花を贈られて、喜ばない女の子はいないのです。
咲夜は私を後ろから抱きかかえながらそう言ったの。咲夜がよんでくれた絵本は、とってもすてきなお話だった。ある男の人が、好きな子の誕生日に両手いっぱいの花束をおくる話。女の子は幸せそうに笑って、ありがとうって言うの。私はすっかりこのお話が気に入った。だって女の子が咲夜に似てたんだもの。それで、もしかしたらって思ったの。私が咲夜にお花をプレゼントしたら、咲夜は泣いて喜ぶんじゃないかしらって。なんていい思いつき! 私はさっそくお花を探しに行こうと思って、咲夜のひざの上から飛び降りた。咲夜はびっくりしてどうされましたかお嬢様って心配そうにみつめてきたけれど、いまはそれどころじゃないの。私は咲夜にお花の束をプレゼントして、咲夜に喜んでもらうの!
「咲夜! でかけてくるの!」
なんだか気持ちがうきうきしてきた。背中のお羽をぱたぱたさせて、お部屋を飛び出す。
「あっお嬢様、もうすぐお食事のお時間ですよ!」
ご飯なんていらないの、私はいますぐお花を探しに行って、咲夜に渡すの! 廊下を走っていると、そういえばって思った。あのお話の男の子は花言葉とゆーものも調べていたなって。そうだ、私もそういうところに凝ってみようかしら。こんなときは、えーと、うーんと。
「そうだ、パチェだ!」
ひとみからお星様がとびだしてしまうんじゃないかってくらい私はるんるん気分だった。図書館までの階段をスキップですすんでいく。
「パチェ! どこーー!!」
地下二階の踊り場からめいっぱいの声をだしてパチェを呼んだ。どこかな? また本にうもれてひんしになっていないかな?
「図書館ではお静かに、お嬢様」
「あ! 小悪魔! ごめんね、しずかにする!」
「はは……お元気ですねぇ今日も」
小悪魔はちいさく笑い声をもらしていた。なんとなく、とほほって感じ。
「ねーねー、パチェどこー?」
「あぁ、パチュリー様なら砂場にいらっしゃいますよ」
「お砂場ね! 小悪魔ありがとう!」
小悪魔からパチェの居場所をきいた私はお部屋から日傘をとって、駆け出したの。びゅんびゅん走るとパチェの後姿がみえてきた。
「パチェー!」
館のうしろにお砂場はある。地下の図書館から地上に出る階段の、ちょうど近く。だからパチェはよくお砂場で研究してるの。
「あ、レミィ。どうしたの?」
パチェはおでこにちょっぴり汗をかいて、自分の背と同じくらいの砂のお城の前にたっていた。
「ちょっとパチェにききたいことがあって。今日はパチェ、なんの研究?」
「どのくらい大きなお城が作れるかの研究!」
パチェはにこっと笑って両手を広げた。そのしぐさがなんだか可愛くて私は思わず言ってしまったの。
「パチェ、きょうもかわいいね!」
するとパチェはきょとん、ってしたあと、ぼぼぼって顔に火がついたみたいに赤くなった。
「レミィもかわいい!」
「ありがとう。そうそう、パチェ、お花のこと知らない? なんだっけ、えーっと花言葉とゆーやつ」
パチェをさがしにきた理由を思い出して聞いてみる。パチェなら知ってるかな?
「うーん、わからない。図書館に本があるとおもうよ。でも、お花とかなら、めーりんのほうがきっとくわしい」
「美鈴! それはもうてんだった。ありがとうパチェ!」
パチェに手を振って、たったっと走り出す。そうだ、美鈴だ! いつもお花畑のお世話してる美鈴ならいろいろ知ってるかも!
「えーっと」
美鈴はどこかな? 門番だから、門かな?
「めーりーん!!!」
紅魔館はひろいけど、呼べば誰かがきてくれる。美鈴くるかな?
