※ 今作は、同作品集の「今日はレミ霊などいかがでせうか?」の省略された
フラマリでございます。
話の筋としては、霊夢と別れた後の魔理沙の行動“から”になりますので、
前作を読んでいなければ話がわからない部分がございます。
異様なまでの不親切設定ですが、あらかじめご了承願います…
あと、ちょっと(?) 描写的に百合成分強めです… ご注意くださいませ。
私、魔理沙が簡単にあらすじを説明するぜ。
昼頃になってご飯どうしようかなー、とか考えてたら突然霊夢の飯が食いたくなったんだ。
思い立ったら即行動! 博麗神社に一っ飛びだぜ!
それで到着して挨拶をしても霊夢の返事が無かったんだよ。
おかしいと思って居間を覗いてみると、そこには霊夢の姿が。
でも、様子が変だ。なんか不気味に笑いながら何かを抱いているようだ。
近づいてわかったが、どうやらそれはレミリアで、霊夢は朝から抱いているのだと言う。
曰く、『求められたから応じたのだ』とかなんとか。
簡単に言うと、レミリアの可愛さにやられちまったらしい。
興味が湧いたから私もちょっと抱いてみたくなったんだが、即拒否られたんだ…
そこで霊夢が、『あなたはフランでどうよ?』な感じの事を言ったので、私は紅魔館まで足を運んだ…という訳だぜ。
「さて、霊夢に勧められるままに来たけど、本当にいいもんかねぇ?」
「あ、魔理沙さんじゃないですか。
今日はどういったご用件ですか?」
「おう、門番じゃないか。
今日はフランに会いに来たんだよ」
「妹様ですか? 今はお休みになられてますよ」
「大丈夫だぜ。私の狙いはまさにその状態だからな」
「狙い…? 何のことですか?」
「ともかく、私は一刻も早くフランに会わないといけないんだ」
「ん~… ご案内はしますけど、妹様に危害は…」
「安心しろよ。今日はそんなことにはならないはずだぜ」
「ならいいですけど…
どうぞこちらへ」
普段は突破するところだが、ドンパチやるとフランが起きちまうかもしれないからな。
ここはゆっくり慎重に行くとするか。
「あら、美鈴。どうしたの? 屋敷に何か用事?」
「あ、咲夜さん。
いえ、魔理沙さんの案内を…」
「ぃよっ」
「魔理沙の案内? どこに行きたいの?」
「それが…」
「フランに会いに来ただけだぜ」
「妹様? 今はお休みになられてるわよ?」
「私もそう言ったんですが、何でもそれが狙いだとか…」
「それが狙い…?
一体今度は何をしでかすつもり?」
「そんな大層なもんじゃないぜ。
ただフランの寝顔を見てみたいと思っただけだぜ」
「寝顔? また突然なことを言い出すわね」
「いや、霊夢に勧められてな」
「霊夢に会ったの?
どんな様子だった?」
「大分おかしくなってたぜ」
「そう… 少し早めに迎えに行った方がよさそうね。
…それで、あなたは霊夢に言われて妹様に会いに来たのね?」
「その通りだぜ」
「成程ね…
なら私が連れていくわ。美鈴、あなたは仕事に戻りなさい」
「いいんですか?
それならお願いしますねー」
門番改め美鈴が戻ってしまった。
私と咲夜の二人だけになったが、なんか咲夜の雰囲気が変だ。
なんというか… ピリピリしてるのか?
「魔理沙。あなたは霊夢の姿を見て、それでも妹様に会うことを決意したのね?」
「ん? まぁそういうことになるか。
なんでそんな重々しい言い方なんだ?」
「いいから。
相応の覚悟があってのことなのよね?」
「覚悟? そんなのいるのか?」
「生半可な気持ちでは火傷で済まないわよ。
本当に妹様の寝顔を見たいなら、気を引き締めなさい」
咲夜と歩きながら会話しているのだが、なんでこんな物騒な話になったんだろう?
確かにフランは危険かとは思うけど、今やそこまで警戒する必要あるか?
初めて会った頃と比べれば大分丸くなったと思うんだが…
「う~ん…
よくわからないけど、気をつけるぜ」
「…まぁいいわ。あなたが決めることだものね。
さて、着いたわよ…」
案内されたのは、割かし見慣れたフランの部屋に通じる扉。
あんな話をされたからだろうか、いつもより重々しく感じるぜ…
「私はここまでよ。
武運を祈るわ…」
扉が軋みながら開く。
この中に一体何が待ち受けているのか…!
