紅い月を背負った夜の吸血鬼にだれがふさわしくあれるというのかしら」
今日の月は、こんなにも紅いから。
そのあと、レミリアは帰って行った。
たぶん、この日のことを知っているのは、私とレミリアだけ。
結局、この日を境に私が巫女をやめることはなかったし、やめれるものなのかどうかは知らないが、レミリアも吸血鬼をやめることはなかった。
なにひとつ変わることのない日常。
ひとつかわったとすれば――
「あ、もうそろそろレミリアくるわね」
「ああそうかい」
「そういうことで魔理沙、帰ってくれる?」
「そんなことは聞いてないぜ」
「今言ったからね」
お茶をひと啜り。
「さあ聞いたら帰った帰った」
「ちょ、ひどいぜ、このままここにいたらいただけたお酒をどうしてくれる」
「いただくな」
魔理沙をおいだして。
「レミリア、こんばんは」
幼き紅き月は翼を広げ。
傲慢に笑い。
「霊夢…」
どちらからともなく、キスをして。
夜は、長い。
どうせ長い人生が送れるとも限らないのならば。
今だけは巫女をやめてしまっても、神様は怒らないだろうから。
このときが少しでも長く続きますように…。
レミリアが頼りない。
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「か、はっ…。」
肺から空気が追い出されて、変な声が出た。
「霊夢、もう逃げないで、ねえ…?」
「逃げるわよ、戦って見せるわよ、恋人に殺されてたまるか」
私は、ぱす、と土ぼこりを払って立ち上がった。
目の前の幼き吸血鬼の眼は、紅く光っている。
こんなにも、強いのか。
スペルカードに縛られない、本物の吸血鬼は。
強がって見せるもののすでに足はふらつき、少し空を飛んでいないとまっすぐ立っていられなかった。
レミリアもそれはとうの昔にお見通しのようで、笑みが広がっていくのがわかる。
ああ、次の一撃を受けたら、終わりだなあ、なんて。
終わる気配を見せない夜。
そうだった、レミリアは運命を操った。
はじめから、勝ち目なんて、なかったんだ。
いつもどおりにレミリアは神社を訪れた。
何の変哲もない夜だった。
月が昇って、お酒がおいしい。
人間たちはみな家にこもって、妖怪の闊歩する、そんな夜。
レミリアも、そんな妖怪の一匹だったに違いない。
ただ、この日のレミリアは、泣いていて。
悲しいから、とかじゃなくて。
まるで、心をなくしてしまったかのような。
感情のない瞳が、ただ透明な涙だけを流していた。
「レミリア!どうしたのよ!?」
私が駆け寄ると、ぽす、レミリアは私の肩に頭をうずめる。
こんなレミリアは初めてだ。
いつもはこんなことはないのに。
自信たっぷりの顔で笑ってて、お茶して、朝方に帰っていくだけだ。
私はひどく不安になって、レミリアの頭をぎゅっと抱き寄せる。
「レミリア…?」
しかし、その瞬間、なれない感覚が体中を駆け巡った。
燃え上がるように熱い。レミリアの温かみとは別種の――
あわてて飛び退くと、赤色が飛び散った。
月に光って、鮮やかな――
「レミ…リア…?」
「霊夢…」
レミリアは、翼を広げ、牙をむき出しにして。
さみしそうに立っていた。
レミリアの口の端から流れる血が、首筋に触れたときの刺すような痛みが、自らの確信をさらに盤石なものにする。
「なんで…!?」
「愛してる」
レミリアは、泣きながら言った。
「だから、ずっと一緒にいたいのよ…」
「他の人を見ないで」
壁が崩される。
「誰もいつくしんだりしないで」
屋根が崩される。
「私のことだけ、みてて」
足場が崩されて、仕方がなく飛ぶ。
空中戦で勝てるわけがないのもわかっていたけれど。
いや、どこでも勝てるわけがないのも、わかってはいたけれど。
「私だって愛してるわよ!レミリア!」
「わかんないのよ!霊夢は誰にでも、本気になろうとしなくて、いっつも片手間だから!