「お嬢様、探しましたよ」
しゅんって咲夜があらわれた。また時間をとめたのかな? これはまずいぞ。今は咲夜に秘密のこうどうちゅうなのだ。おひるごはんなんかに捕まっているひまはないのだ! それ逃げろ! びゅーん! そんな音がしそうな速さで私は逃げたの。よし、とりあえず門にいこうかなって思って飛んでいると、私はおどろきのしゅんかんを見てしまった!
「あーっ!」
美鈴がねてる! おしごとちゅうなのに! 私が門の上を飛んで回り込むと美鈴がぐーぐー眠っていたの。壁によっかかって気持ちよさそうに寝息をたてる美鈴は幸せそうだった。起こすのはかわいそうかな? いや、私はあるじなのよ、じゅうしゃのしょくむたいまんを放ってはおかないわ!
「めーりん、おきてー」
ゆさゆさと体をゆする。そのうちとろんとした美鈴の目と目が合ったの。
「あ」
美鈴はびくっとして、いっしゅんで冷や汗をだらだらかいた。
「おっおじょーさま! 申し訳ありません!」
「いいのいいの。それよりお花のことおしえてー」
お花ですか? と意外なことをきかれたかのように美鈴がききかえす。
「そうお花、ついでに花言葉も」
「あーっ咲夜さんにプレゼントですねー」
美鈴がひまわりの花が咲くみたいにあったかく笑う。
「しーっ、まだ咲夜にはひみつだから、しずかに!」
それにしても、美鈴はどうしてわかったのかな? もしかして、美鈴もあの絵本よんだことあるのかな?
「咲夜だいすき! って花言葉のお花ない?」
「あはは、ありますよ、ありますよーたくさんあります」
「ほんとっ!」
私はぜんしんに嬉しさがこみあげてきたの。背筋がきゅーんってするかんじ。
「おしえて!」
「定番はバラですね。カスミソウに、カトレアに、ルピナスに、ラベンダー。大好きって気持ちを伝えるお花は数え切れないくらいいっぱいあるんですよ」
かすみそう? るぴなす? あっラベンダーはきいたことあるの! 咲夜が私の部屋によくかざってくれる。あとバラは私もだいすき!
「どこにいけばあるかなぁ」
「花畑に咲いているものでしたら、おつつみいたしますよ。今の季節だと、ジャスミンなんかがいいですね」
じゃすみん! いつか咲夜がそんなお茶をいれてくれたことがあるなぁ。
「じゃすみんはなんて花言葉?」
「あなたは私のもの、ですよ。お嬢様にぴったりじゃないですか」
「それ! それちょーだい!」
てぃーんときたの。これだ! って思ったの。咲夜は私のもの! なんていいひびきなのかしら。
「分かりました。今お包みしますね」
美鈴は門を留守にするからといって近くにいたメイドに門をまかせて、私の手を取ってお花畑へと歩き出した。
「お嬢様、咲夜さんきっと喜ばれますよ」
「うれしすぎて泣いちゃうかもね!」
「そうですね」
ぽかぽかした陽気の中で美鈴が日傘を持ってくれる。あったかいなーきもちいいなー。
「さぁ、お好きなものを選んでください」
「わぁ!」
いいにおいの風がそよそよとふいている。白くて、ほんのり桃色付いたお花が見渡す限りいちめんに咲いていた。
「いっぱい! 咲夜に抱えきれないくらい大きな花束を贈るの!」
これと、これと、これと、いっぱいとるの。細い茎をぽきっと折ってお花をつむ。
「あっお嬢様これをお使いください」
美鈴がエプロンのポケットからはさみを取り出す。
「ありがとう!」
「あぁ、お嬢様、なんて罪な可愛さでしょう……」
「?」
顔を手で覆っている美鈴をほうっておいて私はお花の茎をちょきんとはさみで切る。一本、二本、三本と、本数が増えていくうちに手では持ちきれなくなってきた。
「お持ちしますね」
美鈴がそっと私の手から花束を持ち上げた。しばらくちょっきんちょっきんという音だけがひびく。
「これくらいかな?」
数えきれないくらいのじゃすみんが私と美鈴の手の中にはあった。
「きれいですね。さっそくお包みしましょう」
館に入る前に流し場でてを洗う。きれいにしないとね。美鈴も、お花を一回おいててをあらっていた。ひんやりとした水がきもちよかった。きゅうけつきだけど、このくらいのお水はへいきなの。つよいでしょ?
