まえがき
この物語は三次創作です。
二次創作に興味がある人はニコ動ででも「死奏憐音、玲瓏ノ終」と検索して下さい。歌い手はnayutaさんです。
~願わくは 桜の下で 春死なむ
この如月の 望月の頃~
満開の桜も散り始めた、ある満月の夜のことだった。
「今年の桜ももう終わりね。」
私は目の前の妖怪の賢者にではなく、独り言のようにつぶやき、後ろの桜の巨木に体を預けた。
里では妖怪の賢者だが、私の友人である八雲紫も独り言のようにつぶやく。
「今年も西行妖だけは満開にならなかったわね。」
見上げると他の桜とは違い花びらに紅が混じった桜がほのかに吹く風に揺られている。
「八分咲きってところかしらね…」
桜の花びらは風にあおられ花吹雪で私たちの視界を奪う。
西行妖は特別な桜で、その花びらは死者の魂で形成されている。
彼女を喜ばせるために西行妖を満開にさせようと数多の人間の命を奪ったこともある。
暖かい春風に舞う幾つもの命をあなたは綺麗だと言った。
その言葉が嬉しくて私は花びらの数だけ死を誘う。
こんなにも美しく散る最期なら彼らも報われるでしょう。
西行妖、今宵も紫月の下に咲き乱れる。
「幽々子、西行妖を咲かせすぎてはダメよ。その桜は魔力が高すぎていずれ多くの死を招くわ。」
紫に言われるまでもなく私は西行妖を封印するつもりだった。
あくまでこれは私の最後のわがままである。
「さよなら、紫。後のことは頼むわよ。」
そう言って私は自らの能力で自らを殺した。
そして西行妖が二度と咲くことのないように紫に封印を施してもらった。
「それが、私の死の理由よ。」
私は目の前の庭師にところどころかいつまんで話した。
一応、私の剣術指南役でもある庭師は
「幽々子様はだからそんなに桜が好きなんですね…」
と、幽霊である私に線香をあげようとしたので線香を思いっきり蹴り飛ばしてやった。
「危ないことするわね…」
間接的に死ねと言われた様なものだ。
「私が成仏したら西行妖の封印が解けるのよ!!線香じゃなくてせめて桜の花にしなさいよ!!」
「冗談ですよ。いくら私でもそこまで馬鹿じゃありませんよ。」
まったく、この庭師は未だに何を考えているかよくわからないわね。
そんな、いつもの1日だった。
この物語は三次創作です。
二次創作に興味がある人はニコ動ででも「死奏憐音、玲瓏ノ終」と検索して下さい。歌い手はnayutaさんです。
~願わくは 桜の下で 春死なむ
この如月の 望月の頃~
満開の桜も散り始めた、ある満月の夜のことだった。
「今年の桜ももう終わりね。」
私は目の前の妖怪の賢者にではなく、独り言のようにつぶやき、後ろの桜の巨木に体を預けた。
里では妖怪の賢者だが、私の友人である八雲紫も独り言のようにつぶやく。
「今年も西行妖だけは満開にならなかったわね。」
見上げると他の桜とは違い花びらに紅が混じった桜がほのかに吹く風に揺られている。
「八分咲きってところかしらね…」
桜の花びらは風にあおられ花吹雪で私たちの視界を奪う。
西行妖は特別な桜で、その花びらは死者の魂で形成されている。
彼女を喜ばせるために西行妖を満開にさせようと数多の人間の命を奪ったこともある。
暖かい春風に舞う幾つもの命をあなたは綺麗だと言った。
その言葉が嬉しくて私は花びらの数だけ死を誘う。
こんなにも美しく散る最期なら彼らも報われるでしょう。
西行妖、今宵も紫月の下に咲き乱れる。
「幽々子、西行妖を咲かせすぎてはダメよ。その桜は魔力が高すぎていずれ多くの死を招くわ。」
紫に言われるまでもなく私は西行妖を封印するつもりだった。
あくまでこれは私の最後のわがままである。
「さよなら、紫。後のことは頼むわよ。」
そう言って私は自らの能力で自らを殺した。
そして西行妖が二度と咲くことのないように紫に封印を施してもらった。
「それが、私の死の理由よ。」
私は目の前の庭師にところどころかいつまんで話した。
一応、私の剣術指南役でもある庭師は
「幽々子様はだからそんなに桜が好きなんですね…」
と、幽霊である私に線香をあげようとしたので線香を思いっきり蹴り飛ばしてやった。
「危ないことするわね…」
間接的に死ねと言われた様なものだ。
「私が成仏したら西行妖の封印が解けるのよ!!線香じゃなくてせめて桜の花にしなさいよ!!」
「冗談ですよ。いくら私でもそこまで馬鹿じゃありませんよ。」
まったく、この庭師は未だに何を考えているかよくわからないわね。
そんな、いつもの1日だった。
重い話なのにさっぱりすぎる
どんな時でも泰然としつつ、それでいて優雅なのが幽々子だと俺は勝手に信じているので高評価は出来ないな。
捨て果ててきと思ふ我が身に
西行法師