◆ ◆ ◆
「相変わらず暗くて不気味な場所だな。
あいつも早く自由に外に出られるようになればいいんだけど…」
こんなこと私が思うのは筋違いなのかもしれないけど、それでもやっぱり哀れみの念は禁じ得ない。
あいつはもっと外の世界を知るべきなのに…
「それで、肝心のフランは………っと」
「すー………」
当の本人は私の懸念を余所に、何とも幸せそうに就寝中だ。
こんな姿を見ると、こいつが危険だなんてどうしても思えない。
「よっと…
まぁ近くで見るまでもなく、可愛らしい顔してるよな」
「くー………」
「ふふ… 穏やかに眠ってら」
起こさないようにベッドに腰掛けて、まじまじとフランの顔を観察する。
こいつの寝顔は初めて見たが、確かに愛おしさを覚えるであろう。
「可愛いのは間違いないと思うんだが、咲夜が言うほどかなぁ?」
「すー……んぅ…」
「お?」
そうこう考えている内にフランが寝返りを打った。
その際に髪が顔にかかり、少しばかり寝苦しそうだ。
「…ん………」
「やれやれ、しょうが無いなあ」
顔にかかった髪を退けてやる。
その時に当然髪に触れるわけだが、これがなんとも…
「…これは凄いな。
柔らかそうだとは思ってたけど、まさかこれ程とは…」
「…すー……」
「それにサラサラしてて…
こんな手触り初めてだぜ」
「…くー……」
「やば… これはずっと触っていたいな…」
フランも起きないので、しばらく髪を触ることにした。
薄暗い部屋に、なんとも穏やかな時間が流れる。
「んー、霊夢の言う通りって訳じゃないけど、これは病み付きになるなぁ。
それに、この時間が続くならどれだけいいことだろう…」
「すー……ふふ……」
「おっと、くすぐったかったか?
ふふ…ごめんな?」
優しく撫でるように髪を梳いてやると、フランは気持ち良さそうに顔を緩めた。
なるほど… 霊夢がレミリアを離したくなかった理由がわかるな。
私もこの時間を邪魔されたくないし、この笑顔を守りたい。
フランの寝顔を見てると、自分の顔も緩んでくるのがわかる。
この気持ちは何だろうな?
傍に居てあげたい。安心させてやりたい。そんな気持ちになってきた。
「これからもずっと私が一緒に居てやるからな…
いつか、外で思いっきり遊ぼうぜ」
「すー………」
「…こんな顔する奴が危険なはずないじゃないか。
こいつは純粋過ぎるだけなんだよ…」
フランは何も知らないだけ。
だから私が傍に居て、沢山の事を教えてやるんだ。
こいつが一日も早く自由に動けるようにな。
「それまでは少し辛抱しないといけないかもな…」
「…んぅ………まりさ…?」
いけね… ちょっと喋り過ぎたようだ。
フランが目を覚ましてしまった。
「あぁ、魔理沙だぞ」
「…どうしてここに…?」
「お前の顔が見たくなっただけさ。
まだ眠いんだろ? 私の事はいいから、ゆっくり寝ろよ」
「でも…せっかく……」
「いいから寝とけって。
私は傍に居るから」
「うん……ありがとう…」
「別にいいって」
「んー……まりさ…」
「お、おい…」
私の方ににじり寄ってきたかと思うと、フランは私の太腿の上に頭を落ち着けてしまった。
俗に言う膝枕状態ってやつだな。しかし、これでは動くに動けない。
「参ったな…」
「すー……」
「…ま、いいか」
フランの寝顔を見ていると、何だかどうでもよくなってきた。
それに膝に乗っかる軽い重さと温もりに、どこか心地良ささえ感じる。
この微かな温もりは、フランがここに生きていることの証。
何よりも愛おしい暖かさなんだな…
「ふぁ~……
…なんだか私まで眠くなってきたな…」
そういえばさっき昼飯を食ったばかりだった。
お腹一杯だし、こんなのんびりしてたら眠くもなるか。
「することもないし、私も一眠りさせてもらうかな…」
「すー……んぅ………」
私がベッドに寝そべると、フランが寝返りを打って、私の上半身に顔を向ける形になった。
横を見やると、小さな手が目に入った。
私は何も考えずに、その手を軽く握ってやることにした。
握った手は確かに小さかったが、私の手で包み込めるほどではなかった。
それでも、互いの温もりが感じられる…
「母親みたい…か。
さっきは霊夢をからかって言ったけど、人のことは言えないかもしれないぜ…」
「…くー………」
「…ホントに眠いな…
私も寝よう… お休み…フラン……」
願わくば、この幸せがずっと続きますように………
~ ~ ~
「……ん…ここは……?