「これにする!」
美鈴のお部屋で花束をつつむ紙をさがしていたの。ぴこん! ってきた紙がようやく見つかった。それは、薄ももいろで、さわり心地がいい柔らかい紙なの。
「これで、よし」
お部屋からもってきためっせーじかーどに、クレヨンでもじを書いた。これをそえるんだ。
「可愛らしいですね。さぁ、届けに行きましょう」
「ありがとう美鈴! いってくるね!」
どきどきして、ほっぺたがあつくなってくる。咲夜はよろこんでくれるかな。なんていうかな。廊下をるんるん飛び跳ねながら咲夜のところにむかう。あれ? でも咲夜はどこにいるんだろう。
「さくやーー! どこー!」
おおごえでさけぶと、咲夜がいつものとおりしゅーんって私のまえにあらわれた。やっぱり咲夜はすごいなぁ。
「お嬢様、どうされましたか? お食事なら用意できております」
「あのね、あのね」
後ろ手にもった花束が見えていないかな、だいじょうぶかな。
「咲夜、これ!」
おもいきってお花をてわたす。きんちょうして、ぎゅーって握っていたからすこし紙がおれちゃった。
「えっ、お、お嬢様? これは、いったい」
咲夜がおどろいてる!
「咲夜、だいすきだよ!」
めっせーじかーどにかいた言葉といっしょ。咲夜、大好き。それがつたえたくて、この花束をおくるの。
「ふぇ、お、お嬢様……」
いつにもなくかわいい声をだした咲夜がうつむいたとおもったら、いきなり私にだきついてきた。私の肩にぽたぽたと水滴がおちてくる。
「身に余るしあわせでございます、お嬢様……」
まいったなぁ、ほんとうに泣いちゃった! でもこんな咲夜もかわいいね? やっぱり私は咲夜がだいすき!
咲夜は私を後ろから抱きかかえながらそう言ったの。咲夜がよんでくれた絵本は、とってもすてきなお話だった。ある男の人が、好きな子の誕生日に両手いっぱいの花束をおくる話。女の子は幸せそうに笑って、ありがとうって言うの。私はすっかりこのお話が気に入った。だって女の子が咲夜に似てたんだもの。それで、もしかしたらって思ったの。私が咲夜にお花をプレゼントしたら、咲夜は泣いて喜ぶんじゃないかしらって。なんていい思いつき! 私はさっそくお花を探しに行こうと思って、咲夜のひざの上から飛び降りた。咲夜はびっくりしてどうされましたかお嬢様って心配そうにみつめてきたけれど、いまはそれどころじゃないの。私は咲夜にお花の束をプレゼントして、咲夜に喜んでもらうの!
「咲夜! でかけてくるの!」
なんだか気持ちがうきうきしてきた。背中のお羽をぱたぱたさせて、お部屋を飛び出す。
「あっお嬢様、もうすぐお食事のお時間ですよ!」
ご飯なんていらないの、私はいますぐお花を探しに行って、咲夜に渡すの! 廊下を走っていると、そういえばって思った。あのお話の男の子は花言葉とゆーものも調べていたなって。そうだ、私もそういうところに凝ってみようかしら。こんなときは、えーと、うーんと。
「そうだ、パチェだ!」
ひとみからお星様がとびだしてしまうんじゃないかってくらい私はるんるん気分だった。図書館までの階段をスキップですすんでいく。
「パチェ! どこーー!!」
地下二階の踊り場からめいっぱいの声をだしてパチェを呼んだ。どこかな? また本にうもれてひんしになっていないかな?
