Coolier - 新生・東方創想話

Luna Child including The Dream and The Illusion

2009/06/25 22:24:37
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どん、どんと、錫杖を地に打ち付ける。
しゃらり、しゃらりと、連なる輪が音を立てる。


空には月が、母親の笑みを浮かべながら、ぷかぷかと浮いている。
私が月の子の役目を果たしているから、月は今日も何事もなく浮き沈みをする。


月が沈むのと時を同じくして、私には眠りが訪れる。月が昇るのと時を同じくして、私には目覚めが訪れる。
ずっとずっと、その繰り返し。どうやっても、この繰り返しから抜け出す事は出来ない。


私は今日も月の為に舞いながら、近頃見る夢を思い出す。
夢の中の私は、日の光の下で、太陽のような子と、星のような子と、三人一緒に遊んでいる。
私は一度も太陽を見た事がないから、そんな事はありえないのだけれど。


私は月の子。だから一人で、永遠に月の為に舞い続ける。


きっと永遠に、この優しい幻想を思い返しながら。


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「ねー起きなさいよルナ」
そして私は目を覚ます。


「…どうしたの?なんで泣いてるの?」
不思議な夢を見ていた。私が独りで、永遠に月の為に舞い続ける夢を。


その世界にはサニーもスターも、他の誰も居ない。
とても、とても哀しい夢。だから私は、涙を流していたんだろう。


「夢なんてどうでもいいじゃない。さあ、今日も悪戯にいきましょう」


夢の中の私が待ち続けた、太陽のような笑みで、サニーはそう言った。


******


どん、どん。
しゃらり、しゃらり。


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オレのそばに近寄るなああ───────────ッ!(紅い王様の宮殿の方の方言でこんにちはの意味)
最後までお付き合い下さり有難う御座いました。
初めましての方は初めまして、そうでない方は復讐ハジマタな自分のSSを再び手に取ってくださりありがとうございます。

昔国語の教科書に載ってたと思うお話とキングクリムゾンのムーンチャイルドを混ぜ混ぜしてみたらこんな話になりました。幸せな夢を見る者は果たして幸せなのか。

タイトルはムーンチャイルドの原題をもじって付けました。この話を書く切っ掛けになったのはこの曲ですから。

それでは、また機会があれば次の話も読んで頂けると嬉しいです。
目玉紳士
[email protected]
http://medamasinsi.blog58.fc2.com/
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コメント



0.430簡易評価
6.60名前が無い程度の能力削除
クリスティーナ・リッチは美人
13.70yuz削除
タップダンスもお手の物