…あぁ、フランに会いに来たんだったな…」
寝起きには不慣れなベッドだったので、自分がどこに居るのか忘れてしまっていた。
「んー… どれくらい寝てたんだろう…
時間がさっぱりわからないぜ………あれ、フラン…?」
膝からフランの重みが無くなっていることに気づき、周囲を見渡してみる。
しかし寝ぼけ眼なうえに、まだ目が暗闇に慣れていないのでハッキリわからない。
ただ、握った手の温もりは離れていないので、どうやら傍には居るようだ。
「ようやく見えるようになってきたな…
フランはどこに……っ!!」
「すー………」
素直に驚いた。
真横を見ると、目の前にフランの精巧な作りの顔がアップで映し出されたのだ。
眠っている間にここまで移動したのだろうか…?
「…驚かせやがって…
心臓が止まるかと思ったぜ…」
「すー……」
「…それにしても、少し近過ぎやしないか…?」
私たちの顔は互いの吐息がかかる程に近く、フランが呼吸する度にこそばゆさが私を襲う。
それに、何とも甘い匂いが私の鼻をくすぐり、私の思考を掻き乱す。
得も言われぬその香りに、私の手の力は自然と強まった。
「………」
「んぅ…はぁ……」
「フラン……」
強まる力に呼応するかのように、フランがさらに甘い吐息を零す。
それが私の思考をさらに狂わせる。
口から衝いて出た言葉はフランの名で、私の視線はフランの口元から外せなくなってしまった。
「…まり…さぁ………」
「………!!」
もう限界だった。
甘く切なげに囁かれたのは私の名で、それが引き金になった。
このままフランを抱き締めてしまいたい。欲望のままに貪りたい。
しかし、私の中にある理性がそれを許さない。
だがこの想いを無理矢理押さえつけると、本当に頭がどうにかなってしまいそうだ。
そんな時、ふとフランの唇が目に入った。
私を狂わせた元凶だ。
「フラン…」
「…ん……は…ぁ……」
フランの吐息は私を襲い続けている。
これ以上狂ってしまっては本当に欲望のまま行動してしまう。
それは、きっと私もフランも傷付いてしまう、誰の為にもならないことだ。
蕩けた頭でどうしたらいいかを必死に考えた。
これ以上狂わないためには… 元凶を塞いでしまえばいいんだ…
「フラン……」
「はぁ……ま…りさ……」
再度フランの名を呼ぶ。
ただそれだけのことなのに私の気持ちは何倍にも昂ぶってゆく。
私の名を呼ぶフランの声も、この気持ちに拍車を掛けているだろう。
もう本当に限界だ… フラン…
「…ん………」
「……んぅ……」
手を握り合ったまま、私たちは静かに口付けを交わした。
…正直、この選択は失敗だったかもしれない。
先程よりも近い距離でフランの吐息が私を襲う結果となった。
それ以上に、これまでの甘さなど比較にならないくらいの官能が私の精神を刺激した。
キスがこれほどまでに気持ちのいいものだったなんて…
「ん…はぁ……ちゅ…んむ…」
「んむ…! は…あむ…!」
突然フランの動きが活発になった。
今や、ただ唇を触れ合わせる行為ではない。
いつの間にかフランは私の体に覆い被さり、私の口を開き、舌を絡めてきた。
さらなる快感の波に、私の頭は完全に蕩けてしまった…
気持ちいい… ずっとこの波の中にいたい…
「ちゅ……あむ…ちゅ…………ぷはぁっ…
ふぅ… もう~、魔理沙ったらようやくキスしてくれたね。
名前を呼んでばっかりで煮え切らないから、私から行くところだったんだよ?
でもちゃんと魔理沙からしてくれたから、嬉しかったな♪
じゃあ魔理沙、これから何して遊ぶ?
…魔理沙、どうしたの? おーい、魔理沙ー?
…もしかして、のぼせた?
…やりすぎちゃった♪」
全ては計算の上だったというのか!
私はフランの掌で踊っていたにすぎなかったようだ…
咲夜の言う通り、覚悟が足りなかった…
ともあれ… フラン…恐ろしい子…!
いや、作品の出来が、というわけではないです。
アウトかセーフか、むぅ・・・
点数分セーフだと思います。あと、これは作品に対しての評価でもありますので・・・
とにかく!他の作品ともリンクしていておもしろかったです。
ただレミリアのと比べるとちょっとボリュームががが
前作よりかはインパクトが落ちた気がしました
それまではパーフェクト
20点はその分です。
もっと堪能したかった。
と某新世界の神よろしく笑っているのが脳内再生されたのは秘密。
これがアウトなら俺はとっくに死んでいるぞ!
今回は残りHP1まで追い詰められたがな。E缶が手元にあったので助かったぜ。
だが、これはボリュームと衛生兵が欲しいところですねwww