「図書館ではお静かに、お嬢様」
「あ! 小悪魔! ごめんね、しずかにする!」
「はは……お元気ですねぇ今日も」
小悪魔はちいさく笑い声をもらしていた。なんとなく、とほほって感じ。
「ねーねー、パチェどこー?」
「あぁ、パチュリー様なら砂場にいらっしゃいますよ」
「お砂場ね! 小悪魔ありがとう!」
小悪魔からパチェの居場所をきいた私はお部屋から日傘をとって、駆け出したの。びゅんびゅん走るとパチェの後姿がみえてきた。
「パチェー!」
館のうしろにお砂場はある。地下の図書館から地上に出る階段の、ちょうど近く。だからパチェはよくお砂場で研究してるの。
「あ、レミィ。どうしたの?」
パチェはおでこにちょっぴり汗をかいて、自分の背と同じくらいの砂のお城の前にたっていた。
「ちょっとパチェにききたいことがあって。今日はパチェ、なんの研究?」
「どのくらい大きなお城が作れるかの研究!」
パチェはにこっと笑って両手を広げた。そのしぐさがなんだか可愛くて私は思わず言ってしまったの。
「パチェ、きょうもかわいいね!」
するとパチェはきょとん、ってしたあと、ぼぼぼって顔に火がついたみたいに赤くなった。
「レミィもかわいい!」
「ありがとう。そうそう、パチェ、お花のこと知らない? なんだっけ、えーっと花言葉とゆーやつ」
パチェをさがしにきた理由を思い出して聞いてみる。パチェなら知ってるかな?
「うーん、わからない。図書館に本があるとおもうよ。でも、お花とかなら、めーりんのほうがきっとくわしい」
「美鈴! それはもうてんだった。ありがとうパチェ!」
パチェに手を振って、たったっと走り出す。そうだ、美鈴だ! いつもお花畑のお世話してる美鈴ならいろいろ知ってるかも!
「えーっと」
美鈴はどこかな? 門番だから、門かな?
「めーりーん!!!」
紅魔館はひろいけど、呼べば誰かがきてくれる。美鈴くるかな?
「お嬢様、探しましたよ」
しゅんって咲夜があらわれた。また時間をとめたのかな? これはまずいぞ。今は咲夜に秘密のこうどうちゅうなのだ。おひるごはんなんかに捕まっているひまはないのだ! それ逃げろ! びゅーん! そんな音がしそうな速さで私は逃げたの。よし、とりあえず門にいこうかなって思って飛んでいると、私はおどろきのしゅんかんを見てしまった!
「あーっ!」
美鈴がねてる! おしごとちゅうなのに! 私が門の上を飛んで回り込むと美鈴がぐーぐー眠っていたの。壁によっかかって気持ちよさそうに寝息をたてる美鈴は幸せそうだった。起こすのはかわいそうかな? いや、私はあるじなのよ、じゅうしゃのしょくむたいまんを放ってはおかないわ!
「めーりん、おきてー」
ゆさゆさと体をゆする。そのうちとろんとした美鈴の目と目が合ったの。
「あ」
美鈴はびくっとして、いっしゅんで冷や汗をだらだらかいた。
「おっおじょーさま! 申し訳ありません!」
「いいのいいの。それよりお花のことおしえてー」
お花ですか? と意外なことをきかれたかのように美鈴がききかえす。
「そうお花、ついでに花言葉も」
「あーっ咲夜さんにプレゼントですねー」
美鈴がひまわりの花が咲くみたいにあったかく笑う。
「しーっ、まだ咲夜にはひみつだから、しずかに!」
それにしても、美鈴はどうしてわかったのかな? もしかして、美鈴もあの絵本よんだことあるのかな?
「咲夜だいすき! って花言葉のお花ない?」
「あはは、ありますよ、ありますよーたくさんあります」
「ほんとっ!」
私はぜんしんに嬉しさがこみあげてきたの。背筋がきゅーんってするかんじ。
「おしえて!」
「定番はバラですね。カスミソウに、カトレアに、ルピナスに、ラベンダー。大好きって気持ちを伝えるお花は数え切れないくらいいっぱいあるんですよ」
かすみそう? るぴなす? あっラベンダーはきいたことあるの! 咲夜が私の部屋によくかざってくれる。あとバラは私もだいすき!