弾幕ごっこみたいに、私も遊びで済まされちゃんじゃないかって!
巫女であるかぎり、霊夢は、みんなの霊夢だから!
私のものに、なってよ!」
そういうレミリアは、苦しそうで。
私は目を閉じた。
ああ、もう、終わりなのかも知れない。
涙をすする声が、すぐ近くで聞こえた。
レミリアの息が首筋にかかって、温かくて、くすぐったかった。
「あ、ああ、あう…」
目の前の気配が崩れ落ちる感じがした。
うっすら目を開けると、レミリアは足もとにうずくまっていた。
「ご、ごめんなさい」
「謝らなくてもいいわよ」
私は、小さくまるくなったレミリアを抱き上げる。
「今晩はいつもどおりだったの。あったとすれば、私が気付いてなかったことに気付いた、それだけなのよ」
「怖くて、いつか霊夢がいなくなっちゃうんじゃないかって、遠くって!
霊夢が、あ、あう、みんなにやさしくするから、仲良くしてるから…!
私は、霊夢にふさわしくないの…!
妖怪退治の巫女に、ふさわしくあれるわけないの!」
「ふさわしさなんていらないわよ」
私は、いささか明るすぎる月を見る。
「そんなことを言ったら、紅い月を背負った夜の吸血鬼にだれがふさわしくあれるというのかしら」
今日の月は、こんなにも紅いから。
そのあと、レミリアは帰って行った。
たぶん、この日のことを知っているのは、私とレミリアだけ。
結局、この日を境に私が巫女をやめることはなかったし、やめれるものなのかどうかは知らないが、レミリアも吸血鬼をやめることはなかった。
なにひとつ変わることのない日常。
ひとつかわったとすれば――
「あ、もうそろそろレミリアくるわね」
「ああそうかい」
「そういうことで魔理沙、帰ってくれる?」
「そんなことは聞いてないぜ」
「今言ったからね」
お茶をひと啜り。
「さあ聞いたら帰った帰った」
「ちょ、ひどいぜ、このままここにいたらいただけたお酒をどうしてくれる」
「いただくな」
魔理沙をおいだして。
「レミリア、こんばんは」
幼き紅き月は翼を広げ。
傲慢に笑い。
「霊夢…」
どちらからともなく、キスをして。
夜は、長い。
どうせ長い人生が送れるとも限らないのならば。
今だけは巫女をやめてしまっても、神様は怒らないだろうから。
このときが少しでも長く続きますように…。
・登場人物が増えると存在感が薄まるため、短い文章の場合は少なめがいい、特に魔理沙とか
・読者が「この物語内でのキャラの性格」を掴めないうちに登場人物が動くためおいてけぼり
・レミリアの心理変遷が唐突すぎる
・…を使う時は……と二回
・会話文の最後に「。」は不要
・「、」を多用しすぎ
・日本語がおかしいのが数箇所
レミリアの心境の変化などはもう少し時間を掛けて書いた方が良かったと思います。
>確信を盤石なものにする
確信(意:確かな自信)ですので、確信を盤石にするという表現はおかしいと思います。
偉そうに批評なんかしてすいません;
しかし作品の雰囲気なんかはすごく好みですので、これからも頑張って下さい。
霊レミはマイロード
話の筋はしっかりしていたし、短いのに雰囲気も出ていたではないか。
読者置いてけぼりで話が進む、というのは確かに問題ではある。
しかし冒頭にインパクトがあるので、勢いで読めてしまうというのもまた事実である。
文法事項の指摘は敢えてしない。
面倒くさいから、というのと文法事項なんて気にしない方が楽しく読めるからだ。
私はこのSSのような勢いだけで押し切った作品が大好きである。
面白い作品を読ませていただいた。ありがとう。
そこで置いてけぼりにされちゃう人も少なくないかも。
でも、個人的には楽しく読めました。
短くまとまってる良いSSだと思います。
流血だとかキャラがマイナスポイントじゃなく、構成がアレっていう
本腰入れて書いたこの話がみてみたいな~、と思えるには十分なお話でした