「どこにいけばあるかなぁ」
「花畑に咲いているものでしたら、おつつみいたしますよ。今の季節だと、ジャスミンなんかがいいですね」
じゃすみん! いつか咲夜がそんなお茶をいれてくれたことがあるなぁ。
「じゃすみんはなんて花言葉?」
「あなたは私のもの、ですよ。お嬢様にぴったりじゃないですか」
「それ! それちょーだい!」
てぃーんときたの。これだ! って思ったの。咲夜は私のもの! なんていいひびきなのかしら。
「分かりました。今お包みしますね」
美鈴は門を留守にするからといって近くにいたメイドに門をまかせて、私の手を取ってお花畑へと歩き出した。
「お嬢様、咲夜さんきっと喜ばれますよ」
「うれしすぎて泣いちゃうかもね!」
「そうですね」
ぽかぽかした陽気の中で美鈴が日傘を持ってくれる。あったかいなーきもちいいなー。
「さぁ、お好きなものを選んでください」
「わぁ!」
いいにおいの風がそよそよとふいている。白くて、ほんのり桃色付いたお花が見渡す限りいちめんに咲いていた。
「いっぱい! 咲夜に抱えきれないくらい大きな花束を贈るの!」
これと、これと、これと、いっぱいとるの。細い茎をぽきっと折ってお花をつむ。
「あっお嬢様これをお使いください」
美鈴がエプロンのポケットからはさみを取り出す。
「ありがとう!」
「あぁ、お嬢様、なんて罪な可愛さでしょう……」
「?」
顔を手で覆っている美鈴をほうっておいて私はお花の茎をちょきんとはさみで切る。一本、二本、三本と、本数が増えていくうちに手では持ちきれなくなってきた。
「お持ちしますね」
美鈴がそっと私の手から花束を持ち上げた。しばらくちょっきんちょっきんという音だけがひびく。
「これくらいかな?」
数えきれないくらいのじゃすみんが私と美鈴の手の中にはあった。
「きれいですね。さっそくお包みしましょう」
館に入る前に流し場でてを洗う。きれいにしないとね。美鈴も、お花を一回おいててをあらっていた。ひんやりとした水がきもちよかった。きゅうけつきだけど、このくらいのお水はへいきなの。つよいでしょ?
「これにする!」
美鈴のお部屋で花束をつつむ紙をさがしていたの。ぴこん! ってきた紙がようやく見つかった。それは、薄ももいろで、さわり心地がいい柔らかい紙なの。
「これで、よし」
お部屋からもってきためっせーじかーどに、クレヨンでもじを書いた。これをそえるんだ。
「可愛らしいですね。さぁ、届けに行きましょう」
「ありがとう美鈴! いってくるね!」
どきどきして、ほっぺたがあつくなってくる。咲夜はよろこんでくれるかな。なんていうかな。廊下をるんるん飛び跳ねながら咲夜のところにむかう。あれ? でも咲夜はどこにいるんだろう。
「さくやーー! どこー!」
おおごえでさけぶと、咲夜がいつものとおりしゅーんって私のまえにあらわれた。やっぱり咲夜はすごいなぁ。
「お嬢様、どうされましたか? お食事なら用意できております」
「あのね、あのね」
後ろ手にもった花束が見えていないかな、だいじょうぶかな。
「咲夜、これ!」
おもいきってお花をてわたす。きんちょうして、ぎゅーって握っていたからすこし紙がおれちゃった。
「えっ、お、お嬢様? これは、いったい」
咲夜がおどろいてる!
「咲夜、だいすきだよ!」
めっせーじかーどにかいた言葉といっしょ。咲夜、大好き。それがつたえたくて、この花束をおくるの。
「ふぇ、お、お嬢様……」
いつにもなくかわいい声をだした咲夜がうつむいたとおもったら、いきなり私にだきついてきた。私の肩にぽたぽたと水滴がおちてくる。
「身に余るしあわせでございます、お嬢様……」
まいったなぁ、ほんとうに泣いちゃった! でもこんな咲夜もかわいいね? やっぱり私は咲夜がだいすき!
最高のレミ咲でした!
パチェも可愛かったなあ...。
紅魔館は今も昔も平和です。
あと砂場で真剣に遊ぶパッチェさんもかわいいです。